筑波研究学園都市に集積する大学や国等の研究機関が結集し、一つの研究教育共創体となって、新産業の創出など研究成果の社会実装を加速することを目指す連携体制をつくるための協議会が23日、筑波大学など25の研究機関で設立された。
25機関は、筑波大と物質・材料研究機構、農業・食品産業技術総合研究機構、産業技術総合研究所、国土技術政策総合研究所など。各研究機関の論文数を合わせると世界トップレベルで、共創体は世界有数の研究集合体になるという。同日、つくば市内のホテルで協議会の発足式が開かれ、25研究機関の代表者らが覚書に署名した。

共創体(仮称・筑波研究教育機構)構想を呼び掛けた筑波大の永田恭介学長は、50年前の筑波研究学園都市建設の理念を踏まえ「つくばをつくり直す」構想だとした。物質・材料研究機構の宝野和博理事長は発足式のあいさつで「国立研究機関の強みは最先端の研究施設と支援体制、研究環境だが、大学院世代の若い研究者候補が十分でない弱みがある。人口減少社会の中で、優秀な大学院生が世界中から集い、世界最高の研究環境ができることが共創体構想の本質ではないか」などと期待を話した。
共創体構想は、筑波大が昨年度、国際卓越研究大学の認定を目指し申請した構想でもある。認定されれば政府の10兆円規模のファンドから25年間にわたり年間100億円前後の支援を受けることができたが、25年度は認定されなかった。永田学長は「お金が入ろうが入るまいが、元々やらなければならないことなので3、4年前から準備を続けてきた」とし、「どうやって研究費をとってくるのかは課題だが、つくばが元気を出さないと、ここをつくった価値がない」と強調した。

具体的には、筑波大が1992年度から取り組んでいる連携・協働大学院を基盤に、世界トップの研究教育共創体に発展させることを目指す。同大学院は、国等の研究機関の研究者を筑波大の教員として、同大の大学院生が研究機関の研究環境を活用して研究に取り組む制度で、現在、外部の31機関などの研究者229人が筑波大教員を兼務し、筑波大の大学院生508人が各研究機関の研究室で研究に従事している。大学院生は研究力強化のためにも必須の存在だとして、2035年までに教員、大学院生それぞれ3倍に増やし、教員を500人、大学院生を1500人に増やすことを目指すことを第1段階の目標とする。
ほかに共同ラボの設置、研究者が複数の研究機関と雇用契約を結ぶクロスアポイントメント制度による研究者の共同公募、起業支援、筑波大の海外分校や海外協定校など海外ネットワークの活用、筑波大の外国人研究者宿舎の共有など連携の取り組みも検討されているという。
今後のスケジュールについては、4月以降、共創体の形態や運営についての協議を開始し、来年3月ごろの共創体を設立を目指す。共創体は法人化し、新たな共同プロジェクトや研究資金の獲得にも取り組むとしている。(鈴木宏子)







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