土曜日, 2月 28, 2026
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福島県小名浜で「汚染水を海へ流すな!」集会《邑から日本を見る》140

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海の日アクション2023「汚染水を海へ流すな!」(写真は筆者提供)

【コラム・先﨑千尋】17日に福島県いわき市の小名浜マリンパークで開かれた海の日アクション2023「汚染水を海へ流すな!」に参加した。この集会は「これ以上海を汚すな!市民会議」と「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」が主催して開かれた。集会には、福島第1原発事故による汚染水の海洋放出に反対する地元の漁業関係者や専門家など県内外から約300人が参加し、集会後に小名浜漁港周辺をパレードした。

最初に同市民会議共同代表の織田千代さんが「海は、数えきれない命のかたまり。なぜ政府は汚染水の海洋放出を急ぐのか。薄めないと流せないということは汚染されているということだ。汚染水が流されたら、次の世代、その先の人たちに汚染された海を手渡すことになる。豊かな海の恵みに包まれている私たちの暮らしを忘れず、影響を抑えようと努力してきたことを無駄にしないために、海洋放出をストップさせよう」と訴えた。

続いて、小名浜機船底曳網漁協の柳内孝之専務理事が「事故後、原発から汚染水が海に流出し、福島の漁業は操業を自粛せざるを得なかった。しかし、わずかでも流通させなければ福島の漁業は終わってしまうので、試験操業を始めた。沿岸漁業の水揚げ量は約5500トンと事故前の2割にとどまるが、着実に増加してきている。漁業者は復興の妨げになる海洋放出を止めてと願っているが、国と東電は『漁業者の理解なしには放出しない』という約束を破ろうとしている。そういう国と東電を私たちは信用していない。また、IAEAは我々の生活を保障してくれない。処分の仕方を再検討してほしい」と、力を込めて語った。

東京大名誉教授の鈴木譲さん(魚類免疫学・遺伝育種学)は「薄めたトリチウムでも、海に流し続けたら海洋生物にどのような影響が出るのかは誰にも分からない。海洋放出によって海の生物が真っ先に影響を受ける。とんでもないことが起こり得る。国と東電は犯罪行為を行おうとしている。海洋放出すると言っているのは犯行の予告だ」と国と東電を糾弾した。

中国中央電視台も取材

市民のリレートークでは、会津若松、郡山、いわき、福島など県内からの参加者と、東電柏崎刈羽原発のある新潟県刈羽村や中部電力浜岡原発のある静岡県御前崎市などから11人が発言。多くの人が制限時間を超えて反対の声をあげた。

大熊町から会津に避難している馬場由佳子さんは「子どものいる母親として海洋放出に反対する。国と東電は大熊町など地元の復興のために汚染水を流すと言っているが、大熊の復興って何だ。子どもを守ることが復興ではないのか。ふざけんな!」と声を詰まらせながら訴えていた。

この集会には海洋放出に反対している中国から、中国中央電視台(テレビ局)が取材に来ていた。集会後、参加者は小名浜魚市場やイオンモールの前をパレードし、買物客らに汚染水の海洋放出反対を訴えた。(元瓜連町長)

川を次世代に託す 児童らフナの放流体験【桜川と共に】8

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放流した稚魚の様子を観察する小学生ら=つくば市栗原の桜川

つくば市栗原の桜川沿いの広場に10日、市立栗原小学校(同市栗原)4年生児童59人が集まり、フナの稚魚40キロを放流した。桜川漁協(鈴木清次組合長)が種苗放流事業の一環として毎年行っている放流体験学習で、今年は同市内の栗原、栄、大曽根の3小学校と秀峰筑波義務教育学校を対象に各校40キロ、計160キロのフナの稚魚を放流する。

児童らはそれぞれのバケツに稚魚を入れて桜川に入ると、「冷たい」「気持ちいい」などと言いながら並び、鈴木組合長のかけ声に合わせて一斉に放流した。稚魚は群れになって泳いでいき、「かわいい」「元気だな」と声を上げながら見送るとしばらくフナを観察していた。

鈴木組合長は「フナは1匹だと小さく見える。川に入るとカワウやアメリカナマズ、ブラックバスなどたくさんの天敵がいるので群れになって泳いで大きく見せる。上から見ると黒い保護色になっており、下から見るとおなかは白いので空の色と同じに見える」とフナの生態や特徴について説明した。

また、「昔は川がプール代わり。今はプールがあるから幸せだよね。川にも遊びに来てほしいが、危険もあるので必ず大人と一緒に来てください。桜川にはたくさんごみがある。ごみを掃除し、下水も処理して水をきれいにしたい。逆水門(常陸川水門)を作ってからシジミが全くいなくなった。昔の桜川に戻したい」などと話した。児童らは真剣に聞き入っていた。

投網の技に児童ら歓声

放流体験の後は魚の漢字クイズが行われ、「鮒」や「鮎」「鯰」などの漢字のパネルが出されると、児童らは手を挙げて楽しそうに答えていた。クイズが終わると、新潟県出身で投網歴50年以上の組合員、佐藤孝男さん(73)が広場でしゃがむ児童らの頭上に投網を打ち、投網の技を見せた。網に捕まえられた児童らは歓声を上げていた。

鈴木組合長の魚漢字クイズ。答えは鮒(ふな)、鮎(あゆ)、鯰(なまず)

児童からは「フナは何を食べますか」「桜川にはフナのほかにどんな魚がいますか」などの質問が上がり、組合員らが一つひとつ丁寧に答えていた。

瀧原奏(かなで)さん(10)は「楽しかった。組合長さんのお話を聞いて川にゴミがたくさんあると知った。自分たちが桜川を守らなければと思う」と話した。近野碧音(あおと)さん(9)は「川や魚が好き。いろんな生き物を増やせるようこれから桜川をきれいにしたい」と語った。

アユとオイカワの姿も

この日、稚魚を放流したのと同じ時間、同じ場所で投網を打つ組合員がおり、アユとオイカワがかかった。オイカワは天ぷらにするとよいという。かかったアユを見て、組合員らは「昔はもっとたくさんのアユやシジミが捕れた」と思い出を語った。漁協組合員らは放流学習を通じて未来を次世代に託し、かつての桜川を取り戻すことを願っている。(田中めぐみ)

投網で捕れたアユとオイカワ

■これまでの【桜川と共に】記事はこちら

交通手段の利便性と多様性:地方高齢者の観点から《文京町便り》18

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】近頃、高齢ドライバーによる自動車事故多発が報じられる。高齢ドライバーの認知症検査の厳格化や、運転免許証返上も促されている。

しかし、交通事故を起こした高齢ドライバーの(平均的な)言い訳としては、自分の近年の運動神経や反射機能(の低下)には不安を感じないでもないが、自分の日常生活でマイカー運転は不可避・不可欠だ、だから運転免許証も手放せず、(結果的に事故を起こした)この時もいつものようにマイカー運転を続けていたのだ、ということだろう。この感覚・認識は、現役を退き故郷に戻って生活している私にも、実感としてわかる。

私が評議員を務める日本計画行政学会の年次総会での公開シンポジウムが、2023年6月17日、都内の大学で開催された。テーマは「国土計画の今と今後の在り方」だった。登壇した講演者は、国土交通省(2001年1月の中央省庁再編後は官房長を含めて14の局長を抱える巨大官庁)の担当局長(現・国土政策局長、元・国土計画局長)の現職・元職、さらには国土審議会の中核メンバーなどだった。

