月曜日, 3月 2, 2026
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関東大震災クラスの大震災に備えて《くずかごの唄》137

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】関東大震災から100年。再び、関東地方に同じような規模の震災が起こるのではないかと、私はびくびくしている。

関東大震災。1923年(大正12年)9月1日のお昼時、どこの家でも炭や薪(まき)でご飯を炊いていた時だった。倒れた木造の家から発火、町の中2~3か所に火の手が上がったという。

私の母は妊娠中。大きなお腹を抱えて、父と姑(しゅうとめ)3人で新富町の家から皇居前広場に逃げた。途中、銀座通りを横切る時、火の玉が勢いよく飛んできて、危うく火まみれになるところだったという。

皇居前広場で3日間野宿。当時、朝鮮の人に対する差別があって、「朝鮮人が井戸に毒を入れたから水は飲んではいけない」と言われ、飲ませてもらえなかったのがつらかったという。その後、母は芝公園で出産し、私の兄、加藤尚文が生まれた。兄の戸籍謄本には出生地「芝公園」と記入されていた。

母の実家の母親(私の祖母)も震災後に亡くなり、6人の弟たちの面倒も見なければならず、母は心身ともに極限に陥り、震災後10年間、子供をつくることができなかったようだ。

当時、焼け野原の都心から、阿佐ケ谷、荻窪方面に移住する家族が多かった。我が家も、荻窪のノラクロ漫画の作者・田河水泡(たがわ すいほう)さんのお隣りに住み、私はそこで生まれた。

私が言葉を覚え始めた頃、母から震災の恐怖を何十回となく聞かされて育った。10年目に生まれた娘に、その時に体験した恐ろしさを語ることで、やっと母は自分を取り戻すことができたのではないかと思う。

いざという時は雨水を利用

今年の能登半島地震も、飲料水など生活用水で苦労している。100年前の関東大震災と変わらないのではないかと思う。

近くの池の水、川の水、昔使っていた井戸の水。身近にある水の水質を、今は簡単に調査できる器具がたくさんある。調査しておけば、「いざという時に」何かと便利なのではないかと思う。

雨水の積極的利用も有効。昨年、土浦の自然を守る会のどんぐり山を見に来てくれた村瀬誠氏(薬学博士)は、地面にヒ素が含まれていて井戸水が使えないバングラディシュでは、雨水利用を積極的に実行していると話している。

関東地方にあり過ぎるマンションの屋上にちょっとした細工をすれば、災害時に備えての雨水利用が有効に働くと思う。(随筆家、薬剤師)

「合理的配慮」訴え つくばでパレード 県障害者権利条例9周年

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太鼓の軽快なリズムに合わせて声を上げる参加者たち

障害者への差別を禁止する茨城県障害者権利条例施行9周年を記念して、条例をつくる活動に取り組んできた障害者団体「茨城に障害のある人の権利条約をつくる会」(事務局・水戸市)の関係者らが30日、つくば市内でパレードし、4月1日から民間事業者にも義務付けられる「合理的配慮」の必要性を訴えた。

合理的配慮は、スロープを設置して段差をなくす、筆談できるようボードや筆記用具を提供するなど、障害者から対応が必要と伝えられた時に障害の特性に応じた配慮を提供すること。改正障害者差別解消法の施行により4月から民間事業にも提供義務が拡大される。

パレードでは、つくば市内や県内外から駆けつけた障害者と支援者ら約50人が、同市天久保、筑波メディカルセンター前から、同市竹園、つくばカピオ前までの約2キロを歩いた。

参加した聴覚障害者で筑波技術大2年の小林萌楓さん(20)と同大大学院OBの石綿智樹さん(24)は「つくば市内では筆談に応じてくれたり、こちらに口の動きが伝わりやすいように会話の時にマスクを外してくれるなど、飲食店などでも障害に理解があるところが多い」としつつ、「街灯が増えるといい」と話す。街灯が少ないため、夜間に道路を歩くと近づく車や自転車に気づくのが遅れることがあるという。

