木曜日, 7月 23, 2026
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生物多様性保全、情報発信で協力 つくば市と実験植物園が連携協定

つくば市と国立科学博物館筑波実験植物園(同市天久保)は19日、「相互協力の促進に関する基本協定」を締結し、同植物園で締結式を行った。生物多様性の保全や研究成果の活用、市民への理解啓発など幅広い分野で連携し、今後、企画展や情報発信などを共同で進めていく。

協定では①自然環境の保全②相互の情報・資源・研究成果の活用③市民の安全・安心に関する情報共有④学術研究・科学技術の振興⑤学校教育・社会教育の増進⑥市内大学・研究機関との連携促進⑦これらの目的達成のための必要な事項など7項目を掲げた。

筑波実験植物園は14ヘクタールの敷地内に、日本の植生や世界の熱帯・乾燥地などの自然環境を再現し、絶滅危惧種を含む約7000種類の植物を保有する。そのうち約3000種類を自然に近い形で公開する国内有数の研究施設。企画展やイベントを通じ、年間9万から10万人が訪れている。

市の担当課は今回の協定締結の目的について「昨年3月に市が策定した『生物多様性つくば戦略』が掲げる『生物多様性を守り育むことが当たり前になる社会』という理念は、植物園の『知る・守る・伝える』という方針と合致する」と説明。昨年12月に開催した蘭(らん)展の共催や、今月27日まで開催されているインターネット投票を活用した写真コンテスト「全国に自慢したい!つくばの植物」を協力して実施しており、「市民の理解促進と、子どもたちが自然を身近に感じ継承できる取り組みをさらに進めたい」と述べた。

締結式後に行われた関係者による記念写真撮影

五十嵐立青市長は「生物多様性は言葉だけでは実感しにくいが、植物園は肌で感じられる場所」だとし、約3000種の蘭を保有する世界有数の保全施設としての同園の特徴を生かし「『蘭のまち』としての発信も検討できる」と述べた。また、市民団体と専門家が協働する循環づくりや、生物多様性センターを拠点としたツアー開催などの構想をあげながら、「都市の中の生態系づくりを専門家の助言のもと進めたい」と語った。

筑波実験植物園の遊川知久園長は「まずつくば市民の皆様に植物園を知っていただきたい。そのために、研究・保全活動、学習支援活動、企画展やイベントの情報発信で市と協力していきたい」とし、「市内にも絶滅危惧種がある。その保護、繁殖に植物園のデータを生かすなど、課題に筑波実験植物園の職員が貢献していくことを考えている」と展望を語った。(柴田大輔)

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カリキュラムと教育活動の連携《よぎさんの眼》3

【コラム・よぎ(P.ヨゲンドラ)】日本の学校教育には、長年続いてきた大きな課題がある。それは、授業、考査、学校行事、探究活動、部活動、校外学習などが、それぞれ独立して存在していることである。本来、教育とはすべての活動がつながり合い、生徒の人格形成や実践力育成へ向かうべきものである。しかし現実には、「授業は授業」「行事は行事」と分断され、生徒自身も「何のためにやっているのか」を理解できないまま、学校生活を送っている場合が少なくない。 生徒と宿泊行事に参加した際、企画運営を担当した生徒に「この活動から何を学んだか」と尋ねたことがある。最初、生徒は答えられなかった。そこで「社会人になって似たような企画を任されたら再現できるか」と問い直すと、「人を集め、計画し、役割分担をして、必要な情報を調べる」と、具体的に説明し始めた。つまり生徒は実践的な力を身につけていたにもかかわらず、それを“学び”として認識できていなかったのである。 「授業だけの学校」から脱却せよ ここに、日本の教育の大きなヒントがある。学校行事や探究活動は単なる思い出づくりではない。本来は、理解力、応用力、分析力、創造力、実行力、協調性を育成する重要な教育活動なのである。 だからこそ学校全体で「学びのストーリー」を設計する必要がある。例えば、情報の授業で学んだプログラミングを文化祭の受付システム開発に活用する。経営理論を学んだ生徒が、学校行事の予算管理や企画運営を担う。探究学習で調べた地域課題を、地域イベントや行政提言へとつなげる。このように、授業と実社会を接続してこそ、生徒は「学ぶ意味」を理解し始める。 私が校長を務めた土浦一高では、中高一貫6カ年構想のもと、学習・考査、特別活動、探究学習、課外学習、校外学習、学校行事の6領域を相互に連携させる改革を進めてきた。探究活動では、DX、ビジネス、マネジメント、中国語などを導入し、外部専門家や大学との連携を進めた。また模擬国連、模擬議会、海外研修、起業家講演などを通じ、生徒が教室外で社会と接続できる環境づくりを推進した。 学びの可視化、目的や目標の確認 さらに重要なのは、「学びの可視化」である。高校3年間で何をどの順番で学び、それがどの活動や実験とつながるのかを示さなければ、生徒は学習の目的を見失う。カーナビのない運転が不安であるように、学びにも道筋が必要なのである。そのためにも年度当初、学年ごとに、科目ごとに具体的なオリエンテーションを行うべきである。これから1年をかけて学ぶ内容、どこで山場がくるのか、参加する行事とその意義を確かめるとよい。保護者にも参加してもらうことで、二人三脚が実現できる。 教育とは、知識を点で覚えさせることではない。教科、活動、体験、人間関係を線と面でつなぎ、「生きる力」に変えていく営みである。日本の教育改革に必要なのは新しい科目を増やすことだけではない。学校全体を「ひとつの大きな学びのシステム」として再設計することなのである。(土浦一高・付属中学校 元校長)

