元被告 桜井昌司さん つくばの上映会で訴え

上映会のトークショーで話す布川事件元被告の桜井昌司さん㊨と金聖雄監督=つくば市竹園のカピオホール

【崎山勝功】冤罪事件の元被告たち5人の交流や日常生活を描いたドキュメンタリー映画「獄友(ごくとも)」のつくば上映会が18日、つくば市竹園のつくばカピオホールで開かれた。映画に登場した布川事件=メモ=元被告の桜井昌司さん(71)が参加し、警察による自白偏重の捜査活動を改めて批判した。

会場では桜井さんと、同映画を製作した金聖雄監督(54)とのトークショーが開かれた。桜井さんは自身の体験を元に「あの方たち(警察)は、逮捕状を得たら犯人と確信して、あとは『やった』と言わせるために(元被告たちを)殴っても蹴ってもいい、って昔は言われていた」と話した。さらに現在、東京地裁で審理中の国家賠償請求訴訟について触れ「裁判で警察がうそついちゃダメじゃん、裁判で検察庁が証拠隠ししちゃダメじゃんと言うだけ。裁判でうそをついた警察官を処罰する、裁判で証拠隠しをした検察官を処罰する法律を作らせたい」と訴えた。

桜井さんは、十数年前から茗渓学園(つくば市稲荷前)で高校1年生向けに冤罪についての講演を行っており「高校生には真剣に伝わっている」と感じるという。映画について「若い人も含めて、今の社会に迷ったり悩んだりしている人に見てほしいし、『今の日本がいい』と思っている人にも見てほしい」と呼び掛けた。

同上映会は日本国民救援会県本部が主催した。3月から水戸を皮切りに始まった「茨城縦断上映会」の一環で、県南地域では取手に次いで2カ所目。つくばでは昼・夜の部合わせて約130人が鑑賞した。同会の柴原充つくば支部事務局長は「映画にも登場する袴田事件=メモ=は、筑波大の先生が再審開始のDNA鑑定で関わっているので、筑波大でも茨城大でも上映してもらえれば」と話した。

映画製作元のキムーンフィルムでは自主上映会の開催を受け付けている。金監督は「県内の大学でも自主上映会をやってもらえれば。若い人にもぜひ見てほしい」と語った。

映画「獄友」のワンシーン。桜井昌司さん㊨が袴田事件元被告の袴田巌さんと将棋の対局をする場面(キムーンフィルム提供)

※メモ
【布川事件】1967年に利根町布川で起きた強盗殺人事件。桜井昌司さんと故・杉山卓男さん=2015年死去=が逮捕起訴され無期懲役判決を受けた。09年に再審開始。11年5月24日に水戸地裁土浦支部で無罪判決が確定した。現在桜井さんは県と国を相手取り国家賠償請求の裁判を東京地裁で行っている。

【袴田事件】1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生した強盗殺人放火事件。裁判で死刑が確定していた元被告の袴田巌さんが冤罪を訴え、2014年に静岡地裁が死刑と拘束の執行停止、裁判の再審を命じる判決を出し仮釈放された。