甲子園球場で開催中の第105回全国高校野球選手権記念大会は12日、2回戦に突入した。県代表の土浦日大は第3試合で九州国際大付属(福岡)と対戦、3-0で勝利し、同校初の3回戦進出を決めた。地元の土浦市役所1階ではパブリックビューイングが催され、市民ら約50人がスクリーンに向かって声援を送った。
試合は土浦日大の小菅勲監督が試合前に予想した通り、ロースコアの戦いとなった。両チームとも先発投手が5回まで被安打1に抑える好投。九州国際大付の田端竜也は変化球で追い込み、直球で打ち取るスタイル。土浦日大の先発は甲子園初登板の小森勇凛。高めからストライクゾーンに落ちるチェンジアップでカウントを取り、高めの直球でスイングアウトを誘う投球だ。前半で3四球と制球に苦しむ場面もあったが、守備陣の好プレーも続出して先発投手を盛り立てた。
土浦日大の前半戦唯一のヒットは3回、8番・大井駿一郎のソロホームラン。高めの直球を左翼席へ運んだ。7回には追加点。先頭打者の2番・太刀川幸輝が中前打で出塁すると、3番・後藤陽人のプッシュバントは投手と二塁手のグラブをかいくぐり無死一・三塁。4番・香取蒼太の中前適時打で1点を奪い、さらに2死一・三塁から相手投手の暴投で1点を追加。足を使った攻撃でみごとに相手の守備を揺さぶった。
6回からは小森に代わり伊藤彩斗、8回からは伊藤に代わり藤本士生がマウンドを守り、九国大付をシャットアウト。甲子園で2つめの勝利を手にした。
パブリックビューイングで裏方を務めた市商工観光課の関口洋平さん(44)は「選手たちの真剣なプレーを見ることができた。最初、テンポよく試合が進んでどきどきしたが、県の代表が勝ってよかった」とコメント。観戦者の一人、島谷有さん(11)は「今日も勝ってくれた。また勝ってほしい」と期待を込めた。
県大会の決勝はタブレットで観戦し、甲子園の1回戦はラジオで聞いていたという市内の女性(64)は「土浦日大は逆転勝利が続いていて勢いがあると思った。今日はこういうところで見られてよかった」と、喜びをあらわにした。
土浦日大の次戦は15日第4試合の予定。かつて常総学院の監督を務め、木内幸男ファミリーの一員ともいえる持丸修一監督率いる専大松戸(千葉)が相手だ。