土曜日, 9月 12, 2026
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滝のほとりで28日に例祭 忘れられかけた筑波山中の神社

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間口一間奥行一間の白滝神社本殿=つくば市臼井

筑波山の白滝神社(つくば市臼井)で28日に例祭が行われる。付近には、つくばねの峰より落つる「白滝」があって、かつては観光名所でもあった。今は忘れられかけた山中の神社に、隣接の神社の総代たちが年に一度、清掃と除草を兼ねて集まり、筑波山神社の神官によるお祓いを受ける。

信仰の山、筑波山には古く、修験道(しゅげんどう)の時代から多くの登山道があり、要所要所に神社があった。臼井の飯名(いいな)神社、蔵王神社、沼田の月水石(がっすいせき)神社、さらに廃社となった六所(ろくしょ)神社、蚕影(こかげ)神社などが南麓に点在する。

白滝神社もそのひとつで、祭神は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)、建立年は不明だが、由緒書きによれば「山に迷い込んだ時にこの地に白い鳥が現れ案内をしてくれた」とあり、別名「白鳥神社」と呼ばれていたそうだ。

毎年8月28日に行われる例祭=昨年の開催時(飯名神社総代提供)

毎年8月28日に行われる祭礼は、宮司と飯名神社の総代8人だけの参列で、一般の参加者、見物客はいない。あたりは、巨石と急斜面が多いが、催事の行えるぐらいの空間があり、そこに全員が集まる。足場の悪い小さな神社があり、宮司が五穀豊穣を願い祝詞(のりと)をあげ、一人ひとりが二礼二拍手一礼、参拝をする。

白滝神社は「茨城県神社誌」(県神社庁、1973年)には氏子150戸と記載されるが、一個人に管理が任されていて荒廃し、継続が困難になったため、同じ臼井地区にある飯名神社が奉仕するようになったらしい。

かつての登山道は、六所方面から白滝林道を通り、白滝、桜ケ丘キャンプ場、つつじが丘までまっすぐ登るルート、そこから女体山山頂を目指した。山すそから歩いて登るこのルートは人気で、戦後しばらくまで大いに賑わった。

巨石を縫うように流れ落ちる白滝

白滝は南中腹「筑波ふれあいの里」のほぼ真上にあり、標高は300メートルぐらい。修験者が滝に打たれ行(ぎょう)をする場所でもあったらしい。鬱蒼(うっそう)とした空間に、巨岩がひしめき、そこから蛇行するように沢が流れ、いくつもの小さな滝が落ちている。竹で出来た人工物からも滝は落ち、最大で10メートルぐらい。かなりの水量があったというが、最近はかなり枯れ気味のようだ。登山道の一つとして賑わったころは、茶店などもあったが、現在はガイドブックにも載っていない。

つくば市臼井の六所地区の元区長、木村嘉一郎さん(93)さんに話を聞くと、1965年、筑波スカイラインが完成、つつじが丘まで車で行けるようになったあたりから、徒歩での登山客がすっかり減ってしまった。翌66年、女体山側の中腹で土石流が発生、白滝一帯が飲み込まれた。けが人を多数出した災害で、復旧までかなりの時間がかかったという。木村さんは、当時「山津波」と呼ばれた土石流の体験者だった。

今はこのルートを使う人も少なく、かつての登山道はヤブとなっている。木村さんは「もっと白滝について知ってもらいたい。魅力的な場所なので登山道としても復活してもらえばうれしい」と語った。(榎田智司)

「百年亭再生プロジェクト」に着手 《宍塚の里山》92

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百年亭の内部

【コラム・佐々木哲美私たち「宍塚の自然と歴史の会」は、関東平野有数の規模と質を誇る「宍塚の里山」の保全、ここを活用した環境教育・自然調査などを、多様な主体に参加してもらい実施してきました。具体的には、観察路の整備、小川・林・湿地の保全、自然農田んぼの体験、里山内にある池の外来生物駆除などです。

ところが、これらの活動に参加する子供、母親、女子学生の着替える場所やトイレの確保が切実な問題でした。このため、3年前、里山に隣接した築百年以上の住宅を購入し、手を加えて、そういった場所として使うことにしました。

傷みが激しいですが、古民家に詳しい一級建築士に調べてもらったところ、里山の歴史や文化を伝える価値のある建物であることが分かり、「百年亭と名付けました。そして、「百年亭再生プロジェクト」を立ち上げ、修復計画、資金調達、活用計画を立てています。修復はできるだけボランティアを募って行います。その活動は本サイトの記事、古民家「百年亭」再生プロジェクトがスタート(3月28日掲載)で紹介されています。

クラウドファンディングで300万円募集

今回、その資金集めの方法として、クラウドファンディングを活用することにしました。「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」方法で、新たな資金調達の仕組みとして注目されています。期間は9月5日~10月21日、第1期目標額は300万円です。

クラウドファンディングに並行して、助成金申し込みも受け付けます。建物の完成には800万円程度が必要ですが、様々な手法で宍塚の里山の重要性を伝えながら進めます。

我々の目標はあくまでも、緑豊かな里山を次世代に良い形で引き継ぐことであり、現在行っている保全活動はそのためのものです。そして古民家修復プロジェクトは、活動を楽しく効率的に進めるためのものです。このプロジェクトを通じ、新たな若者たちに加わってもらいたいと思います。

将来的には、私たちの会員が利用するだけでなく、広く市民に開放された「ミニ・ネーチャー・センター」として、地域の交流拠点になればと思っています。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

<クラウドファンディングのリンク先はこちら 募集は9月5日午前0時から開始

10月、11月に大規模自転車イベント 土浦駅拠点に茨城プレDC

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プレイアトレ土浦=アトレ提供

プレイアトレ土浦(JR土浦駅ビル、土浦市有明町)を運営するアトレ(本社・東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)は10月~12月にかけて茨城県で開催される観光キャンペーン「茨城プレデスティネーションキャンペーン」(茨城プレDC)に合わせ、霞ケ浦一周のサイクリングが楽しめるライドイベント「いばらきK1ライド2022」や2020年以来となる人気イベント「BIKE&CAMP(バイク&キャンプ)」などを開催する。

本県で21年ぶり3回目となるデスティネーションキャンペーンは、23年10月から12月の開催が決定した。JR東日本、JR東海などJRグループ6社が地域と一体となって、魅力的な観光資源の紹介、イベント開催やおもてなしに取り組み、集中的な宣伝を全国で実施する。国内最大規模の観光キャンペーンは3カ年にわたり展開され、22年には「茨城プレDC」を、24年には「茨城アフターDC」を、共に秋季開催する。

茨城プレDCでは、県が誇るサイクリングやキャンプなどのオープンエアで楽しめるアクティビティーのほか、茨城の豊かな「食」をメーンコンテンツに全国各地からの観光誘客を図るよう計画された。アフターコロナを見据えた観光需要の回復や県内経済の活性化を目指すという。

いばらきK1ライド=主催者提供

「いばらきK1ライド2022」は霞ケ浦一周にチャレンジするファンライドイベント。主催はいばらきK1ライド大会事務局(東京)。開催日は10月16日。ナショナルサイクルルートにも選ばれた「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦エリアを走行しながら、途中のエイドステーションでは地元の名産品や名物グルメを楽しむ。

霞ケ浦1周コース(95キロ)のほか、土浦~潮来(霞ケ浦南岸を走行)をサイクリングし、復路はサイクルーズに乗船し、クルージングで土浦まで戻る55キロコース、土浦~かすみがうら市歩崎公園までの往復の初心者向け36キロコースが設けられる。

