日曜日, 3月 1, 2026
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給食費の不明金860万円 小学校事務職員に損害賠償請求へ つくば市

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つくば市役所

つくば市立小学校に勤務していた事務職員が、2018年6月から21年3月までの間、不適正な会計処理を行い、保護者から集めた給食費計約860万円を紛失したなどとして、つくば市は21日、事務職員を相手取って、約860万円と延滞金などの返済を求める損害賠償請求訴訟を起こす方針を明らかにした。30日開会の市議会12月定例会に提案する。

市健康教育課によると、事務職員は当時、保護者から集めた給食費を毎月、学校の銀行口座から現金で引き落とし、市役所の口座に振り込む仕事をしていた。

徴収した給食費の総額よりも、18年度は約40万円、19年度は約235万円、20年度は約584万円少なく、市の口座に振り込んでいたという。

20年12月、学校が保護者から徴収した給食費とは別の諸費用について、保護者の一人から、重複して引き落とされていると学校に連絡があり発覚した。調査したところ、同じ事務職員が担当していた給食費について、徴収した総額と、市の口座に振り込まれた金額が一致しないことが分かった。

市の調べに対し事務職員は、総額860万円が不明であることを認め、紛失させてしまったなどと釈明したという。事務職員は今年3月、860万円を市に返済すると誓約書を書いて約束、市は6月に請求書を送ったが支払いがなく、さらに督促状を送付したが、期限の8月18日までに支払いがなかったことから裁判に訴えるとしている。

事務職員の氏名や年齢、性別、現在の勤務先などについて市は、公表できないとしている。一方、今年7月、学校長が不明金について警察に被害届を出したという。

同課によると現在の学校給食費の徴収方法は、19年7月に文科省から学校給食費徴収・管理ガイドラインが出されたことを受けて、同市では21年4月から、学校を経由せず、市が保護者の口座から引き落とす方法に変更している。

障がい者の意志を伝える装置《デザインについて考える》2

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足動式意志伝達装置

【コラム・三橋俊雄】私が浪人時代、高校の友人に誘われて、障がい者施設にボランティアに行きました。施設のガラス窓を拭いたり、石膏のギブスを埋める大きな穴を掘ったり…。あるとき、施設の子どもたちと遊んでいて、小さな女の子に「おにいちゃん、ぶらんぶらんして」と言われ、その女の子を遊ばせていましたが、彼女の両腕が無いことに気付きました。その子はサリドマイドの子であり、それが私にとって初めての障がい者との出会いでした。

そんなこともあって、大学での卒業研究のテーマが障がい者のためのデザインになったのだと思います。夏の熱い日差しを今でも覚えています。卒業研究のために訪れた千葉県の障がい者施設で、脳性小児麻痺のT君(14歳)と出会いました。

彼は、自分で歩くこともできない、話すこともできない、食べることもトイレに行くことも自分の力ではできませんでした。まさに、ないないづくしの少年でした。はじめ私は、彼のための車いすのデザインをしようと、その少年を紹介してもらったのですが、彼と一緒の時間を過ごし、彼を観察していくうちに、彼にとって一番大切なこと、一番解決しなくてはならないことは何なんだろうと考えました。

彼が使いやすい車いすのデザインや食器・便器のデザインも大切ではあるけれども、それよりも、彼の心の中にある「考え」や「思い」を、お母さんや家族、そして友達に伝えることのできる道具のデザインが、彼にとって一番必要なものではないかと考えました。彼は今までの14年間、自分の思いを伝えたくても伝えられず、我慢し、あきらめていたのではないかと思いました。

人間にとって何が大切な問題か

そこで私は、まず、T君の認知能力や身体的な可動部位、可動範囲などを知ることから始め、自分の気持ちを人に伝えるための道具のメカニズムや道具の使いやすさなどを検討しました。

最終的に、私は、T君のわずかに動く左の足指で、足下のキーボードの穴を押すと、机の上の「あいうえお」表示ボックスの豆電球が点灯し、例えば「お・な・か・が・す・い・た」と押すと、彼の気持ちがお母さんや家族に伝えることができる、足動式意志伝達装置をデザインすることにしました。

出来上がった試作モデルはT君に使ってもらいましたが、そのとき、こう実感しました。お医者さんにも、リハビリテーションの先生にも解決できない領域…人間にとって何が大切な問題であるかを発見し、その問題を解決するための道具を具体的に考案し、設計・制作する。その一連の行為が、デザインという世界であり、デザインの役割ではないかと。(ソーシャルデザイナー)

20回目で初の女性受賞者 江崎玲於奈賞に理研の2氏

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江崎玲於奈賞の于秀珍氏(左、円内写真)と十倉好紀氏=茨城県科学技術振興財団提供

ナノサイエンス分野の研究で優れた業績を挙げた国内研究者を顕彰する江崎玲於奈賞の審査会が20日、つくば市内で開かれ、第20回受賞者に理化学研究所(埼玉県和光市)の十倉好紀(とくら・よしのり)CEMSセンター長(69)と于秀珍(う・しゅうしん)CEMSチームリーダー(58)の両氏が選ばれた。ナノスケール(1ナノメートルは10億分の1メートル) で起こるスピン渦結晶の直接観察とその物性の研究が対象となった。

茨城県科学技術振興財団(つくば市、江崎玲於奈理事長)が、ノーベル賞受賞の白川英樹、野依良治、小林誠各氏らを審査委員に選出する。1回目から関彰商事(つくば市・筑西市、関正樹社長)が協賛し、受賞者に副賞1000万円を贈っている。審査委員長の江崎理事長は「20回目にして初めて女性の研究者を選べたことは意義深い。新しい科学に向けてのプログレス(進歩)に貢献する重要な研究だ」と語った。

対象となったスピン渦の結晶配列は「スキルミオン」と呼ばれる。ナノスケールの電子スピンの渦である原子核を構成する核子のトポロジカルな渦からなる準粒子であり、その電子スピンは少しずつ方向を変えながら、渦状に配列していることが理論的に予言されていた。次世代の低消費電力・高密度・不揮発性メモリ素子の担体の一つとして期待されているが、その応用には至っていない。

両氏は2010年、磁気顕微鏡により渦構造を実空間で直接観察することに成功した。その後、15年にはスピン渦結晶が準安定で、広い温度範囲で存在し、敏感な電気応答を示すことや、室温以上でも安定に存在し、超低電流で駆動できることなどを発見した。それによりスピン渦結晶を支配する基本原理と物性を解明し、エレクトロニクスを拡張する次世代の電子工学「スピントロニクス」への応用など可能性を開く成果という。

今回は19件の推薦のなかから選ばれた。審査員の白川氏によれば「たぐいまれな独創力で十倉氏が研究分野を切り開き、卓越した技術で電子顕微鏡を読み取った于氏による二人三脚のすばらしい成果」としている。

つくば賞は筑波大の江面氏

つくば賞の江面浩氏=茨城県科学技術振興財団提供

県内において科学技術に関する研究に携わり、顕著な研究成果を収めた研究者を顕彰し、研究者の創造的な研究活動を奨励する「つくば賞」には筑波大学生命環境系、江面浩(えづら・ひろし)教授(63)が選ばれた。