154人のマイナカード署名用電子証明書が無効に つくば市が作業誤り

つくば市は22日、現在政府が進めている、自治体の基幹的な業務の情報処理システムを全国の自治体が統一した仕様に合わせる作業の一環で、人名などの複雑な漢字(外字)を、デジタル庁などが定めた標準文字に合わせる更新作業を実施したところ、作業工程に誤りがあり、154人のマイナンバーカード搭載の署名用電子証明書が失効してしまったと発表した。 自治体の基幹事務システムの統一・標準化は、全国の自治体がそれぞれ個別に構築してきた住民基本台帳、住民税、介護保険、児童手当て、選挙など20の基幹的な事務処理システムの仕様を、2025年度末をめどに、国が決めた標準仕様に合わせるもの。つくば市は、統一の仕様に合わせる作業を昨年12月末までに終え、今年1月から標準仕様に切り替えていた。 その後7月8日、来庁した市民から、5年に一度更新が必要なマイナンバーカードの署名用電子証明書の更新手続きを、自身のスマートフォンからも出来るようにしようとしたが出来なかったなどと申し出があった。 市情報システム課によると、原因を調査した結果、市が業務を委託して、人名などの複雑な漢字を標準文字に合わせる作業を実施した事業者が、複雑な文字を、デジタル庁が決めた約7万字に合わせる作業の中で、そのうち71字について、文字のデザインを若干太くするなど、標準文字のデザインを若干変更したことが原因と分かったという。戸籍の氏名にふりがなを記載する制度が始まったのと合わせて、システム上で、住民基本台帳ネットワークに登録されている氏名が変更されたと認識され、氏名の一部に71文字を使用している154人のマイナンバーカードの署名用電子証明書が無効になったという。 署名用電子証明書は、本人であることを確認する電子的な印鑑証明書として、税金の申告(e-Tax)やパスポート申請、住宅ローンの控除、オンラインバンキングの口座開設などに利用されている。市市民窓口課によると、標準文字の更新作業の誤りが原因で、マイナンバーカードの署名用電子証明書が利用できなくなった市民がこれまで何人いたかは不明という。一方、マイナ保険証として利用や、住民票など証明書のコンビニ交付、行政手続きのオンライン申請、年金や医療費など自分の情報を確認するマイナポータルへのログインなどは引き続きできる。 署名用電子証明書が無効になった場合、再発行手続きが必要になる。市は今後154人に対しお詫びの通知を出し、市役所本庁舎や各窓口センターに来庁の上、手続きをしてもらうよう通知するとしている。 委託事業者に対しては、市から、各作業の適切な履行の徹底と再発防止を図るよう要請したとしている。市によると、この事業者は他自治体からも標準文字の更新作業を請け負っていて、この事業者による作業の誤りが原因でマイナンバーカードの署名用電子証明書が無効になったのが分かったは初めてという。