石綿さんは「私たちはクラクションが聞こえない。車がこちらに気づいても聞こえないので反応ができず、事故に遭う不安がある」と言う。また「夜間に友人と歩く際、街灯が無くて暗いと互いの手話が見えないので、コミュニケーションを取るためにわざわざ遠回りをして帰らなければいけないこともある」と語る。小林さんは「合理的配慮が義務化することで、当事者がどんな配慮が必要か言いやすくなると思う」とし「障害者は孤立しやすいところがあるので、周囲の理解が進むのでは」と期待する。

建設的な対話がポイント

「茨城に障害のある人の権利条約を作る会」共同代表の八木郷太さん(右)

同つくる会共同代表の八木郷太さん(27)は、合理的配慮義務化の周知不足を指摘し「当事者と事業者が建設的に対話をすることが大きなポイント。スロープの設置などどうしても物理的な話が先行しがちだが、スロープがなくても後ろから押せば入店できることもある。障害者がお願いしたことに対して『できる』『できない』ではなく、話し合いで落としどころを見つけていくことが大事」と語る。

さらに9周年となる条例について「条例があることで、当事者と行政、事業者が対話の場を持てる」と八木さんは言い「条例により県に差別相談室ができ、県と協力する場を持てている。行政、当事者、事業所が話し合いの場を持つことで、障害者の側から一方的に配慮を求めるのではなく、求めているものを説明し、事業所と現段階でこれならできると話し合える」とし、「街が一気にバリアフリーになるのは難しいが、対話を通じて徐々に合理的配慮を提供する店が増えていくことが大事になる」と話す。「最初は車椅子でも食事ができるようにテーブルを動かすことからでも、今度は簡単なスロープをつけようとか、視覚障害者が来たらこんな対応をしようとか、関係を積み重ねることで、対応は変化していくはず」と述べる。

「パレードを通じて合理的配慮について広く知ってもらいたい。当事者も知らない人が多いので、配慮を当たり前に求めていいと知ってもらいたい。迷惑をかけると思ってしまうと言えなくなってしまうが、伝えることで対話が生まれ、事例が積み上がる。すぐに100点にはならないと思うが、事業者と行政、当事者が共に経験を重ねながら地域の合理的配慮を育てていければ。結果として街が変わっていけばと思う」と今後へ期待を話す。

県障害者権利条例(障害のある人もない人も共に歩み幸せに暮らすための茨城県づくり条例)は、障害者団体が制定を働き掛け、議員提案により2015年4月1日に施行された。差別の禁止のほか、差別に関する相談、調査、助言やあっせんなどについて定めている。(柴田大輔)

「保幼小連携」の推進を考える《令和楽学ラボ》28

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5歳児と小1年生の交流。写真は筆者提供

【コラム・川上美智子】保育園や幼稚園の5歳児と小学校1年生の間には大きな学びのギャップがあると言われ、そのギャップを埋めるため、幼児のアプローチカリキュラムと小学校1年生のスタートカリキュラムが始まり8年が過ぎました。この間に、新型コロナウイルスの流行などで中断を余儀なくさせられましたが、つくば市内では5歳児と小学校1年生の年2回程度の交流が始まっています。

本園の場合は、園児が香取台小学校を訪問し、1回目は小学生が制作した工作物を使ってお店屋さんごっこ遊びの体験交流をしました。2回目の訪問では、小学1年生がこの1年で勉強した科目ごとの学びを保育園児に紹介してくれました。

どちらの訪問も、園児にとって初めての小学校体験とあって、保育園で見せる幼い顔とは異なり緊張した面持ちで45分間をビシッと過ごし、1歳違いのお兄さん、お姉さんの立派な姿を前にして頑張りを見せてくれました。たった2回の交流でしたが、園児にとっては小学校のイメージをつかむ大事な機会となり、4月の入学を楽しみにしています。

