土浦市立博物館(同市中央)は7日から、テーマ展「土浦道中絵図-描かれた水戸道中」を開催する。市指定文化財で土浦藩主が描いた「土浦道中絵図」が公開されるのをはじめ約40点が紹介される。10月20日までの会期中、道中絵図周辺の史跡をめぐる城下町ウオーキングなどのイベントも予定されている。
展示のメーンとなる「土浦道中絵図」は、江戸時代中期の1758年に土浦藩主、土屋篤直(土屋家4代、1732~76年)によって描かれた。千住宿(東京都足立区)から中貫宿(土浦市中貫)までの道程や周辺の様相を細かに描写した。現在の旧水戸街道の行程で約60キロあるが、絵図のサイズは長さ約18メートル、幅25センチ。蛇腹状に折りたたんで閲覧時に広げる「折り本」という形式で作られている。
道中絵図の公開は、同館の開館(1988年)時以来36年ぶりとなる。同市内の個人が所蔵していたが、今年同市が購入し市立博物館に収蔵されることになった。
江戸時代、土浦の城下町やその周辺地域は、水陸交通の要衝として繁栄した。陸路の中でも多くの往来があったのが「水戸道中」で、江戸から土浦を経て水戸へつながる三十里十四町(約119キロ)の道のり。江戸時代前期には整備されたと考えられており、記録では道中に18の宿駅があったとされる。
展覧会では、「土浦道中絵図」を通して18世紀中頃の水戸道中の姿を紹介するとともに、この道の機能や通行を支えた人々や地域の様相にも迫る。展示はほかに「常州土浦城図」(県指定文化財)、「水戸様御入国之図」(土浦市指定文化財)など博物館所蔵史料を中心に約40点の紹介となる。
博物館の西口正隆学芸員は「道中図は観光協会の印刷物などさまざまにビジュアル化されてきたが今回は現物そのもの。土浦城下町の南門から北門にかけての描写など細かなところを見てほしい」と語る。(相澤冬樹)
◆「土浦道中絵図-描かれた水戸道中」会期中のイベントは次のとおり。①記念講演会「描かれた水戸道中」=28日(土)午後1時30分~講師・小口康仁さん(学習院大学文学部哲学科助教)②城下町ウオーキング=10月13日(日)午前10時~水戸道中に関する史跡を巡り学芸員が解説。①②とも10日から電話(029-824-2928)で申し込み受付。➂ギャラリートーク=7日(土)・16日(月・敬老の日)・10月20日(日)午前と午後の2回、テーマ展の見どころを担当学芸員が解説(事前予約不要)。問い合わせは電話029-824-2928(土浦市立博物館)。
「土浦道中絵図」展覧にウオーキングも 7日から市立博物館
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データセンターを議論しよう 14日 歌川学さん講演
NEWSつくば主催
「データセンターを議論しよう」をテーマに、NEWSつくばは計3回の連続講演会を開催します。第1回は14日(土)午後6時から、つくば市役所コミュニティ棟で、温暖化対策を研究する歌川学さんが「データセンターの地域影響」と題して講演し、その後、意見交換会を開きます。
つくば市大穂の元公有地にグッドマンジャパンが計画している国内最大級のデータセンターに対し、歌川さんは今年4月、排熱や水利用、騒音・振動などの環境影響可能性を指摘しました。(5月19日付、5月20日付)
歌川さんの講演会はこれまで、データセンター建設予定地近隣の大穂交流センターで計3回開かれてきましたが、歌川さんの話を直接聞きたいという声がNEWSつくばに寄せられていることから、連続講演会第1回の講師に歌川さんを迎えます。
歌川さんの指摘以降、つくば市や事業者はそれぞれ、データセンターのメリットや環境影響などについて情報発信を始めました。ただし排熱、水利用、騒音・振動など環境影響について具体的な数値予測はまだ示されておらず、市民からは依然として不安の声が出ています。14日の講演会では、これまでの市議会一般質問の答弁を中心に、現在までに明らかになった課題も踏まえてデータセンターの問題を考えます。
市民が議論する場をつくります
周辺住民団体「データセンターから市民を守る会」はこれまで、事業者のほか、市に対し住民説明会の開催を求めてきました。しかし市が10月に策定したデータセンター建設ガイドラインは、敷地境界から100メートルより外側の市民に対しては、集会型の住民説明会ではなく、展示パネルや資料を見て回るオープンハウス型説明会を開催するとし、グッドマンジャパンは、市のガイドラインに沿って、オープンハウス型の情報・相談ブースを11月から12月に開設すると市に回答しました。(8月31日付、9月29日付、10月6日付、10月23日付、10月29日付)
集会型の住民説明会は、参加した市民がそれぞれの意見を表明したり、ほかの人の意見を聞くなど、議論して合意形成を図る、民主主義を維持・発展するための重要な場でもあります。市や事業者が一般市民向けの住民説明会を開催しないと表明しているなら、地域メディアであるNEWSつくばが、その場をつくり、報道します。