参加費は▽95キロ(大人6500円、中高生4000円)▽55キロ(大人7000円、中高生5000円)、36キロ(大人3500円、中高生2500円)=いずれも税込み。イベントサイトから申し込みできる。

「BIKE&CAMP」は20年10月の開催では、2日間で3500人が来場した自転車とキャンプをテーマにした旅イベント。今回は11月19日と20日、霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)を会場に開く。最新自転車の試乗、地元産品の販売、キッチンカーの出店、旅マルシェ(世界各国の雑貨など)トークショー、ワークショップ、チャリティオークション、ライドイベントなどが予定されている。入場は無料。キャンプ宿泊は別途。イベント特設サイトから申し込める。

10月9日、10日にはプレイアトレ土浦6階屋上で「食とお酒」のイベントを初開催。土浦市自慢のグルメやアトレ2階・佐藤酒店おすすめの茨城の地酒を堪能できる。イベントでは、地元の常陸秋そばを原料とするそば焼酎「土浦小町」の試飲やそば処の味などが楽しめる。県内のクラフトビールを豊富に用意しての「ビアフェス」も同時開催する。各イベントの詳細は、順次プレイアトレ土浦のホームページで公開する。

茨城デスティネーションキャンペーンの詳細はこちら

アルコール検知器に効果なし!? 筑波大 トラック運転者事故調べ

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事業⽤トラック運転者、⾃家⽤トラック運転者、全運転者による飲酒運転事故の割合の推移(はめ込み画は警察庁の啓発チラシ)

アルコール検知器を用いた酒気帯び確認に飲酒運転を防ぐ効果はなかった-とする研究論文が発表され、注目されている。筑波大学の市川政雄教授(医学医療系)らの研究グループは「事業用トラック運転者における呼気アルコール検査の義務化の飲酒運転事故への影響」を調べ、8月の日本疫学会誌に掲載された。

アルコール検知器による運転者の酒気帯び確認は2011年5月、旅客(バス、タクシー)・貨物(トラック)自動車運送業を対象に義務化された。1995年から2020年までに全国で発生したトラック運転者による交通事故のデータを調べると、2011年時点で飲酒運転事故の割合は0.19%になっていた。しかし、その後の10年間はずっと0.2%前後で推移し(グラフの黒丸)、アルコール検知器による酒気帯び確認の効果はなかったと推察できたという。

研究グループは、警察庁の交通事故データを管理する公益財団法人交通事故総合分析センターから入手したデータを分析した。バス・タクシー運転者では飲酒運転事故の割合そのものが低く、統計的な分析ができないため、今回はトラック運転者が起こした交通事故について調べた。

事業用トラックと自家用トラックの運転者それぞれについて、各年の飲酒運転事故の割合を計算し、その年次推移を分析した。事業用トラック運転者には酒気帯び確認が義務付けられており、自家用トラック運転者にはその義務がない。

統計的手法で年変化率を割り出すと、事業用トラックでは 2001年から12年までで13.5%減、自家用トラックでは2001年から11年までで14.9%減だった。2000年代初頭に行われた飲酒運転に対する厳罰化には大きな効果があった。

しかし、その後は減少傾向が続かず、事業用・自家用トラックとも、飲酒運転事故の割合は、いずれも大きく増減することなく推移していた。アルコール検知器による酒気帯び確認に効果があれば、事業用トラック運転者による飲酒運転事故の割合は下がるはずだが、下降は見られず、自家用トラック運転者との比較でも明確な差は認められなかった。

適用拡大にも合理的根拠なし

今年4月からは道交法の施行規則改正で、運送事業者以外のいわゆる「白ナンバー」の使用事業者の一部にもアルコールチェックが義務化され、10月からはアルコール検知器による酒気帯び確認が行われる予定だった。対象になった土浦市内の教育関係事業者は「アルコール検知器が品薄で延期になったと聞いた。機器自体はそう高いものではなく作業の負担が大して増すわけではない。統計的にあまり効果がないと言われても法律ならば従うしかない。事業者としては飲酒運転はなくしたいだけ」という。

市川教授は「アルコール検知器による酒気帯び確認はもとより、その適用拡大に合理的根拠はなさそう。交通政策の立案者には合理的根拠(エビデンス)に基づく政策の重要性について理解を深めてもらいたいと思う」としている。

飲酒運転を防ぐには別の対策を講じる必要があると市川教授。飲酒運転違反者に対して、呼気中に⼀定濃度のアルコールを検知するとエンジンがかからないアルコールインターロック装置の装備を義務付けている海外の例などをあげた。乗務の前後だけでなく、運転開始のたびに酒気帯び確認を行うことが有効であると報告されているという。(相澤冬樹)

それを言っちゃあおしめえよ 《遊民通信》47

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【コラム・田口哲郎】
前略

「男はつらいよ」の寅さんの名セリフに「それを言っちゃあおしめえよ」があります。他人との会話のなかで物事の本質をズバッと言うと、それはそうなんだけど、話が続かないじゃないか、ということがありますよね。そういうときに使う言い回しです。

世間を道理だけをつらぬいて渡ることはむずかしい。人間には感情があるからです。道理と感情のバランスがうまくとれることが、「オトナ」であって、社会では「オトナ」であることが求められます。ただし、この道理も感情も人それぞれ基準が違うので、話はややこしくなります。世界中の紛争の原因はこうした行きちがいから生まれる対立でしょう。

世界規模の紛争も、個人それぞれの「違和感」がより集まって大きな不満になって起こりますから、結局、個人の「違和感」をどうにかしないと、世の中が平和にならないことになります。

近所を散歩していてふと街を見ると、本当にたくさんの家があるなあと思います。このひとつひとつの家に家庭があり、ひとりひとりに生活があって…と思うと、尊いと思うと同時に、無数の星がきらめく宇宙を眺めているようで、気が遠くなります。

さて、コロナ禍前、郊外の住宅地は東京のベッドタウンで、通勤者が寝に帰るだけの気だるい雰囲気でしたが、「移住」が推進されるようになり、と必ずしも東京に通う必要がなくなると余裕も生まれて、少し明るく活気が戻ってきた感じもします。20年くらい前に、作家の赤坂真理さんが郊外は絶望感に満ちていると、成熟社会の閉塞感を表現していました。

絶望の郊外から不安のユートピアへ?

いまはどうでしょうか。20年前よりも社会格差が広がって世帯収入も減っていますから、絶望感は増しているかもしれません。でも、100円ショップやファストファッション店、ファストフード店がいたるところにあり、20年前に3000円したものが500円で買える時代になりました。

社会のインフラや行政サービスも遅れているところもあるけれど、昔よりはずいぶん整備されている。医療技術も進歩して、健康寿命ものびて超高齢社会になっている。絶望感のなかにあっても、生活自体は豊かになっていると言えると思います。

でも、人びとは浮かない顔をしている。絶望の郊外はいまや不安のユートピアになっているのではないのでしょうか。せっかくユートピアにいるのだから、しあわせそうに暮らしたいけれども、そう世の中は甘くない。自由で満ち足りた不安ほどやっかいなものはない。自由はすばらしいけれども、その分しばられないから迷いも多い。選択をせまられて、その責任を負わなければいけない。かといって管理されるのは御免です。

ぜいたくな悩みですが、切実です。寅さんに「いまの社会は不安のユートピアじゃないですかね?」なんて言ったら、「それを言っちゃあおしめえよ」と返ってきそうですね。ごきげんよう。

草々
(散歩好きの文明批評家)