ところで、8年前の幼保小連携のスタート時には、茨城県教育委員として県内のモデルとなる小学校をいくつか視察し、小学校入学時に求められる学習レベルの高さに驚かされました。

ゆとり教育の時代には、自分の名前が読めればOKと言われていたのに、現在ではひらがなの読み書きや数の理解など高度な力が求められます。幼児期は「学びの芽生え」として、「遊びを通して学ぶ」が強調されてきましたが、得手不得手もあり、遊びを通して自然に学ぶだけでは限界があるように思われます。ワークなどを使った系統的学び無しには、どうしても漏れが出てしまいます。

5歳~小1は人格形成の架け橋期

園では、3歳児から少しずつ楽しく学びを進めるカリキュラムを組み、年齢に合ったワークを活用してきました。また、興味・関心の幅を広げ、自ら主体的に取り組む何かを見つけるため、体操、リトミック、ヒップホップ、英会話、ピアノなどが学べる環境も整えてきました。

国が早期教育の重要性を認識し、保育園を幼稚園と同じ教育施設として位置づけ、「保育所保育指針」を改訂して就学前教育をスタートさせた2018年、各園には小学校へつながる学びの連続性を意図した「全体的な計画」の策定が義務づけられました。さらに国や県は「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を提示し、年間保育計画を立てるよう求めました。

しかし、現場はまだ手探り状態で、指導者である保育士もこの大きな改革を十分理解はできていません。そのような中、さらに文科省は昨年「学びや生活の基盤をつくる幼児教育と小学校教育の接続について~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~」を公表しました。

それによれば、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、5歳児から小学校1年生の2年間を「架け橋期」と称して、0歳から18歳までの学びの連続性に配慮しつつ「架け橋期」の教育の充実を図るよう求めました。

その重要性を理解しつつも、保育園も小学校も、現場が忙しい中でこれ以上推進を図ることの難しさを感じているのが現実ではないかと思います。私自身はこの3月末で園を去りますが、つくばに蒔(ま)いた種を、現場がしっかり引き継いでくれるよう期待しています。(茨城キリスト教大学名誉教授、みらいのもり保育園園長)

日本最大級の「ねこハウス」4月1日オープン つくばわんわんランド

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つくばわんわんランド内に4月1日オープンする「ねこハウス」

40種70匹と触れ合い

猫ブームの中、日本最大級の猫との触れ合い施設「ねこハウス」が、つくば市沼田、犬と猫のテーマパーク「つくばわんわんランド」(東郷治久代表)内に新設され、4月1日オープンする。40種類70匹の猫と触れ合ったり、一緒に遊んだり、えさをやったりできる。

珍しい猫がたくさんいる室内。(上段左から)スフィンクスの毛づくろいをするトイガー、サイベリアン、アビシニアン(下段左から)ラグドール、ジェネッタ、ベンガル

マンチカン、スコティッシュフォールドなど人気の猫のほか、スフィンクスやバンビーノなどの珍しい種類、日本ではブリーダーが1軒しかいない新しい種のバーミラなどがいる。オープンにあたって北海道や和歌山など全国のブリーダーから人気の猫や珍しい猫を集めたという。

施設は木造平屋建て、床面積約200平方メートルで、室内には猫が上り下りする大型のキャットタワーが3基設置されている。同園として3代目の施設となり、現在の2代目ねこハウスの2倍以上の広さがある。

ねこハウス外観

現在のねこハウスは1回の入室者を30人までに制限していることから、混雑時は猫と触れ合いたい入園者が待たされたり、入室できないなど、残念なまま帰宅する入園者がいて、新施設を開設することになった。新施設は一度に60~70人が入室できる。

29日、関係者が集まって神事とテープカットが催された。東郷代表は「猫がブームになっていて、猫派が急に増えていると感じる。当初は犬と触れ合うついでに猫と触れ合ったが、今は犬を見ないで猫だけ見にくるお客様も増えている。レアな猫がたくさんいる。お客様の声に応えていきたい」と話す。