江面氏は、トマトの突然変異体集団を構築することで、世界最大規模のリソース基盤を構築した。さらにその活用によってトマトの日持ち性、高糖度性、機能性成分に関わる遺伝子の機能解明に貢献した。それらの知見とゲノム編集技術を融合することにより、健康機能性成分であるガンマ アミノ酪酸(GABA)を高蓄積するトマトを開発して2021年から市場化、一般流通食品としては世界第1号の事例となった。

このほか、つくば奨励賞は以下の各氏に贈られる。(敬称略)

◆つくば奨励賞(実用化研究部門)
今村岳(物質・材料研究機構主任研究員)、南皓輔(同主任研究員)、吉川元起(同グループリーダー)
<研究主題>膜型表面応力センサ(MSS) を用いた嗅覚センサの総合的研究・開発と社会実装

◆つくば奨励賞(若手研究者部門)
内田健一(物質・材料研究機構上席グループリーダー)
<研究主題>スピンカロリトロニクスに関する基盤研究

(相澤冬樹)

現代の名工 洋裁家・伊賀玲子さん 黄綬褒章を記念し作品展 つくば

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つくば市内の自宅兼アトリエで作品を紹介する主催者の伊賀玲子さん

日本洋裁協会会長で、つくば市で洋裁教室「アトリエ玲子」を主宰する伊賀玲子さん(68)が、21日から同市吾妻、県つくば美術館で作品展「第5回伊賀玲子 洋裁アトリエコレクション」を開催する。2020年に受章した黄綬褒章を記念し、独自の世界を衣服で表現する伊賀さんの作品が一堂に会する機会となる。伊賀さんの作品とともに、洋裁教室の受講生や、伊賀さんが教える県内三つの高校の生徒らによる作品計100点あまりも展示される。

伊賀さんは高い洋裁技術が評価され、18年に厚労省による「現代の名工」に選出されるなど、多数の受賞歴を誇る。昔からある技法をよりやりやすく、きれいに仕上げられるよう工夫を重ねた伊賀さん独自の技法は「伊賀流」と呼ばれている。洋裁の魅力を広く伝えるために、技法にこだわりながらも、見る人に喜びと驚きを与える作品作りに情熱を注いでいる。

輝く大小のビーズを黒字のドレスにあしらうことで、夜空をかける流星を表現し、シルク仕立てのドレスには、太さの異なる金色のロープを首元から足首にかけて縫い込んで、流れる雲のような柔らかい曲線を描く。

生地を用いたバラの花づくりを実演する伊賀さん

30代で、本格的に洋裁の道へ

伊賀さんがこの道に関心を持ったのは、洋裁が趣味の母親の影響だ。”初作品”は、小学生で手がけたバービー人形のドレス。当時の夢と憧れが、原動力となった。

これまでの作品で格別だったのは、3人の子どものために手がけたウエディング衣装。孫たちの習い事の発表会用の衣装を作るなど、家族への愛情を作品に込める。

子育てがひと段落した30代前半、当時、伊賀さんが住んでいた千葉県で洋裁教室を主催する千田芳江さんに師事し、以来、毎年コンクールに出品する中で腕を磨いてきた。1996年につくば市に転居し、自宅で洋裁教室を始めた。現在は週に3日、約30人が通い、生徒たちと洋裁の楽しさを追求している。15年間、伊賀さんの教室で学んできた田澤貴子さんは、伊賀さんの魅力を「新しい技術に果敢に取り組む探究心。先生のエネルギーに引き込まれています」と笑顔で語る。

洋裁を通じたコミュニティーづくり

人に洋裁を教える理由について伊賀さんは「洋裁を通じたコミュニティーをつくりたかった」と語る。教室の後で受講生らと語らうひとときも大きな楽しみ。高校の授業では、生徒の「恋バナ」にも乗りながら、元気な若者たちとの交流も何よりのエネルギー源となっている。

「洋服作りが好きな人が集まって、いろんな話ができると楽しいじゃないですか。さまざまな世代の方に楽しく洋裁に取り組んでもらいたい。出会いの広がるコミュニティーをこれからもつくっていけたら」と伊賀さん。(柴田大輔)

◆伊賀さんと教え子らによる作品展「第5回伊賀玲子 洋裁アトリエコレクション」は、11月21日(火)から26日(日)まで。会場はつくば市吾妻2-8、県つくば美術館。開館時間は午前9時半から午後5時まで。最終日は午後3時まで。入場無料。問い合わせは電話090-9803-3899かメールreiko0411@gmail.com(伊賀さん)へ。

つくば市の洞峰公園「劣化容認」計画《吾妻カガミ》171

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】つくば市は洞峰公園を県から無償で譲り受け、市営公園として管理する方針ですが、その予算を節約するため、園内にある体育館などの電気・機械設備が古くなっても新品に取り替えず、修理ー修理で持たせる考えです。この施設「劣化容認」計画が市議の間で問題になっています。

「ケチ・ボロ」計画に市議から疑問

市の維持費ケチケチ⇒諸施設ボロボロ計画について、複数の市議が全員協議会で問いただしました。そのやりとりは、記事「34億円超の県試算認めるも平行線 洞峰公園の補修・更新費」(11月2日掲載)をご覧ください。市の管理方針と市議が指摘する問題点を整理すると、以下のようなことです。

<執行部の考え方>

▼県の計画には、約31億円(20年でならすと毎年約1億5500万円)の電気・機械設備、内装・外装、屋根などの更新費が入っていた。しかし、市はそういった設備等を新しいものに取り替えず、修理-修理で維持していく。

▼修理-修理で80年(体育館は築43年+あと37年)持たせ、その予算を毎年約3500万円計上する。

<市議からの疑問>

▼市営体育館は築60年で設備等を更新(長寿命化改修)することになっている。洞峰公園の施設だけ修理-修理で80年持たせるというのは、ダブルスタンダードではないか。

▼県の基準を無視して、モーターなどを新しいものに取り替えず、施設が80年も持つはずがない。家電などを使う生活人として、とても理解できない。

公園の管理費を少なめに見せたい?

常識的な更新計画を無視して、市はどうして修理-修理にこだわるのでしょうか? この疑問を解き明かすために、洞峰公園をめぐる県と市のバトルを振り返っておきます。

発端:洞峰公園に民営のグランピング施設を設ける計画を県が発案⇒反対:グランピング施設を設けることに市は大反対⇒対案:施設利用料の値上げによる公園管理費ねん出を県に提案⇒拒否:他の県施設とのバランスが悪いと県は市案を拒否⇒名案:公園を市に無償で譲渡する(押し付ける)案を県が提示⇒譲受:市は県案を受け入れ公園を市営化する方針。

当たり前のことですが、譲り受けることで市は洞峰公園を自分好みに管理できるものの、その経費は自分で負担しなければなりません。しかし、「グランピング施設があってもいいから公園管理は県に任せておけ」といった反対の声もあります。こういった市民を少しでもなだめるために、市が考え出したのが「ケチ・ボロ」計画なのでしょう。

市施設の将来に対する無責任の構図

でも何か変です。市が抱える懸案処理のため、これまで県がきちんと管理してきた公園の諸施設を粗末に扱おうとしているわけですから。市長は、20~30年先、自分はその職にいないと思っているのでしょう。市議の多くも、先々のことは自分に関係ないと考えているようです。市施設の将来に対する無責任の構図と言えます。

