16、17日 JAXA美笹局プロジェクト完了記念
太陽系と宇宙の起源を解き明かそうと、地球から200万キロ以上離れた遠い宇宙を飛ぶ探査船と交信するための、直径56メートルの大型パラボナアンテナが長野県佐久市のJAXA(宇宙航空研究開発機構)美笹(みささ)深宇宙探査用地上局にある。性能をより向上させる「グレート2プロジェクト」がこのほど完了し、記念イベントが16、17日につくば市吾妻、つくばエキスポセンターで開かれる。「遠い宇宙と地上をつなぐ唯一の絆」だという大型アンテナの魅力と秘密をJAXA職員など専門家から直接聞く機会となる。主催はJAXA。
アンテナは、同じく佐久市にある臼田宇宙空間観測所で30年以上運用されてきた直径64メートルのアンテナの後継機。高度化する近年の宇宙探査に対応するために設計され2021年3月に完成した。今回完了した新プロジェクトは、信頼性と運用性のさらなる向上と、海外機関の探査機支援を柔軟に行うことが目的だ。
イベントでは、エントランスホールで開かれる大型アンテナに関する詳しい解説の他に、コンピュータグラフィックス(CG)による立体映像が上映される3DシアターでのJAXA職員によるミニ講演が催される。17日に開催される専門家による参加型のワークショップでは、パラボナアンテナがどのように宇宙の音を集めているのかを体感できる。
また2020年に小惑星リュウグウの物質を地球に持ち帰り、現在も宇宙空間を飛行し続ける小惑星探査機「はやぶさ2」の実物大模型と、火星衛星探査機「MMX」の50分の1模型が展示される。
エキスポセンターの企画担当者は「今回は、諸事情により大型パラボナアンテナの模型は未完成での展示になるが、実物大の探査機模型を間近で見ることができる。専門家による解説もあり、ぜひ、多くの方に参加していただければ」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔)
◆「JAXA美笹深宇宙探査用地上局プロジェクト完了記念 特別展示『美笹局、できました。~深宇宙探査を支える大型パラボラアンテナ~』」は16日(土)、17日(日)の2日間、つくば市吾妻2-9、つくばエキスポセンターで開催。開館時間は午前9時50分~午後5時(入館は午後4時30分まで)、入館料(展示場のみ、プラネタリウムは別途必要)は18歳以上500円(消費税込)、4歳~高校生は250円(同)。
▽美笹局アンテナ解説は①16日午前11時〜➁同午後2時〜➂17日午前10時45分〜④同午後1時30分〜の4回
▽JAXA職員による3Dシアターでのミニ講演は①16日午後1時〜➁同午後4時30分〜➂17日午後2時30分〜④午後4時30分〜の4回
▽専門家によるアンテナ博士の実験教室は①17日午前11時30分〜➁同午後3時〜の2回。いずれも参加自由。