このシンポジウムでの基本的な問題意識は、かつての全国総合開発計画から国土形成計画法を経て、21世紀前半の全国の国土整備をどのように進めるべきか―というものだった。

そもそも全国総合開発計画は、法律それ自体は1950年に公布されていたが、池田内閣の国民所得倍増計画(1960年)策定を受けて、1962年10月に第1次(全総、一全総とも略される)が閣議決定されてから、1998年の「21世紀の国土のグランドデザイン」まで、5次にわたって約10年ごとに策定されてきた。

しかし、中央省庁再編も経て、それまでの開発中心主義からの転換を目指して、新たな国土形成計画(全国計画)が2008年と2015年に策定されている。現在は第3次計画の公表に向けての最終段階である。

「シルバー民主主義」が成立していない

「中間とりまとめ」(2022年7月公表)によると、国土の現在の課題に対する令和版の解決の原理は、①民の力を最大限発揮する官民共創、②デジタルの徹底活用、③生活者・事業者の利便の最適化、④横串の発想―で、検討されている重点分野は、(1)地域生活圏、(2)スーパー・メガリージョンの深化、(3)令和の産業再配置、(4)国土利用計画―だそうである。

私には、この計画策定にかかわっている関係者の説明は、全国で展開しているさまざまな課題に対してDX(デジタルトランスフォーメーション)に代表される新機軸を取り入れその全国展開を図ろう、という(旧来型の)スタンスの継承、と受け止められた。そこで私は、地方在住の年金生活者の立場からは、新機軸の安易な押し付けではなく、旧来型のシステム・技術体系の使い勝手の改善を心掛けてほしい―と質問・問いかけた。

具体的には、バスの使い勝手が悪いのは、その運行が時刻表とは乖離(かいり)していること。運行本数も多く経営規模も確かな大都市部では、近年、バスの運行状況はバス停ごとに確認できるようになっているが、本来バス利用への依存性が高いはずの地方圏ではそうしたサービスが未整備のままである。

こうした利用者の現在のニーズを無視して、5~10年先のバラ色を披露されても、地方在住の年金生活者には当面の課題解決には至らず現実的とは思えない。こうした計画策定のプロセスや方向性を見ると、とても「シルバー民主主義」が成立しているとは思えない。高齢者の運転免許証返上が進まない所以(ゆえん)でもある。(専修大学名誉教授)

霞ケ浦、土浦日大が4強【高校野球茨城’23】

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霞ケ浦、安藤早駆のタイムリーで井上楓雅が捕手をかわしホームイン

第105回全国高校野球選手権茨城大会は大会11日目の22日、準々決勝4試合が行われた。土浦・つくば勢は、霞ケ浦が土浦湖北に9-2でコールド勝ち、土浦日大は4-1で東洋大牛久を破り、ベスト4に進出した。準決勝は24日行われ、霞ケ浦は明秀日立と、土浦日大は常磐大と対戦する。

霞ケ浦-土浦湖北戦はノーブルスタジアム水戸で行われた。霞ケ浦は、150キロの速球を武器にプロ注目のエース木村優人が4回までに3安打を打たれるも、粘り強く投げ無失点に抑えた。

霞ケ浦先発の木村優人。7回にホームランを打ち投打に活躍した

5回霞ケ浦は、制球に苦しむ土浦湖北の先発、久保田蓮大から3つの四死球を得て満塁とすると、一塁 富施賢太のエラーで先制した。続く井上楓雅が押し出し四球を選び1点追加し、菅谷冴樹の犠飛でこの回ノーヒットで3点を奪う。

3点を追う土浦湖北は、6回1死一、二塁の好機に清水俊介、真家匠の連続タイムリーで1点差に迫るが後続が凡退となった。

土浦湖北の清水俊介がライト前タイムリーを放つ

霞ケ浦は7回、先頭の木村優人がライトに本塁打を放ち追加点を上げると、2死後ランナー1人を置いて菅谷、安藤早駆、羽成恭之介の3連打で2点を追加する。さらに満塁の好機に代打、山崎隼人がライトフェンス直撃の三塁打でこの回一挙6点の猛攻で試合を決めた。

霞ケ浦の高橋祐二監督は「木村は悪いなりに投げたし、打線も最後に繋がって良いところが出た。次の明秀日立は強いチームだが、そこに勝つための練習をしてきたので精一杯頑張る」と語り、新保玖和主将は「前半なかなか点が取れない中、悪い流れでも慌てず我慢していく中で、相手のミスも絡めて得点できたのが大きかった。明秀日立は打撃が強いチームだけど、木村を信じて、自分たちの打撃、細かい野球をしていきたい」と話した。

7回2死満塁で霞ケ浦の代打、山崎隼人がライトへ3塁打を放つ

一方、土浦湖北の土佐一成監督は「浅野で打たれたのは仕方ない。7回の本塁打が痛かった。ベスト8の結果に関しては、昨年は初戦敗退からのスタートだったので、そこからキャプテンを中心によくチームをつくってくれた。まとまりも出て、打つ方も、ドラフト候補の木村からヒットを打てて点が取れたので選手たちはよくやってくれた」と今大会を振り返った。野口慧太主将は「相手のチャンスでミスが出てしまったが、6回に2点を取ったことは自分たちの野球が出来た。結果はコールドになってしまったが、恥じなく出来た。3年間を振り返って1年、2年は初戦敗退だった。最後にベスト8の成績を残せたのは光栄なことだし悔いなくやり切れた」と話した。(高橋浩一)

◆土浦日大の試合結果は以下の通り。

負担軽減へ 小中7校、洞峰公園のプール利用を検討 つくば市が3カ所で説明会

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午前10時から大穂交流センターで開催された1回目の説明会の様子

つくば市二の宮の県営の都市公園、洞峰公園(20ヘクタール)を、つくば市が県から無償譲渡を受ける方針をめぐる市民説明会が22日、市内3カ所で実施された。五十嵐立青市長は、谷田部東中地区と並木中地区の小中学校7校の児童生徒に洞峰公園のプールを使ってもらうことを検討していることを明らかにした。

老朽化により来年度、大規模改修を実施する計画だった並木中プールの改修費用を試算したところ、5000万円から1億円かかることが分かったとして、7校のプールの維持管理費(大規模改修を含む)が年間2300万円から3700万円かかっており、児童生徒が各校から洞峰公園に行くとするとバス代が1300万円であることから、バス代を差し引いても洞峰公園プールを利用してもらう方が年間1000万円から2400万円プラスになり、その分が、市が新たに負担することになる洞峰公園の年間維持管理費約1億5000万円の低減につながるなどとした。

無償譲渡を受ける今後のスケジュールについては、8月にアンケートを実施し、すべてがスムーズに行けば、9月議会に県から無償譲渡を受ける条例改正案を市議会に提案、10月に市に移管になるとした。大井川和彦知事も7月6日の定例記者会見で、移管の時期を「順調に行けば10月になる」との見通しを示している。8月に市が実施するアンケートの設問や方法などはまだ決めてないとした。

