月曜日, 5月 18, 2026
ホームつくば国保改革めぐり、つくばの乱 議会が意見書可決 「他市町村分も負担」

国保改革めぐり、つくばの乱 議会が意見書可決 「他市町村分も負担」

【鈴木宏子】国民健康保険(国保)の運営が今年4月、市町村から県に移行する制度改革をめぐって、県が昨年11月に市町村に示した保険料などの仮算定の数値が波紋を広げている。「(県が示した数値は)到底市民の理解が得られない」などとして、つくば市議会は11日、見直しを求める意見書を全会一致で可決した。

仮算定でつくば市は、2018年度に必要な保険料総額(国保の全体事業費)が一人当たりに換算して3117円増加し、一人当たりの年間額が県内一高い13万191円になるという数値が示されたことを受けた動きだ。

意見書は市議会文教福祉委員会の橋本佳子委員長が提案した。市民が払う国保税を現行のままと推計した場合、一般会計からの繰り入れの著しい増加が見込まれるなどとして、県に対し、積算根拠を明確に説明すること、保険税の引き上げとならないよう財政措置を講じることなどを求めている。議会では「つくば市が他市町村分を負担している」などと仮算定を批判する意見も出た。市も議会と足並みをそろえ、見直しを求める要望書を共に15日に県に提出するという。

一方、市民が実際に支払う国保税がいくらになるかはまだ決まっておらず市は3月議会に提案するとしている。

新制度への移行に向けて、県は昨年3月、県国民健康保険制度移行準備委員会(委員長・兪和茨城大教授)を設置し、市町村代表も加わって、保険料や運営をどうするかについて検討を続けてきた。保険料は県内統一でなく市町村ごとに算定していくことが決まり、昨年11月28日の第4回会合で各市町村の保険料を仮算定した数値が示された。

2018年度に必要な保険料総額が17年度より増加する市町村はつくばのほか龍ケ崎、常陸太田、那珂、牛久の5市で、39市町村は減少する。一方、一人当たりに換算すると保険料が増加するのが33市町村、減少するのは11市町村となる。つくば市は保険料増加額も県内で最も大きい約9632万円となる。

ただしあくまでも仮算定で、今後、1月下旬までに本算定が示され、各市町村は一般会計からいくら繰り入れるかを決めて国保税を算出する。

2018年度国民健康保険料総額の仮算定の数値
市町村 一人当たりの必要保険料総額(円) 前年度と比較した18年度の増減額(円)
1 つくば 130,191 3,117
2 八千代 130,005 ▲4,074
3 守谷 128,813 ▲3,885
4 境町 128,570 2,110
5 かすみがうら 126,011 ▲1,291
6 坂東 125,508 3,005
7 稲敷 124,694 ▲14,049
8 大洗 124,339 2,977
9 行方 122,994 ▲6,841
10 神栖 121,989 1,495
11 筑西 121,636 2,912
12 美浦 121,397 ▲6,107
13 古河 121,075 2,899
14 下妻 120,572 2,887
15 鉾田 120,062 356
16 茨城 119,515 2,861
17 東海 119,429 2,859
18 小美玉 119,008 ▲4,510
19 水戸 118,977 2,849
20 常総 118,605 2,839
21 土浦 117,540 2,814
22 桜川 117,523 2,814
23 五霞 117,509 2,813
24 ひたちなか 116,841 2,798
25 那珂 116,371 2,786
26 結城 113,885 2,726
27 北茨城 113,401 ▲1,861
28 鹿嶋 112,733 1,354
29 笠間 111,682 1,649
30 石岡 111,278 2,664
31 日立 111,262 ▲28
32 常陸大宮 111,171 559
33 つくばみらい 110,143 2,637
34 潮来 109,948 2,632
35 阿見 109,128 2,612
36 高萩 108,574 2,600
37 河内 108,186 ▲21,369
38 常陸太田 107,175 2,566
39 大子 106,596 ▲11,536
40 龍ケ崎 106,002 2,538
41 利根 101,519 2,430
42 取手 99,263 2,377
43 牛久 98,851 2,366
44 城里 97,311 2,330
県平均 116,719 1,304
※激変緩和措置実施済み
※第4回茨城県国民健康保険制度移行準備委員会資料より作成

