筑波大学1、2年生などが議員事務所やNPOなどでインターンシップを実施する事業を提供してきた学生団体「ドットジェイピーつくば支部」の存続が困難となり、10月、同水戸支部と統合した。つくば支部のスタッフ不足が背景にある。
つくばエリアで来年2〜3月に行われる春期インターンシップでは、水戸支部運営の下、活動先を一部の議員事務所に絞ってインターン生を募集し、実施を目指す。
ドットジェイピーは全国に約30カ所の拠点を持ち、大学生スタッフが中心となって、若者の投票率向上を目的に活動するNPOだ。学生が長期休暇に入る春期と夏期にインターンシップ事業を提供し、全国で4万人以上の学生が参加している。
つくば支部の始まりは、2008年に千葉茨城支部が発足したこと。その後、分割を経て16年に茨城支部となり、17年につくば支部と水戸支部に分かれた。
不在者投票所設置も
つくば支部の参加学生は希望に応じて、議員インターンシップとNPOインターンシップを選択し、春期(2〜3月)、夏期(8〜9月)のいずれかの2カ月間活動する。NPOは、発展途上国の農業技術開発に向けて活動する国際団体や、里山保全活動団体、動物愛護団体などと連携し、学生に体験の場を提供してきた。
同支部はほかにも若者層の選挙啓発活動に力を入れてきた。16年の参院選では、筑波大生の投票率を向上させるため、「投票率向上プロジェクト」を大学の協力を得て企画し、その一環として、市選挙管理委員会が期日前投票所を同大構内に設置したり、同大生に向けて選挙啓発授業などを実施してきた。22年の参院選、県議選では、投票すると飲食店などでお得なサービスを受けられる「センキョ割」を実施した。
「明確な目的もって行動」が魅力
水戸支部スタッフで、茨城大学1年の金子博雅さん(19)は、つくば支部のスタッフ不足による水戸支部との統合について「インターンを通してスタッフになり、活動するケースが多い中、つくば支部はインターンシップ事業に参加する学生が少なく、スタッフ獲得につながらないこと、また、新型コロナの行動制限がなくなり、学生自身がこれまで以上に(インターンシップではない)娯楽面に時間を割けるようになったことが影響し、スタッフ不足につながったのでは」と話した。
金子さんは23年の夏期に水戸支部の議員インターンシップに参加し、スタッフになった。インターン中にコロナにかかり、描いたように活動できなかったことを思い起こし、これからの参加学生のために全力を尽くしたいと思ったことがスタッフになったきっかけだ。「明確な目的を持って行動できるようになることがインターンシップの魅力」と話した。
水戸支部では現在、茨城大生を中心とした11人のスタッフが在籍しており、今月22日まで、春期インターンシップ参加学生を募集中だ。同支部では、議員インターンシップに加え、食品フードロスの解決を支援するNPOや児童クラブ、世代間のデジタル格差の解消に向けて活動するNPOなどでインターンシップを提供している。(上田侑子)