今後の洞峰公園の管理方法については協議会を設置し検討するとし、協議会の構成は自治会、愛好者団体、商工団体、学識経験者などを挙げた。

22日の説明会は市北部の大穂交流センター、洞峰公園体育館、市南部のふれあいプラザで実施され、大穂には26人、洞峰公園50人、ふれあいプラザには16人が参加した。

午前中実施された大穂交流センターでは「(年間維持管理費の)1億5000万円をかけて市が引き取ってやる意味が全然分からない」など無償譲渡を受けることに反対する意見と、「洞峰公園の美しい自然と静かな環境を子供や孫に伝えていくべき」など賛成意見の両方が出された。「協議会に分科会を設置しいろいろな方面の意見を聞いてはどうか」などの提案や、「今のように庭園として管理するのではなく自然公園として管理すれば維持管理費がかなり安くなる」などの提案もあった。

午後からの洞峰公園体育館では、無償譲渡を受けることに賛成する意見や市長への感謝の声が多く出された。夜開催のふれあいプラザでは、説明会開催を告知する市の広報が少なく、地元茎崎地区の参加者が少なかったことについて「市は本当に(茎崎の住民に)参加してもらいたかったのかと(疑問に)思う。1億5000万円使ってもしょうがないねと思ってもらえるよう、洞峰公園に興味がない人に知ってもらう努力をすべきではないか」などの苦言も出た。

最終回となる4回目の説明会は28日午後6時30分から、洞峰公園筑波新都市記念館で実施される。(鈴木宏子)

次ページは大穂交流センターでの第1回説明会のやり取りの概要

夜の観察会・夏《宍塚の里山》103

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ニイニイゼミの羽化

【コラム・鶴田学】今回は、宍塚の里山(土浦市)で夏に行われる夜の観察会について紹介します。街灯もなく真っ暗な里山の細い道をたどるのは、子どもたちだけでなく、大人でもなかなか体験したことがないと思います。

7月半ばの夜、懐中電灯を持って長靴・長ズボンをしっかりはいて、日の入り前の6時半に集合。注意事項を聞いてからの出発ですが、だんだんと暗くなってきます。こどもたちはウズウズしていますが、夜の里山にはマムシやヤマカガシなどの毒蛇がいたり、笹で手を切ったり、かまれると痛いキリギリスの仲間もいます。注意はしっかり聞いてもらわないと困りますね。

最初はセミの羽化を観察します。7月半ばの夕方には、主にニイニイゼミの羽化が一斉に始まります。夕暮れ前は、まだ始まったばかりで、まだノコノコと幹を登っていたり、足場を確かめていたり、脱皮が始まっていたりするものもいて、見つけるたびに、歓声が湧きますが、ほどほどにして、帰りにまた様子を見ることにします。

羽化するセミのそばには、捕食者のキリギリスの仲間やムカデなども見られます。ちょうど暗くなってきた空に、コウモリが飛んでいることもあります。

次は、クヌギなどに糖蜜を塗って、虫を集める糖蜜トラップの様子を見ます。こちらは、子どもたちの大好きなクワガタ類やカブトムシ、きれいなシタバガの仲間などを観察できます。

一人前のニイニイゼミになっていた

いよいよ日も落ちて、真っ暗な細い道を、懐中電灯をたよりに歩きます。ライトに反射して、ガの類の目はオレンジに、クモ類の目は白く輝いて見えます。バッタの類やナナフシなどの姿も見かけます。

さらに、懐中電灯も消して、真っ暗な中、陸生ボタルの幼虫が光るのを探します。暗闇に慣れるまで数分待つと、地面の近くで光るのが見えるようになってきます。ヘイケボタルやゲンジボタルなどの水生ボタルは、実は少数派で陸生ボタルのほうが多く、しかも成虫はほとんど発光しません。

今度は林の中に白い布を張って、ライトで照らして光に寄ってくる虫たちを観察します。コガネムシなどの甲虫類、ガの仲間、バッタの仲間など、本当に色々な虫たちを見ることができ、飽きないですね。

最後にもう一度、セミの羽化を観察。少し緑味を帯びていたものが、すっかり色づいて、一人前のニイニイゼミになっていました。ここまでで夢のような夏の夜の探検は終了。コロナの関係もあり、30名の人数制限がありますが、是非、参加してみてください。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

霞ケ浦で夏の訪れ 観光帆引き船が運航開始 土浦

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帆を上げ、遊覧船の見学客からのエールに手を振って応える土浦帆曳船保存会の操業者ら=21日、霞ケ浦の土浦入り

霞ケ浦の夏の風物詩、観光帆引き船の運航が21日、土浦沖で始まった。土浦帆曳船保存会の操業により、七福神丸と水郷丸Ⅱが真っ白い帆を立て、霞ケ浦に浮かんだ。見学客は土浦港のラクスマリーナ(土浦市川口)から遊覧船ホワイトアイリス号に乗り、帆が上がる様子を間近で見学した。

帆引き船は1880年、霞ケ浦町(現かすみがうら市)の折本良平により考案され、当時はシラウオやワカサギ漁のために使用されていた。1960年代後半以降は、エンジンを積んだトロール船の普及により姿を消したが、71年に観光帆引き船として復活した。2018年3月には「霞ケ浦の帆引き網漁の技術」が国の無形民俗文化財に選定されている。

高さ9メートル、幅16メートルの帆は、風の強さに応じて進む仕組みだ。この日は若干の強風で、帆が広がるのに時間がかかった。見学客は「がんばれ」「諦めるな」と帆引き船にエールを送り、帆が上がる一部始終を見届けた。

昨年、ホワイトアイリス号は26回運航し、1200人近くが見学した。同市観光協会の爲我井(ためがい)智主任は「土浦市は時期的にも、いち早く観光帆引き船を楽しむことができる。夏の青空と、グリーンの霞ケ浦に浮かぶ真っ白い帆のコントラストに注目してほしい」と語る。

那珂市から来た女性は、昨年に引き続き見学船に乗船した。「人の力だけで帆を動かすのはとても大変そう」と話し「雄大な自然を楽しめるこの風景は地元では見られない。見に来たかいがあった」とした。(上田侑子)

◆土浦市の観光帆引き船は7月21日(金)〜10月15日(日)までの毎週土・日曜日、祝日に操業する。午後1時30分に土浦港から出航するホワイトアイリス号に乗って見学できる。10月1日(日)は、同市のほかに帆引き船を保有しているかすみがうら市、行方市による3市合同操業が開催される。かすみがうら市観光協会が主催し霞ケ浦帆引き船フォトコンテストも開催される予定。料金や見学方法などの問合せは土浦市観光協会(029-824-2810)へ。

「過去20、30年で最低」 霞ケ浦・北浦でワカサギ漁解禁

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ワカサギを引き上げる漁船の様子=21日早朝(県霞ケ浦北浦水産事務所提供)

全国有数のワカサギ産地、霞ケ浦・北浦で21日、ワカサギ漁が解禁となった。解禁日の1隻あたりの平均漁獲量は、霞ケ浦が9.8キロと昨年の18.6キロから半減した。北浦は4.5キロと昨年の2.3キロのほぼ2倍となったが、全体として昨年の解禁日の半分の漁獲量にとどまった。

霞ケ浦・北浦のワカサギ漁獲量は低迷を続けており、昨年は年間17トンと過去20年間で最低だった。12月末まで行われる今年のワカサギ漁の見通しについて県霞ケ浦北浦水産事務所は「(現時点で)予測できない」としている。

解禁日当日の操業は、霞ケ浦が107隻(昨年は119隻)、北浦が16隻(同17隻)が出漁した。今年も各漁港を午前3時に出航し、朝5時頃まで、動力船の後方に網をいれて水中を引くトロール漁を行った。