私は、169「…苦慮する市議会…」(10月17日掲載)で議会に三つの選択肢を示しました。①更新無視で設備・器機が老朽化するのを承知で譲り受ける(市案に賛成)②地域の大事な公園だから更新費用はケチらない(市案を増額修正)③新規の支出を避けるため洞峰公園を譲り受けない(市案に反対)―です。

どれを選択するか、各市議は判断力を問われます。洞峰公園を市営化する条例案(①ないし②を選ぶ市議は賛成? ③を選ぶ市議は反対?)、公園管理に必要な補正予算案(①を選ぶ市議は賛成? ②ないし③を選ぶ市議は反対?)について、各市議が12月議会でどういった採決行動を取るのか、その一覧表を本欄に載せる予定です。(経済ジャーナリスト)

「土浦の花火2023」を振り返る《見上げてごらん!》21

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第92回大会表彰式(実行委員会提供)

【コラム・小泉裕司】好条件に恵まれて、「土浦の花火2023」は無事に幕を閉じた。とは言え、途中、10号玉が上空で開花せず落下、地上開発(爆発)、競技中断のアクシデントもあった。詳細は、記事「地上で10号玉開き10分間中断」(11月6日掲載)をご覧いただくとして、今回は、前回の「土浦の花火 歴史と見どころ」(11月3日掲載)に沿い、受賞作品を中心に大会を振り返ってみたい。

全日本種目別選手権

国内最高峰の内閣総理大臣賞は、大曲の全国花火競技大会と土浦全国花火競技大会のみに授与されている。大曲は、28社限定、各社4種目に出品し順位を争うことから、「全日本総合選手権」。土浦は、今回57社が2種目以下に出品、3種目の優勝者から選ばれることから、「種目別選手権」に例えるとわかりやすい。

10号玉の部

優勝は、昨年に続き、山﨑煙火製造所(つくば市)の十八番(おはこ)「昇曲付五重芯銀点滅」。相変わらず見事な消え口の「銀点滅」に加えて、今年は「芯」の見え方を少し変えたことで、残像がより印象的になった。

上位入賞した野村花火工業(水戸市)や小松煙火工業(秋田県)もいつも通りと言いたいところだが、優勝作品以外は芯の乱れが気になり、結局、6社による五重芯対決は、昨年から安定した成績を残している山﨑煙火の1強という印象。

上位5作品には、「自由玉」2作品が入賞。北陸火工(新潟県)の「椰子芯入り」は、大きな盆と星先変化が特徴。マルゴー(山梨県)の「瞬き閃光」は、色彩豊かな星々をこれでもかと点滅させた。歓声が、審査席に届いたのだろう。

創造花火の部

優勝は、型物花火を復活した北日本花火興業(秋田県)の「夜空にしんちゃん!オラは人気者」。これで17回目の優勝。

準優勝は、芳賀火工(宮城県)の「軌跡を見せます!!トライ&ゴール」。技術貢献度の高い作品に贈られる日本煙火協会会長賞も受賞。特等の北陸火工「ジュワッと揚げたて!えびFLY」とともに、見る前から「想像力」をかき立てるタイトルと奇想天外な花火センスはぴかいち。会場を大いに沸かせたが、残念ながら「型物の神様」に、つま先分及ばなかった。

和火屋(秋田県)の「ゴッホのひまわり」やファイアート神奈川(神奈川県)の「スマイル×スマイル=」などを含めて、創造花火の部は、その名の通り、花火師の創造性を存分に発揮した作品ひしめく狭き門となり、入賞者一覧からも、順番を付けなければならない審査員の葛藤が垣間見えるよう。

スターマインの部

優勝した菊屋小幡花火店(群馬県)のスターマイン「風神雷神」は、実は8月の大曲に出品した「風神雷神炎舞」のリメーク作品。閃光雷や群声、十八番のフレッシュグリーンを場面ごとに散りばめながら、圧巻の連発でエンディングまで息もつかせぬ怒濤(どとう)の展開。

大曲より100発多い、土浦の400発以内というレギュレーションを存分に生かした、音と光の迫力ある「速射連発型」の作品に仕上げてきた。

5代目小幡知明(としあき)社長は、表彰式のあいさつで、勝利へのこだわりや地元群馬県へのふるさと愛を披露しつつ、遅い打上順番や客席に一番近い打ち上げ位置など、幸運にも恵まれたことを勝因に挙げ、その謙虚なメッセージは私を泣かせた。思えば、今年の花火初めは、1月2日、菊屋小幡花火店の「New Year HANABI」(1月15日掲載コラム)だった。

内閣総理大臣賞

内閣総理大臣賞は、今回もスターマインの部の優勝者が受賞。これで20回のうち、19回がスターマインの部から、1回が10号玉の部からとなった。

「スターマインの土浦」と呼ばれていることから、至極当然のようだが、10号玉の部優勝の山﨑煙火はスターマインの部でも入選。秀作・奇作多数の創造花火の部の充実ぶりもあって、もしかしたら「総理大臣賞はスターマイン以外から!?」という、淡い期待を抱いて帰路に着いたのだが…。

いつまでも、至極の花火作品を堪能した感動の余韻に浸っていたいのだが、すでに来年の花火大会に向けた「宿取り」レースがスタート。遅ればせながら参戦すべく、本日は、この辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

クリスマスリース作りの季節《くずかごの唄》133

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】霞ケ浦市民協会主催のクリスマスリース作りの日が迫ってきた。「どんぐり山」から採ってきた葛(かずら)などの蔓(つる)植物を利用する。この山は、かすみがうら市加茂の岡野静江さん(故人)が提供してくれた土地に、子ども達と一緒にどんぐりの種をまいて、みんなで育てた山である。2000年10月、130人もの人が参加して森を造った。

岡野さんは、若いころに恵泉学園の助手をしていた人で、植物利用の大家。特にリース作りは天才的に上手だった。東京・四谷の教会の大きなリースをはじめとして、クリスマス前になるとリースづくりで忙しそうであった。

「どんぐり山」は近くにエノキの木があって、2005年に日本の国蝶「オオムラサキ」が自然発生してからは、「オオムラサキ観察会」の場として、市民協会が草刈りなどの手入れをしている山である。

行事のときの私の役目は救急係。皮膚科前の薬局の薬剤師を10年間経験し、いろいろ勉強させていただいた。どんな虫に刺されたら、医者と薬剤師はどんな手当をすればいいのか大体のことはわかっているが、困ったのはヤマカガシの蛇対策である。

面白い個性的な蛇 ヤマカガシ

加茂の辺りは、マムシはいなくなったが、ヤマカガシはかなりたくさんいた。面白い個性的な蛇で、人間に友好ムード。何を考えて行動しているのかわからないことが多い。

ある日、山に観察会の下見に行って、木の枝の途中で遊んでいるヤマカガシ君を見つけてしまった。私の目の高さ。「一体何をして遊んでいるのだろう」。じっと、目をこらして観察していたら、いきなり50センチ以上離れた私のおでこに飛びついてきた。

かまれないように、とっさに払いのけて、無事だったものの、油断をしていると、意表を突いた行動に出ることもわかった。

マムシ君の方がおとなしくて平凡で付き合いやすい。最近の朝日新聞「くらし」欄の「患者を生きる」に、ヤマカガシにかまれてしまった人が、抗毒素を手に入れ、治療をするまでが大変だったという苦労話がくわしく書いてあって、とても勉強になった。

