ミュージアムパーク茨城県自然博物館
【PR】ミュージアムパーク茨城県自然博物館(茨城県坂東市)は、入館者が操作できる卓上走査電子顕微鏡(SEM)を導入した。観察に必要な操作はすべてタッチパネル操作。子どもたちに「また行きたい」と思わせる、魅力ある新たな展示になりそうだ。
「もう一度行きたい」と子どもがねだる場所
県自然博物館は年間40万人以上の入館者を誇る。国内の自然系博物館を見渡すと10万人台にとどまる博物館が多く、入館者数の多い博物館はそう多くない。そうした中、同博物館は自然系博物館の中では最も入館者の多い施設の一つになる。
一方でアクセスがいいわけではないと横山館長は話す。つくばエクスプレスの守谷駅から出るバスのうち、同博物館の開館時間に合う便は実質1日2本。しかも最寄りのバス停から10分ほど歩かなくてはならない。土日祝日には博物館の敷地内に乗り入れる便が増発されるが、それも1日3本だ。
では、どうして入館者が多いのか。県自然博物館には小学校や幼稚園の団体を中心に年間7万人ほどが来館するという。しかも県内だけではなく、近隣の千葉県や埼玉県、あるいは東京都からも来るのだとか。見学を終えて家に帰ると「もう一度行きたい」と保護者にねだる子どもが多く、今度は保護者と一緒に自動車で訪れるという流れができているそうだ。


人を引きつける企画展、年3回ペースで
県自然博物館の特徴の一つは企画展が多いこと。2024年11月に開館30周年を迎えたが、30年の間に91回の企画展を実施してきた。概ね1年に3回のペースだ。
そしてこの企画展が「どれも面白い」と評判になるそう。例えば、変形菌、地衣類といったマイナーなテーマでも入館者は10万人を超えた。子どもたちに「また行きたい」と思わせる面白い内容になるようスタッフたちが工夫をしているのだ。

一つ例を挙げると、第87回企画展のテーマは「うんち無しでは生きられない!」だった(2023年7月8日~9月18日)。うんちが持つ多様な機能に着目しながら、うんちが自然界で果たしている役割を紹介する内容で、ゾウやパンダなどの実物のうんちも凍結乾燥させて展示。その充実の内容に興味を持った読売新聞社と東京ドームが「うちでもやりたい」と博物館に協力を求め、同企画を再構成した展覧会「うんち展 -No UNCHI, No LIFE-」を東京ドームシティのGallery AaMo(ギャラリー アーモ)で開催したほどだ(期間は2025年3月18日~5月18日)。
子どもたちに「また行きたい」と思わせる工夫は企画展にとどまらない。2025年2月、常設展示のコーナーにタッチパネルで操作できる卓上走査電子顕微鏡(SEM)を導入・設置した。入館者が自ら操作してミクロの世界を体験できる。


国内博物館初の入館者が操作できるSEM、そこには館長の長年の思いも
導入したのは日本電子の卓上走査電子顕微鏡「JCM-7000 NeoScope™」。日本電子の製品を選択した理由は、低真空モードと高真空モードの両モードが使えるといった機能面の評価もあるが、ユーザーインターフェース部分の開発要望に日本電子がフレキシブルに対応したことが決定打となった。観察に必要な操作は、すべてタッチパネル操作で直感的に可能だ。スマホに慣れた子どもたちは特に苦もなく操作ができる。同館によるとこのような電子顕微鏡の体験展示は国内の博物館では初だそう。
横山館長が以前、国立科学博物館に勤務していたときに、入館者にミクロの世界を体験してもらう企画を立て、何度か実施したことがあった。光学顕微鏡では見えない世界を電子顕微鏡で経験してもらいたいー。その貴重な体験に参加者はみな喜んだが、一方でサポートするスタッフには反省が残った。電子顕微鏡の操作は参加者に任せられないので常にスタッフが操作に当たる必要があり、時間の面でスタッフの負担が大きかったのだ。この企画は3年ほどで止めてしまった。
「スタッフの負担が軽く、入館者に喜んでもらう方法はないものか」。今回導入した電子顕微鏡は、館長の長年の思いに応える解決策でもある。


電子顕微鏡で見られる試料は今のところ、①アライグマの毛、②放散虫(海洋性プランクトン)、③チョウの鱗粉、④アジサイの花粉の4種類(2025年6月27日時点)、拡大率は最大約2万倍まで。導入してまだ日は浅いが、「あっ、あそこだ」とまっすぐSEM展示に走ってきた子どもがいたとか。早くもリピーター増につながる博物館の魅力の一つとして知られ始めている。
新しい試料の準備も続々と進んでいる。そのほかにも「学校と連携しよう」「イベントの中で活用しよう」「10人程度の参加者を募り、それぞれ持ち寄った試料をSEMで観察してもらい、その画像を持ち帰ってもらおう」といった活用のアイデアがスタッフの間でいくつも検討されているようだ。
「この博物館にまた行きたい」と思わせる企画が、このSEMを絡ませて次々と生まれてくる。その日が訪れるのはそう遠くない。

プロフィール
【横山 一己(よこやま かずみ) ミュージアムパーク茨城県自然博物館館長】1972年金沢大学理学部地学科卒。1977年東京大学大学院理学研究科博士課程修了。ハワイ大学地球物理学研究所研究員、金沢大学工学部助手、オークランド大学研究員などを経て国立科学博物館に奉職。同科学博物館においては地学研究部研究員、同主任研究官、同地学第一研究室長、地学研究部部長を歴任。2016年より茨城県自然博物館館長。






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