【山崎実】茨城県観光物産課の観光客動態調査結果によると、昨年の茨城県への観光入込客数の延べ人数は6183万6000人(前年比0.9%増)で、調査を開始した1970年以降、過去最多を記録した。また入込客数の実人数は4040万9000人(同2.2%増)、観光消費額は2555億円(同2.8%減)だった。
県内44市町村のうち、つくば市は大洗町に次いで観光入込客数が2番目に多く、特に筑波山(つくば市)が22万7000人増加したのを始め、新たに調査地点に追加した宝篋山(同)は7万1000人増えた。
入込客数の延べ人数は県内406の観光地点、行事、イベント等の入込客数の総数で、地域別では県央1989万8000人、県南1387万8000人が他地域に比べ多かった。県南は筑波山、宝篋山のほか、みほふれ愛プラザ農産品直売所(美浦村)も8万5000人増とそれぞれ人気を集めた。県内18カ所の公設海水浴場の入込客数は11万8000人増となった。
入込客数の上位市町村は①大洗町(453万1000人)②つくば市(421万7000人)③ひたちなか市(392万2000人)④笠間市(370万4000人)⑤水戸市(367万6000人)がベスト5。
外国人観光客(実人数)は34万2000人で、前年より4万5000人(15%)増えた。2016年から毎年15%程度増加し続けている。
一方、観光消費額は全国的に旅行消費額が下がっていることなどを反映し、2554億7400万円で、前年比2.8%減となった。全体の入込客数は増えたが、宿泊観光客の減少(対前年16万4000人減)や1人当たりの観光消費額が前年の6645円から6322円と323円(4.9%)減ったことなどが影響した。
利用交通手段は自家用車が圧倒的に多く全体の85.5%を占め、県外からの入込客数では千葉県(678万人)、東京都(641万3000人)、埼玉県(516万4000人)がベスト3。
満足度については「ひじょうに満足」と「やや満足」を合わせ79.3%に達した。
課題も見えてきた。県北臨海、山間地域への入込客数(延べ人数)は両地域合わせても803万人(前年は816万6000人)と伸び悩んでいる。また茨城県は依然として滞在型観光地としての地歩を築いていない。県、市町村は今後、新たな魅力ある観光振興対策を迫られる。