【コラム・浅井和幸】悲しいことに、20代を超えると身体的な能力は徐々に衰えていくものです。もちろん、何もしないよりも鍛えたほうが脳も衰えにくいし、成長することもあるでしょう。単純な能力では、50代は20代に心身ともに勝てないものです。しかし、単純な使い方でなく総合的な発揮の仕方では勝てる分野もあるかもしれません。
例えば自動車保険では50代の保険料は安くなります。統計的に交通事故を起こす確率が減るからですね。若い世代は総合的に事故回避能力が高いと言えるでしょう。
10代までは様々な経験を積んで(インプットして)、今後の人生に備える必要があります。脳もそのように出来ており、知的好奇心が発揮されやすい造りになっているそうです。単純な記憶力が中高齢層よりも高いものです。音楽を聞きながら英単語を覚える芸当は、若年層の特権かもしれません。
インプットにたけている若年層は心身の成長に有利ですが、成長とはつまり不安定さとも言えます。毎日が新鮮であることは、この先が見えないという不安につながります。それに対し、先達が安心感を与えることが必要になるのでしょう。
中高齢層も、インプットをおろそかにすると老害を招くことになりかねません。新しい情報も柔軟に受け入れていくことが大切です。しかし、この取り入れが苦手となっていく中、今まで学んできたことを再構築してアウトプット、表現することにたけた脳を生かしましょう。
たくさん学習の機会をつくる
「記憶」とか「物忘れ」とかの言葉を使うとき、どのようなイメージを持っているでしょうか。言葉などが出て来ない=記憶力が悪いと表現されますが、それは記憶していないのか、記憶しているけれど思い出せないのか、あまり考えたことがないかもしれません。
中高齢層は、思い出すことを練習することで脳の特性を生かせます。表現する方法も、今までのインプットを組み替えて様々なアウトプットができる練習をするとよいと思います。インプットを増やしたい場合は、たくさん学習の機会をつくってください。
表現を豊かに適切に行うことが、自分や周りの目標達成や幸福にプラスになることは間違いありません。せっかく学習した多くの経験を、いつも単純な繰り返しのアウトプットだけではもったいないです。さらには、自分や周りが苦しくなっていくようなアウトプットは残念なことだと私は思います。今よりもよいコミュニティ・家族・自分になるような、そして豊かに楽しくなるようなアウトプットを試行錯誤していきましょう。(精神保健福祉士)






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