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

地元県立高5校が魅力を紹介 24日「高校進学を考える集い」

つくばの市民団体が開催 つくば市と近隣の県立高校5校の校長が一堂に会し、学校の魅力を紹介する「第7回つくばの高校進学を考える市民の集い」が24日、つくば市役所コミュニティ棟で開催される。人口増加が続くつくば市で、県立高校が不足している問題を県などに訴えてきた市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が主催する。 5校合同のいわゆる学校説明会で、昨年に続いて2回目の開催となる(25年5月15日付、同6月6日付)。昨年は市内の4校が登壇したが、今年は牛久栄進高校が新たに加わる。登壇するのは▽筑波高、永井信一校長▽つくばサイエンス高、石塚照美校長▽茎崎高、吉田真弘校長▽牛久栄進高、奈良由紀子校長▽竹園高、桜井良種校長。各校の説明後、質問も受け付ける。 昨年は約120人が参加した。一般市民や県議、市議、市職員などのほか、親子連れで熱心に聞き入る中学生や小学生などの姿が目立った。考える会によると、昨年は「説明を聞いて、勉強のスタートとなった」との感想を寄せられた母親もあったという。 集いは2部構成で、第1部は5校の校長がそれぞれの魅力を紹介する。第2部は、今年4月から私立高校生に月3万8100円の授業料が支援される私学の授業料無償化がスタートしたことや、県立高校志願者がさらに減少した問題など、今後の動きや課題を考える(26年3月8日付)。ほかに、元高校教員の片岡代表が、近年の県立高校入試の傾向を分析し、学習方法などを考える(同4月10日付)。 片岡代表は「つくばの生徒数が増加する中で県立高校の定員が不足しているという問題が構造的にある中で、私学の授業料無償化に伴って、地元の県立高校の魅力を十分に伝える必要性が高まっている。つくばエリアの県立高の定員不足問題だけではなく、中学・高校受験の問題を地域の問題として、また受験生への豊かな学びの応援として共に学び、語り合う機会になれば」と話し、参加を呼び掛けている。(鈴木宏子) ◆第7回つくばの高校進学を考える市民の集いは、24日(日)午前10時~午後0時30分、つくば市研究学園1-1-1、市役所コミュニティ棟1階会議室で開催。資料代300円、小中高校生は無料。詳しくは電話090-4591-8437(片岡代表)または電話029-852-4118(新日本婦人の会つくば支部)へ。