毎年漁に出ている土浦市沖宿、常盤商店の常盤剛士さんは「過去20、30年で最低だった、3人で行って獲れたのは18キロ。こんなに少なかったことはない。大きさも3センチくらいと小さかった。原因は気候や人為的な問題を含め複合的なものではないか」と語る。

ワカサギは1995年に「茨城県の淡水魚」に選定された県を代表する魚。明治時代から、自然の風を推進力に使う帆引き船により漁獲されていたが、1960年後半頃からトロール漁に変わっていった。現在の帆引き船は全て観光用だ。

ワカサギが生息する全国の湖沼の中で、霞ケ浦・北浦は比較的温暖なことから成長が早い。特に夏にワカサギ漁ができる湖沼は全国でも珍しく、夏に獲れるワカサギは「ナツワカ」という愛称が付いている。ナツワカは1年で最も脂がのり、必須脂肪酸のEPAやDHA、カルシウムなどの栄養が豊富だ。骨も柔らかいため、天ぷらや唐揚げにして丸ごと食べられるという。(榎田智司)

朝早くから出航する漁船(同)

◆霞ケ浦・北浦の魚が購入できる土浦市内の店は▽タイヨー土浦店(東真鍋)▽田中屋川魚店(川口)▽JA農産物直売所サンフレッシュはすの里(木田余)▽出羽屋イオン土浦店(上高津)▽佃屋(生田町)▽小松屋食品(大和町)▽箕輪名産店(大和町)▽出羽屋ピアタウン店(真鍋新町)▽出羽屋土浦駅ビルペルチ店(有明)▽常磐商店(沖宿町)

被爆者と広島の高校生が共同制作 8月4日から土浦で「原爆と人間展」

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昨年の展示の様子=土浦駅前、県県南生涯学習センター(「土浦平和の会」提供)

広島市の高校生が描いた原爆の絵や写真パネルを展示し、戦争の悲惨さと核兵器根絶を訴える「原爆と人間展」が、8月4日から土浦駅前、ウララビル5階の県県南生涯学習センターで催される。

同展は市民団体「土浦平和の会」が主催する。展示する絵は、広島市の高校生が被爆体験者らの証言をもとに描きあげたもの。この取り組みは1997年から行われ、昨年までに182点の絵が完成し、広島平和記念資料館が保存している。同展ではそれらの中から広島市立基町高校美術部の生徒が制作した絵の複製画40点と写真パネル40点を展示する。

土浦での展示は2005年から始まった。2021年はコロナ禍の影響で中止し、今年で18回目の開催となる。

「土浦平和の会」事務局長の近藤輝男さん(82)は「描かれた絵は、いずれも写真にも増して原爆の非人道性をリアルに描写している。被爆体験者が高齢化する中、原爆の実相を後世にどう伝えていくかが課題となっているが、被爆体験者と高校生の共同制作は次世代と描く原爆の絵として高く評価されている」と話す。

広島に原爆が投下されて78年目となる会期中の6日には、県南生涯学習センター5階の講座室で、ドキュメンタリー映画「封印された原爆報告書」と「声をあげる高校生たち」を上映する。また、土浦市が毎年広島市に派遣している平和使節団の中学生が、体験を通じて感じたことを報告する。

「封印された原爆報告書」は米国立公文書館に所蔵されている原爆被害の実態を調べた報告書がどのようなものであったか、戦後日本が被爆にどう向き合って来たのかに迫った2010年制作の作品。「声を上げる高校生たち」は、核兵器禁止条約への参加を求めて核兵器廃絶の署名活動に取り組む高校生を記録した映画で、今年完成したばかり。

近藤さんは、5月に広島で開かれたG7サミットで出された「核軍縮に関するG7広島ビジョン」に触れ、「(同ビジョンは)ロシアの核威嚇や核使用は許されないとしているが、核兵器は防衛目的の役割を果たしているとして核抑止論を正当化している。日本は唯一の被爆国で、世界に向け核廃絶の先頭に立つべき立場にありながら『核の傘』に固執し核兵器禁止条約には背を向け批准も署名もしていない」と話す。

「展示をご覧になって、核兵器の非人道性や、人類の平和と安全のためには核廃絶こそ唯一の道であることを認識し、平和な世界への思いを共有していただければ幸いです」と呼び掛ける。(田中めぐみ)

◆「2023原爆と人間展」は8月4日(金)から8日(火)まで。7日(月)は休館日。開場は午前10時から午後5時まで。入場無料。

結婚式への参列に思うこと《電動車いすから見た景色》44

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イラストは筆者

【コラム・川端舞】今月末、親戚の結婚式に参列するため、故郷の群馬に帰省する。式に着ていく服を探すため、介助者と一緒にショッピングモールに行った。介助者に手伝ってもらい、いくつかドレスを試着し、気に入ったものをレンタルする。店員とのやりとりも、契約書類への記入も介助者に手伝ってもらった。

帰り道に駅に寄り、群馬までの新幹線の切符を購入。結婚式当日は、別の介助者と一緒に群馬に行き、一泊して帰ってくる予定だ。

帰省する準備をしながら、ふと考える。今の私が、自分らしい生活ができているのはなぜか。公的な介助制度も、バリアフリーな駅もほとんどなかった時代から、自分で介助者を集めて一人暮らしをし、体を張って、公共交通機関のバリアフリーを求めた障害者たちがいたからだ。

彼らが闘ってこなかったら、私は介助者と一緒に、ショッピングモールに行くことも、群馬に帰省することもできなかっただろう。それをありがたいと感じる一方、重度障害者が支援を受けながら、一人暮らしをしたり、外出することは、もっと当たり前のこととして認識される必要があるとも思う。

障害者たちが必死に闘って求めてきたものは、特別なものではなく、本来なら最初から持っているべき人間としての当たり前の権利なのだ。

心待ちにしているもう一つの結婚式

今の社会で、重度障害者が一人暮らしをすることが当たり前だとは見なされていないように、どんなに愛し合っても、家族になることを権利として認められていない人たちがいる。

友人とパートナーはもう何年も一緒に暮らし、本来ならいつ結婚してもおかしくない。しかし、2人は戸籍上の性別が同じであるため、今の法律では婚姻届を出せない。

法律が変わり、婚姻届を提出できたら、挙式するそうだ。式の招待状が来るのを、私は心待ちにしている。一方で、そもそも、戸籍上、異性同士の2人なら、互いの同意のもと婚姻届を提出すれば家族になれるのに、なぜ同性同士だと、その権利が認められないのか。

2人が無事に婚姻届を提出できた日、おそらく私は心の底から2人を祝福するだろう。ただ、それは決して特別なことではなく、人間として当たり前の権利が認められただけであることを覚えておかないとならない。

「他の人と同じ権利を行使するのが、なぜこんなにも大変なのだろうか」。そんなことを考えながら、群馬に帰省する。(障害当事者)

10代からの「スーパーサイエンスシティ」 つくば市、並木中等・茗渓学園と協定

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協定書を持つ(左から)並木中等教育学校・西野遥香さん、五十嵐立青市長、茗溪学園・山本心愛さん=つくば市役所

