【コラム・坂本栄】人口が増えている「つくばエリア」は人口が減っている県から独立し、独自の行政区を結成したらどうか、と私は考えています。5月、この持論を補強する情報が二つ飛び込んできました。一つは、つくば市の人口が水戸市を抜いたというニュース。もう一つは、日本経済新聞電子版の「政令市が道府県から独立…」というタイトルの記事です。
下り坂の県と上り坂のつくば
つくば市の人口が水戸市を上回ったとの国勢調査速報は、皆さんご存知と思います。本サイトの記事「つくば市の人口、水戸市を抜いて…」(5月29日掲載)によれば、「つくば市の昨年10月1日時点での人口は26万8991人となり、水戸市の26万5773人を3218人上回って、県内一に…」なりました。
同じ調査で分かった県全体の人口減、つくば市の人口増(水戸とつくばの人口逆転はこのシンボリックな表現)は、水戸を拠点にして県全体を見ている県庁をおかしな行動に走らせています。少子化を踏まえて県立高のリストラを進める県が、つくばエリアの児童増に目配りせず、同エリア内での県立高新設を渋るのもその一つでしょう。
私はこういった傾向を「下り坂の県」と「上り坂の市」と定義、139「…のおはなし」(22年8月15日掲載)の中で、「県と市が置かれている状況と方向が違うのだから、つくば市は県から『独立』したらどうか」と提案しました。さらに、202「つくばの県立高問題は動く?」(25年2月17日掲載)では、「…『上り坂』のつくば市を中核とする人口50万人以上の政令指定都市を設け、『下り坂』の県から『独立』するアプローチも考えられます」と書きました。
政令指定都市による独立構想でイメージしていたのは、神奈川県における横浜市(県庁所在市)や宮城県における仙台市(同)などの大都市です。つくば市に県庁は存在しませんが、県庁所在市は政令指定都市の必要条件ではありません。
「特別市」という独立の形
驚いたのは、日経電子版の「政令市が道府県から独立、『特別市』再び議論…」(2026年5月27日19:00)という見出しの記事です。そのリードでは「地方制度調査会(地制調)は2027年度中にも『特別自治市(特別市)』の制度に関する答申をまとめる。…大都市を県から独立した位置づけにする特別市について税のあり方などを検討する」と報じています。
県内の政令指定都市(人口要件50万以上)は県の行政下に置かれますが、「特別市」の行政権限は県から切り離され、より強い形で独立できるそうです。国レベルでいえば、イタリア国内にあるバチカン市国のイメージでしょうか。川崎市(非県庁所在市)の福田紀彦市長のコメント「地域での核となる都市を成長させ、多極分散型を実現することで日本全体にも効果を還元できる」は、とても説得力がありました。
つくばエリア(県の分類では、つくば、土浦、つくばみらい、守谷、牛久、常総、下妻の7市)の人口は合計約70万ですから、政令指定都市になる条件を満たしています。でもそこにとどまらず、一気に「特別市」に移行(県から完全に独立)、北関東の「核都市」を目指すのも面白いと思います。(経済ジャーナリスト、坂本栄)






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