市民団体要望書に県、学級増を検討へ つくばの県立高不足問題 

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県高校教育改革推進室の担当者に要望事項を説明するつくば市の小中学生の高校進学を考える会のメンバー(右側)=県庁

人口が急増するつくば市に県立高校の新設や既存校の定員増などを求めている市民団体、つくば市の小中学生の高校進学を考える会(片岡英明代表)は25日、大井川和彦知事と森作宜民県教育長宛てに、県立高校新設や既存の県立高校の定員増などを求める要望書を提出した。昨年11月に続いて2回目となる。

要望書を受け取った県教育庁高校教育課の高校教育改革推進室は、既設校の学級増の要望に対し「検討する」と回答した。代表の片岡さんは「1回目の回答は『定員増は難しい』というものだったが、今回は検討すると回答した。運動の成果」だと評価した。

片岡さんは、県立高校の募集定員が減ってきた中、人口が急増するつくば市では6人に1人しか市内の県立高校に入学できないのが実態だとし、県や市に対応を求めてきた。昨年12月と今年3月、6月は、県議会でも取り上げられ、県は、つくばエリア(つくば、牛久市など4市)の中学卒業生が、2030年には2021年よりもさらに1000人増えるという新たな推計を明らかにした。

土浦や牛久で進路の玉突き現象

片岡さんはさらに、つくば市に隣接する土浦市や牛久市などの県立高校入学者数を調べたところ、つくば市で生徒数が急増していることにより、土浦市や牛久市では、市内の県立高校に入学する生徒数が減り、隣接の石岡市や龍ケ崎市の県立高校に進路を求める生徒が増えている実態も明らかにした。

一方県は、つくばエリアでは今後、中学卒業生が増えるが、さらに周辺の隣接エリアを含めると、全体で生徒数は増えてないとする分析を示していたことから、片岡さんは、つくば市から小美玉市や結城市の県立高校に通っている生徒は一人もいないなどとして、危機感を強めて要望書提出に臨んだ。

つくば市で県立高校が不足しているとの指摘に対し、五十嵐立青市長も23日に大井川知事宛てに出した2023年度県予算編成要望項目の一つとして、交通利便性のある一定の地域への県立高校の早期設置と既設校の定員増などを要望している。市の推計では、県の推計値よりはるかに速いペースで児童生徒数が増加していること、隣接市と比較すると同市は、進学希望者に対する県立高校の定員が大幅に少ないことなどを根拠としている。(花島実枝子)

室内も磯崎新さんの意匠保持を 着工控え市民団体要望 つくばセンタービル

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飯野哲雄つくば副市長(左端)に要望書を手渡すつくばセンター研究会の冠木新市代表(左から2人目)

世界的な建築家、磯崎新さんによるポストモダン建築の代表作といわれるつくばセンタービル(つくば市吾妻)で、同市が南側の室内を改修し市民活動拠点を整備する工事が秋にも着手されるのを前に、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が25日、室内意匠の保持と広場活性化に関する要望書を五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長宛てに提出した。

同会は昨年、同ビルのセンター広場にエスカレーターなどを設置する計画を見直すよう求める要望書を2回出しており、今回、3回目となる。市による市民活動拠点の実施設計が終わり、9月6日にも工事の入札が実施されることから要望書提出に至った。

要望書によると、室内意匠の保持について、秋から工事が始まる市民活動拠点の整備では、土浦学園線に面するつくばセンタービルの正面玄関の通路に、机やいすを約100席並べ中高生らの学習スペースにしようとしているが、この大通路は建築の顔であり、そこにおびただしい数の机やいすが並ぶのは場違いであり品位が疑われるなどとしている。

土浦学園線に面したつくばセンター(ノバホール側)正面玄関通路

正面玄関の通路は、松見公園の展望台まで一直線に伸びる筑波研究学園都市の骨格を形成する都市軸としてつくられたとされ、磯崎さん自身が著書で「この軸線は、コンサートホールのエントランスに重なるが、ここも何ものでも受けずに、通り抜けさせる」(「建築のパフォーマンス」)と記している。

要望書はその上で、余裕あるノバホールのロビー空間でもあるのに机やいすが並べられれば、ノバホール1階のロビー空間は二度と活用できなくなるとしている。さらに1階の市民活動拠点室内について、壁で仕切られた部屋が大幅に増え、狭小な部屋が密集する設計となっており、文化的ゆとりがあった磯崎さんのオリジナルの空間からかけ離れ、公共空間に不可欠な空間的豊かさが無いなどと指摘している。室内に設置予定の机やいすの数からみて、当初想定の1日200人より多い300人以上が想定されており、玄関通路に机やいすを並べなくても足りるなどとしている。

広場の活性化に関しては、市がつくばセンタービルのリニューアルを2020年6月に公表した際、そもそもの目的としてセンター広場の活性化を謳っていたとし、センター広場でイベントを開催する際に荷物を搬入・搬出できるルートを確保するため、実施設計にある1階事務室などの壁の位置を1メートルほど変更するよう求めている。

さらに、市が筆頭株主の第3セクター、つくばまちなかデザイン(内山博文社長)が、1階東側を貸しオフィスやコワーキングスペース(共同仕事場)に改修した際、センター広場東側の出入口を閉鎖してしまったことから、市が同社に対し、東側出入口の開放を強く指導するよう求めた。要望書では、1階室内からセンター広場に行き来する7カ所の出入口のうち、2008年の筑波大芸術学系鵜沢研究室の調査で68%が東側出入口を利用していたこと、21年のつくばセンター研究会調査では58%が東側出入口を利用していたとして、一民間企業の独断で東側出入口が閉鎖されたことでセンター広場を自由に利用する市民の権利は大きく損なわれたとしている。

つくばまちなかデザインにより閉鎖されたセンター広場東側出入口

ほかに西側の既存のエレベーターについて、視認性を高めるため、磯崎さんの建築のオリジナリティーを損なわないで、外壁の一部を透明な壁に変更するよう求めている。

代表の冠木さんは「つくばセンタービルの40周年が来年に迫っており、会では、意匠を大切にセンタービルのイメージをアピールするイベントを計画しているので、室内の意匠も守ってほしい」と話している。

要望書提出に同席した、建築意匠に詳しい筑波大学の鵜沢隆名誉教授は「つくばセンター研究会の過去2回の要望書でエスカレーター新設などは無くなった。では室内は自由に変えて差し支えないのかというと、安易な改修をすると文化的価値を失うことにもなりかねない」と語っている。

南側の市民活動拠点は、今秋、室内改修工事に着工し、2024年4月に完成する予定。(鈴木宏子)

温暖化対策は生活の知恵で対応可能か? 《文京町便り》7

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】今夏の暑さは、コロナ第7波も加わって、ひどかった。築140年・木造のわが家のクーラー対策も、20年前に比べて確実に増強している(設置エアコン数が増えている)が、寝苦しい夜が続いている。この酷暑・大雨は日本に止まらず、欧米でも40度Cにおよぶ熱波が各地を襲い、森林火災も多発しているようである。

ロンドンでも40度Cを超えているとの報に接し、かつてロンドンに居住していたころを思い出し、その深刻さに思いをはせている。

最初のロンドン滞在は1994年で、単身生活だった。生活の便を考えて、都心近くのNorthern & District線のEarls Court駅から5分のアパート1室に居を定めた。その当時の生活で印象的なのは、車にはクーラー未装備が標準だったことである。もちろん高級車は別だが、私の利用していた当時すでに20年以上の中古車「バンデンプラス・プリンセス」では当然、クーラーは未装着だった。

