火曜日, 9月 9, 2025
ホームつくば【ウェルネスパーク問題】再公募 応募資格を地元に限定 募集期間わずか10日

【ウェルネスパーク問題】再公募 応募資格を地元に限定 募集期間わずか10日

【鈴木宏子】つくば市のスポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を4月から管理・運営する市長提案の指定管理者が市議会で否決され、五十嵐立青市長が、改めて事業者を公募し選定をやり直すと表明した問題=1月15日付け=で、同市は24日、新たな事業者の応募資格を地元のみに限定し、23日から2月1日までの10日間、募集を実施すると発表した。募集資格は議会の意向に沿った形に変更となった。

議会で否決された前回の応募資格は「市内に拠点となる事務所を置く」事業者とされ、都内に本店があってもつくば市内に支店などがあれば応募可能だった。今回は「市内に本店を置き継続して2年以上経過している」事業者に変更した。

12月議会で否決された事業者は、都内に本店があるシンコースポーツ。ほかにつくば市内に本店があるグループ企業2者の計3者が応募していた。公募委員を含む同選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)が審査した結果、最も評価点が高かったシンコースポーツが議会に提案された。しかし新たな募集要項では市外事業者は応募自体ができなくなる。

さらに前回の募集期間は、募集要項配布から質問受け付け、現地説明会、申請書類受け付けまで40日間あったが、今回は23日から2月1日までのわずか10日間となる。

募集期間が短いことについて市スポーツ振興課は「(現在の指定管理者の期間が3月末までなので)4月に間に合わせるため」とし、「(前回)7月に公募し(応募があった)3者以外も現地見学会に来ている。今回は応募資格要件以外ほとんど(内容は)変わらないので、(応募事業者は)10日間で十分吟味できる」としている。

応募を2月1日まで受け付けた後は、2月上旬に第1次審査(書類審査)と第2次審査(プレゼンテーション)を実施する。中旬には候補者を決定し、2月下旬に議会に提案する方針で、4月1日からの指定管理期間の切り替えに間に合うとしている。

同施設は温水プール、温浴施設、サッカースタジアムなどがある約9㌶のスポーツ施設。2010年にオープンして以来これまで3年ごとに指定管理者の選定を行い、現在まで9年間、T.P.Hウェルネス推進グループ(代表・塚越産業、つくば市篠崎)が指定されている。指定期間は今年3月末で満了となり、4月から新たに5年間の指定期間となる。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

何もしない夏《続・平熱日記》184

【コラム・斉藤裕之】辺りが薄明るくなってくると最初の1匹が鳴き始める。それに応えて「カナカナ…」と仲間のヒグラシが鳴き始める。サンダルを履いてなだらかな砂利道を下る。数メートル先を白く丸まったパクの尻尾が進む。しばらく行くと道は2つに分かれる。その先の田んぼから聞こえるのはフロッグコーラス。 本当にかの合唱曲のようなコンダクターがいて、最初の1匹が「キキッ、キキッ」というような少し高い声を出すと、続いて一斉に「ケロケロケロケロ…」と合唱が始まる。広い田んぼにはいくつかのコーラスグループがあるようで、こちらの合唱団が鳴き始めてしばらくすると離れた所の合唱団が輪唱で追いかける。 この夏も山口の弟の家で過ごした。山の中にある家を一歩出ると、メススリという小さなハエが鬱陶(うっとう)しく顔の周りを飛び交う。メススリという名前の由来の通り、人の涙をすすりにくるという。 湧き出る水辺にはイモリの赤ちゃんがいた。イモリはが脱皮するということも初めて知った。モリアオガエルの目は金色だった。薪(まき)小屋の上にたわわになっているサルナシの実を見つけた。初めて食べたのはチャンバラ貝。ふたの部分に刀のような突起がある。田んぼで白と黒の大きな鳥を見かける。もしやと思ったらやっぱりコウノトリだった。 日本海の小さな港。堤防から覗(のぞ)いた海面には葉っぱ? 黒く体の色を変えたイカの赤ちゃんの群れがぷかぷか浮いていた。 初めて訪れた中古レコード店。私の漠然とした要望にサクサクっと店主さんが選んでくれた数枚のレコード。どんな曲だろう。それから廃材でポストを10個余り作った。パクを皮膚病の治療もかねて瀬戸内海で3回泳がせた。あまり海も泳ぎも好きではなさそうだったが…。 それから山の中にぽつんとある「ロバの本屋」に行った。小さな納屋のような建物を改装した店内に入ると、犬のビクターが出迎えてくれた。必要最小限に手を加えられた内装や古い棚やテーブル、店主さんのセンスで選ばれた本や文房具、糸や布の手芸用品が並ぶ。ちょうど終わった作品展「かみさまのようなもの」の陶器のオブジェがそのまま置いてあった。 また絵を描きたくなった 還暦を過ぎた弟は潔く大工をやめることにしたらしい。私はといえば未練がましく絵を描き続けていこうと思っている。正直、足腰や目、歯、見てくれは年相応にくたびれてきたのを感じることもあるけれども、ときどき中身は若い頃とさほど変わっていないように感じることがある。無知で未熟なままの…。 木製の古い窓から真っ青な夏空の見えるカフェスペースで、べったりと寄り添うビクターを撫(な)でながらコーヒーをすすった。また絵を描きたくなった。ロバの本屋に訪れてよかったと思った。 夕方、アブラゼミやニイニイゼミに代わってヒグラシが鳴き始めた。今日も暑い1日だったが、山の中の家は夕方になると涼しい風が吹いて夜は布団を被(かぶ)らないと寒いくらいだった。何もしない夏は何もないわけでもなかった。(画家)