今年の夏の暑さは異常だった。この気候を乗り越えた数少ない強い虫や蛇たちが、どんな行動をするのか、興味深い。(随筆家、薬剤師)

冬のキッズアート体験 参加者の募集を開始 つくば スタジオ‘S

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2019年の「冬のキッズアート体験」のワークショップの様子=スタジオ‘S(関彰商事提供)

筑波大学で芸術を学ぶ大学生らの指南を受け、子供たちがアート体験をするイベント「冬のキッズアート体験2023」が12月16日、つくば市二の宮のギャラリー「スタジオ‘S」(関彰商事つくば本社1階)で開催される。

季節を感じる工作などを体験するワークショップを6種類ほど開く予定で、11月16日から子供たちの参加申し込みの受け付けを開始した。

関彰商事と筑波大学が連携して企画し、2016年から毎年夏と冬に開催している恒例のイベント。アートを通じて楽しみながら、大学生と子どもたちが交流できる内容となっている。

一昨年は「キッズアートおうえん展」と題し、展覧会形式で工作の作品や動画を紹介。子どもたちに工作キットを配布した。昨年は「キッズアートツアー」を開催し、小学生30人と保護者が参加。筑波大学芸術系のアトリエ見学ツアーを行い、日本画を専攻する大学生が指導して、染めた和紙でクリスマス用のランタンを作るワークショップを開催した。

関彰商事の浅野恵さんは「お子様が筑波大学で芸術を学ぶ学生と共にアート体験ができる機会として、また学生が地域の皆様と触れ合える機会として好評をいただいているイベント。コロナ禍により変則的な開催が続いていましたが、これからも地域の恒例イベントとして楽しんでいただければ」と参加を呼び掛けている。(田中めぐみ)

◆「冬のキッズアート体験2023」は12月16日(土)、つくば市二の宮1-23-6、関彰商事つくば本社内スタジオ‘Sで、①午前10時から正午までと②午後1時から午後3時までの2回、参加者総入れ替え制で開催。参加対象は小学生と未就学児、保護者が同伴する。各回とも事前申し込みが必要。各回35人ずつ、申し込みは先着順で、定員に達し次第、受付は終了する。参加費1000円。申込締め切りは12月1日(金)。申し込みフォームはこちら

最新の車いす、装具などが一堂に 18日つくばで福祉機器展

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2016年の福祉機器展の様子(幸和義肢研究所提供)

障害者の衣服デザインし紹介も 

全国の福祉メーカーが最新の福祉機器を展示する「TSUKUBA福祉機器展2023」が18日、つくば市竹園、つくばカピオで開かれる。車いすや義足、装具、補聴器、介護用品など、各メーカーが開発したさまざまな福祉機器を見て、実際に触れて、体験することもできるイベント。コロナ禍によりつくばカピオでの開催は2019年以来4年ぶりとなる。

35の企業や団体が出展し、機器を展示するほか、障害者とクリエイターが協働でデザインし制作した当事者のための衣服を紹介などする。障害者スポーツ体験、各種ワークショップのほか、キッチンカーによる飲食ブースの出店もある。楽しみながら最新の福祉機器を知ることができるという。

同展は義肢や装具などの製造販売、福祉用具の貸与などを行う幸和義肢研究所(つくば市大白硲、横張 巧社長)が主催する。福祉機器の技術やサービスの発展はめざましく、毎年新しい福祉機器が誕生しているが、どのような機器やサービスがあるのか一般にはあまり知られていない。福祉機器をもっと身近に感じてもらいたいという思いから、2007年より開催を始め、今年で15回目の開催となる。15年、18年は水戸で開催、20年と21年はコロナ禍によりオンラインで開催した。対面で開催した19年は約1000人が来場、21年のオンライン開催は数千人が視聴した。

今回、幸和義肢研究所は、義足、車いす、装具などの製品を展示するほか、機器の製作・修理履歴データをスマートフォンなどで一元管理できる新サービス「ぽーさぽーと」などを紹介する。

同研究所の志賀智史さん(43)は「全国の福祉機器メーカーが最新の福祉機器を展示する。会場内のイベントとして、障害をもつ人が自分一人で着用できる服をデザインし制作過程を動画に収めたので、見ていただける。福祉を身近に感じる機会はなかなかないと思う。どなたでも参加いただけるので、福祉の現状や最新の技術を目の前で見て体験していただけたら」と話し、来場を呼び掛ける。(田中めぐみ)

◆「TSUKUBA福祉機器展2023」は18日(土)午前10時から午後3時まで。会場はつくば市竹園1-10-1、つくばカピオのアリーナとホール。入場無料。詳しくは同社(電話029-875-7627)へ。

差別が根強い社会だから《電動車いすから見た景色》48

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イラストは筆者

【コラム・川端舞】どの性を好きになるかという「性的指向」や、自分の性をどのように認識しているかという「性自認」を、本人が誰かに打ち明けることを「カミングアウト」と言い、誰かの性のあり方を本人の同意なく第三者に暴露することを「アウティング」という。

自身もゲイであることを公表しているライターの松岡宗嗣さんは「あいつゲイだってーアウティングはなぜ問題なのか?」(柏書房)で、アウティング問題の本質に迫っている。

この社会は、出生時に割り当てられた性と性自認が一致する「シスジェンダー」、異性の相手だけを好きになる「異性愛者」しかいないことを前提に、あらゆる制度や文化がつくられている。その人の性的指向や性自認は、本人にしか分からない。

そして、性のあり方は誰にとっても大切な個人情報なのだから、誰に伝えるかどうかは本人が決めればいい。それなのに、本人から性的少数者だと名乗らない限り、勝手に「シスジェンダー・異性愛者」だと決めつけられ、日常会話が進んでいく。

時には、その場に当事者はいないと思われ、性的少数者に対する差別的な発言を周囲から悪気なく浴びせられる。そんな社会だから、性的少数者にとってカミングアウトはとても勇気のいることで、アウティングは当事者から時に生きる気力をも奪うと、松岡さんは指摘する。

共通項は「社会モデル」

常に車いす姿の私を見れば、初対面の人でも、良くも悪くも、私を障害者だと認識し、私の前では障害者を傷つける発言は控えるだろう。だから、周囲から無意識に発せられる差別や偏見を空気のように吸わされる性的少数者の痛みは、おそらく私には分からない。

しかし、「多数派」とされる者たちが生きやすいようにつくられた社会で、そこから外れた者は自ら声を上げなければ、存在すら無視され、生きづらさを押しつけられる構造は、性的少数者も障害者も同じだ。

差別や偏見がある社会だから、アウティングが性的少数者の生死に直結する問題になるという松岡さんの指摘はまさに、障害者が生きづらいのは障害者個人のせいではなく、その存在を想定してつくられていない社会の仕組みに問題があるのだという「障害の社会モデル」と全く同じ考え方だ。本の中でも「社会モデル」が引用されている。

社会はそう簡単には変わらないし、異なる属性のマイノリティ同士が連帯して運動するのも容易なことではない。しかし、同じように社会の「当たり前」を変えていくなら、協力しないのはもったいないと私は思う。(障害当事者)

座席のみ利用も 障害者就労支援施設がカフェ開店 つくば駅近く

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席のみの利用もできる「そらいろラウンジ」で開店準備をするスタッフ。奥がパーテーションで仕切られた個室スペース=つくば市東新井