テープカットする東郷治久代表(中央)ら=ねこハウス内

同園は、90種1000匹以上の犬と、40種70匹の猫がおり、触れ合ったり、犬を散歩させたりできる。園内や周辺にはブリーディングハウス、ペット専門学校、老犬ホーム、ペット葬祭場がある。今年28周年を迎える。

一方、えさ代や光熱費などの高騰により、4月1日から25年ぶりに入園料を値上げする。新しい入園料は大人(中学生以上)2000円(ウェブサイト割引券使用は1700円)、子供(3歳~小学生)1000円(同800円)、乳児(3歳未満)無料、65歳以上1000円。同伴犬は無料。問い合わせは電話029-866-1001(同園)。

春の陽気に誘われて《短いおはなし》25

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イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】
ずっと部屋に籠(こも)っていたけれど、いい陽気になってきたから家を出た。
コロナも5類になったし、食料もなくなってきた。
ずっと引き籠ってもいられない。
まだ少し肌寒かったので、パーカーのフードを目深に被(かぶ)った。
マスクもまだ外せない。

住宅街を歩いていると、庭先の芝桜がきれいな家を見つけた。
淡いピンクが一面に広がって、なんて美しい。
可愛(かわい)いな。春だな。
思わず見とれていたら、垣根のあいだから家主が現れた。

「何か御用ですか?」

「あっ、いや、芝桜がきれいだったもので」

家主が睨(にら)むので、俺はそそくさとその場を後にした。
世知辛い世の中だ。うっかり他人の家も覗(のぞ)けない。

公園に行った。公園の花なら、いくら見ても文句は言われない。
チューリップが見事だ。
近くの幼稚園児が集団で遊びに来ている。

「お花、きれいだね」

近くにいた子に話しかけると、すかさず先生が飛んできた。

「さあ、園に帰りますよ」と、さらうように園児を連れて行った。
世知辛い世の中だ。子どもに話しかけただけなのに。

せっかくだから写真でも撮ろう。
俺はスマホを取り出して、チューリップの写真を撮った。
すると、向かい側にいた若い女がチューリップを跨(また)いでやってきた。

「ちょっと、今撮りましたよね」

「ああ、花の写真を撮ったが」

「私のこと、撮りましたよね。盗撮ですよね」

「いや、たまたまあなたが入ってしまっただけで、撮ったわけでは…」

「消してください。今すぐ消して」

「分かったよ。消すよ」

せっかくきれいに撮れたチューリップの写真を消した。
世知辛い世の中だ。写真を撮っただけなのに。

なぜだろう。蜘蛛(くも)の子を散らしたように、みんな公園を出て行った。
別にいい。逆にせいせいする。
誰もいなくなった公園のベンチに座った。

日差しが暖かいので、フードを取った。
そうか。このフードとマスクとサングラスのせいだ。
すっかり不審者扱いされてしまったのだ。
何だ、そうか。
俺は、マスクとサングラスをポケットにしまって立ち上がった。

「ちょっとすみません」

男が話しかけてきた。
ほら、フードとマスクとサングラスを取ったら、さっそく話しかけられた。
人恋しかった俺は、にこやかに振り向いた。

「はい、何でしょう」

立っていたのは警察官だった。
警察官は俺の名前を呼んで、強い力で腕をつかんだ。
ああ、そうだった。
俺、指名手配されていたんだった。

ずっと隠れていたのに、春の陽気のせいで捕まっちまった。
あーあ、世知辛い世の中だ。(作家)

次長級の統括監を新設 つくば市人事異動’24

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つくば市役所

つくば市はこのほど4月1日付人事異動を内示した。次長級の職として統括監を新設し、各部局が所管する公共施設の管理や長寿命化を担当する。異動総数は、再任用、組織改編に伴う部署名変更などを除き全体の21.6%の300人。23年度から市職員の定年引き上げが開始され61歳になったことにより3月末の定年退職者はゼロ。再任用を除く普通退職者は39人、新規採用は66人で、4月1日付全職員数は前年度に比べ27人増えて2087人になる。