そもそも現地では、この地で車にクーラーをつけるのは過剰だ、という感覚だった。本当に避暑を求めるのであれば(その余裕のある階層は)、夏季休暇でロンドンを離れるのが当然、という意識だった。

2度目のロンドン滞在は2000年で、この時は家内と一緒だったので、同じくNorthern & District線でもやや郊外のEaling Common駅から5分の、樹木で囲まれたコンプレックス1室に居を構えた。ここで印象的なのは、天井近くにためる温水タンクの容量制約のため、使用量次第では、バスタブを満杯にできないことだった(温水使用量には制約があった)。

この装置の改善を、中間オーナーのスリランカ人にリクエストすると、バスタブは家族全員が使用時に1回満杯にすれば十分で、1人ずつ温水を使い切るような設備投資は無駄とのことで、却下された。

ロンドン市民の夏の暑さ対策

そうしたロンドン生活で、大方の庶民にとっての夏の息抜き・気分転換は、週末、郊外に出向くことだった。

Richmond Parkでの夕刻・野外コンサートでは、自治体国際化協会CLAIRロンドン事務所に赴任していた小川淳也氏(その後衆議議員になり、映画「なぜ君は総理大臣になれないか」のモデルを経て、昨秋の立憲民主党党首選のあと、政調会長に就任)の家族とご一緒し、彼我の市民生活の来し方を話題にした記憶がある。

緩やかなスロープ状の芝生で、それぞれの家族が三々五々集っている様子は、ストレス一杯の金融都市ロンドンでの緊張を癒し、明日への活力と英気を養っていたように思われた。つまり、夏の暑さ対策のために、物理的にクーラーを設置するのではなく、コンサートや花火大会のような社会的な工夫でやり繰りしていた気配がある。

もっとも、今夏のような酷暑は、人々のこうした社会的知恵で対応可能な範囲を超えている気味もある。長期的・多角的な視点に立った政策的対応を、積み上げる必要があるだろう。(専修大学名誉教授)

男子トイレにサニタリーボックス 土浦市役所など12施設に

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サニタリーボックスが設置された男子トイレの個室と入り口の貼り紙=土浦市保健センター(同市下高津)

ぼうこうがんや加齢などによる尿漏れで吸水パットを使用する男性の精神的負担を減らそう、と土浦市はこのほど、市役所本庁舎(同市大和町)など市内12施設の男子トイレの個室41カ所に衛生用品を捨てるごみ箱「サニタリーボックス」を設置した。

吸水パットなどを使用する男性は、外出先で持ち帰らざるを得なかった。同市は、だれもが生活しやすい地域づくりを進めようと設置を開始した。男子トイレに設置する動きは全国で広がっている。

設置されたのは、土浦市役所本庁舎のほか、公民館、老人福祉センター、保健センターなど。トイレの入り口と個室のドアには「サニタリーボックスを設置しています」などと書かれた貼り紙が貼られている。

設置されたサニタリーボックスはステンレス製で、直径20.5センチ、高さ29センチ、容量は5リットルある。ペダル式なので、ふたを開けるときに手が汚れない。

市健康増進課によると、市民から「土浦市は男性トイレにサニタリーボックスを設置しないのか」と問い合わせがあったことがきっかけ。担当者が調べたところ、尿漏れパッドを使用する男性が外出先で捨てる場所に困り、持ち帰っていることがわかった。

尿漏れに悩む男性は高齢者だけでなく、働き盛りの男性にもいる。ぼうこうがんや前立腺がんの手術をした人の中には、尿意が感じられなかったり排せつがコントロールできなかったりして尿漏れパッドが手放せなくなるケースも多く、外出が精神的な負担になっている人もいるという。

同市は「誰もがトイレを快適に使えるように」と設置を決めた。設置については、市のホームページやSNSで周知する。今後の利用状況によっては、設置場所を増やす予定だという。(伊藤悦子)

サニタリーボックスが設置された土浦市の施設は次の通り。
▽市本庁舎来庁者用トイレ:13カ所
▽市保健センター(下高津):6カ所
▽老人福祉センター「つわぶき」(中都町):3カ所
▽老人福祉センター「湖畔荘」(手野町):3カ所
▽一中地区公民館(大手町):2カ所
▽二中地区公民館(木田余):2カ所
▽三中地区公民館(中村南):2カ所
▽四中地区公民館(国分町):2カ所
▽上大津公民館(手野町):2カ所
▽六中地区公民館(烏山):2カ所
▽都和地区公民館(並木):2カ所
▽新治地区公民館(藤沢):2カ所

「マナー」を無視する世の中になった 《写真だいすき》11

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おいおい、前に立たんでくれよ。 後ろのカメラに気を遣うのは、 これマナーだぜ

【コラム・オダギ秀】写真の世界にも、人を傷つけないためのマナーがある。年寄りのたわ言と思わずに、聞いてくれ。だって、写真の世界だけでなく、マナーを無視する世の中になったからなあ。

昔は、ということになるのだろうか。写真家やカメラマンが撮影のためにカメラを用意していると、絶対にその前には立たなかった。プロだけの世界なのかも知れないが、何かを狙う時、ベストの位置を撮るために、写真家やカメラマンは、何時間も前にその位置を確保することがある。すると、次に来た者は、必ずその後ろに位置を取った。前に来た者の前に出ようものなら、三脚でぶん殴られた。三脚は、そんな時の、立ち回りの道具でもあった。先に来た者の熱意が最優先されたのだ。

もちろん怪我(けが)もしたが、殴る方もちゃんと心得ていて、それなりの殴りになった。そんな時代だったのだ。殴られた者は、殴られた重大性を知り、ああこれは厳しいマナーなのだなと納得し、次からは絶対守らねばならないマナーとして身に着けた。それがなんだ、なんだなんだ。今はスマホ片手に平気で先に来たカメラの前に伸び上がる。周りを見ろ、前に出るな、コンチキショウ、と思うのはボクだけなのだろうか。

写真展をしていると、来場していながら芳名帳に署名しない奴(やつ)もいる。写真でも絵でもどのような作品展でも、作者は心を見せ、心の中を晒(さら)している。その会場に入るということは、いわば家の中に踏み込み、心の中を覗(のぞ)くのと同じなのだ。

だから、何処の何々と申します、拝見します、と名乗るために、芳名帳に記名するのは、当然のマナーだと思う。ボクは、ボールペンで署名するのも失礼だと思って、そのような時の記名のためだけの万年筆を用意しているが、古い人間なのだろうか。もっとも、ゴム印を持って来て、ペタンと名前住所と宣伝文句を押したのがいた。こんなのに二度と来てほしくないと、しみじみ思った。

「えぬえちけえけえ?」

名乗ると言えば、撮影を始めると、そこにいる人々から「えぬえちけえけえ?」と声を掛けられることが時折ある。むかし、地方新聞の名前や撮影依頼先の名前を言ったら説明が面倒になったので、それからは簡単に「そんなもんだあ」と答えるようになった。すると相手はそれだけで納得し、何も言わない。後で、落ち着いてからちゃんと名乗るのだ。名乗るマナーの大切さは心に沁(し)みていたが、その放送局の名前の、そこのけそこのけの強さには、恐れ入ったものだった。

石仏など撮影するために寺院の境内に入らせていただくことが多い。寺院などは撮影のための施設なのではなく宗教施設なのだから、先ず本堂に伺い、ご本尊にご挨拶することがマナーだと思い、写真教室ではそのように教えている。般若心経の数行を唱えるだけでもいいではないか、と思うのだ。ボクのような年寄りは、言うこと、やることが面倒かなあ。だがちゃんとご挨拶すると、ご住職がお茶淹(い)れてくれたりスイカ切ってくれていたりした。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

eモータースポーツ体験と熱戦の舞台 26日つくばにオープン

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ドライビングシュミレーションゲームを実演する、GR Garageつくばの鈴木優貴さん(手前)と石川一郎店長=つくば市学園の森