10代から「スーパーサイエンスシティ」の担い手になってほしい―とつくば市の呼び掛けに、県立並木中等教育学校(同市並木、深澤美紀代校長)、私立茗渓学園中学校高等学校(同市稲荷前、宮﨑淳校長)が応じ、20日、3者間で協定が結ばれた。

協定締結式は、同市役所で行われ、五十嵐立青市長と両校長が協定書にサイン、森田充教育長、柳下英子市校長会会長が立ち会った。協定は「つくばスーパーサイエンスシティ」構想を推進する上で、若者の声を聴き、学生にも主体的に構想へ参画してもらうことを目的に、市が国際会議などあらゆる機会を通じ生徒たちに活動や発言の機会を提供する。

スーパーサイエンスシティはAI(人工知能)やビッグデータ、モビリティーなどの未来技術を活用して地域の課題解決や活性化を目指す構想。協定締結式で五十嵐市長は「構想が想定する2030年には今の高校生は25歳になっている。少子化が進行する中で、次の世代というより、今から中心の世代として活躍してほしい」と意図を述べた。

両校は今年度、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールに指定(2期目)され、これまでも市との連携・協働の取り組みを続けてきた。並木中等校では昨年7月、市の提案でインターネット投票による生徒会役員選挙が行われた。同市が実施を目指している公職選挙におけるインターネット投票の実証事業とされたが、学生の間でも「選挙への関心を深める貴重な経験になった」(西野遥香さん)という。

茗渓学園はJRC(青少年赤十字)を中心にボランティア活動を展開しているが、その中でAED(自動体外式除細動器)に外国人が読み取れる操作マニュアルがないことを疑問に思った。高校3年の山本心愛さんによれば、現在翻訳中の英語版がほぼ完成しているといい、校内にとどまらず地域社会で使ってもらえるよう、市などと相談をしていきたいという。(相澤冬樹)

土浦日大、境を8回コールド ベスト8決まる【高校野球茨城’23】

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6回裏土浦日大無死二・三塁、松田の適時三塁打で香取と鈴木が生還

第105回全国高校野球選手権茨城大会は20日、4回戦が行われた。J:COMスタジアム土浦では土浦日大が境と対戦。土浦日大は小森勇凛と藤本士生の投手2人が無安打リレーで境打線を封じ、準々決勝進出を決めた。打撃では松田陽斗が3安打4打点、塚原歩生真が2安打3打点の活躍ぶりだった。

土浦日大は2回、鈴木大和の右越え三塁打と松田のショートゴロで1点を先制。4回には後藤陽人が敵失で出塁し、松田の左前打で1点を追加した。

4回裏2死一・二塁、松田の適時打で2点目を挙げる

土浦日大の先発小森は145キロの直球に加え、スライダーやチェンジアップなどの変化球もさえていた。「相手がまっすぐに張っていたので、変化球でうまくかわせた。変化球でカウントを整えてストレートで締めたり、追い込んでから変化球で三振を狙ったり。相手も粘り強く対応していたので、自分も相手の粘りに負けないよう心掛けた」。

小森は4回まで無安打投球、許した走者は四球による1人だけ。だが5回、先頭打者に一塁ゴロからの送球ミスで出塁され、次打者の三塁ゴロで1死二塁とされると、すかさず投手交代。藤本をマウンドへ送った。

「境打線は左打者が6人もいるので、まず左投手の小森に任せ、万全の形で藤本につなごうと考えていた。だが夏はゲームプランが変わることが多い。接戦のまま中盤の攻防を迎え、ここでの1点が試合を大きく動かすと思った。こういう場面を救うのもまたエースの役割」と小菅勲監督。

土浦日大の2人目、藤本

藤本は最初の打者を内野ゴロに打ち取り2死三塁、次打者はショートゴロでこの回を乗り切った。最終的に藤本は打者11人を相手に無安打無四球、3三振に抑えている。

土浦日大の追加点は6回。先頭の香取蒼太が三塁線を抜く二塁打を放つと、続く鈴木大和の送りバントは三塁手のエラーでセーフ。盗塁で無死二・三塁とし、またも打席には松田。「相手は球速もあり、まっすぐが手元で伸びてくるいい投手だと思ったが、自分は2打席とも打てていたし、ランナーもたまっていたのでなんとか返したかった」。ここは変化球が来ると予想し、2球目の低めのスライダーを強振。中越えの三塁打となり2点を奪った。

この回はさらに1死三塁から塚原歩生真の右翼への犠飛で1点を追加。8回にも塚原の左越え二塁打で走者2人が還り、8-0でコールドゲームが成立した。「うちは前試合の大量得点(対勝田、18-0)のせいか、打線から粘り強さが消えていたが、今日の接戦で途中から粘りを取り戻した」と小菅監督。

8回裏2死一・二塁、塚原の2点適時打で土浦日大がコールド勝ちを収める

「チャンスでチームに貢献でき、心の面で自信になった」と殊勲の松田。春大会の決勝では打てずに悔しい思いをしたので、基本に立ち返り、素振りを続けることでバッティングの質を高めてきた。「トーナメントは負けたら終わりなので勝つことにこだわり、今後も目の前の試合を一つずつ、チームのために戦っていきたい」と話す。(池田充雄)

常総、つくば秀英敗れる【高校野球茨城’23】

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試合後にベンチ前で涙を流すつくば秀英ナイン

第105回全国高校野球選手権茨城大会は大会10日目の20日、4回戦8試合が行われ、ベスト8が決まった。土浦・つくば勢は、春の県大会で優勝し関東大会で4強入りを果たした常総学院が3- 5で茨城に敗れた。つくば秀英は1-5で一昨年の覇者、鹿島学園に敗れ、準々決勝進出はならなかった。一方、霞ケ浦は8-1で水戸一にコールド勝ち、土浦湖北は5-3で藤代を破り、土浦日大は7-0で境にコールド勝ちし、ベスト8に進んだ。

先発したつくば秀英の武蔵

つくば秀英は鹿島学園を上回る10安打を放つも、12残塁と、あと1本が出なかった。つくば秀英の先発、武蔵空良は立ち上がり、制球が定まらず、2死満塁から押し出し死球で先制点を許す。その裏つくば秀英は、今大会ここまで無失点の鹿島学園エース中根健太郎から、先頭の木村永遠が三塁打で出塁すると、2死後、松村敬太が左中間への二塁打で同点とする。

1回裏2死3塁で同点タイムリーを放つ、つくば秀英の松村

しかし2回、3回に1点づつ追加され、3−1とリードされる。つくば秀英は3回に先頭の木村永遠が左中間への本塁打を放ち1点差に迫るが、ホームベース踏み忘れによりアウトとなり、幻のホームランとなった。

4回からマウンドに上がった2番手、五十嵐大晟は、6回に2死後、死球と連打で2点を追加され、リードを4点に広げられる。打線は6回と7回に2死満塁の好機をつくり出すが、後続が凡退し無得点に終わると、9回は、8回から再びマウンドに上がった鹿島学園のエース中根に三者凡退に抑えられ、1-5で敗れた。

つくば秀英の応援団

つくば秀英の桜井健監督は「前半ミスが出て、選手たちの準備も含めて焦らせてしまった。立ち上がりがうまくいかなかった時に立て直すことができなくて、うちがやりたい野球を相手にされてしまった。リズムに乗れず2アウトから点を取られたり、ミス絡みで点を取られたのが敗因。チャンスはつくれたがリードされていてのチャンスだったので、焦りや相手投手に上手く交わされてしまった。木村の幻のホームランは勢いや流れ以上に大きなダメージをくらった」と敗因を語った。

