火曜日, 10月 27, 2026
ホームつくば民間2園、4月の新規入園受付を断念 保育士確保できず つくば市

民間2園、4月の新規入園受付を断念 保育士確保できず つくば市

待機児童を無くそうと毎年、民間保育園などの施設数と定員数を増やしているつくば市で、保育士が確保できず、4月からの新規入園申し込みを受け付けなかった民間保育園が2園あることが分かった。新年度の新規入園受付を実施しない保育園があったのは、同市で初めてという。

同市では今年4月、民間保育園が4園、小規模保育事業所が1施設増える。民営化により3月末で閉園する市立上境保育所の定員数を差し引いても、利用定員は前年4月より312人増える計画だった。既存の民間保育園2園が4月の新規受付を実施しなかったことで、市の計画定員数が確保できなかったことになる。

新規入園受付を実施しなかったのは、同じ社会福祉法人が運営する青い丘保育園つくば(同市小野崎、定員120人)と、青い丘保育園二の宮(同市二の宮、同60人)の2カ所。現在在籍している園児は受け入れを続ける。

市は24年度の入園に向けて、昨年11月から1次募集、その後2月中旬まで2次募集の受付を実施した。青い丘つくばと同二の宮の2園は1次募集、2次募集いずれも実施しなかった。新規受付を実施なかったことにより青い丘つくばは利用定員数で40人、同二の宮は20人、計60人分の入園枠が減ることになる。

青い丘つくばが2月1日付で保護者に示した資料などによると、同園では3月末に常勤保育士9人のうち6人と、非常勤保育士5人、職員2人が退職する。同園の金秀司園長は取材に対し、保育士らの退職理由について「一身上の都合や、家庭の事情、結婚する人、給料の問題もある、新しい保育園ができて移る人もおり、一つの理由ではない」と説明する。新たな保育士が確保できていないことについては「いろいろな媒体を使ったり、ハローワークで保育士を募集してきた。現在も募集している。引き続き募集を続ける」と話す。新規の入園受付を実施しなかったことに対しては「子供を一人でも多く預かって運営すべきだと思うし、努力している。4月からの運営に関しては保護者説明会も開いた。これからも頑張っていきたい」としている。

保育士の給与 園により2.2倍の開き

退職理由の一つとされる保育士の給料については、県が2021年度分から市町村別に各園ごとの常勤保育士の年間給与をホームページで公表している。保育士の待遇は早急に改善されるべき課題であること、保育士の人件費の大部分は公費であり透明性の確保が重要であることなどが公表の理由だ。

21年度分の公表資料によると、つくば市内の公表対象57園のうち、最も高かった保育園の常勤保育士一人当たりの年間給与は527万円(平均勤続年数15.2年)だったのに対し、最も低い保育園は238万円(同5.29年)で、どの園に勤務するかにより2.2倍の開きがあった。保育士が確保できていない青い丘つくばは市内ワースト2位。市内57園の平均は326万円(同9.19年)だった。

保育士確保は各園の務め

一方、市幼児保育課によると、青い丘保育園からは昨年秋ごろ「退職する保育士がいて、保育士の確保が難しい」などの相談があった。市は同園に対し、さまざまな募集手段や方法を紹介するなどして保育士の確保に努めるよう要請したとし、「市として保育士に月3万円の処遇改善助成金を交付するなどしており、各保育所での保育士の確保は各施設の務めになる」という立場だ。

今回、新規入園受付を実施しない保育園があったことについては「市としては、保育需要が高まっている中で毎年のように保育所を増やしており、利用定員数を預かってほしいとお願いしている。保育士の確保に努めていただき、必要としている保護者さんたちに対応してほしかった」とし、青い丘つくばに対して「保育士確保に向けて話を聞きたい」とする。一方で「4月に新規開所する保育施設はすでに保育士を確保できている」とし、市全体で保育士を確保できない事態が生じているわけではないという認識だ。

子供の数が増えている同市では毎年、民間保育園の数を増やしている。18年4月に56園だった民間保育所は、23年4月は71園と1.2倍に増えている。認定こども園、小規模保育事業所を加えると認可保育施設の数は18年4月が68カ所だったのに対し、23年4月は1.5倍の104カ所になっている。認可保育施設の0~3歳の利用定員は18年4月が6657人、23年4月は1.3倍の8851人になっている。

保育士確保や離職防止のため市は、17年度から民間保育所に勤務する常勤の保育士に1人当たり月額3万円の助成金を交付し、24年度は984人に計3億5424万円の助成金を交付する見通しだ。ほかに24年度の新規事業として、国の1歳児の配置基準より手厚く保育士を配置した民間施設に新たに補助金を交付する計画で、保育園42園、認定こども園6園、小規模保育事業所19施設に計8486万円の予算を計上している。(鈴木宏子)

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