コンピューターゲームやビデオゲームによる「e モータースポーツ」を体験できる施設「AREA298(エリア・ツクバ)」が26日、つくばにオープンする。会員登録すれば無料で利用できる。施設を地域に開放することで、世界で約1億人の利用者がいるとされるeスポーツを通じた街づくりと、車好きの裾野を広げる試みだ。

手掛けるのは茨城トヨペット(本社・水戸市)で、スポーツカーブランド店、GR Garageつくば(つくば市学園の森)内に展開する。常設施設としては県内2例目となる。

施設には、ドライビングシミュレーションゲーム「グランツーリスモ」に対応した6台の機器が設置され、国体予選などのeスポーツ大会参加に向けたトレーニングやプロレーサーによるドライビングレッスン、子どもや高齢者を対象とした運転体験など、さまざまな目的に応じた利用ができる。

機器には、レーシングカーで使用されるハンドルやシートが使われている=同

本県では2019年の「いきいき茨城ゆめ国体」で、国体史上初めてeスポーツ大会が開催された。これをきっかけに県は2020年、新たな産業創造を目指し、産学官による「いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト」(会長・幡谷俊一郎茨城トヨペット社長)を発足させている。

28日には予選大会

県内では、アプリシエイト(水戸市、和田幸哉社長)が今年2月、水戸駅前にe モータースポーツ体験施設「AREA310(エリア・ミト)」を開設。今後はAREA298とタイアップした大会が、毎年1月に開催される予定だ。28日には、全国都道府県対抗eスポーツ選手権2022 TOCHIGIの予選会場にAREA298が使用され、来場者は場内のモニターを通じて熱戦を観戦できる。

GR Garageつくばの石川一郎店長(48)は「事故の心配をすることなく、本格的なドライビング体験を子どもから年配の方まで楽しめる」とアピール。「多くの方に競技の楽しさとともに、車の魅力を知っていただくことで、将来はeスポーツを通じた地域活性化につなげたい」と思いを語った。(柴田大輔)

◆AREA298(つくば市学園の森3の2、電話029-859-5586)、営業時間は午前10時~午後6時。ホームページはこちら

土浦の旧村部に住む 先端企業会長の権右衛門さん【キーパーソン】

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栗原権右衛門会長

研究機関向けの電子顕微鏡や計測機器では世界有数の日本電子(JEOL)。その会長兼取締役会議長、栗原権右衛門さんの自宅は土浦市の旧村部にある。お盆休みに時間を取ってもらい、同社の製品や土浦・つくば地区との関わりについて聞いた。築170年の古民家(当主は代々権右衛門を名乗る)は栗林などで囲まれ、涼しい風が通る。

JEOLは一般向けの商品を作っている会社ではないので、どんな会社なのかあまり知られていない。しかし、国や民間の研究機関には必須の理科学・計測機器を製造していることもあり、研究者で知らない人はいない。代表的なものは高性能の電子顕微鏡だが、最近は高度な半導体製造装置も手掛け、この分野では世界トップクラス。

ノーベル賞学者にも解析装置を納入

最新の電子顕微鏡としては、タンパク質などの生体試料を凍らせたまま観察できる『クライオ(CRYO)顕微鏡』がある。その機能などは、本サイトの「創薬研究に産学拠点 筑波大 クライオ電子顕微鏡お披露目」(3月16日掲載)に詳しい。筑波大、東京大、大阪大、東北大、九州大などの有力大学のほか、国の主要な研究機関で使われている。気になる価格だが、1セット数億円するという。

「JEOLの看板は電子顕微鏡だが、営業担当の駆け出しのころ、私は有機化学構造を解析する『核磁気共鳴装置(NMR)』を売っていた。ノーベル賞をもらった野依良治先生(2001年化学賞)や大村智先生(2015年生物学賞)にも購入いただいた」「野依先生がある会合で『日本の化学が世界の上位にあるのは、日本には優れたNMRメーカーがあるからだ』と言われたときは、うれしかった。その会社はJEOLを指すからだ」

学園都市・筑波支店の重要度は高い

JEOLは国内に9支店、海外に23オフィスを配している。筑波支店(つくば市東新井)の場所は「とんかつとんQつくば本店」の東隣。「私も4年ほど支店長として研究機関営業をやった。営業活動と機器保守のため、今は30人ほどの所帯。取扱高は9支店の真ん中ぐらいだが、レベルの高い研究者とのお付き合いもあり、支店としての重要度は高い」

権右衛門さんが土浦生まれということもあり、JEOLは地域の学校に電子顕微鏡を持ち込み、生徒に使ってもらっている。本サイトの「電子顕微鏡でミクロの世界を体験 土浦一高で科学実験講座」(2021年12月4日掲載)で紹介した理科支援は、土浦一高では3回目。土浦市内の都和小学校や中村小学校でも体験教室を開いた。

ちなみに、理科支援用の『走査電子顕微鏡』でも1000万円ぐらいするというから、小中高が理科教室に常備するのは難しい。

今の稼ぎ頭は高度な半導体製造装置

JOELの製品案内冊子には、計測機器、産業機器、医療機器が記載されているが、今一番の稼ぎ頭は、産業機器の一つ、半導体製造装置。「半導体はシリコンウェハーに回路を焼き付けて作る。そのネガフィルムに当たるものを製造する『電子ビーム描画装置』では世界市場をほぼ独占している。九州・熊本に工場を建設中のTSMC(台湾積体電路製造)、米国のインテル、韓国のサムソンから、矢の催促を受けている」

ロジックIC(論理素子)製造にはこの装置が必要で、経済安全保障の観点からも注目されている。「政府も気になるらしく、関係省庁や与党の関係議員から、いろいろ声が掛かる」という。

【くりはら・ごんえもん】1948年、土浦市小山崎生まれ。土浦一高、明治大商学部各卒。1971年、日本電子(本社・東京都昭島市)入社。筑波支店長などを経て、2008~2019年、社長。2019年~2022年6月、会長兼最高経営責任者。現在は会長兼取締役会議長。自宅は「ペリー来航の前年に焼け、建て直した」という生家。蔵にあった小田家15代・氏治の150回忌(1750年ごろ)文書には権右衛門の名がある。

【インタビュー後記】権右衛門さんが面白いのは、技術出身でなく営業出身であること。現役のころ、自動車、航空機・武器、造船・海洋機器などの産業を担当したが、トップは一様に技術者の出身。ある高名な社長に「もっと勉強してから来い」と怒られたことも。このインタビューは話がわかりやすくて助かった。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

安倍さんは旧統一教会の広告塔だった 《邑から日本を見る》118

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イノシシ除けの電柵をして収穫を待つ(那珂市静)

【コラム・先﨑千尋】お盆の13日、テレビのニュース番組で、安倍元首相の顔が大きくクローズアップされて出てきた。韓国ソウルからだ。報道によれば、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体「天宙平和連合」が12日、ソウルで世界の平和などについて話し合う国際会議を開いた。その中で安倍さんの追悼が行われ、参加者が壇上に設けられたテーブルに花を手向けていた。

アメリカのトランプ前大統領もビデオメッセージを寄せ、「安倍氏は偉大な人物だった」と話していた。安倍さんは昨年、この団体の集会にビデオメッセージを送っており、銃撃事件の犯人もこの映像を見ていると伝えられている。