池内航主将は「自分たちの力不足。チャンスをつくった中、あと1本が出なかったのが悔しい」と話し「これまでいろんなことがあって、むちゃくちゃ苦しい思い、悔しい思いがあったが、学校の方々、監督、たくさん応援に来てくれた方々、どんなことがあっても支えてくれた両親に感謝している。このチームのキャプテンをすることが出来て本当に良かった」と涙しながら感謝の言葉を述べた。(高橋浩一)

◆20日の土浦・つくば勢の試合結果は以下の通り。

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アメリカナマズを四川料理に ガチ中華で食事会【桜川と共に】7

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桜川のアメリカナマズを使った「辣子鯰魚」(テーブル左)と「酸辣鯰魚」が並び、写真を撮る参加者=つくば市天久保、麻辣十食

桜川漁業協同組合が主催し7月上旬につくば市や土浦市の桜川で開かれた「特定外来魚釣り大会」(7月16日付)。一般参加者が釣り上げたアメリカナマズ3匹をつくば市在住の医療通訳士、松永悠さんがもらい受け、市内の中華料理店に持ち込んだ。調理を頼んだのはつくば市天久保にある中華料理店「麻辣(マーラー)十食」。オープンして1年ばかり。つくばではまだ珍しい、日本人向けにアレンジしない、いわゆる「ガチ中華」の店だ。

四川料理が専門。筑波大学大学院出身の元留学生が経営する。当初都内での出店を考えていたが、コロナ禍だったこともあり、ゆかりのあるつくば市に店を構えた。メニューには霞ケ浦で捕れたコイを数十種類の香辛料で調理した料理もある。四川省は海に面していない内陸部であることから、主に川魚を食べる食文化を持ち、ナマズやハクレン、フナやコイなどを香辛料で調理する料理が数多くある。

桜川のアメリカナマズを料理

松永さんの呼び掛けで、ナマズ料理を含む本格四川のコースを楽しもうと東京や千葉から参加者10人が集まった。牛肉を使った前菜「夫婦肺片(フーチーフェイピェン)」や「麻婆豆腐」、「回鍋肉(ホイコーロー)」などの四川料理と共に、桜川のアメリカナマズを使った3品「辣子鯰魚(ラーズーニエンユー)」、「酸辣鯰魚(サンラーニエンユー)」、「豆鼓鯰魚(ドウグーニエンユー)」が並んだ。

辣子鯰魚」はナマズをカリっと揚げて唐辛子と花椒(ホアジャオ)で作った麻辣で味付けした料理。見た目から辛そうだがそれほど辛くはなく、花椒のさわやかな香りとナッツの香ばしさがナマズのから揚げにマッチしている。「酸辣鯰魚」はナマズを蒸して酸味と甘みのあるソースをかけた料理。淡白なナマズの身がふっくらとしていて、ソースがナマズをひきたてる。「豆鼓鯰魚」は発酵した黒豆の調味料を使った蒸し料理で、酸辣とは違った深い旨味とコクがあるソース。これもナマズによく合っていた。

食事会に参加した都内在住の西岳晴さんは、仕事で広東省深圳(シンセン)市に4年間住んでいたことがある。かつて食べていたような本格中華を求めて参加した。桜川のアメリカナマズ料理について「中国で食べた雷魚などの川魚よりこちらの方がおいしく感じる」と驚きを語る。

総料理長の羅彬さん(左)とエグセクティブ・アドバイザーの孫麗さん

コースを食べ終わると総料理長の羅彬(ラヒン)さん(44)が姿を見せ、参加者から拍手を受けた。桜川のアメリカナマズは「使えます。おいしいです」と言う羅彬さん。メニュー制作の顧問をする孫麗(ソンレイ)さん(37)は「四川料理の香辛料と技法を使えば、ナマズもいろいろな美味しい料理に変身できる。ハクレンも適した調理法を使えば本当においしい魚。地元の野菜、魚、お肉を取り入れて、地産地消に尽力したい」と話す。

桜川漁協(つくば市松塚)の鈴木清次組合長は「野生のナマズなので、毎日何匹捕れると確約できるものではないが、1匹いくらでも売れるのであれば売りたい」と期待する。仕事の傍ら都内のガチ中華の店を食べ歩き、インターネットで紹介している松永さんは「麻辣十食は都内の店に全くひけを取らないと感じ、ナマズ料理をお願いした。地元のガチ中華店から地域課題の解決につながれば」と話す。アメリカナマズやハクレンの四川料理への活用に期待が膨らむ。(田中めぐみ)

➡連載企画【桜川と共に】の過去記事はこちら

筑波実験植物園 季節の花を楽しむ《ご近所スケッチ》5

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筑波実験植物園(イラストは筆者)

【コラム・川浪せつ子】筑波実験植物園の正式名は国立科学博物館 筑波実験植物園です。上野にある国立科学博物館が本館で、つくば市にあるのは植物関連の分館。こんな素晴らしい施設が近くにあるのは驚きです。

四季折々お散歩してもいいし、お花の季節にはそれぞれの草花に会いに行きたくなります。私のお気に入りは上のイラストの水生植物園。それから温室です。行ったこともないサバンナや熱帯雨林。「どこでもドア」を開けて入り込んだ気分になります。

また色々なイベントがあるので、それに合わせて訪問します。NHKの朝ドラで、今、植物学者「牧野富太郎」博士の人生を元にしたドラマが放映されています。筑波実験植物園でも4月末から6月初めまでミニ企画展「牧野富太郎 植物を観る眼」が開催されていました。早々に見てきました。

牧野博士は今風のイケメン?

ミニ企画ということでしたが、とても充実した展示でした。レプリカではありましたが、先生の線画のスケッチは素晴らしいものでした。色は付いていないのに、色を感じさせてしまう描写。つくづく「線に命が宿る」と。特別に植物学を専門学校で学んだわけでなく、絵も誰かに習ったわけでないのに、驚異的ですよね。

展示を見ていたとき、2人の女性の会話が聞こえてきました。「ね、ねぇ。こっち見て! 牧野先生の若いころの写真あるから」「あら~! 今でいうジャニーズ系のイケメンじゃない~」。まさしく! その後、知り合いの方々にこの話をしたら大うけでした。気になる方はネットで見てくださいね。(イラストレーター)

筑波実験植物園(同)

つくばから世界へ リコーダー奏者、辺保陽一さんリサイタル

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新しいリコーダーを手にする辺保陽一さん

8月4日、ノバホール

日本を代表するリコーダー奏者で、つくば市在住の辺保(へんぼ)陽一さん(44)が同市吾妻のノバホール・ホワイエで8月4日、リサイタルを開く。リコーダー曲を中心に17世紀イギリスの音楽を奏でる。

リコーダーはバロック中期までは花形の楽器だったが、楽器の持つ音量が他の楽器に比べて小さいなどの特徴から、次第にメーンから外れていった。それでも古楽を演奏するにはなくてはならない楽器だ。小中学生の頃、だれもが吹いた経験があることから、愛好家も多い。