吉田光男さんの随筆集「おとな日和」《邑から日本を見る》186

【コラム・先﨑千尋】水戸芸術館の設立と運営に尽力した水戸芸術振興財団元副理事長の吉田光男さんが亡くなって3年。このほど吉田さんの随筆集『おとな日和』が発刊され、私は佐川文庫を主宰する佐川千鶴さんを介して手にした。品格のある装丁とタイトルがいい。 吉田さんは私の高校の10年先輩で、水戸市内などで手広くガソリンスタンドやレンタカー・カーリースなどを経営している吉田石油のオーナーだった。粗野な私にとっては別世界の人で、生前にお目にかかることはなかった。元水戸市長の佐川一信さんの懐刀で、水戸芸術館の設立と運営に大きな役割を果たした人、という程度の知識しかなかった。 本書は「おとな日和」「芸術館開館に向けて」「日々雑感」など6章から成る。吉田さんが生前に書き残した随筆などをまとめたもので、軽妙洒脱な文が読む者を魅了する。 「水戸を日本一の文化都市に」 茨城県は今でも魅力度ランキング最下位の常連。水戸も「殿様」と「納豆」しかなく、文化果つるところ。その水戸を日本一の文化都市にしようと意気投合したのが吉田さんと佐川さんだ。ともに学問・芸術好きで、水戸学だの殿様などを評価しないこと、水戸に何かを付け加えなかったら水戸はダメだと焦っていること、などが共通点だったという。その新しい何かが水戸芸術館だった。 水戸芸術館は建築家の磯崎新の設計。遠くからも見える、正四面体を重ねてできた三重螺旋(らせん)の塔。それに、音楽ホール、演劇ホール、美術館の3つのホールが、緑の芝生を囲む形に配置されている。広場では縁日や野外劇などが行われ、暮れにはベートーヴェンの「第九」の演奏が名物になっている。 ホールはそれぞれ専用で、貸しホールにはせず、すべて独自のプログラムが組まれる。容れ物ができればそれでいいというのではなく、佐川市長は芸術館の運営に市の総予算の1%を充て、吉田秀和さんを初代館長にした。小澤征爾、森英恵、小口達夫などの超一流メンバーが集い、それぞれが水戸のために渾身の力を込めて一肌脱いでいる。 水戸芸術館管弦楽団は、世界中に散っている日本人演奏家の精鋭を集めて組織され、コンサートの切符はなかなか手に入らない。「芸術の梁山泊」が水戸芸術館だ。吉田さんは「日本にカジノを作っても、誰もその故に日本を尊敬する人はいない。政治の品性は一国の文化の程を決めてしまう」と書いている。 無類の本好き、骨董好き 本書を読んでわかったことだが、わが国の公害問題研究の第一人者である宇井純は、小学校時代、吉田さんと同級生だった。石岡市八郷地区で百姓暮らしをしている筧次郎さんは水戸の生まれであることは知っていたが、吉田さんの家の近くの人で、筧さんの野菜を食べていたという。 吉田さんは無類の本好きで、いつも本を読んでいた。本書にも古今東西の文献の引用が随所にさりげなく出てくる。水戸にゆかりのある作家の立花隆は「知の巨人」と言われていたが、吉田さんも知の巨人と言っていいのではないか。 また、無類の骨董好きでもある。この秋、水戸市泉町に開館するテツ・アートプラザ内の「クヴェル美術館」で、吉田さんが収集したシルクロードの仏教美術や陶磁器のコレクションが展示されるというので楽しみだ。なお、本書は非売品。水戸市内の図書館などで閲覧できる。(文中一部敬称略) (元瓜連町長)

