【池田充雄】男子プロバスケットボールB2リーグの茨城ロボッツは28、29日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで、福島ファイヤーボンズとのホーム2連戦に臨み、28日は94対77、29日は114対85と連勝。これで今季通算成績を12勝5敗とし、2位の仙台89ersに勝敗数でも勝率でも並んだ。茨城の114点はチーム設立以来の最多得点記録となった。
●2020-21 B2リーグ第17戦(29日、アダストリアみとアリーナ)
茨城 114-85 福島
茨 城 |29|27|27|31|=114
福 島 |27|21|22|15|=85
「非常に収穫が多い試合だった。全員が得点し勝利に貢献してくれた。特に後半のプレーは、いままでの中でもひときわ良い出来だったと思う」とクレスマン・ヘッドコーチ(HC)は選手たちを讃えた。
茨城は前日に続いて攻撃が好調、序盤からシュートタッチも良く得点を重ね、第2クオーター(Q)残り3分30秒の時点で早くも17点差をつけた。だがその後は気持ちに緩みが出たか、相手に攻め込まれるようになり、自分たちの攻撃にもミスが目立つようになる。みるみる点差を詰められ、第3Q半ばには59-59の同点とされた。
転機となったのは第3Q終盤。残り1分55秒から遥天翼が約1分間でシュート2本とフリースロー5本で9得点を荒稼ぎ。第4Qもこの勢いに乗って、開始直後から茨城が一方的に得点を重ねていった。
クレスマンHCは「前半はオフェンスは非常に良かったが、守備でやや下がる場面が見られ、もうひと踏ん張りが必要だった。後半はスイッチが入って守備もよく集中し、相手の攻撃を止めることができた」と分析する。
しかし遙の見方は少し厳しい。「守備は1人でもさぼるとそこから崩れる。群馬戦のような危機感を全員がまだ継続しきれてなく、間延びした時間帯ができてしまう。誰かエナジーを出せる人が声やプレーで引っ張り、きっかけを作ることが必要なのかなと思う」
眞庭城聖は「相手のリバウンドやインサイドの強さに苦しみ、点差を離せない場面もあったが、点を取り続けることで勝ちきれたと思う。ボールがうまく回り、相手に的を絞らせない効果的な攻撃ができた。守備面ではインサイド陣がハードなプレッシャーをかけ、簡単にパスを入れさせなかった」と評した。
今シーズン初の全員得点
第4Qでは鎌田真が途中出場、残り2分30秒という短い時間ながら、得意とする3点シュートを2本決めた。これで登録12選手が全員出場、全員得点という今季初の快挙も達成した。またチェハーレス・タプスコットはこの試合で、B2史上初の個人通算1500ディフェンスリバウンドを達成。誰もが活躍できる選手層の厚さを証明した。
鎌田の活躍についてクレスマンHCは「非常に良いプレーをしてくれた。まだ20歳であり置かれている状況は違うが、経験ある選手の中でもまれ、プロとして日々成長していくことが重要だと思う」と喜んだ。