私はこのニュースを見て、安倍さんは統一教会の広告塔だった、持ちつ持たれつの関係だったんだ、と確信した。家庭連合の田中会長はその前々日の記者会見で、「私たちは共産主義と対峙(たいじ)しており、自民党の議員の方々とより多くの接点を持つ。より良き国づくりに向かって手を合わせてきた」と述べ、私の推測と符合する。

先月8日の奈良県内での山上某による安倍元首相銃撃事件は、我が国の社会を震撼させ、新聞、テレビ、雑誌などで連日報道され、それらは嫌でも耳目に届いてくる。そして、忘れていた統一教会や原理研究会、霊感商法、合同結婚式などの事柄を思い出させてくれている。

おびただしい報道の中で私が特に関心を持ったのは、週刊『AERA』にジャーナリストの青木理さんが寄せた記事だ。彼はテレビでも同じようなことを語っている。

「通信社の記者として公安警察を担当していた90年代、公安警察が統一教会への組織的捜査に乗り出すという情報を得たが、その動きがパタリと止まった。警察幹部に聞くと『政治の意向だ』と言われた。早い段階で教会に捜査のメスが入れば、被害は広がらなかったし、今回の事件も起きなかったかもしれない。統一教会と怪しげな蜜月を続けた政治の不作為、不適切な影響力の行使によって被害を拡大させた政治の責任が問われる」(8・15-22合併号)。そうだったんだ。

親分がそうだから、皆「イケイケどんどん」

もう一つは、教会の名称変更だ。統一教会は、そのやり方が以前から反社会的だと問題になっており、高額な献金や霊感商法などで被害も多く出、警察もマークしていた。1997年に教会は名称変更を文化庁に出したが、当時文化庁の宗務課長で、後に文部科学省事務次官になった前川喜平さんの手で阻まれた。

それから18年後の2015年。宗教法人の規則の変更は文化部長が決裁し、事務次官や文科大臣にまでは行かない。ところが、当時審議官だった前川さんのところを通り、下村大臣に報告、説明されたと前川さんは語っている。

このとき、全国霊感商法対策弁護士連絡会は文化庁に名称変更を認めないように求めていた。しかし、変更は認められた。平和、家庭という表現からは、旧統一教会とのつながりは連想されない。前川さんは、この話は間違いなく下村大臣から安倍首相のところまで行っている、と話している。

安倍さんがメッセージを送り、選挙でも票を振り分ける。親分がそうだから、皆「イケイケどんどん」。怖いもの知らずの政治が安倍派を中心に続けられてきたのだ。報道では、今回の岸田改造内閣のメンバーも旧統一教会と関わった人が多いとか。どうする、岸田さん? あなたは共同通信のアンケートに答えていないようだが。(元瓜連町長)

「花火は平和の象徴」 越後3大花火 《見上げてごらん!》5

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【コラム・小泉裕司】古来、「3」という数字を尊ぶ伝統があるようで「3大〇〇」はその代表格。試しにネットで「#」してみると、「日本3景」「3大名園」「世界3大美人」など国内外を問わず、様々な分野に数多の「3大」が存在することがわかる。花火においてもしかり。「土浦全国花火競技大会」、大曲の「全国花火競技大会」、「長岡まつり大花火大会」の3つを「日本3大花火大会」と称している。

地域限定の「3大花火」もある。新潟県内で屈指の人気を誇り、全国から熱烈なファンが訪れる個性豊かな3つの花火大会を、県民の誇りとして「越後3大花火」と総称している。

日本海が舞台の「ぎおん柏崎まつり海の大花火」(柏崎市)。日本一長い信濃川河川敷が会場の「長岡」。そして、「浅原神社秋季例大祭奉納大煙火(片貝まつり)」(小千谷市)は神社裏手の山場が会場となる。打ち上げ場所を地名に冠して、「海の柏崎」、「川の長岡」、「山の片貝」とも呼ばれている。

まるで夏休みの絵日記に描かれる「3大」テーマのようだ。いずれの大会も、広大な地勢を存分に生かした10号(直径約30センチ)以上の迫力ある大玉花火を連続で打ち上げる演目が魅力。「柏崎」と「長岡」は正3尺玉(直径30センチ)、「片貝」にいたっては正4尺玉(直径40センチ)を打ち上げる。

観覧席を揺らす炸裂(さくれつ)音や、直径600~800メートルともいわれる超巨大な光の開花瞬間は、何もかも忘れられる刹那(せつな)を演出してくれる。もう1つ共通の特徴は、地域固有の歴史や伝統文化を継承するがゆえ、「第〇土曜日」とかではなく、曜日を問わず、開催日を固定していることである。したがって、週末休みの場合は、少し縁遠いのかも知れない。

柏崎から長岡、そして片貝へ

さて、前回コラム(7月17日掲載)で予告したように、7月26日、初めて参戦した「柏崎」では3つの衝撃的な花火と初対面した。空中に斜めに放出された花火玉が一度海中に沈み、再び浮上し扇状に開花する「海中花火」。2つ目は、視界に入りきれないほど超ワイドな「尺玉100発一斉打ち上げ×2」。そして、エンディングの「尺玉300連発」のど迫力。

いずれも高度な匠(たくみ)の技に裏打ちされた究極の花火を目の当たりにして、もっと早くに来るべきだったと後悔した次第。

8月3日の「長岡」は3度目の鑑賞となったが、慰霊・復興・平和への祈りの3つが花火大会のテーマだ。長岡大空襲の犠牲者を悼む慰霊の尺玉花火「白菊」3発で幕を開ける。冒頭のタイトル写真は、生涯にわたり大好きな花火大会を追い続けた放浪の天才画家、山下清画伯が戦後、長岡の花火を観たときのつぶやきと、このときの光景を描いた代表作「長岡の花火」(ちぎり絵)のレプリカである。

9月10日には「片貝」を鑑賞する予定。地元の人々が資金を出し合い、成人や還暦、鎮魂・慰霊など人生の節目に打ち上げる奉納花火には、人の思いとともに数々の物語が込められている。これをもって、「越後3大花火」の年間グランドスラム達成となりそうだが、夏休みの宿題提出には間に合わないかも。

ところで皆さん、久しぶりに夏休みの宿題をやってみませんか。テーマは「あなたが思う茨城3大花火とは?」。「#」しても回答は見つかりませんよ。本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

「矢口新聞」に4コマ漫画 20日から土浦市民ギャラリーで企画展

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4コマ漫画風の作品を前に矢口さん=土浦市民ギャラリー

イラストレーター「かえるかわる子」こと矢口祥子さん(50)の「土浦で生まれてよかった矢口新聞」展が20日から、土浦市大和町の市民ギャラリーで始まった。

土浦をはじめ県内外の街で見つけたお店や食べ物、人物を、色鉛筆を使った独特のタッチでつづる「矢口新聞」は2015年の創刊。手描きしてカラーコピーし、四つ切りの画用紙に貼り付けて読者の元に届けるスタイルの不定期刊行物で、途中で数えるのを止めたが7年間で300号以上の発行を重ねた。今回はこのうち約180号分を持ち込み、新たに新聞の4コマ漫画よろしく、新趣向の書き下ろし15話分を展示した。

矢口さんによれば「新聞の形式を借りて『読むアート』なんてうたい文句をつけてたけど、1枚にいろいろ詰め込み過ぎて、過去の展覧会では『読みにくい』と言われてしまった」そう。そこで、段ボール板に絵を描き、ちりめん素材などをあしらって4枚1組で「読みやすく」した作品を製作した。「れんこんのこけし」や「変な名前」「矢口酒店」などのタイトルがついている。