ロータリークラブ活動 水戸とつくばが競争《吾妻カガミ》219

【コラム・坂本栄】つくば学園ロータリークラブ(RC)のメンバーに加えてもらうことになりました。記事「創立40周年を祝う…」(3月2日掲載)を取材した際、その活発な社会奉仕活動を見聞きし、自分もそこからエネルギーをもらいたいと思ったからです。学園RCの会員数は水戸RCに次いで県内2番目ですが、早晩、歴史ある水戸RCを追い抜くような気がします。 対抗意識が両クラブを活生化 RCの年度は7月~翌年6月と、役所などとは違った期間になっています。今年度初(昨年7月)の会員は、水戸RC123人、学園RC105人でした。今年度末(6月)の目標として、水戸RCは133人、学園RCは110人(すでにこの目標を突破)を掲げています。この目標人数を見ると、両クラブのライバル意識の強さが分かります。ちなみに、県内55のRCのうち、会員数が100人を超えるのは水戸RCと学園RCだけです。 数字を並べましたが、両クラブの張り合いが面白いと思ったからです。ベテラン会員に「この調子だと水戸を抜くのは時間の問題ですね」と聞いたところ、「いや簡単ではない。こちらが頑張ると相手も頑張るから」とのことでした。よい意味で競争意識が両RCの活生化につながっているようです。 水戸にはRCが6つ(水戸RC以外は会員数約90~約20人)あるそうです。つくばの数は3つ(学園RC以外は同約60人と約20人)ですから、つくばは水戸にクラブ数では負けています。その背景は「会員数が増えると自分が目立たなくなるので自立心が高い人たちが別のクラブを立ち上げ独立する」(ベテラン会員)ことにあるそうです。こういった「分派活動」には水戸人のエネルギーを感じます。 予算と人口はもうすぐ逆転? なんとなく沼田誠さんのコラム「水戸っぽの眼」風になってきました。彼は水戸市の「みとの魅力発信課長(いわゆる広報広聴課長)」として活躍、現在は転職してつくば市に住み、東京圏で仕事をしています。独自の視点で両市を比較するストーリーは面白く、行政の地域性を知る上で勉強になります。 前回12「…今年度予算を比較」(4月29日掲載)では、古いまち・水戸市と新しいまち・つくば市の施策の違いを分析していました。添付された予算額推移表を見ると、つくば市が水戸市に急接近していることが分かります。今年度は1308億円対1227億円ですが、昨年度は1275億円対1273億円でした。ちょっとした新規事業の有無で来年度は逆転するかも知れません。 人口は間もなく逆転するでしょう。5月1日現在の常住人口は、水戸市が26万5243人、つくば市は26万4558人ですから、その差はわずか685人です。東京では住宅価格が高騰、首都通勤が可能なTX沿線への移住増を想定すると、つくばが水戸を上回るのは時間の問題です。数カ月前、記者会見で人口逆転について聞かれた五十嵐市長はコメントを避けていました。県都のプライドを刺激するのを避けたかったようです。 永田筑波大学長の共創体構想 歴史ある県庁所在地水戸。国と県が造った研究学園つくば。性格が違う両市の都市間競争は県全体の活性化につながります。「…学園都市を一つの研究教育共創体に…」(3月23日掲載記事)をぶち上げた永田恭介筑波大学長も学園RCの会員ですが、私がゲスト出席した4月末例会の卓話(ミニ講演)では、ロンドン-ケンブリッジと東京-つくばの関係性・距離感が似ていると指摘し、研究学園の機能強化の必要性を訴えました。(経済ジャーナリスト)

