土曜日, 10月 24, 2026
ホームつくば住民団体結成、署名集め説明会開催要望へ【つくばに国内最大級のデータセンター】

住民団体結成、署名集め説明会開催要望へ【つくばに国内最大級のデータセンター】

つくば市大穂で今年2月、1棟目の建設工事が始まったデータセンターに対し、事業者のグッドマンジャパンから「説明を受けていない」「納得のいく説明がほしい」などとして、大穂地区の周辺住民が今年4月、住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)を結成した。

これまでに周辺約1600世帯にアンケート用紙を配布したほか、住民説明会開催を求める署名を集めており、5月末までに288人(5事業所含む)の署名が集まっている。今後、周辺住民を対象とした説明会を開催することを事業者に働き掛けるよう、市長と市議会に要望書を提出する意向だ。

アンケートは①事業者から説明を受けたことがあるか②説明を受けた場合、時期や回数、方法はどのようものだったか、などについて調査を実施している。

開発許可の手引きに規定

住民説明会の開催については、都市計画法に基づくつくば市の開発許可の手引きに「1000平方メートル以上の開発行為にあたっては、(敷地境界から)周辺の概ね100メートル以内の居住者及び土地所有者に対し住民説明会を開催する」などと規定されているほか、「隣接する土地所有者に、敷地境界を確認し、計画について説明しなければならない」などと定められている。

市開発指導課は、住民説明会の開催方法は、住民自治組織の代表などと協議し対象範囲、開催方法を決めると同手引きで定められていることなどから、「事業者から提出された報告書では、住民説明会は書面開催とし、事業計画の概要を書面で個別配布し、意見を求めたと事業者から市に報告されている」などとしている。事業計画の概要は2023年10月中に事業者から周辺住民や土地所有者に配布され、その結果を記した住民説明会開催報告書は同年11月1日に市に提出されたという。

投函したり郵送しただけ

これに対し守る会の柳町会長(63)は「これまで返信があったアンケート結果をみると、単に事業者が各戸の郵便受けにお知らせを投函したり、郵送したりしただけで、その後、住民から事業者に連絡がなかったことをもって同意を得たと判断したのではないか」と疑問を呈す。

これまでに守る会のアンケートに回答を寄せた100メートル以内の住民のほとんどが「資料は送られてきたような気がするが、(住民側から)連絡しないことが同意となることに疑問」「(事業者から)訪問を受け資料が投函されていたが説明はない」「工事の資料が郵送されたが、開発計画の資料ではない。隣地なのに説明がなく同意したと判断されることに疑問を感じる」などの意見が寄せられている。さらに「データセンター周辺は気温が上昇してしまうのではないか」「周辺は土地の価格も下がってしまうのではないか」などの不安も寄せられているという。

何の説明もないと相談

柳町会長は「去年12月、開発地近くの知人から『大規模な工事が始まるが何の説明もないので不安を感じている』と相談を受けたことがきっかけになった。大型クレーン4基を使った大規模工事が進む現在に至っても近隣住民に対する正式な説明会が一度も開かれていないため、守る会を立ち上げた」と話す。

その上で「専門家が、つくばのデータセンターは日本最大級になり、市全体の3倍の電力を消費し、2倍の二酸化炭素を排出し、2倍の排熱を出すという問題を指摘している。これほど大きな影響が想定されるのに、近隣住民や周辺施設、学校、保育園などに十分な説明が行われていないことに強い危機感を抱く」とし、「データセンターそのものを否定したいわけではないが、周辺住民が安心して生活できる環境を守るため、十分な住民説明会の開催、情報公開、環境影響評価の実施、計画内容の見直しなどを求めていきたい」と話す。

柳町会長は、地元、大穂地区に住み、現在、副区長を務める。守る会のメンバーは地域住民や地域の事業者で働く約20人という。

データセンター建設予定地は、グッドマンジャパンの特定目的会社が2022年につくば市土地開発公社から取得し、今年2月、1棟目となる受電容量5万キロワット(50メガワット)のデータセンターの建設が始まった。将来的には20倍の受電容量100万キロワット(1000メガワット)のデータセンターを建てる計画だ。これに対し、専門家は、将来的に100万キロワットの施設が完成すれば、国内最大級のデータセンターとなり、現在のつくば市全体の排熱量の2倍が同市大穂の予定地から排熱され、夏の猛暑時などは周辺住民の健康影響が懸念されるなどと指摘している。(5月19日付、同20日付)。一方、市開発公社が約46ヘクタールを民間に売却するにあたって、つくば市議会高エネ研南側未利用地調査特別委員会(当時)は2021年6月、「周辺環境へ影響を及ぼさないことを利活用の基本とすべき」だなどする提言書をまとめている。

住民説明会の開催について、NEWSつくばは5月中旬、グッドマンジャパンに対し、、データセンターの排熱や冷却方法などと合わせて質問した。同社からは「回答を控える」(5月19日付)などの回答があった。(鈴木宏子)

◆「データセンターから市民を守る会」の問い合わせはメールkoe800757@gmail.com。

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