【崎山勝功】つくばエクスプレス(TX)つくば駅近くの大型商業施設クレオ2階(つくば市吾妻)で営業していた書店「リブロ」(本部東京都豊島区)が、クレオの閉鎖に伴い、隣接のキュート2階に移転して11日から営業を再開した。新店名はリブロつくばキュート店。
「文化の発信拠点」を担う書店が全国的に減少傾向にある中、稲葉順店長は「(つくばは)30年来付き合いのある土地なので、つくばの本屋を守る」と意気込みを示した。その上で「ネット通販もあるけど、実際に見て、触れ、判断する手助けをしたい。書籍の中身を見て自分の感覚に合うかはネット通販では分からない」と、本と触れ合うことの重要性を説く。
同店は広さ約191㎡、取り扱い冊数は約4万冊。市内のショッピングモール内にある大型書店と差異化を図るため、理工系新書「講談社ブルーバックス」専用の本棚を2つ設置するなど理工系図書を充実する。主な客層として筑波大の学生や市内在住の研究者らを想定しており「車を使わなくても行ける書店」「コンパクトで幅広く」をコンセプトに据える。
同店を訪れた東京理科大薬学部5年の女子学生(23)=同市在住=は「理系を専攻しているので、勉強に役立ちそう。電車で通学しているので、駅の近くに書店があるとありがたい」と話した。
同店は1985年のクレオ開業以来、西武筑波店5階で約30年にわたり営業していたが、2017年2月末の西武撤退に伴いクレオ2階に移転。今年1月末のイオンつくば駅前店の撤退で、キュートに再移転した。