木曜日, 7月 7, 2022
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つくば・ニッポン未来予想 《遊民通信》18

【コラム・田口哲郎】

前略

食品館「ロピア」がオープンし、TXつくば駅そばの「クレオ」が「トナリエ クレオ」として復活しましたね。つくばセンター地区周辺では久々に明るい話題でした。

前に書きましたが、クレオにはかつて西武百貨店が入っており、食料品売り場は「ザ・ガーデン自由が丘」でした。デパートに輸入品スーパーマーケットという、いかにも「都心」仕様です。東京の日本橋や大阪の梅田にある本家「都心」のお裾分けが、つくばでもできた時代でした…。私は反省しました、「都心」が戻ってくることを期待したことに。中心なき時代なのです。東京を頂点としたヒエラルキーなどもう無いのです。

20年前、1度目の大学生時代。通っていた東京の店は、新宿紀伊國屋、渋谷のHMV 、銀座伊東屋です。学生らしく、本屋とCDショップ、文具屋で、新品の本とCD、ノートやペンを買いました。

2度目の今、行くのは近くのブックオフ、そしてスマホでAmazon、メルカリです。買うのは古本と中古CDばかり。雑貨は近所のダイソーやセリアで調達します。かつて3千円かかったものが、今は3百円で手に入ります。デフレの極致です。悲しいのは、その分収入も減っていること。この傾向は貧乏学生の私に限ったことではないんじゃないかと、周りを見て思います。

経済成長期には富の分配機関として機能していた民間企業が、不況とコンプライアンス厳守、厳しい会計監査のせいで、給料をかつてのように配れなくなっている。小泉構造改革真っただ中のころ、とある経済学者は「いい暮らしをしたければ、稼げ。自己責任の時代だ」と発言していました。その同じ人が、今やベーシック・インカム(政府が全国民に毎月定額給付を行う政策)を提唱しています。

資本主義のこの国では、頑張れば報われるんじゃなかったのでしょうか? このごろは政府が給料上げろと号令しても、応える体力が企業に無いように見えます。日本こそは世界で最も成功した社会主義国家だったとも言われます。やはりマルクスが言うように、資本家は労働者から搾取するものなので、富の分配を企業に任せるのはもう限界なのでしょうか?

官の街だったつくば

さて、学研都市つくばは今まで官の街でした。広大な敷地を持つ国立研究所がそこここにあり、つくばセンター周辺には官舎が並んでいました。しかし、科学技術政策の予算は減少、緊縮財政のあおりを受けて官舎が廃止されて、官の領域は徐々に民間色に染められつつあります。

今まで親方日の丸だった街にどんな未来があるのでしょうか? 嘆くことはありません。親方日の丸じゃないと自負していた民間だって、結局は親方日の丸だったのです。どうあがいても日の丸からは逃れられないのです。つくばの街づくりが国づくりになるという気概をもっていきましょう。ICT技術を駆使し効率化を追究し、広大な土地を使いユートピアをつくりましょう。

つくば博のテーマ「人間・居住・環境と科学技術」が、ようやく活きる時代になりましたね。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

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