辺保さんは筑波大出身。現在、演奏活動のほか、茗渓学園非常勤講師を務め、リコーダー教室を開いている。

「コロナ禍ではコンサートが出来なかったばかりか、人との交流ができずにつらかった。今回、自分の育ったつくばで音楽の交流が出来る機会ができ、大変うれしい」と話し、「ルネサンス期という時代は音楽的にはとても面白い時代で、日本ではあまり有名でない作曲家の名曲がたくさんある。それらの隠れた名曲をバロック以前の音楽を得意とするリコーダーで是非とも味わってほしい」と語る。

辺保さんが所有するたくさんのリコーダー

辺保さんは宮崎県日南市出身。9歳の時、父親の仕事で茨城県に移り住み、高校まで鹿嶋市で育った。中学、高校は清真学園管弦楽団に所属しトランペットを吹いた。祖父が物理学者だった影響で、筑波大学自然学類に入学。入学当時から吹奏楽団とリコーダー愛好者団体のブロックフレーテ同好会に所属し、物理学と音楽の二刀流生活が始まった。

筑波大吹奏楽団は団員が多く、人気のトランペットではなかなかレギュラーになれなかったこともあり、リコーダーの方が自分に向いているのではないかと、独学でリコーダーの猛練習を半年続けた。リコーダーは練習すればするほどうまくなれる楽器だった。大学2年からは月に2~3回、都内に通い、正式にレッスンを受けた。物理学の実験、音楽、アルバイトと、ハードな学生生活だったという。

大学卒業後は音楽の道を選択。プロの音楽家になるため、自分が演奏した曲を著名な演奏者の元に送るなどした。

その後、スペイン・バルセロナ市のカタルーニャ高等音楽院に留学し、尊敬する世界的リコーダー奏者ペドロ・メメルスドルフに師事した。しかし音楽大学の大学院を修了した人が学ぶレベルだったため、語学を含め大変な苦労をしたと振り返る。厳しい師の無理難題をこなし、3年目にようやく実力を認められた。

卒業後はさらに、スイス政府の奨学生としてチューリッヒ芸術大学大学院に入学、リコーダー奏者のケース・ブッケの指導を受け、最優秀の成績で卒業し、本格的な演奏活動を始めた。現在ソロ演奏のCDを2枚発売している。

辺保さんはリコーダーの魅力を「圧倒的に音色」だという。「透き通った芯のある暖かい音は命の音色」だと語る。

「私にとってリコーダーはあくまで媒体。リコーダーそのものというより、ヨーロッパの古い音楽や、深い文化の素晴らしさを伝えたい。私は他の人が演奏していないような、知られざる傑作と生涯どれだけ出合えて、聴衆の皆さんと共有できるかといつも考える。外国の人が日本の尺八を演奏するように私はヨーロッパの古い音楽を演奏するわけだが、私にとってヨーロッパの音楽はとても肌に合い、呼吸をするように自然にわかるものに感じている。音楽、広く芸術はその人の姿をありのままに映すものであり、人間の命の輝きをそのまま投影するものだと思っている。深く思考し、常に探求し、それを体現していく。『人生死ぬ以外はかすり傷』をモットーに常に走り続けていきたい」と話す。

8月4日のリサイタルは「17世紀イギリス音楽、ルネサンスリコーダーの復古と革新」をテーマに演奏する。9月15日には世界を代表するリコーダー四重奏団、オリーブコンソートと辺保さんが競演する「つくば国際リコーダー音楽祭2023・特別オープニングコンサート」を開催する。(榎田智司)

◆辺保陽一リコーダーリサイタルは、8月4日(金)午後6時30分開場、7時開演。会場はノバホール・ホワイエ。チケットは一般3000円、大学生以下2000円。チケット申し込みはhttps://tiget.net。 問い合わせはhttp//www.o-arches.comへ。

◆つくば国際リコーダー音楽祭2023特別オープニングコンサートは、9月15日(金)午後6時30分開場、7時開演。会場はノバホール・ホワイエ。チケットは一般4000円(当日4500円)、大学生以下2500円(当日3000円)。チケット申し込みはhttps://tiget.net。問い合わせは電話029-859-5136(ナカルリコーダー教室)またはメールnakal@hotmail.co.jpへ。

20日から台湾訪問 安藤土浦市長、島岡議長ら

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定例会見で台湾訪問を発表する安藤真理子土浦市長=7月3日

土浦市の安藤真理子市長は、20日から23日まで3泊4日の日程で台湾の台南市を訪問すると発表した。4月7日に台南市と友好交流協定を締結したことから、黄偉哲(こう・いてつ)台南市長を表敬訪問し、今後、両市がどのように交流を進めるか、具体的に話し合う。

片山壮二副市長が同行するほか、市議会から島岡宏明議長、奥谷崇総務市民委員会委員長、矢口勝雄文教厚生委員会委員長、寺内充産業建設委員会委員の市議4人が同行し、担当職員2人が随行する。予算は214万4000円。

20日に出国し、21日に台南市の青果市場などを見学後、台南市政府を訪れ市長と議長を表敬訪問する。22日は台南市内のサイクリングロードを実際に走って体験する。23日に帰国する。

4月7日の友好交流協定は、オンラインで両市を結び締結した。2022年2月に自転車を活用したまちづくりを推進する「第3回全国シクロサミット」を土浦市で開催した際、台湾観光局から、台湾ではサイクリングの環境整備を進めているなどの話があったことがきっかけ。台南市はサイクリング観光が盛んであることに加えて、レンコンやハスの実、花びらを使った花蓮茶など加工品が人気であること、花火を用いた祭りがあることなど三つの共通点があることから友好交流協定を結んだ。

安藤市長は「この訪問を通じて土浦市の魅力を伝えると共に、両市の友好の絆がより強力なものとなるよう努めたい」としている。

世界のつくばで子守唄を終えて《映画探偵団》66

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】7月1日、『世界のつくばで子守唄/海のシルクロード・ツアー2023』をホテル日航つくばで開催した。2日前から参加希望者が急に増え、満員のため30名ほどお断りした。外国人は67名でその子どもたちも含めると80名近くになった。参加者は計200名だった。17カ国の人が参加し民族衣装がカラフルで美しかった。

予想以上の反響で戸惑った。中でも「ただの子守唄コンサ一トだと思って来たら違っていた」「アジアを旅する気分になった」という声が多く聞かれた。多分、アジアの子守唄の合間に『金色姫伝説』を入れたからだと思う。

つくば市神郡(かんごおり)に残された『金色姫伝説』は「金色姫が天竺で4度にわたり継母から殺されそうになった話」と「金色姫がたどり着いた神郡で病死し蚕となる話」で構成されている。途中の「金色姫航海の話」が欠けている伝説なのだ。この金色姫の航海を子守唄でまがりなりにも再現したので予想と異なっていたのだと思う。

森繁久弥主演の「社長シリーズ」

東宝映画の森繁久弥主演の「社長シリーズ」は『へそくり社長』(1956)に始まり『続・社長学ABC』(1970)まで14年間続き33本作られた。ただし1963年頃からは植木等の「日本一シリーズ」に人気が移り始めていた。私は植木等の世代なので社長シリーズはあまり見ていなかった。社長シリーズには、いつも芸者役が出てくるため、「芸者文化史/銀幕の芸者たち」の社会人講座をするためまとめて見た。そこには高度成長期における日本人の仕事ぶりが面白おかしく描かれていた。

