土曜日, 2月 7, 2026
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《吾妻カガミ》82 コロナ禍の仕事と生活

【コラム・坂本栄】新型コロナ禍で仕事も生活もスタイルの修正を迫られています。本サイトの運営については、コラム「わたしたちのテレワーク」(3月2日掲載)で、元々ネット上の作業なので影響はあまり受けない、週1の編集会議はできるだけ従来の形を維持したい―と述べましたが、この会議も4月半ばから「電話とメール」に切り替えました。でも、茨城も緊急事態が解除されましたので、そろそろ室に戻れそうです。

オンライン授業での誤算

本サイトの運営のほかに、私は県北の大学で講義も担当しています。当然、教室を使ったリアルな授業は見送られ、4月の始業から夏場までオンラインに移行しました。その際、事務方から①同時双方向型②オンデマンド型③課題研究型―のどれかを選ぶよう連絡がありました。

同時双方向型はパソコン画面を分割してやり取りする方式(テレビ番組が多用)、オンデマンド型は録画した講義を学生に視聴させる方式(学習塾などが採用)です。これらが望ましいことは言うまでもありません。しかし私は、両方ともパソコン故障や回線中断のリスクがあるとの理由で(本当は扱える自信がなくて)、課題研究型を選択しました。

課題型は大学ホームページ(HP)内の「リポート受付機能」を使う方式ですから、やり取り(先生の課題提示→学生の回答)はテキストだけになります。「〇〇について△△字以内に記せ」と課題を提示、HP内の指定箇所にリポートを添付させるやり方です。声がかれる講義はパスできますが、リポート(2クラス193人分!)を読むのは大仕事です。結果、「行きはよいよい帰りは怖い」になりました。

老犬に嫌われた散歩倍増

また、地域FMのニュース解説も担当しています。放送は、MC(司会者)との接触を避ける必要があると、スタジオから電話出演に切り替わりました。元々音声だけの世界ですから、進行上の問題はありません。残念なのは、音楽がかかっている間(マイクがオフの間)、若いMCと雑談できなくなったことです。こちらもそろそろスタジオ入りできる?

生活のスタイルも変わりました。大きいのは、スポーツクラブが閉鎖され、週2~3回通っていたジムで運動できなくなったことです。そこで、有酸素運動→筋肉トレーニング→ストレッチの穴を埋めるために、散歩を倍にして運動量を確保しています。以前は、毎朝柴犬を連れて40~50分歩いていましたが、夕方の散歩も加えました。これにはついて行けないと思ったのか、老犬はときどき抗(あらが)います。

家でも筋トレをと、アマゾンから5キロのダンベルを2本取り寄せました。使い方はジムと同じにして、回数は倍にしています。ダンベルを受け取るとき、配達の方から「これ何ですか? こんな重い荷物は初めてです」と怪しまれました。ジムが使えるようになりましたら、どなたかにお譲りします。(経済ジャーナリスト、大学経営学部講師)

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

【コラム・奥井登美子】お正月には誰も故郷に帰りたくなる。私が育ったのは荻窪のみどり幼稚園。緑の名の通り、生垣に囲まれた家と野原の、のんびりした緑色の住宅街だった。 しかし今の東京の町はどこも高いビルばかりで、緑がない。故郷という言葉とはかけ離れた風景になってしまっている。私の故郷と呼べるような所は、もうどこにもなくなってしまったのだ。 幼い時、父の故郷、新富町へもよく連れて行ってもらった。父は歌舞伎座が新富座であった頃の、鉄砲洲小学校出身。「菅原伝授手習鑑」などに寺子屋の子役として駆り出されて、よく出演させられたそうだ。台詞(せりふ)も筋もよく覚えていて、よく私に語って聞かせてくれた。 隅田川のほとりに町があって、父は「〇〇ちゃんの店でノリを買おう」などと、昔の友達の家に寄っておしゃべりするのを楽しみにしていた。父の故郷はいま、日本ではない、高いビルばかりのどこか架空の空間になってしまっている。 タケちゃんの文が朝日に載った 1月27日の朝日新聞「折々のことば 鷲田清一」に、加藤尚武の文が載っていた。「個人の間の平等は、ある程度まで…自然の平等に支えられているが…国力の差は、ネズミとゾウの違いよりも大きい」 加藤尚武は私の弟のタケちゃん。京都大学の哲学教授を務めた後、鳥取に環境大学を創り、環境問題を、哲学のまな板の上に載せた人。「環境問題のすすめ」という著書もある。生活者として、医療と環境を意識して生活している。 加藤家の男たちはみな食べるのが好きで、父も、兄も、タケちゃんも、好きなものを自分で作って食べるのが趣味だ。 私はせめてせめて、お正月くらいは、おしゃべりの好きな弟のタケちゃん、母の昔の味の料理を作ってくれる妹、姪たちに会って、亡くなった父、母、兄の個性を偲(しの)びながら、今の子供たちと比べて、大笑いするしかないのだろうか。(随筆家、薬剤師)