コメの高騰が続く中、米穀卸売業の田島屋(土浦市上高津、田嶋光夫社長)が30日、2024年産の県産コシヒカリ2トンを土浦市に寄贈した。2キロ入りを1000袋用意し、同市社会福祉協議会を通じて市内の子ども食堂や生活困窮者に手渡される。
同社はコロナ禍の2021年と22年にも2キロ入り1000袋などのコメを同市に寄付し、コロナ禍で外出が難しい一人暮らしの高齢者や生活困窮者に配布された。
今回は創業170周年を迎えたことから、3回目の寄付となった。田嶋社長(75)は「40数年やってきて、これだけ値が高くなったのは初めて。今、備蓄米の話が出ていてどうなるかなと思っている。きちんとしたコメを皆さんに届けて、いろいろな場面でお使いいただけたら」と話す。
受け取った小林勉副市長は「21年、22年にも1000袋をいただいた。歴史がある田島屋様からおコメをいただけたことは本当にありがたい。コメの話は高騰、不足、備蓄米等々あるが、2024年産の新米のコシヒカリを、生活困窮者等、工夫させていただきながら、市民に温かい気持ちをお伝えしたい」と述べた。
7月6日、ひとり親家庭フードパントリーで配布
今後は、市内12の子ども食堂や、食品を無料で配布するフードパントリーやフードバンクを運営する団体などに要望を聞きながら、配布先や配布量を決める予定。コメは田島屋の冷蔵倉庫に保管し、配布が決まったらその都度届ける。
手始めに、市社協とシングルマザーを応援する「ママのホップ・ステップ・ジャンププロジェクト」が共催し、7月6日、市総合福祉会館で開く「ひとり親家庭フードパントリー付き大相談会」での配布を予定している。
田島屋は江戸時代末期の1855年創業。米穀卸売、精米加工、炊飯業、倉庫業などを営む。全国から集めたコメを保管、精米し、関東一円の小売店や飲食店などに卸している。土浦市上高津とつくば市上広岡に精米設備、つくば市寺具に精米設備と倉庫がある。今回、小泉進次郎農相が小売店やネット事業者などに販売する2021年と22年産の備蓄米に関しては、大手のスーパーから同社に精米の依頼がきているという。(鈴木宏子)
◆「ひとり親家庭フードパントリー付き大相談会」は7月6日(日)午前10時~午後3時、同大和町9-2 ウララ2ビル 市総合福祉会館4階で開催。参加希望者は6月2日~20日に申込を受け付ける。詳しくは土浦市社会福祉協議会のホームページへ。