つくば駅に近い同市東新井に、座席のみでも利用できるカフェ「そらいろラウンジ(LOUNGE)」がオープンし、話題を集めている。食事や飲み物を提供するが、メニューを注文せず座席のみを予約して持参したお弁当を食べたり、パーテーションで仕切られたスペースを個室のように使用することもできる。

障害者就労支援事業を営む民間企業「風」(つくば市稲荷前、山川宏社長)の所属団体である就労支援施設「アシタエ-ラボ(ASHITAE-Lab)」が9月13日にオープンした。アシタエ-ラボは今年5月に同市花畑から一部移転し、作業所を運営したり障害者が作ったフラワーアレンジメントなどを販売する。今回のカフェ開業は地域社会との接点を広げる試みとなる。

パーテーションで仕切られた個室スペース

プロジェクト責任者の室野智佳さん(27)によると「オフィスなどが多い東新井周辺は、お昼どきの飲食店が混雑して昼食をゆっくりいただけないケースがある。ウェブからの予約によってこの問題を解決したい。席のみ利用の場合、お弁当を持参していただくことも可能。お客様が自分だけの時間を得たいというリクエストも想定し、その場合はパーテーションを使って個室化したスペースを利用できる」と話す。

事前に予約して席を確保できるため、確実に昼食の場所と時間を確保でき「ランチ難民」にならずに済む。

利用時間はランチタイムが午前11時30分から午後2時まで、イブニングタイムが午後3時から5時30分まで。ランチタイムは座席を事前予約できる。いずれの時間帯も「席のみ利用」が可能だ。

ランチタイムの人気メニューは、ランチプレート(税込み1000円)やドリンクサービス(同700円)。席のみ利用なら500円(同)という料金設定も含め、市内にありそうで無かったカフェスタイルだ。食事や飲み物を注文すれば座席代500円は不要。

「私どもは福祉事業に従事する企業なので、料金については利益追求してはならないという理念がある」と室野さん。

アシタエ-ラボは就労継続支援B型の施設だ。同A型が、雇用契約を結び就労規定と賃金を設定するのに対し、B型は、雇用契約を結ばず就労支援を通して要支援者を社会に送り出すことが前提。もちろん就労の対価は提供することとなっており、その原資にはアシタエ-ラボでのフラワーアレンジメントなどの販売や、そらいろラウンジの売り上げが活用される。

「そらいろラウンジは、カフェというスタイルを用いて地域のお客様とつながりを持とうと考えた。アシタエ-ラボ全体でもその姿勢は共通。気づいていただき、楽しみ親しまれる場所を目指しています」と室野さんはいう。

敷地と街路を隔てる白壁に9月初め、飯泉あやめさんの手で壁画が描かれた

カフェオープンにあたり、明るく生命力のある表現をしたいと、店外にある白壁に壁画を描く企画が立ち上がり、つくば市在住のアーティスト、飯泉あやめさんを起用した。飯泉さんは、独創的な技法と表現で作品を描き、各地で個展を開いている。

飯泉さんは「初めはアートの創作を軸にした教室のようなものを依頼され、プランを練ってきた。コロナ禍でそのプランはまだ実現していないが、代わりに壁画を描いてくださいと、話が大きくなりました」と話す。

飯泉さんは9月初めに4日間をかけて絵を仕上げた。素材は飯泉さんのモチーフの一つである「花」。「いのち」の躍動を意味するという。

「植物は生命力の象徴であり、中でも花は私たちにポジティブなエネルギーをもたらしてくれる。このイメージが、福祉に出合い、つながる場所というイメージにふさわしいと評価してもらった」と飯泉さん

壁画は幅4メートル、高さ1.6メートルほどの大きさ。「風」や「アシタエラボ」の理念やイメージから、空色を基調とした色彩を強調している。(鴨志田隆之)

東新井のアシタエ-ラボ。そらいろラウンジは1階。

◆そらいろラウンジはつくば市東新井19-6。ホームページはこちら。ランチタイムの座席はLINEで予約できる。問い合わせは電話029-896-9655(同)。

「金色姫伝説旅行記」を終えて《映画探偵団》70

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】11月3日(金)、4日(土)、5日(日)、つくば市神郡(かんごおり)の石蔵Shitenで「金色姫伝説旅行記/つくばシルクロード2023」のイベントを開催した。3日は20人、4日は5人、5日は30人名集まった。この10数年間、つくばで活動してきたが、神郡の地では始めてのイベントだった。

享和3年(1803)。常陸の海岸に髪の長い異国の女性が「うつろ舟」で漂着した。その事件は江戸の瓦版で紹介され話題を呼んだ。今年はその事件から220年目にあたるので、ぜひとも伝説が残る神郡でやりたかつた。

全体は「演劇仕立ての講演会」になっていて、「第1章 筑波恋古道」「第2章 天竺から来たお姫さま」「第3章 瓦版・うつろ舟事件」「第4章 金色姫と八犬伝」「第5章 金色姫からのメッセージ」と、過去、現在、未来へと旅する構成である。

会場を「うつろ舟」内部のタイムマシーンに見立て、時間旅行して「金色姫伝説」の変容を体験するというもの。もちろんフィクションだと誰もが考えるわけだが、話が進むにつれ、これは本当のことではないかと見えてくる仕掛けになっている。

「第4章」で、満州事変があった年、昭和6年(1931)に製作された無声映画『里見八犬伝の暗号』のガリ版刷りの台本が、神郡の蔵で発見された。「それがこの蔵であり、だからこの場所でやりたかったのです」と語ると、ほとんどの参加者がうなづいていた。信じきって帰った人も多くいた。すみません、これはフィクションです。

うれしかったことがある。13年前に作った歌「筑波恋古道」をソプラノ歌手で吹き込みし直したところ、以前にまして評判が良く、CDが欲しいと3人の方から言われたこと。また、この曲をテ一マにした映画「つくつくつくばの七不思議/サイコドン」第1話を上映したところ、興味を持つ人が多くいた。以前、映画を見てあまり受けなかった2人からも、「今回見たら面白かった」との感想が聞けたこともだ。

そして「第4章」では、18年前の『北斗七星伝』を絵本バ一ジョンで語ったところ、皆、食いつくような目で見て、スマホで撮影していた。

T・カ一チスの「グレートレ一ス」

イベントを終えて、アメリカ映画「グレートレ一ス」(1965)が無性に見たくなった。監督はブレイク・エドワーズ。主人公は、全身白ずくめの善玉グレート・レスリー(トニー・カ一チス)と、全身黒装束の悪玉フェイト教授(ジャック・レモン)。フェイト教授は、レスリーに対抗しニュ一ヨ一クからパリへの自動車レースに出場する。

無声映画風のドタバタ喜劇で、2時間40分の大作である。特に、前半40分、レ一スに入るまでが面白い。フェイト教授が奇妙なデザインの人力飛行機などでレスリーを襲うシ一ン。レスリーが女性を見つめると、キラリとマンガみたいに瞳が光るシ一ンなど、次から次へと楽しい場面が連続する。

イベントの最後で、金色姫伝説は、つくばが誇るべき財産だから、つくばから世界に向けてアピールしていきたいと、フェイト教授ばりに宣言した。後で、参加者から感激したとの声をいただいた。うーん、このレ一スは、まだまだ続きそうだ。サイコドン ハ トコヤン サノセ。(脚本家)