係長以上の管理職は前年度から9人増え609人。管理職の昇格者は同比32人減り88人。女性管理職の割合は前年度より0.1ポイント減って25.8%になる。

国、県などとの人事交流では、文科省から政策イノベーション部長を迎えるほか、国、県などに8人の実務研修生を派遣する。

組織改編では、ダイバーシティ(多様性)を一体的に推進するため市民部の男女共同参画室を市長公室に移し、ダイバーシティ推進室に名称変更する。こども部は、子育て家庭を包括的に支援する体制を構築するため、健康増進課の母子保健係をこども未来課に移し、名称をこども未来センターに変更する。

政策イノベーション部は、国政調査等、統計業務の推進やデータ利活用の強化のため企画経営課に統計係を、情報政策課にデジタル推進係を新設し、根拠に基づいた新たな政策立案を推進するためとして21年度に新設した統計・データ利活用推進室を廃止する。

財務部は、未利用の市有地利活用を一体的に進めるため、公共施設マネジメント推進室を都市計画部の公有地利活用推進室と統合し、公共資産利活用推進室を新設する。経済部は産業用地の創出を推進するため、産業振興課に立地推進室を新設し、プロジェクトチームだった産業用地検討室と都市計画部の地域開発振興室を廃止する。建設部は都市計画道路の整備に重点的に取り組むため、都市計画道路整備推進室を課に昇格させる。

保健部は、新型コロナが5類に移行し全額公費によるワクチン接種が3月末で終了することなどから、新型コロナウイルス対策室を、他の感染症対策と一体的に推進するため予防接種・感染症対策室に変更する。消防本部は予防広報課を予防課に変更する。

◆4月1日付け人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。

【部長級】
▽政策イノベーション部長(文部科学省)髙橋安大

【次長級】
▽総務部次長兼人事課長(人事課長)松本光由
▽総務部次長兼法務課長(総務課長)沼尻浩幸
▽総務部政策法務監・教育局教育法務監(新規採用、任期付)大岩昇
▽政策イノベーション部次長(市民部次長)池畑浩
▽市民部次長(同次長兼市民窓口課長)中川伸一
▽市民部統括監兼統括地域支援監(同次長兼統括地域支援監)大木茂樹
▽保健部次長(こども政策課長)鈴木加代子
▽こども部統括監(経済部次長)大橋一彦
▽経済部次長(産業振興課長)柳町哲雄
▽経済部統括監(同部次長)岡田克己
▽建設部次長(総務部次長)山田正美
▽建設部建設政策監(同部次長)木村幸弘
▽生活環境部次長兼環境政策課長(同課長)渡邊俊吾
▽上下水道局次長(水道総務課長)小吹正通
▽上下水道局統括監(同局次長兼水道監視センター所長)渡辺高則
▽教育局統括監(保健部次長)中根英明
▽消防本部消防次長・消防本部担当(同次長・消防署担当)松岡幹夫
▽消防本部消防次長・消防署担当(同本部主任参事兼南消防署長)鈴木浩
▽消防本部主任参事兼救急課長(救急課長)中島昌美
▽消防本部主任参事兼消防総務課長(予防広報課長)高野順一