毎回設定が異なる社長シリーズは「正篇」「続篇」2本で1つの物語になっていて、日本の観光地や香港やハワイなどの海外が出てくる観光映画となっている。

森繁久弥が演じる社長はバリバリ働くが、芸者やバーのマダムにほれる浮気ぐせがある。秘書役の小林桂樹は真面目で社長に尽くすが、夜の宴会まで付き合わされるので、自分の時間が奪われボヤキ気味である。加東大介の部長は堅物で社長もいささかもて余し気味だ。同じく部長の三木のり平は「パッといきましょう!」が口ぐせで会社の費用でお酒を飲むのが楽しみの宴会部長。そして英語混じりで変な日本語を話す日系2世役のフランキー堺はいつも突飛(とっぴ)な行動を見せる。

5人が宴会でやる余興場面がこの作品の見世場となっている。それぞれ主演級の役者が丁々発止と演じる様は、裏読みすると役者同士の演技合戦にも見え、実にスリリングである。しかし全体のシ一ンの意味を心得た上での演技なので、抑制も効いていて気持ちがよい。

終始笑いに満ちた実行委員会

今回のイベントを終え、思い出したのがこの社長シリーズだった。実行委員の皆さんが、こちらが細かいことを言わなくても動いてくれるため、いつの間にか外遊する森繁久弥演じる社長の気分にさせられた。終始笑いに満ちた実行委員会だった。

イベントは、金色姫が筑波・神郡についたところで、「つづく」と締めくくった。社長シリーズは「正」「続」2本で1つの話。だから次は『金色姫伝説』の筑波篇を予定している。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

調子は万全、土浦湖北4回戦へ【高校野球茨城’23】

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1回表、清水の適時打で長谷川が還り、タッチを交わす土浦湖北ベンチ

第105回全国高校野球選手権茨城大会は18日、3回戦8試合が行われた。J:COMスタジアム土浦では土浦湖北が水戸桜ノ牧と対戦。序盤からの大量リードを守り、土浦湖北が6-1と快勝した。20日の4回戦はベスト8を賭け、J:COMスタジアム土浦の第1試合で、藤代と対戦する。

土浦湖北は1回戦の守谷戦とは打って変わり、初回から打線が爆発した。先頭打者の長谷川凌汰が死球で出塁すると、すかさず2番の清水俊介が右越え二塁打を放ち、長谷川をホームへ迎え入れた。

守谷戦のときは初回、先頭の長谷川が無死三塁の絶好機をつくったが、清水が空振り三振、後続2人も倒れ、流れを手繰り寄せることができなかった。「だが今日こそは自分が先制タイムリーを打つんだと、軟投派は好きじゃないけれど、真ん中に甘く入ったストレートを気持ちで打った」と清水。

1回表土浦湖北無死一塁、清水が右越えの適時二塁打を放つ

この清水の痛打が効いたか、水戸桜ノ牧の先発投手は3番の真家匠にも四球を与え、あえなく降板。4番・野口彗太の送りバントに、5番・大隈翔聖の犠牲フライで1点を追加した。

2回の土浦湖北は長打攻勢。平田夢叶と久保田蓮大が共に三塁打を放ち1点を追加。3回には2死から冨施賢太の中前打と木村恭太郎・久保田・長谷川の3連打で3点を奪っている。

土浦湖北の先発投手は守谷戦と同じく久保田。「前回登板より球が走り、緊張を味方にしながら、いつもよりボールに力を伝えることができた」と、彼もまた調子を上げてきた。4回は単打と長打で1点を失い無死三塁とされるが、走者の動きを見てスクイズを外し、走者を挟殺に仕留めることができた。「今日は四死球もゼロ。これを継続したい」

4回裏水戸桜ノ牧無死三塁、走者冨田が挟殺でアウトになる。捕手野口

6回からは2番手の大河内響貴が登板。昨秋は主戦を務めたがその後フォームを崩し、春大会では登板がなかった。「冬と春で調整し、だいぶ仕上がってきた。頑張ってチームに貢献したい」との言葉通り、4イニングを2安打無失点の活躍。下位打線にはコーナーを丁寧に突き、上位打線にはギアを一つ上げて臨んだ。「久保田から『楽しんで投げてこい』と言われ、状態も良く余裕をもって投げられた」と感想。

土浦湖北の二番手、サイドスローの大河内

一つだけ課題を挙げるとすれば、中盤以降は得点が生まれなかったこと。「もっと取りたかったが相手も一生懸命。ミスもなくしっかり守れたのは良いこと。(次の)藤代戦が楽しみ。子どもたちが力を発揮できるようにしてあげたい」と土佐一成監督。

「残塁の多さは課題だが、後半もヒットは出ていたので気にしていない。この2試合で肩の力が抜け、硬さもとれてきた。万全の状態で次の試合に臨める」と、野口主将は藤代戦へ意欲を燃やす。(池田充雄)

爽やかで涼し気 筑波学院大生の大型タペストリー展開催

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18日から展示が始まった筑波学院大学4年、松山紫音さんの大型タペストリー「レモネード」=つくば市吾妻、トナリエMOG1階

つくば駅前の商業施設トナリエMOG(モグ、つくば市吾妻)1階にあるプラザ・パフォーマンス・ギャラリーで18日、「タペストリーアートコンペティション2023・大型タペストリー展」の授賞式が催され、優秀作品に選ばれた筑波学院大学の学生によるタペストリーの展示が始まった。

同大4年の松山紫音さん(22)の「レモネード」と、3年の佐藤緑咲さん(21)の「雲の中のダンス」の2作品で、8月30日まで順に展示される。筑波学院大学とつくば都市交通センターが2015年から主催し、今年8回目を迎えた。

授賞式での記念撮影の様子。右端が「レモネード」を制作した松山紫音さん、右から3人目が「雲の中のダンス」の佐藤緑咲さん

作品は、同大メディアデザインコースの学生が制作し、6月27日から7月3日にかけて、トナリエつくばキュート1階の壁面に8作品が展示された。買い物客など来場者による投票とウェブでの投票、それを踏まえた審査員の選考会によって優秀賞2作品が決定した。

審査員の一人、同大の高嶋啓教授は「選考は難しかった、審査員でも意見が割れることもあったが、展示されることを念頭において、作品が決まった」と述べた。

「レモネード」を制作した松山さんは自身の作品について「夏に飲みたくなるカラフルなレモネードのイメージで、レモネードの爽やかさが出るような色がポイント。レモンやミントのデザインにグラスに注がれたレモネードが見えるようにした」と述べ、「今回の受賞は大変うれしい。これを機にもっとうまくなれるように努力したい。将来はデザイン関係の仕事に行ければ」と喜びを話した。

「雲の中のダンス」の佐藤さんは「『ツバメが低く飛ぶと雨』という言い伝えがあるが、この作品はそれを打ち消すような意味を込めている。雨が降りやすいといわれる入道雲の中をさっそうと飛んでいる様子を表した」とし「ツバメのリアル感を出すのに苦労した。展示されることが決まって頑張ったかいがあった」と話した。

8月8日から展示される佐藤緑咲さんの「雲の中のダンス」のイメージ図

同日、買い物に来て、同ギャラリーに立ち寄った市内に住む50代の会社員女性は「レモネード」について「爽やかで涼し気で、色もパステルカラーできれい。プロの方の作品かと思った。学生の作品とは分からなかった」と話していた。(榎田智司)

◆松山さんの「レモネード」は8月8日(火)まで、佐藤さんの「雲の中のダンス」は8月8日(火)~8月30日(水)まで展示される。入場無料。