洞峰公園問題で市民アンケート開始 賛否に主眼置かず つくば市

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洞峰公園の新都市記念館

34億円超の補修・更新費認めないまま

つくば市が県から無償譲渡を受ける方針を示している洞峰公園(つくば市二の宮、約20ヘクタール)について、市によるインターネットでの市民アンケート調査が10日から、紙でのアンケートが15日から始まった。設問は11問あり、10番目に無償譲渡の是非について尋ねているが、賛否の数の多寡に主眼を置かないとし、広くさまざまな角度から意見をもらって、無償譲渡を受けた後に市が設置する予定の協議会での協議の参考にするとしている。回答期限はいずれも今月30日。

アンケートは、公園の利用頻度や主な利用目的、筑波研究学園都市建設当時の公園緑地計画の基本方針の是非、洞峰公園に求めるものや将来について理由と共に尋ねている。ほかに維持管理費の削減策として利用料金の値上げの是非などについても尋ねている。氏名、住所は記入が必要。

アンケートの質問項目は2日開かれた市議会全員協議会で示され、議員から「新都市の公園緑地計画の基本方針(設問6)について尋ねているが、(新都市が)洞峰公園の基本方針か何かが分からない」「アンケートに答えるにあたって市民が費用負担について参照できるようにした方がよい」などの指摘があった。市は全協で、アンケートに分かりにくい点があることを認める一方、市ホームページにこれまでの資料を掲載するので、Q&A(「洞峰公園の無償譲渡に関してよくいただくご質問について」)などを確認してから、回答してほしいとしている。市公園・施設課によると設問にある「新都市の公園緑地計画の基本方針」は「つくばの自然誌-Ⅱ洞峰公園」(STEP発行)の中に記述がある二次資料から引用したもので、新都市は洞峰公園ではなく筑波研究学園都市を指す。

一方、洞峰公園内の体育館、新都市記念館など4施設だけで来年度以降、34億円以上の補修・更新費がかかると県が試算していた問題については、市は市ホームページのQ&Aで「施設修繕費の年額としては3500万円程度を想定」しているとの主張を続けている。

年3500万円という市の想定額に対してはNEWSつくばが、市は、県の2016年の健全度調査資料をもとに、県が計算した補修費だけを抜き取って算定し、施設の更新費を計算に加えておらず問題だと指摘している(9月23日付)。県は、9月25日に開かれた県議会調査特別委員会で、長寿命化対策を実施した場合、2016年度の健全度調査で4施設だけでなく公園全体で40億円ほどかかると算定していたと答弁している(9月25日付)。市議の要望で開かれた11月2日の市議会全員協議会では、市議らが、自ら調査した県の証拠資料を議会に開示し、市に対し、きちんと算定して市民に示すよう求めている(11月2日付)。全協では他の市議からも「いくらかかるか分からないまま(市民は)アンケートに答えるのか」などの疑問が出ていた。(鈴木宏子)

◆洞峰公園の市民アンケートに関する市ホームページはこちら。アンケートはこちら。市によるQ&Aはこちら。紙によるアンケートは、市内の各公園管理事務所と各交流センターでアンケート用紙を配布し、同所に回収箱を設置する。

つくば松代公園の紅葉《ご近所スケッチ》7

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】四季折々の日本。同じ場所でも、季節によってガラリと趣が変わります。今回は、1月11日に掲載した雪景色と同じ、松代公園(つくば市松代3丁目)の秋景色です。季節を巡り、雪のホワイトがグリーン→イエロー→レッドに変化。グリーンの前に、桜の花が咲いたらピンクも加わりますね。

どの季節が一番好きかと問われても、コレというのはなかなか難しいです。それぞれステキなので。また樹木の色だけではなく、季節によって、集まってくる鳥なども違います。風景を描いていると、人々の生活、そして洋服の違いに、なんだか楽しくなります。

この公園には、夏は小さな水場があり、我が家の子供たちも、そこで楽しい時間を過ごしました。先日スケッチしていますと、平日にもかかわらず、先生風の男性が、年齢の異なる数人の子供たちと、池の周囲をジョギング。

個人的な見解ですが、「フリースクール」ぽかったです。時代を反映しているような。

たった一つの公園であっても、四季折々の自然を映しているだけではなく、時代の流れまでも包んで、色々な人々を癒してくれているのだと感じたひと時でした。(イラストレーター)

老人福祉センターでレジオネラ菌検出 つくばの60代男性入院

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つくば市役所

つくば市は14日、同市台町、市谷田部老人福祉センターの浴室から、基準値を上回るレジオネラ菌が検出されたと発表した。同浴室を頻繁に利用している市内に住む60代男性が7日から医療機関に入院しており、レジオネラ菌が検出されているという。

男性の症状は不明。同浴室は8日から利用を停止している。他の利用者から健康被害などの報告はないという。

市高齢福祉課によると、7日午後6時、つくば保健所から、同浴室を利用し入院した男性からレジオネラ菌が検出されたと市に連絡が入った。市は翌8日、浴室の利用を停止、つくば保健所が同日、浴室の立ち入り検査を実施した。

一方、同センターが年3回行っている浴室の定期水質検査が1日に実施され、14日、検査結果が判明。基準値(100ミリリットル当たり10CFU=コロニー形成単位=未満)を少し上回る10CFUのレジオネラ菌が検出されたことが分かった。なぜ検出されたかなど経路は現時点で不明。市はさらにレジオネラ菌の遺伝子解析を実施している。

同センターの浴室は、ろ過装置を付けてお湯を循環し、週に3回、新しいお湯に入れ替えている。ジェット噴射装置などもある。60歳以上の市民は無料で利用でき、毎日140人から180人が利用しているという。

同課は、検査結果と保健所の立ち入り検査結果を踏まえ、保健所の指導を仰ぎながら対応していくとしている。浴室の再開時期は現時点で未定。

老ザル2匹、土浦 亀城公園から引っ越し 人気者になることなく

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23年住み慣れた園舎で最後の朝を迎えたスミレ(左)とリョウタ=土浦市中央、亀城公園

リョウタとスミレ、終の棲家へ

土浦市中央の亀城公園で飼われていた2匹のニホンザルが14日、石岡市吉生の動物園「東筑波ユートピア」に引き取られた。23年を過ごした公園園舎からの引っ越し、世話をしてきた市シルバー人材センターのスタッフらは「寂しくなる」と見送った。

2匹はオスのリョウタとメスのスミレ、ともに生年は不明、公園での飼育は2001年にスタートしている。ニホンザルの寿命はほぼ25年とされるから、23歳を超えては相当な高齢。健康管理ができる環境が望ましいと判断した市は県動物指導センター(笠間市)と相談し、東筑波ユートピアに引き取ってもらうことにした。

同ユートピア事業は2019年、神奈川県川崎市に本社を置く猿まわしの会社、戦豆(せんず)へ譲渡されており、現在12匹のサルが飼われている。さらに旧小田原動物園(神奈川県)のサル7匹も受け入れることになっている。

2匹のうちリョウタはもともと東筑波ユートピア生まれで、群れから排除されたはぐれザルだった。かたや笠間市で農作物を荒らし回って捕獲されたのがスミレ。ニホンザルの習性から元の群れに戻すのは難しく殺処分もできないため、同指導センターの仲介で土浦市が引き取った。亀城公園では昭和30年代にミニ動物園を設置、サルやタヌキ、クジャクなどの鳥類を飼っていた施設があったためだ。