【課長級】
▽市長公室国際都市推進課長(危機管理課長)鬼塚宏一
▽市長公室危機管理課長(国際都市推進課長)岸田和克子
▽総務部総務課長(同課長補佐兼企画監)高野剛
▽総務部ワークライフバランス推進課(市民協働課地域改善対策室長)岡田健一
▽総務部人事課付参事(豊里交流センター地域支援監兼市民ホールとよさと)安田正幸
▽政策イノベーション部企画経営課長(開発指導課長)川原智彦
▽政策イノベーション部情報政策課長(情報政策課長補佐兼情報ネットワークセンター所長)石川玄壱
▽政策イノベーション部科学技術戦略課長(スマートシティ戦略監)中山秀之
▽財務部公共資産利活用推進課長(公有地利活用推進課長)岡野渡
▽財務部納税課長兼徴税管理監(市民税課長)高野克則
▽財務部市民税課長(同課長補佐)横田知巳
▽市民部つくば市民センター所長(企画経営課長)横田裕治
▽市民部市民窓口課長(下水道総務課長補佐)青木ゆかり
▽市民部大穂窓口センター所長(土地改良課長)森田幸一
▽市民部豊里窓口センター所長(桜交流センター地域支援監)吉岡直人
▽市民部筑波窓口センター所長(納税課長兼徴税管理監)柳田賢一
▽市民部スポーツ振興課長(中央図書館副館長)沼尻祐一
▽市民部地域支援課長(農業政策課長)根本隆
▽市民部筑波交流センター所長兼市民ホールつくばね館長(防犯交通安全課長)一瀬剛
▽市民部谷田部交流センター所長兼市民ホールやたべ館長(スポーツ振興課長)大久保正巳
▽市民部桜交流センター所長(つくば市民センター所長)荒澤浩俊
▽福祉部社会福祉課長(市民協働課長補佐兼企画監)中村銀華
▽保健部医療年金課参事、茨城県後期高齢者医療広域連合派遣(地域包括支援課長補佐)飯島良弘
▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長(社会福祉課長)宇津野功
▽こども部こども政策課長(広報戦略課広聴室長)木村真理
▽こども部こども育成課長(ワークライフバランス推進課長)桐生修
▽こども部こども未来センター課長(こども未来課長)中澤真寿美
▽経済部ジオパーク推進監兼観光推進課ジオパーク室長(観光推進課長)伊藤祐二
▽経済部産業振興課長(科学技術戦略課長)前島吉亮
▽経済部農業政策課長(同課長補佐)岡野清宏
▽経済部土地改良課長(公園・施設課長)山口義智
▽経済部観光推進課長(管財課長補佐)小川高徳
▽都市計画部建築指導課長(教育施設課長)鈴木聡
▽都市計画部開発指導課長(建築指導課長)中島隆志
▽建設部都市計画道路整備推進課長(こども育成課長)吉田和敏
▽建設部道路管理課長(同課長補佐)須藤文雄
▽建設部公園・施設課長(同課長補佐)山口嘉宏
▽建設部防犯交通安全課長(道路管理課長)入江一成
▽生活環境部環境衛生課長(同課長補佐)木村憲一
▽上下水道局水道総務課長(地域消防課長)水橋光一
▽上下水道局水道監視センター所長(環境衛生課長)石川太郎
▽会計事務局長(情報政策課長)飯塚喜軌
▽教育局学務課長(選挙管理委員会事務局副局長)笹本昌伸
▽教育局教育施設課長(地域支援課長)大口勝也
▽教育局筑波学校給食センター所長(地域支援課長補佐)倉持賢一
▽教育局つくばすこやか給食センターやたべ所長(筑波学校給食センター所長)渡辺寛明
▽教育局つくばほがらか給食センターやたべ所長(管財課公共施設マネジメント推進室長)田中聖史
▽教育局中央図書館副館長(同館長補佐)玉木正徳
▽選挙管理委員会事務局副局長(法務課長)渡邉健
▽農業委員会事務局農業行政課長(学務課長)下田裕久
▽消防本部地域消防課長(会計事務局長)小川英男
▽南消防署長(消防総務課長)品川豊
▽北消防署長(消防救助課長)北沢直弘
▽消防本部消防救助課長(参事兼中央消防署副署長)青木節
▽参事兼中央消防署副署長(中央消防署桜分署長)櫻井誠
▽消防本部予防課長(予防広報課長補佐兼予防係長)三浦春彦