塚本一也氏が再選 県議補選つくば市区

知事選と同日で行われた県議補選つくば市区(欠員1)は7日投票が行われ、元職でタクシー会社社長の塚本一也氏(60)=自民=が、元職で政党役員の山中たい子氏(74)=共産=を破り、2期目の当選を果たした、当日有権者数は19万9049人、投票率は34.05%。 【県議補選つくば市区】(22時48分確定)39,121 塚本 一也24,293 山中たい子 塚本氏は「つくば市を力強くけん引する県政を」をスローガンに掲げ、県歯科医師連盟、つくば市農協、県建築士会筑波支部の政治団体などの推薦のほか、大井川和彦知事、常井洋治氏、飯塚明夫氏ら自民党県議、国光文乃氏衆議院議員、加藤明良参議院議員らの応援を得て、自民党の票を取りまとめたことが奏功した。 これに対し山中氏は「自民党政治を変えて願いかなういばらきに」をスローガンに、県立高校新設・クラス増、東海第2原発廃炉などを訴えて市内各所で街頭演説。知事候補の田中重博氏のほか、塩川鉄也衆院議員、岩渕友参院議員、水戸市区の江尻加那県議、運輸大臣を歴任した二見伸明元衆院議員らの応援を得たが、及ばなかった。 「皆さんのため郷土のために働く」塚本氏 つくば市花畑の塚本氏の選挙事務所には午後8時過ぎから支持者が集まり開票を待った。 午後10時40分、選対事務局から「当選が決まったようだ」と報告があり、やがて塚本氏が会場に現れると、支持者から大きな拍手が起こり、塚本氏は支持者ら一人ひとりと握手を交わした。 祝勝会には国光あやの衆院議員、上月良祐参院議員、白田信夫県議、星田弘司元県議らが駆けつけ、選挙戦を支えた市議会会派、NEXTつくば(飯岡宏之代表)のメンバーらが顔をそろえた。 祝勝会で塚本氏は「3万9000人もが私の名前を書いてくれたことに責任の重さを感じている。つくばは政治や選挙が難しい中、私を支えていただいて、私を信じていただいてありがとうございます」と支持者に感謝の言葉を述べ、「3年前の忘れ物を取り返しますよと言った。ようやく忘れ物が届いた。これから皆さんのために、郷土のために働きます」と述べ、決意を新たにした。 塚本一也 60 タクシー会社社長 自民 元②【公約】①国や県との連携を重視する中でつくばの成長産業の育成②TX沿線No.1の教育環境の実現③高齢者、障がい者、育児家庭が暮らしやすい社会の構築など【略歴】つくば市出身。県立土浦一高、東北大学工学部建築学科を卒業後、筑波大学大学院環境科学研究科修了。1991年にJR東日本に入社し、2006年に大曽根タクシー社長に就任。18年から県議一期を務めた。現在は同社社長のほか、茨城県ハイヤー・タクシー協会会長などを務める。

開票始まる 県議補選つくば市区

P=開票作業の様子=つくば市流星台、市桜総合体育館