以来23年、2匹は公園の人気者となることはなかった。気性が荒く、人間ばかりか互いに敵意をむき出しにし、毛をむしり合って争うなど、つがいとは言い難い奇妙な同居生活を送ってきた。

公園を訪れる市民から「虐待ではないか」との通報もあったが、管理者の同市は園舎のサイズなど飼養状況は獣医師ら専門家から適正と診断されたとしてきた。

日常的な世話に当たってきたのが同市シルバー人材センターのスタッフで、計6人が当番制で毎日園舎を清掃し、1日1回のエサやりも行ってきた。

その担当スタッフが見守る中、引っ越しは14日午前から始まった。動物園の担当者がサルをなだめすかし、移送用のオリに追い込む作業が行われた。担当者の誘導に特にリョウタは終始抵抗し、約1時間かかる作業になった。

移送用のオリに追い込まれ、ほえるリョウタ

スタッフの1人、山崎さんは「面倒をみて3年、スミレはようやく慣れてきて、好物のサツマイモを持って園舎に入ると後からついてくるようになった。引っ越しは突然のことで驚いている。寂しくなる」と話す。

同社では「2匹は別個に飼う形になるだろう。他のサルと同じ猿舎で飼うことはない」とする。余生を過ごす終の棲家(ついのすみか)が用意されそうだ。山崎さんは「必ず様子を見に行くからね、サツマイモを持ってくね」と見送った。

同市公園施設管理課によれば、亀城公園の園舎は「特定動物」飼育の許可を28年まで取っていたが、新たな動物を飼育する計画はなく、このまま廃止される見込みという。(相澤冬樹)

➡亀城公園のサルの過去記事は2019年1月11日付同12月22日付

【15日午後1時5分】3段落目、戦豆の社長名に誤りがあり削除しました。

クリスマス間近 金管ハーモニーを 筑波大生らが企画・運営

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2019年につくばカピオホールで開催されたつくばリサイタルシリーズ第7回「読響ブラスーいま、一番聴きたい金管五重奏団」の演奏の様子(つくばリサイタルシリーズ提供)

筑波大学の学生を中心に企画・運営されているクラシックコンサート「つくばリサイタルシリーズ」の第14回目となるコンサートが12月16日、つくば市竹園、つくばカピオ ホールで開催される。読売日本交響楽団(東京都千代田区神田錦町)の金管セクションが公演する。題名は「読響プラス―クリスマスに贈る金管のハーモニー」だ。

同楽団の金管セクションがつくばリサイタルシリーズに出演するのは、2019年1月14日に行われた第7回コンサートに引き続き二度目となる。出演者は、桒田晃(トロンボーン)、辻本憲一(トランペット)、次田心平(チューバ)、日橋辰朗(ホルン)、尹千浩(ユン・チョノ=トランペット)だ。

つくばリサイタルシリーズ実行委員の加藤千尋さん(同大障害科学類3年)は「金管五重奏のすばらしさがまずある。その上で、見ているお客様との距離の近さ、一緒に盛り上がる形のコンサートという点が特徴的だと思う。コロナ禍の制限が緩和している中で、演奏会ならではの魅力を感じられるコンサートになるはず」と話す。

新たに留学生や外国籍住民にも広報

2012年に始まったつくばリサイタルシリーズだが、10年以上が経ち、組織体制も充実してきている。筑波大学の学生を中心に運営がなされており、クラウドファンディングでの資金の調達や会場の運営なども学生によって行われている。現在、実行委員会のメンバーとして活動している人数はおよそ30人で、中心的に活動するメンバーも多くなってきているという。

今回、筑波大学に通う外国人留学生や外国籍の住民などに向けた広報を新たに始めた。「これまでも留学生などが来場することは多かった。しかし、日本語のみでの告知や案内だったので、そうした方にコンサートの情報が届きやすい環境はつくれていなかったと思う。委員会の体制が充実してきたこともあり、大学の留学生が多く住む宿舎などに英語のポスターを貼ったり英語での告知文を作成したりしている」と加藤さん。

つくばリサイタルシリーズの趣旨は、いままでクラシックになじみの薄かった人が気軽にクラシック音楽を楽しむ環境をつくることであり、そのための様々な工夫をこれからも行っていきたいと意気込む。

12月の開催となる第14回のテーマは「クリスマス」だ。「少し早いが、クリスマスのムードを楽しんでもらえたらうれしい」と加藤さんは語った。企画の創設者である同大の江藤光紀教授(比較文化学類)による新曲も披露される予定だ。(山口和紀)

◆第14回コンサートは12月16日(土)午後1時30分開場、午後2時開演。チケットは一般1500円(税込み)、大学生無料。事前申込必要。つくばリサイタルシリーズの情報は公式ブログで発信されている。現在、開催に向けたクラウドファンディングも実施中だ。

神社仏閣の逆襲「ゲニウスロキ」《看取り医者は見た!》7

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写真は筆者

【コラム・平野国美】今日のタイトルは「神社仏閣の逆襲」ですが、中身はこの表現ほど過激なことはありません。神主さんも僧侶さんも、今後の神社仏閣の存在について多少不安を感じています。人口減少、少子高齢化、シャッター商店街化が、檀家や参拝客の減少につながるのではないかと。

いくつかの神社とその商店街の成り立ちを調べると、戦後、引揚者に境内を開放して住まわせ、そこに闇市が立ち上がり、飲み屋街や商店街として発展した歴史が見られます。そのため、敷地や建物が避難所の役目を果たし、その一角に怪しい場所が存在したこともありました。それゆえ、本体の寺社仏閣が枯れてゆくと、商店街も同じ道筋をたどる運命共同体なのです。

私は、こういった場所を、いつからか探して歩くようになりました。今は寂しげなのですが、全盛期のざわめきや勢いを感じるのです。郊外の大型ショッピングセンターでは味わえない雰囲気があります。佐賀神社にあったアーケードの商店街に唯一残った店、八女市の神社と同居してシャッター街化した所などです。大家が先か?店子が先か? いずれにしろ、運命共同体だったのです。

神田明神のIT系お守り

茨城南部では最近、寺社仏閣で新たな動きが始まっています。私たちが学生だったころ、学校の古典や漢文の先生には、神主や僧侶と併任の方がおりました。この20年間、私が仕事で回っている間に、寺社仏閣の世代交代が始まりました。

新しい後継者は古文や漢文の先生でなく、IT系の方もおります。神社仏閣のホームページをしっかりと作られ、SNSも利用し情報を発信しています。おそらく、御守りや御札に関しても伝統と斬新さを混ぜて来るでしょう。

数年前、神田明神では、システムエンジニアの皆さんに対し、IT系の御守りが用意されていましたし、将門神社にはキューピーちゃんの将門バージョンが置かれていました。石岡の歴史ある神社の神職は、有名な雑誌の編集者でした。その仕事で得た人脈を利用して、ファッションショーも開催しています。

お祭りでは御神輿(おみこし)の担ぎ手が街から消えたように見えましたが、TXの開通もあって新住民が住むようになり、担ぎ手が抽選になる地域もあるようです。

時代が変わり、担い手も変わっていく姿に期待してしまいます。今、神社仏閣の存在の仕方は大きく変わりつつあると思います。地霊そのものである神社仏閣の逆襲が始まりそうです。(訪問診療医師)

