つくば市議会で今年度から通年議会が始まり、19日定例会が開会した。会期を約1年とし、市長が招集しなくても、議会の判断で必要に応じて会議を開くことができる制度。ただし今定例会の会期は市議の任期と同じ11月29日まで。同議会事務局によると、通年議会の導入は常総、坂東、守谷市に次いで県内4市目になる。
これまでは市長が議会を招集し、3月、6月、9月、12月に年4回、定例会を開いてきたほか臨時会を開いてきた。通年議会の場合、同市では4月に開会し、これまでの定例会と同様の日程で年4回定例会議を開く。議案の提案や審議、一般質問や会派代表質問など実質的な日程はこれまでとほぼ変わらない見通しだ。本会議が開かれない期間は休会となる。
同市議会は、大規模災害の発生など緊急時に議会の判断で速やかに会議を開くことができるとしている。併せて常任委員会などで継続して調査や審査を行っているなど、市政への監視機能が強化され、議会がより一層市民の負託に応えていくための体制を整えるものだとしている。
五頭泰誠議長は「議会改革を継続的に議論してきた中で、東日本大震災や北条の竜巻災害などの経験から(大規模災害時などに議会の機能を継続するための)市議会業務継続計画(議会BCP)に対応しない議会はいかがなものかというのが発端になった。その中で、一番リアルに対応するには通年議会だという議論が深まった」とし「機動力ある議会にし、災害時に議会を継続して行政のチェック機能を果たすために導入したというのが経緯。1年間の会期の間は常に議会は開会している状態なので、専決処分や日程的に動かせない場合などに議員がより議論できる状態になる」と話す。
通年の会期は、既存の定例会制度の中で運用が始まり、2012年9月の地方自治法改正により創設された。全国の地方議会では、市長ではなく議長権限で本会議を招集できる、十分な審議時間が確保される、緊急案件に迅速に対応できるーなどのメリットが指摘される一方、議会が求める本会議を市長が拒否した例はない、執行部のスケジュールを縛る、実益は少ないーなどのデメリットが言われるなど、さまざまな議論がある。(鈴木宏子)