地域メディアの新たな方向性を模索する動きの一つに「エンゲージド・ジャーナリズム」という取り組みがあり、米国などですでに実践されています。市民とメディアが地域の現実やニーズ、課題について対話しながら、新たな信頼とつながりを育んでいこうという試みです。NEWSつくばは、連続講演会「データセンターを議論しよう」をエンゲージド・ジャーナリズムの実践の場と位置づけ、市民の声を聞き、市民と共に、地域の具体的な課題を可視化し、報道していきます。
連続講演会は11月から月1回程度、計3回を予定しています。
連続講演会「データセンターを議論しよう」第1回歌川学さん講演会日 時 11月14日(土)午後6時~9時 講演(70分)&意見交換会(90分)会 場 つくば市役所コミュニティ棟1階参加費 300円(資料代)定 員 120人(事前予約必要)主 催 NEWSつくば参加申し込みは、グーグルフォームへ。先着順問い合わせ NEWSつくばのメール(info@newstsukuba.jp)へ。
土浦の花火2026 今年の見どころ《見上げてごらん》特別編
第95回土浦全国花火競技大会が7日午後5時30分から、土浦市の桜川畔(学園大橋付近)で催され、スターマイン、10号玉、創造花火の3部門で競技が行われる。今年の大会の見どころを、コラムニストで花火鑑賞士の小泉裕司さんが特別寄稿してくれた。
参加業者数 過去最多
【コラムニスト・小泉裕司】毎回、花火大会のプログラムを開いて、最初にチェックするのは「業者名/県名」の欄だ。今回は20都県から59業者が参加し、業者数は過去最多になる。国内の花火競技大会では一番多く、森上煙火工業所(岡山県)が新規参加。同社は一昨年から参加意向を示していたが、今回、実現した。
10号玉:45発
「10号玉の部」は直径30センチ、いわゆる尺玉1発で競う部門だ。この部門のトピックは、6重の同心円を描く「五重芯」の作品が、昨年の8業者から10業者に増えたこと。過去7大会の優勝作品は、すべて五重芯だった。
鑑賞者には、究極の造形美ともいわれる五重芯花火の色の組み合わせに着目してほしい。また、彩り豊かな点滅系や、不思議な動きの変化を見せる「自由玉」作品にも注目してほしい。
創造花火:22組
「創造花火の部」は、直径15センチの5号玉を7発打ち上げ、独創的なアイデアや新しい技術を競う部門だ。この部門はここ数年、創造性豊かな作品が増えている。
前回優勝した北日本花火興業(秋田県)は、茨城県の名産品「しらす」をテーマに、創造花火と10号玉の両部門にダブルエントリーしている。異なる種目に同じテーマでエントリーするケースは、大曲では増えているが、土浦では珍しい。県民の食生活をリサーチした作品は、観客の心をつかみそうだ。
今年の大曲大会で10号自由玉作品「8月の月暦」を披露し、ほかの花火師や観客を驚かせた芳賀火工(宮城県)の「彩食回転寿司」も楽しみだ。
スターマイン:22台
「スターマインの部」では、2.5号玉から4号玉まで400発以内で競い、すべての作品に音楽が付く。ただし、4号玉は200発以内に限られる。100分の1秒単位で、花火と音楽がシンクロする様子が見どころだ。
250発以内の大曲大会の創造花火はしっとりとした作品が主流だが、土浦大会も同様の傾向にある。そうした中、「ultra soul~魂の叫びから」(和火屋)は、かつての豪華絢爛(けんらん)な土浦花火の復活を目指す作品だ。「一緒に歌おう♪ドレミのうた」(芳賀火工)は、400発にアレンジし、2年前の大曲で高い評価を得られなかった雪辱を期す。
7分間の土浦花火づくし
前半の最後を彩るのが、大会主催者提供のワイドスターマイン。打ち上げ幅約400メートル、打ち上げ箇所9カ所、打ち上げ玉数2400発。約7分間のプログラムを前半と後半に分け、県内の煙火業者6社がそれぞれの特色を生かした4号、5号、8号玉で夜空に大パノラマを描く。構成を担当するのは、下妻市に工場を構える丸玉屋小勝煙火店だ。
大曲観光物産会も開催
花火競技とは別に、新たな企画も登場する。土浦と大曲が内閣総理大臣賞を通じて育んできた友情物語については「コラム55」で触れたが、今回は、この交流を経済や文化の分野にも広げる。全国花火競技大会を主催する大曲商工会議所が主体となり、大会オフィシャルショップ(土浦市生田町8-13、若山金物店駐車場)のそばで「大曲・観光物産販売会」を開催する。(元土浦市副市長)
<ネットでも花火生中継>大会公式YouTubeライブ配信
筑波大学附属図書館 特別展を訪ねて《ふるほんや見聞記》22
【コラム・岡田富朗】筑波大学附属図書館の貴重書展示室では、11月20日まで、特別展「戦いのものがたり―語りと記録がつくるイメージ」が開催されています。
絵巻、軍記物語、合戦図
本展では、同館所蔵の絵巻や軍記物語、合戦図など計36点の古典籍を通して、人々が戦いをどのように語り、描き、後世へと伝えてきたのかをたどります。世界各地で戦争や紛争が続く今だからこそ、過去の戦いの歴史に触れ、その記憶や伝承のあり方について改めて考えることができる貴重な機会となっています。