<参考>

「ゲニウスロキ」シリーズ、前回「地域の神社仏閣」はこちら、前々回「土地の守護精霊」はこちら

40年振り返るミニ企画展開催 筑波実験植物園

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来園を呼び掛ける筑波実験植物園の細矢剛園長

開園40周年を迎えた国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保)教育棟で14日から、同園の40年の歩みを振り返るミニ企画展「開園40周年記念・筑波実験植物園の過去・現在・未来」が始まる。会場の大型モニターでは、アカマツ林を切り開いた造成時の風景から現在に至るまでの同園の変遷を、スライドでめぐる映像が上映される。

開園当時の筑波実験植物園プロムナード(筑波実験植物園提供)

同様の企画展は、25周年を記念したものに続く2回目の開催となる。会期は来年1月21日まで。

植物園が開園した当時は、現在の筑波研究学園都市一帯が、建築物がまばらな開発途上期にあった。モニターに映し出される開園直後の植物園では、現在は木々が生い茂る場所もまだ新しく植えられたばかり。スライドでは、敷地から、広い空と筑波山を見渡すことができた当時の様子がうかがえる。そんな開発初期のつくばの風景を含め、緑豊かな現在に至るまでの40年間の変遷を、約6分間で振り返る。

40年後の現在のプロムナード(同)

その他、培養室での希少種の無菌培養などの活動紹介や、ランやシダ、琉球の植物など希少種についての解説、過去の園内パンフレットなどが展示され、同園が経てきた40年の歩みを一覧できる。

同園は、1983年10月2日に開園して以来、生きた多様な植物を収集・保全し、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究を推進している。42ヘクタールの敷地では、常緑広葉樹林、温帯性針葉樹林、砂礫地植物、山地草原、岩礫地植物、水生植物など世界の生態区を再現することで、環境省が指定する絶滅危惧種の約20%、日本の固有種の約24%を含む、約7000種の植物を保有している。現在は、8人の研究員を含む、約30人のスタッフが勤務する。

広報の中山瑠衣さんは「研究者やボランティアが行う園案内に昨年は約5000人が参加した。全国から修学旅行の学生が来るなど、コロナが明けて来園希望が増えている」とし、「年間来場者も初めて10万人に届きそうなところへと伸びている」と明るい現状を語ると、「今回の展示では、40年前にお子さんだった方が当時を振り返ることができると思う。多くの方に来ていただきたい」と、来園を呼び掛ける。

日本初の結実

熱帯雨林温室でショクダイオオコンニャクの結実がみられる

また現在、温室では、日本初となる、高さ130センチ余りのショクダイオオコンニャクの結実を見ることができる。「世界最大の花」と呼ばれるショクダイオオコンニャクの花が、今年5月に開花し、現在は真っ赤な果実をびっしり実らせている。世界でも開花はまれ。同園の細矢剛園長は「スタッフの努力の賜物。展示と合わせてぜひ足を運んで欲しい」と話す。(柴田大輔)

◆ミニ企画展「開園40周年記念・筑波実験植物園の過去・現在・未来」は、14日(火)から来年1月21日(日)まで。入園料は一般320円(税込み)、高校生以下と65歳以上は無料。期間中休園日等の詳細は筑波実験植物園内のイベントホームページへ。

マンホール蓋に残る旧県章 筑波研究学園都市に多数現存

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つくばエキスポセンター裏手の歩道に敷設された旧県章のマンホール蓋=つくば市吾妻

1966年に制定された茨城県の旧県章デザインを刻んだマンホール蓋(ふた)を、意外にもつくば市で多く見掛ける。筑波研究学園都市の造成時に敷設された下水道は、合併前の当時の旧町村ではなく、茨城県と日本下水道事業団によって整備されたためだ。学園都市の黎明期に整備された旧国家公務員宿舎の車道や市中心地区の歩道などで見ることができるが、順次、現在の県章デザインや市のシンボルデザインの蓋に置き換えられ、姿を消している。

ご当地の観光資源やアニメのキャラクターなどデザインマンホール蓋が増える中、茨城県の歴史文化を伝える旧県章のマンホール蓋は、今となっては貴重な県政資料の一つ。

雨水幹線に刻まれた旧県章の「いばら」のマーク

旧県章のデザインは、1911(明治44)年に公募により旧制中学の学生が提案したものが採用され、使用されるようになった。1966年にデザイン補正され、県章や県旗となった。「いばら」のイメージを模した図版内に、「イ・ハ・ラ・キ」の旧仮名遣いカタカナ文字が隠されており、難解なパズルにも見える。

旧県章は1991年まで主に県旗として県内各地の公共施設などで使われてきたが、同年11月13日の茨城県民の日を契機に現デザインへと変更された。今では「いばら」のマークは使われていない。

現在の県章(上)と1991年まで使用されていた旧県章

土浦市湖北にある県流域下水道事務所は、県内5流域の公共下水道を管理しており、その一環として雨水幹線、汚水幹線などの老朽化したマンホール蓋を更新している。

どれほどの数の旧県章マンホール蓋が残っているのかを同事務所に尋ねたが、概数は不明との答えが返ってきた。

「マンホールの更新事業は流域ごとに進めています。更新の判断基準は耐用年数として車道部の蓋は敷設から15年、それ以外は30年を越えているものとし、その中でも腐食や劣化の激しいものから交換することになっています。蓋の摩耗によるスリップ事故、蓋のがたつきや離脱による車両物損事故、騒音・振動や通行障害等の発生を防ぐためです」と同事務所。

同事務所が管理する下水道のうち、県南地域の流域下水道は、霞ケ浦湖北流域下水道(土浦、かすみがうら、石岡市、阿見町など)と霞ケ浦常南下水道(つくば、牛久、龍ケ崎、稲敷市など)に分かれている。湖北流域だけでも1900カ所ものマンホール蓋があるという。

土浦市内では相当数の蓋が土浦市市章やその他のデザインに交換された。流域下水道事務所では「土浦市内にもまだ旧デザインの蓋があるが、2023年度の更新事業対象なのでもうすぐ無くなる予定」と解説してくれた。

その敷設地点にあたる大岩田地区を訪ねてみたが、道路上のものは既に土浦市のマークに交換されていた。歩道上には「いばら」マークではなく「茨城県」と刻印された蓋があったが、これは上水道の制水弁と空気弁であった。

一方、県下では新しい街に属するつくば市内で多く見られるのは、まだ耐用年数内のものがたくさんあるということだ。それでもつくば市内の蓋の数々もやがて耐用年数を迎える。

県霞ケ浦浄化センターに展示されている新旧県章のマンホール蓋

「未使用品と劣化により取り外された蓋の違いは、デザインの新旧も含めて、当事務所のエントランスホールに展示してありますので、ご来場ください。平日の業務時間内であれば、安全に、いつでも見学することができます」(流域下水道事務所)

マンホールの大半は車道上に存在するため、事故やトラブルの懸念としてそれらを見物するのは控えてほしいという。つくば市内を歩いてみると、つくばエキスポセンター裏手の歩道上に2カ所、旧県章の汚水幹線マンホール蓋が現存しているので、これらは安全に見ることが可能だ。

きょう11月13日は県民の日。足下に残る茨城県の歴史を考えた。(鴨志田隆之)