「矢口酒店」は土浦市中央にある矢口さんの実家で、同店所蔵の錦絵や土浦商店街との古い交流を伝える約50枚の手ぬぐいなども展示した。

同展は市民ギャラリーの自主企画展。矢口さんが2020年の岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)に入選したのをきっかけに、市教育委員会が声を掛け、約1年をかけて準備してきた。展示ギャラリーの第1~第2室合わせて280平方メートルをいっぱいに使い、昨年の岡本太郎美術館(川崎市)に出品した「土浦の情熱」の特別展示もほぼそっくり再現した。「こんな広い会場を使えて感動している。作品の搬入と展示だけでも大変で、教育委員会や市民ギャラリーのスタッフが一生懸命やってくれたおかげで開催できた」という。

高さ4メートルの壁一面に貼り出す「矢口新聞」

矢口さんは同市内のアパートで、スマホやパソコン、テレビも持たないアナログ生活を送りながら創作活動を続けている(21年9月11日既報)。「エアコンのない部屋で、今年は扇風機も使わなかった」そうだ。14万市民全員に見てもらいたいとの「土浦の熱中」、なかなかにホットだ。(相澤冬樹)

◆「土浦で生まれてよかった矢口新聞」展 20日(土)~9月25日(日)。土浦市民ギャラリー(土浦市大和町 アルカス土浦1階)。入場無料。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)

「心の傷は一生治らない」?《続・気軽にSOS》115

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【コラム・浅井和幸】ある若いママさんがいました。産後鬱(うつ)まではいかないまでも、我が子が乳児のときは大きな不安を抱えながら子育てを頑張ったそうです。不安を払しょくするために、本やインターネットで情報を集めたそうです。友人にも、いろいろ相談をして何とか乗り越えました。

そのおかげで、大きな不安があってもその乳児は元気に育ち、来年は小学校に入る年となりました。自己主張もするようになってきた我が子に対し、また大きな不安がママさんには湧いてきました。それは、インターネットで見た「心の傷は一生治らない」というフレーズです。

子どものころに、ひどいいじめを経験することで、大人になっても苦しみ続けるというものでした。また、母親が何気なく言った一言が、人生を苦痛に満ちたものとする、毒親(どくおや)という親が存在するというものでした。

その記事を読んだママさんは、日に日にお子さんの顔色をうかがうようになりました。ちょっとでも心に傷を負わせてしまったら、母親である自分のせいで、我が子を一生苦しみ続けることになると信じたからです。

我が子の、ほんの少しの顔の陰りが恐怖となりました。泣かせてしまうなんて論外で、ちょっとでも嫌そうな顔をしただけで、それは一生治らない心の傷になり、生きている間は苦しみ続けることになる、それは母親である自分のせいであると、結論付けられてしまうからでした。

誤解を生みやすいフレーズ

さて、「心の傷は一生治らない」という言葉は事実でしょうか。これは大きな誤解を生みやすいフレーズだといえるでしょう。このフレーズの裏には、「体の傷は治るけれど…」という言葉が隠れています。

ですが、体の傷だって一生治らない傷だってありますよね。心の傷も同じです。心の傷も、体の傷も、数日で治るものから、一生治らない傷もあるでしょう。

「時間は薬。時がたてば心の傷は治る」というのも、極端な表現で正確ではありません。時間は傷の回復には必要ですが、傷を深めることにもなりかねません。時間を心が癒えるために使うか、傷口を広げるために使うかが大切になってきます。

うまくいっているときは、少々乱暴に捉えること、言葉に表現をすることで、次の良いことにつなげることができます。ですが、不安が大きいとき、悪循環に陥っているときは、言葉の表現を正確にしていくことが大切です。

最初のママさん。もともと勉強熱心な方だったので、事実の捉え直しをして、お子さんが膝をすりむいて泣いても動揺しなくなったのと同じように、少々お子さんが不安な顔をしていても、見守れるようになりました。

不安や失敗をした経験。そして、それを乗り越える経験が大切であることを受け入れられるようになっていきました。もちろん不安を抱えながらも、です。(精神保健福祉士)

パークPFI事業の中止を要望 近隣のマンション管理組合 つくばの洞峰公園

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五十嵐立青つくば市長(右端)に要望書を手渡す(左から)ライオンズマンション連絡担当の後藤忠男さん、藤木広一さん、ガーデンコート筑波の川鍋勝利理事長、ライオンズマンションの渡辺禄郎理事長=19日、つくば市役所

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)を、県がパークPFI制度によりリニューアルする計画に対し、近隣の二つのマンションの管理組合が19日、県、市、事業者の洞峰わくわく創造グループ(代表・長大)にそれぞれ、パークPFI事業の中止を求める要望書を連名で提出した。

提出したのは、いずれも西大通りをはさんで公園に近接する、同市二の宮のライオンズマンション筑波学園都市管理組合(131戸、渡辺禄郎理事長)と、ガーデンコート筑波管理組合(130戸、川鍋勝利理事長)。

両マンションはいずれも洞峰公園敷地境界から100メートル以内にある。パークPFIのメーン事業であるグランピング施設建設の可否を審査する際の法的な利害関係者にあたり、市建築審査会の判断に影響を与える立場にある=メモ

要望書は、南側駐車場拡張に伴う樹木伐採により豊かな自然環境が損なわれることへの懸念に加え、同公園は中学生の通学やマラソンなどの学校行事、園児の集団遊びに利用されていることから、グランピングやバーベキュー施設、ビール工房でアルコールが提供されることにより、子供たちへの治安上の問題が発生することが危惧されるとしている。さらにごみ問題、騒音問題、臭気・油煙問題など計6項目を指摘し、住環境が損なわれる懸念があるとして、県と事業者には事業中止を、市にはグランピング施設の建設を許可しないよう求めている。

18日に県と事業者に要望書を郵送し、19日、五十嵐立青つくば市長に手渡した。

つくば市長に提出後、会見したライオンズマンションの渡辺理事長は「今回計画したことを展開しようとするなら(街なかの洞峰公園でなく)ほかにいくらでも候補地がある。なぜ皆が親しみをもって慈しんで育ててきた洞峰公園に設置しなければならないのか。始めにお金ありき、事業ありきでなく、地元の意見や知恵を結集してそこから始めるのが筋ではないか」とし、ガーデンコートの川鍋理事長は「洞峰公園を維持するためにお金が必要だからと、事業者と検討するのではなく、皆の意見を聞いて、地産地消のものを売るイベントを開くとか、野球場でスケートボードやフットサルなどのスポーツができるようにするとか、別のやり方を知恵を絞って決めていったらどうか」と話している。

これに対し県都市整備課は「要望書は受け取ったが(コメントを求められても)特にお答えできない」としている。

一方、五十嵐市長は「アンケートの生データを県からいただくことになっている。市でも独自に分析して、未来に向かった解決策を県と検討していく」とマンション管理組合に答えたという。

公園内の野球場にグランピング施設やバーベキュー施設、ドッグランなどを整備する計画の洞峰公園パークPFI事業をめぐっては、5月に市民団体「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」(木下潔代表)が、都市公園法で位置付けられた協議会設置を求める要望書を提出した(5月13日付)。7月には県が説明会を計4回開催し、つくば市から出されたアルコールや臭いの懸念に対し対策を示したが、参加者からはアルコール提供や樹木の伐採に反対の声が相次いだ(7月2日付23日付8月1日付)。県は8月末までアンケートを受け付け、今後の対応をつくば市と協議して決める。県によると今後の日程は未定という。(鈴木宏子)

