「令和の百姓一揆」ののぼり旗を掲げたトラクターと軽トラック計28台が1日、「日本の食と農を守ろう」などと訴え、つくば駅周辺をデモ行進した。令和の百姓一揆いばらき実行委員会(共同代表 秋山豊日本の種子を守る会会長など)が県内で初めて実施した。県内の農家や消費者など約350人が集まり、「農家に補償を」「国産守ろう」などと声を上げながらトラクターに続いて、つくば駅前の土浦学園線、東大通り、西大通りなど約3キロをデモ行進した。
県内17農協のうち、地元のJAつくば市、JAつくば市谷田部、隣接のJA水郷つくば(本店土浦市)のほか、 JA常陸(常陸太田市)、JA日立市多賀(日立市)、JA水戸(水戸市)、JA北つくば(筑西市)、JAやさと(石岡市)の8農協が参集した。農民運動茨城県連合会(農民連)、県生活協同組合連合会なども参加し、農家と消費者が一緒に声を上げた。

デモに先立って、同市竹園の大清水公園で集会が催され、共同代表の一人、涌井義郎 鯉渕学園農業栄養専門学校元教員は「日本の農業と食を取り巻く環境は厳しさを増す一方。茨城でも農家が毎年3000人減り、過去5年間で25%減った。これは大変な危機。なぜこんなに減ったのかといえば、暮らしていける所得を稼げないから」と話し「こんな状態でいいんでしょうか。この国の子供たち、孫たちが、国産の食料をずっと食べ続けられるためには農家の所得が安定しなければならない。所得補償を訴えていこう」などと話した。

県内の農協に参加を呼び掛けた共同代表の一人でJA常陸の組合長でもある秋山会長は「JAもついに立ち上がった。党派を超えて、現場のエネルギーを訴えようということになった」と話し「我々農民が自ら食料をつくって子供たちに食べさせる、そういう意志がないとこの国はだめになる。我々農民は何が何でも日本の農業を守って、食料を守る」と語った。
地元JAつくば市の関喜幸組合長は「今の農業情勢では農家が食べていけない。農業の所得補償が一番。消費者にも農家の実態を把握してもらいたい」などと話し、JAやさとの広沢和善組合長は「今年、JAやさとは(組合員の農家から60キロ当たり)1万3000円でコメを買い上げた。そしたら農業者の皆さんから『安くてやっていけない』とお叱りを受けている。去年は3万4000円で買った。そしたら消費者の皆さんからおコメが高いと叱られた。日本の主食であるコメが安い高いを繰り返すのは競争原理に原因がある。主食なので、国が値決めをしていくことにもっていかないと将来は厳しい」などと訴えた。

共同代表の一人で、農民連の岡野忠常任執行委員は「今日ここに、さまざまな立場の人たちが国民の食料、農業を守るために集まることができた。画期的なこと。『国民を飢えさせるな』と、政府に大きな声を上げていこう」などと呼び掛けた。
トラクターデモでは、「米作って。飯食えない」と書かれたむしろ旗を掲げたトラクターや、「外米輸入拡大反対」と書かれた横断幕を貼り付けた軽トラックがつくば駅前をゆっくり走り、沿道では、スマートフォンでトラクターの写真を撮る若者の姿も見られた。病害虫の侵入を防ぐため現在輸入を禁止している生鮮ジャガイモの輸入解禁に向けて米国と協議が進められている状況を受けて、手作りのジャガイモの張りぼてを頭にかぶり、「国産ジャガイモを守れ」と訴えながら歩く男性や、「いつまでもあると思うな食と農」と書かれたむしろ旗を持って歩く女性の姿もあった。(鈴木宏子)