土浦の花火100年の紡ぎ(5)《見上げてごらん!》52

煙火の系譜は湖畔から山へ 【コラム・小泉裕司】火薬を取り扱う花火工場は、火薬類取締法など関連法が定める「保安距離」確保の観点から、住宅街や公衆が集まる施設を避けた山間部や平地のはずれに立地するのが一般的である。 土浦における「花火製造」の歴史は、1936(昭和11)年、霞ケ浦湖畔の川口町(現 川口2丁目)に「北島煙火店」が創業したことに始まる。戦後「土浦火工」(北島義一社長)へと社名を改め、土浦全国花火競技大会の発展を支える存在となった。 その後、市街化の進展に伴い、1963年に宍塚大池地区へと移転する。興味深いことに、移転先の宍塚山周辺では明治の中頃まで「竜星(りゅうせい)」と呼ばれるロケット花火が打ち上げられていたという。これは櫓(やぐら)に固定した筒に火薬を詰め、丸太を空高く打ち上げてその高さを競うものであった。 かつての「竜星」から土浦火工へと至る煙火の伝統は、時代を超えてつながっているように思えてならない。ちなみに現在も、つくば市百家(はっけ)の観音寺では、伝統花火を支える山﨑煙火製造所の支援を受け、9月第2日曜日に「竜水」という名のロケット花火が奉納されている。 1956年、土浦火工の子会社として、上高津町に設立された「昭和火工」は、元々、川崎市登戸で照明弾などを製造していた企業であった。義一氏が武藤輝彦氏(1921-2002)との共同経営に参画した当時は、玩具花火も幅広く取り扱い、土浦火工と昭和火工の両工場はわずか1.5キロほどの距離で、土浦の煙火産業の両輪を担っていた。 花火事故と安全への挑戦 「花火の歴史は事故の歴史」とも言われる。土浦におけるその歩みは、不断の安全への挑戦の記録でもあった。1991年の解散までの約半世紀の間に、同社関連の火災事故は18件発生し、7人が尊い命を落としている。 記録をひもとくと、事故の多くは移転前の川口町で発生したが、宍塚山や上高津、さらには湖上での水中花火事故も記録に刻まれている。当時の消防士たちは非番の日であっても現場に駆けつけたという。それは、火薬という危険物を扱う現場を有するまちの宿命だ。 特に1975年の爆発事故は悲劇的だ。日本煙火協会の設立に尽力し、業界全体の安全確保を生涯の使命としていた義一氏は、この事故で跡継ぎの長男克之氏を亡くしている。「安全なくして花火の発展なし」。この信念を掲げるリーダーにとって、身内を襲った悲劇がいかに断腸の思いであったかは、想像に難くない。この事故を最後に、土浦火工での火災事故は確認されていない。 現在、宍塚山の工場跡入り口には、折れ曲がった「土浦火工」の看板が往時をしのばせるのみである。一方で、昭和火工の跡地は、今も業界大手の玩具花火メーカーの倉庫として活用されている。形を変えながらも、そこは今なお子供たちに夢を発信する空間であり続けている。 「花火のまち」土浦。千紫万紅(せんしばんこう)のごとく秋の夜空を彩る閃光(せんこう)の裏側には、火薬と向き合い、時には命を賭して技術を磨き上げた先人たちの、苛烈な歴史が刻まれている。本日はこれにて打ち留めー!(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <参考文献>「土浦消防三十年のあゆみ」(土浦市消防本部、1980年刊)「土浦町内ものがたり」(本道清、常陽新聞社、1989年刊)「日本煙火協会参拾年史」(日本煙火協会、1993年刊)「日本の花火のあゆみ」(武藤輝彦、あずさ書店、2000年刊)「花火と土浦」(土浦市、2018年)「花火師たちの記憶/DVD」((有)茨城ビデオパック、2025年完成)

免許失効したまま公用車など運転 市職員を減給処分 土浦市

土浦市は15日、同市都市整備課の男性職員(33)が昨年7月4日から8月13日までの間=当時は別部署に在籍=、運転免許が失効した状態で自家用車で通勤していたほか、同期間中の8日間、計9回にわたって公用車を運転するなど交通法規違反を行ったとして、同日付で男性職員を1カ月間減給10分の1の処分にしたと発表した。 市人事課によると、男性職員は有効期限が7月3日までの運転免許証の更新手続きを失念した。8月13日に本人が免許証を更新していないことに気付き、翌14日に更新手続きを実施した。 今年4月、本人から申し出があり発覚した。同市では毎年4月、職員に対し、運転免許証の有効期限などを含めた自動車運転報告書を提出させている。同報告書提出の際、本人が申し出たという。 処分内容については、市職員分限懲戒審査委員会を開き、同市の前例や他市の状況などから減給処分とすることを決めたとしている。併せて、管理監督責任があったとして、異動前の当時の課長を口頭注意とした。 安藤真理子市長は同日「運転免許の確認についてはこれまでも再三にわたり指導してきたが、このような交通法規違反により市民の信頼を損なってしまったことを心よりお詫びします。二度とこのようなことがないよう、法令遵守、服務規律の確保を徹底し市民の信頼回復に努めます」などとするコメントを発表した。今回の事態を受け、職員全員を対象に、各所属長が運転免許証の原本をチェックし有効期限を確認するとしている。