【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大により開催を中止した成人式に代わって、つくば市が新成人に支給する特別成人祝い金について、五十嵐立青市長は12日、支給金額を1人1万円とすると発表した。18日市議会臨時議会を開き、約2900万円の補正予算案を提案する。
支給対象は市に住民票ある新成人
同日開かれた市長定例会見で明らかにした。市生涯学習推進課によると、議会で可決されれば、式典会場で配布する予定だった、中学時代の担任の直筆メッセージなどが書かれたしおりと合わせて、2月中に祝い金申請書類を新成人に郵送する。3月末までに銀行口座などに振り込みたいとしている。
1万円とした理由について五十嵐市長は、同市は県内最多の約2800人の新成人がいることから財政面を検討したとした。市町村によっては2万円の自治体もある。
祝い金支給対象はつくば市に住民票がある新成人。進学や就職のため市外に住民票を移した新成人は支給対象外となる。
成人式を中止にするか延期にするかは市町村によって判断が分かれた。延期ではなく中止とした理由について五十嵐市長は12日の会見で「(新型コロナが)春先も収束しない、夏は着物は暑い、秋も収束の見通しが立たない中、仮に延期しても責任をもって開催することが確定できない。運試しの状況で、いつできるか分からない中で延期はできない」とし「(成人の集いの)実行委員とも話し、苦渋の判断をした」と述べた。担当課によると、中止となった成人式について市民から、相当数の意見が市に寄せられているという。
一方、式典を中止したにもかかわらず、開催予定日の10日、会場となるはずだったつくばカピオ(同市竹園)に厳重な警備体制を敷いた理由については「(暴走族が市内に集まるなどの)様々な情報が寄せられたため、警察とも相談した」と説明した。
10日、会場のつくばカピオは民間警備員、市職員、警察官など計約50人が警備し、バリケードも設置されたが、騒動はなかった。一方、振り袖姿の新成人など100人近くがカピオ前に集まり、写真を撮ったりする姿が見られた。
式典動画をYouTube配信
市は12日(予定)から、式典の動画をユーチューブ(YouTube)で配信する。別会場で実施したステージ上の式典の様子を撮影した動画で、午前の部と午後の部それぞれ、新成人の誓いの言葉、新成人に贈る言葉、和太鼓演奏などが放映される。
今後、今年の新成人が同窓会などを開催する場合は、学校や市公共施設を無料で利用できるよう、各出身中学校の実行委員に伝えるという。