【相澤冬樹】2月3日は節分。元々は、新年を控えた大みそかの晩に鬼を追い払った追儺(ついな)の儀式に行き着くらしいが、神社は節分祭、お寺は節分会(せつぶんえ)と呼ぶ神仏習合、極めて日本的な年中行事だ。近在では笠間稲荷、成田山新勝寺で知られるように、神社とお寺が競うように豆まき行事を行う。土浦・つくばで、拾ってみると―。
宝積寺の高安、今年は2日に
笠間稲荷、成田山新勝寺は大相撲の力士や芸能人の豆まきで知られる。土浦・つくばでは、宝積寺(土浦市木田余)と筑波山神社(つくば市筑波)に力士がやってくる。宝積寺では2日午後3時から土浦市出身の関脇、高安はじめ田子ノ浦部屋の力士らが親方ともども勢ぞろいして豆をまくことになっている。筑波山神社は毎年10、11日に催す年越祭の中で豆まきを行っており、ことしは顔ぶれが決まっていないが10日に友綱部屋から力士がやってくるそうだ。
神社では千勝神社(つくば市泊崎)の節分祭祈祷(きとう)・豆まき神事が毎年にぎわいをみせる。3日午前11時からの特別祈祷に加え、午後3時からの餅つき神事をはさんで午後4時からと6時から神事が行われた後、特設の舞台から福豆とともに福物をまく。祈とうは事前申し込みを受け付け中。
小児の安全と成長を祈願する「子育て観音」として知られる慶龍寺(つくば市泉)は5日から春季大祈祷会の時期に入り、その最終日、11日午後1時から4時にかけ年男らによる3回の豆まきが行われる。境内には屋台が出てにぎわう。18日には筑波山大御堂(つくば市筑波)で追儺式、豆まきがあり、お札が配られる。
土浦では、神社、お寺相乗りの節分豆まきが3日夕、中央1丁目のまちかど蔵「野村」脇の路地で午後5時ごろから行われる。琴平神社と、隣接する不動院の豆まきで、時間をずらしてお餅やお菓子を放り投げるように大量にばらまく。桜橋交差点を過ぎて旧水戸街道を下ると、東崎の鷲神社へ向かう道と交差する四辻で「まかしょ」という節分行事が行われる。こちらは厄落としのお金をまくことで知られる。
土浦の古い町には氏神さまの神社が少なくない。大概が神職不在の無住だが、地元の氏子らが絶やさず節分を続けているところもある。小松の二十三夜尊(三夜様)は3日、お寺の住職に来てもらって護摩をたき、豆まき神事を行う神仏習合。祭神に月読尊(ツクヨミノミコト)をまつるが、日中は本地仏の勢至菩薩に化身するそうだ。ご祈祷を法泉寺(同市大岩田)住職に頼んで、午後5時ごろから豆まきが始まる。