つくば市大穂に建設が計画されている国内最大級のデータセンターに対し、周辺住民から、排熱や騒音、水などについて不安の声が出ている問題で、開発事業者の外資系物流不動産会社、グッドマンジャパン(東京都千代田区、グレゴリー・グッドマン社長)が、17、18、19日夜にそれぞれ住民説明会を開いた。今年2月の着工から半年たって初の説明会になった。
一方、説明会はレストランなどで開かれ、フルコースの食事と手土産が用意された。地元住民からは「説明会というより接待ではないか。飲食させて、文句を言わせず、丸め込もうとしているようにしか思えない」と反発の声が出ている。
説明会は17、18日の2日間は近隣のレストランで実施され、19日はつくば国際会議場で実施された。いずれも食事と手土産が用意された。18日、レストランで開かれた説明会に参加した女性によると、食事は、ローストビーフ、ピラフ、サラダ、アイスクリームなどが出されたという。女性は「食事には一切、手を付けなかった」と話した。
さらに説明会への参加は、協力会社などが事前に配布した日付指定の案内状を持参していなければ入場できなかった。3日目の19日は、近隣住民4人と市議2人が参加を申し入れたが入場を断られ、押し問答になった。NEWSつくばも18、19日に説明会の取材を申し込んだが、マスコミ関係者の入場はできないと断られた。
18日の説明会に参加した女性によると「(現地に開発のお知らせ掲示板が出てから)これまで3年間、住民説明会が一度も開催されなかったことについて質問したら、アジア担当責任者という人が通訳付きで『心からお詫び申し上げる』と繰り返し『過去にできなかった理由より、これからで評価してほしい』と言うだけだった」と説明会の様子を話した。懸念されている排熱問題については住民の質問に対しアジア担当責任者は「排熱は水冷で、最上階から大気に向けて(水蒸気を)放出する。つくばの過去20年の気象を検証していて、検証結果をつくば市に上げる」などと話したという。この女性は「納得する説明は得られなかった」として、翌19日の説明会にも参加を求めたが、入場を断られた。
初の説明会について別の女性は「グッドマンは地域社会と共生すると言っているが、不安が払しょくされないどころか、不信感が増しただけ」と憤りをあらわにした。
「一切返事がない」
一方、これまで住民説明会の開催を求めてきた住民団体「データセンターから市民を守る会」の柳町弘幸会長(6月8日付)は、「説明会をレストランでやる意味が分からないし、(近くに住んでいるのに説明会の案内状が届かず、もっと離れた住民に案内状が届いたなど)案内状を配布した対象者の人選も根拠も分からない。案内を受け取った方でも、このような重要な説明会をレストランで行うことに不信感をもち参加しなかった方もいる」とし、「守る会では現在、説明会開催を求める周辺住民約600人の署名を集めた。6月29日にグッドマンジャパンと協力会社、日本データセンター協会に、説明会開催を求める要望書を送ったが、私たちの要望に対してグッドマンジャパンからも協力会社からも一切、返事がない。守る会としてはこれからも説明会の開催を要求していきたい」と語った。
つくばのデータセンターは、市土地開発公社が売却した同市大穂の46ヘクタールに、グッドマンジャパンが、国内最大級となる受電容量1000メガワット(100万キロワット)のデータセンター群を建設する計画。今年2月、1棟目となる50メガワット(5万キロワット)の建設工事が始まった。1棟目は、地上4階建て、高さ38メートルで、2028年1月末に完成する予定だ。
つくば市内の研究機関に勤務し地球温暖化対策を研究する歌川学さんは、1000メガワット(100万キロワット)のデータセンターが稼働すれば、人口26万人規模のつくば市全体で現在使用されている電力消費量の3倍以上を大穂のデータセンター1カ所で使用し、現在、市全体で排出されている2倍の二酸化炭素を排出し、市全体の排熱量の2倍の排熱がデータセンター1カ所から排出されると見込まれるとし、気象条件によって、排熱で猛暑日が増加し熱中症が増える恐れがあるなどと指摘している(5月19日付、20日付)。(鈴木宏子)






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