筑波大の歴史は、1872(明治5)年、東京・湯島聖堂内に日本初の教員養成機関として発足した師範学校にさかのぼります。大学の歴史とともに附属図書館に受け継がれてきた資料は、2026年3月時点で、貴重書は1万2407冊、和装古書は約17万8000冊にのぼります。
特別展は1995(平成7)年に始まり、今年で35回目を迎えます。約1年に一度、秋の学園祭の時期に合わせて開催されてきました。普段はなかなか目にすることのできない古典籍資料を、学生や研究者だけでなく、一般の方も無料で鑑賞することができます。
本展では、「蒙古襲来絵巻」をはじめ、古代・中世の戦いや事件を描いた絵巻の模本や軍記物語などが一堂に公開されています。なかでも、国宝「伴大納言絵巻」(出光美術館所蔵)の写本と考えられる筑波大学本「伴善男物語」は、虫喰いや破損が激しく、長らく公開が難しかった資料です。2024年から約2年をかけて修復され、今回、初めて公開されました。
貴重書などをデジタル化
同館では、貴重書や和装古書のデジタル公開も進められており、インターネットを通じて資料を閲覧することができます。
デジタル公開は資料の保存と活用を両立するうえでも大きな意義があり、世界的にも図書館が所蔵資料をデジタル化し、より多くの人が利用できるようにする動きが広がっています。一方で、貴重な資料を実際に間近で鑑賞することの意義も、高まっているように感じます。本展の展示資料はすべて実物で、紙の質感や色彩、筆跡など、デジタル画像だけでは伝わりにくい魅力に触れることができます。
10月28日には、芸術系准教授 水野裕史さんによる「古典を描き、写し、学ぶ―江戸時代後期の絵巻受容」、人文社会系助教 菊池そのみさんによる「『伴善男物語』修復後初公開によせて―物語と記録」、図書館情報メディア系教授 白井哲哉さんによる「戦を物語る絵図―布陣図・合戦図」の特別講演会も開催されました。
貴重書展示室では、特別展の開催期間以外は常設展示が行われています。「古典籍のインターフェース」をテーマに、本のかたちや構成、写本・製版本・活字本についてなど、同館所蔵の資料を通して紹介しています。また、常設展・特別展ともに展示図録が制作されており、研究者からも高い評価を得ています。(ブックセンター・キャンパス店主)
バイシクル・ダイアリーズ ⑺《ことばのおはなし》97
【コラム・山口絹記】前回記事では、ツール・ド・つくばを完走し、次の目的地を佐賀県に決めたところまで書いた。
大会後、オーバーホールに出していた自転車が帰ってきた。チェーンやワイヤーなどが交換され、すっかりきれいになっている。店長さんから整備内容の説明を受けたあと、私は切り出した。
「今度、佐賀に行くんですけど、このバイクを連れていきたいんです」
「飛行機輪行ですか?」
輪行というのは、自転車を分解して袋などに収納し、公共交通機関で運ぶことだ。飛行機の場合、運搬中に破損する危険もあるため、店長さんはあまりお勧めしないという。
「ちなみに出発はいつですか?」
「今月末です」
数秒の沈黙。
「ツール・ド・つくばもですけど、また時間がないですね」
なんかすいません。
それから出発まで、何度も自転車屋さんへ通うことになった。輪行袋に入れるために前輪やペダルを外し、ブレーキを保護し、さらにリアディレイラーという変速機まで取り外す練習をする。飛行機のサイズ制限に収めるため、シートポストまで切った。
家でも、ひたすら分解と組み立てを繰り返し、翌日、また店長さんに見てもらう。店の前で作業していると、来店したお客さんに店員と間違えられた。最初は訂正していたのだが、面倒になったので「受付は店内でやっています」と案内することにした。もういいや。
「茨城から、自転車で?」
そして出発当日。朝からバタバタしてしまい、成田空港に着いたのはチェックイン締め切りの9分前。自転車と荷物を抱えて空港を走り回り、なんとか3分前に手続きを終えた。
福岡空港に着くと土砂降りである。空港の外で自転車を組み立て、レインウェアを着て出発。まずは「牧のうどん」で腹ごしらえをした。甘い味付けが好みの私には、九州のうどんが実にうまい。
店員さんに「どちらから?」と聞かれ、「茨城です」と答える。
「自転車で?」
さすがに、そこまで冒険野郎ではない。
その後、雨の中を30キロほど走って博多駅へ。ここで高校時代の友人と、約10年ぶりに再会した。焼鳥屋で昔話をしながら、今回、九州に来た本当の目的や、自転車に乗り始めた理由についても話した。
10年ぶりだというのに、不思議と昨日も会っていたような気がする。17歳だった私たちが、20年後にこんな話をしているとは思わなかった。夜、友人にホテルまで送ってもらい、部屋に入ったところで力尽きた。
翌朝目を覚ますと、レインウェアを着たまま、靴も脱がずに寝ていた。お湯を注いだカップ麺は、すっかり伸びきっている。(言語研究者)






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