【メモ】洞峰公園は宿泊施設の建設が認められていない第1種中高層住居専用地域に指定されており、今回のパークPFIのメーン事業であるグランピング施設を野球場内に建設するためには、つくば市建築審査会の同意を得て、市長の特例許可(建築基準法48条のただし書許可)を受けなければならない。建築審査会の開催に先立って、市は公開で公聴会を開催し、影響が想定される周辺の利害関係者から意見を聴取し、建築審査会に説明することになっている。市建築指導課によると洞峰公園のグランピング施設建設の場合、利害関係者は敷地境界から100メートル以内の近隣住民となり、今回要望書を提出した二つのマンション管理組合は公聴会で意見を聞く利害関係者に当たる。建築審査会は審査にあたって①立地は妥当性か(上位計画等との整合)②住居の環境・商業の利便・工業の利便を害する恐れがないか(市街地環境への影響、商業活動への営業、近隣住民の理解など)③公益上やむをえないか(公益上必要性が高い、公共事業に基づく)などに留意して判断するとされている。一方県は、特例許可が下りるのか否かについて説明会で「住宅地への距離を考えると住環境への影響は極めて少ないと考えている。特例許可の判断はつくば市となる」としている。

発熱など有症状者に検査キット配布 茨城県 19~31日

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茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

陽性者は自ら登録 医療機関のひっ迫緩和へ

新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、茨城県は19日から「抗原検査キット送付センター」を設置し、発熱、せき、のどの痛み、倦怠感などの症状がある県民を対象に、抗原検査キットを無料で配布する。自己検査で陽性になった場合、自ら「陽性者情報登録センター」に登録してもらう。

医療機関のひっ迫を緩和するのが目的。今月19日から31日まで実施する。

重症化リスクの低い、県内に居住している人が対象。リスクの高い、65歳以上の人、基礎疾患がある人、妊娠している人、症状が続いている人は、医療機関を受診してほしいとしている。

申請方法は、茨城県ホームページ(HP)から抗原検査キット送付センターに申し込む。受け付け時間は19日は午後1~3時、20~31日は午前10~12時。申し込みは1人1回まで。家族など症状のある複数分をまとめて申し込むことはできない。濃厚接触者であっても症状がない人は申し込みできない。メールでやりとりするためメールアドレスがあることが必要。

申し込み者には抗原検査キットを郵送する。2日前後で届く見通し。

自己検査で陽性だった場合、県HPから陽性者情報登録センターに登録する。

薬局等で抗原検査キットを自ら購入し陽性となった場合や、無料検査拠点で陽性となった場合も登録可能。登録の受け付け時間は19日が午後3時以降。20~31日は正午~翌午前10時まで。

両センターでは薬の処方などは行わない。県は、発熱した場合は市販の解熱剤などを活用してほしいとする。症状が重い場合や症状が長く続く場合は、医療機関を受診したり検査医療機関に相談してほしいとしている。

18日の県内の新規陽性者数は4090人、年代別は、最も多いのが40代で689人、次いで30代650人。20代572人の順。市町村別は、つくば市が県内で最も多く607人、次いで水戸市307人、土浦市260人の順。

県内の18日の入院者数は462人、年代別は80代165人、90代106人、70代89人の順。病床稼働率は57.7%。うち重症者は6人、重症病床稼働率は7.5%。18日の死者は4人。

県抗原検査キット送付センター、陽性者情報登録センターの情報はこちら

いよいよジュネーブの国連審査へ《電動車いすから見た景色》33

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【コラム・川端舞】国連の障害者権利条約は、入所施設ではなく地域で生活する権利や、普通学校に通う権利など、障害者が他の人と平等に生活するための権利を規定している。その中でも、より重要だったり、誤解されやすいものについては、「一般的意見」という別の文章でより詳しく説明されている。

例えば、いわゆるバリアフリーを説明した「一般的意見第2号」では、バリアの撤廃が必要な事柄として、「建物、道路、輸送機関その他の屋内外の施設」「その他の屋内外施設には、とりわけ、法執行機関、裁判所及び刑務所、社会機関、社会的交流、娯楽、文化的、宗教的、政治的活動及びスポーツ活動の場と、買い物施設が含まれる」などと書かれている。

一見、とても細かい部分まで書かれているようだが、改めて考えれば、娯楽やスポーツ活動など、人生においてはどれも欠かせないものである。障害者が自分たちの権利を議論してつくった条約だからこそ、「どんな些細(ささい)なことでも、障害のない人が当たり前にやっていることは、障害者も当たり前にできるのが権利なのだ」と、はっきり意思表示できたのだと思う。

日本政府の矛盾点を指摘

そんな障害者権利条約を締約国が守っているか、定期的に国連が審査する。条約締結後、初の日本への審査が今月22~23日、ジュネーブでおこなわれる。

日本政府が国連に事前に提出した報告書では、例えば教育分野では「(障害児には)適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育が実施されており、…特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある『多様な学びの場』が整備され」ていると書かれている。

これに対し、全国的な障害者団体や家族等支援団体などで構成する日本障害フォーラムが提出した報告では、「現行の就学先の決定の仕組みは、地域の通常学校・学級に通うことが原則になっていない」など、障害児が障害のない子どもとともに育つ権利を謳(うた)う障害者権利条約と、日本政府の報告との乖離(かいり)を指摘している。

他の分野に関しても、日本障害フォーラムは政府報告の矛盾点を指摘しており、今回、ジュネーブで国連の審査委員と日本政府が直接対話するとき、これらの矛盾点がどのように話し合われるのか注目だ。

今後の日本の障害者施策が変わる、分岐点になるだろう場に立ち会えることに感謝し、将来、日本の障害者施策をよりよいものにするために働きかけられる、障害者リーダーに私もなりたい。(障害当事者)

明治初めの悪疫除け節《くずかごの唄》114

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悪疫除けひとつとや節

【コラム・奥井登美子】古い引き出しの中から、「悪疫除けひとつとや節」「明治12年7月9日虎列刺(コレラ)病予防商議として出縣申付候事 茨城縣」の2枚の紙が一緒に出てきた。

明治12年に茨城県にコレラ病が流行して、その時に皆が口ずさんだ「ひとつとや節」なのかも知れない。読めない字ばかり、ギクシャクしながら、何とか読んでみると、143年前なのに、今のコロナにも当てはまる部分がチラチラ。

そのころの日本人は流行病も唄にしてしまっていたのだ。テレビで、コロナの「ウイルス除けひとつとや節」をやれば、面白いに…。

悪疫除けひとつとや節(作者 清水近前人)

1つとや ひとをそこねるコレラ病 撲滅(ぼくめつ)させるはじん力ぞ

2つとや ふだん注意を怠るな 喰物(くいもの)衣類を清潔に

3つとや 三つのつとめは衣食住 貧富ほどよく衛生に

4つとや 酔って夜更かし呑喰(のみくい)を するのは病のもととなる

5つとや いつも気をつけ下水場を 綺麗(きれい)にするのは身の為(ため)ぞ

6つとや むやみな運動それは毒 運動せぬのも又(また)毒だ

7つとや なんでも病をよけるのは 空気の通りをあたらしく

8つとや やたら揉手(もみて)に神仏を 頼まずお医者に訳をきけ

9つとや ここもかしこもコレラ お巡りさん方ご厄介

10つとや とうとうコレラも行政の 力で撲滅お目出たや

 (随筆家、薬剤師)