火曜日, 5月 20, 2025
ホームスポーツ甲子園で勝つため心血注いだ初のチーム 土浦日大 小菅監督【高校野球展望’23】

甲子園で勝つため心血注いだ初のチーム 土浦日大 小菅監督【高校野球展望’23】

松田がラッキーボーイになれば面白い

ー野手陣についてお願いします。

小菅 後藤は下級生の時からショートを守っていて、実戦のボールを捕るとか、プレーを完成させる球際の強さをすごく持っています。バッティングでもすごく良い当たりを打ったかと思えば、無様に凡退するバッターです。そこら辺が彼の課題でもあり魅力でもあります。去年まではチームを背負う気持ちがちょっと足りなかったのですが、最近はみんなで甲子園行こうねと言い出したんです。やはりこの1年間、後藤に対する要求も増えてきまして、それを真摯に受け止めてやってくれています。

太刀川はうちのチームリーダーです。うちは塚原歩生真と太刀川ってキャプテン2人体制です。塚原は俺について来い的なところがありますが、太刀川は細かいところに目が届く選手です。寮生活のこととか、チームの決まりごととか、ボールが落ちているというのを気がつく人間です。少しキャパオーバーまで頑張り過ぎてしまう部分があるのですが、野球の方に専念していって自分のプレーを楽しんでもらって最後を迎えさせてあげたいなと思っています。テクニシャンなところがあるので、それを最後に発揮してもらいたいなと思います。

松田陽斗は勉強面がクラスでもトップで、非常にクレバーに野球をよく見られる選手です。熱くなり過ぎないのが彼の良いところでもあるし悪いところでもある。そういうところって表裏一体ですよね。みんなが打てないところで打ったり、誰も狙ってないボールを狙ってみたりという意外性があります。ファーストというポジションも彼に合っています。もう少しボールを丁寧に扱ってもらいたいなということを彼には要求として言っていますね。非常にマイペースで、打順とか立ち位置からして結構夏は彼が鍵を握るというか、彼がラッキーボーイになれば面白いかなと思います。

中本佳吾は次世代のリーダーです。いろんな部分を頑張りすぎて空回りすることもあるんですが、人間的に非常に優れていますし、学校の成績も優秀です。今は守備もバッティングも覚えている最中です。一つ一つ食らいついてくれるので、必ずいつか伸びると思っていますし、来年はリーダーとして期待しています。

香取蒼太はダイヤの原石です。磨けばダイヤになれるけど、その存在に誰も気が付かずに終わるかもしれない。そんな選手です。今30本くらい打っていますかね。あれだけの飛距離ってなかなかないんですよ。飛ばす力を秘めていますのでこの先も非常に楽しみです。

去年のトラウマ大きかった

ー最後に捕手の塚原君についてお聞かせください。

小菅 塚原はもう野球小僧っていう言葉が一番似合う選手です。もういろんな経験をしてしまった。キャッチャーは、打たれたことが怖い経験になるんですね。この3カ月はずっと迷いっぱなしだったんです。去年の夏の(明秀日立との)決勝のトラウマと言いますか、最後の一打(サヨナラ被弾)、あれが大きかったと思うんです。それをピッチャー陣と話しながら、お前が全責任を背負うんじゃないんだよって言い聞かせていますね。彼はよく私とコミュニケーションを取ってくるタイプなんですね。心の整理整頓が付かないまま話しているところが彼の面白いところで、この最後の1カ月くらいは心の整理整頓がついてから私と話すようにと言っているところです。整理されれば力を発揮してくれると思います。

ー新聞で「配球に自信がついてきた」とコメントしているのを見ました。

小菅 普通は塚原ほどのレベルだとそんな弱音や本音を吐かないと思うんですが、よく正直に素直にそう言えたなと思います。何でそういう配球にしたのとか、理由を聞いても高校時代は完成しないで終わると思うんですよ。そういう中での配球だと思うんですね。後悔だけはしないでくれと毎試合よく話しています。

ー打順が結構目まぐるしく変わっていますが、調子を見て決めているのですか。

小菅 やはり調子は大事な要素ですね。あとは相手ピッチャーとの相性です。意外にこちらがこういう打順にしたいと思っても、相手からしたらどうなのかなという視点を持ち合わせていることも大事ですね。向こうがやりづらい嫌な打順を組むことも方法の一つです。打順はあえて固定しないです。

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