【退職】3月31日付
▽政策イノベーション部長 藤光智香
▽谷田部交流センター所長兼市民ホールやたべ館長 間中和美

地元スタジアムから声援 常総学院、ベスト8届かず 

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8回裏の常総学院の得点に、熱心に声援を送る観客=土浦市川口、J:COMスタジアム土浦

第96回選抜高校野球大会(兵庫県西宮市、甲子園球場)は27日、第4試合で常総学院が報徳学園(兵庫)と対戦した。常総学院は1-6で敗れ、9年ぶりの春甲子園ベスト8には届かなかった。地元の土浦市川口、J:COMスタジアム土浦では、試合のパブリックビューイングが実施された。

同球場のスコアボードがフルLEDに全面改修された記念として、1回戦に引き続き観客席および外野芝生エリアが無料開放され、熱心なファンが試合を見守った。

阿見町から来た信夫蒼太さん(11歳)と宮本航大さん(同)は、本郷イーグルスで活動する野球少年。常総学院の試合や練習にも足しげく通っている。この日の観戦については「球場の芝生の上で試合が見られるのは最高。負けたのは残念」との感想だった。

蒼太さんの母・美恵子さんは常総学院の給食センターに勤務し、選手たちが練習の合間に食べる補食のご飯も炊くなど、野球部とも関係が深い。航大さん・友美さん親子も、ここ数年にわたって一緒に応援している仲。友美さんは「夏に期待。甲子園まで応援に行くので絶対優勝してほしい」と、次のシーズンに向けてさっそく意欲を高めていた。

第96回選抜高校野球 2回戦(27日、甲子園球場)
報徳学園 001130010 6
常総学院 000000010 1

試合は、常総学院のエース小林芯汰から報徳学園が10安打を放って大勢を決した。また報徳学園は、常総学院の守備の小さなミスも見逃さず得点につなげた。

常総学院の先発小林は、25日の1回戦で119球を投げて完投しており、中1日での連投の影響もあったようだ。立ち上がりからストレートの制球がいま一つで、カットボールなどの変化球の多投が見られた。報徳学園の先発はエース間木歩。22日の1回戦では3回38球を投げており、この日は初回こそ2四死球を与え2死一・三塁のピンチをつくったが、徐々に持ち直し、8回まで常総打線を5安打に抑えた。

常総学院の失点は3回表。死球と盗塁で報徳学園に1死二塁とされ、3番打者の左飛には近藤和真がわずかに追いつけず、4番打者の中前打には池田翔吾がホームへ好返球を送るものの走者の生還が一瞬早かった。4回表には2死三塁の場面で、9番打者の三ゴロは渡辺翔太が横っ飛びで抑えたが、一塁への送球がワンバウンドになり2点目を失った。

5回表には3安打と2四死球で1点を奪われ1死満塁。ここから小林は直球主体に切り替え、ギアを1段上げて臨むが、四球押し出しと左前打でさらに2点を失った。6回からは平隼磨、8回からは斎藤一磨がマウンドに上がっている。

常総学院は8回裏、先頭の3番・若林祐真が四球を選び、5番・森田大翔の右越え二塁打と、6番・片岡陸斗の右犠飛で1点を奪取。この試合唯一の得点だった。9回表には小林が再登板、3者凡退でピシャリと締めたことは、夏に向けての好材料といえた。(池田充雄)

シニア世代のいろいろな活動紹介します《けんがくひろば》4

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「サロンゆうゆう」の様子

【コラム・椎名清代】新しいまち研究学園駅エリア。住民の多くは若い世代ですが、シニア世代も徐々に増えています。今回はシニア世代の活動を紹介します。 

体にいいこと、楽しいことしよう

約14年前、研究学園駅前公園でのラジオ体操は1人でした。そのうち、仲間が2人、3人、…、10人と増え、その人たちから「もっと体にいいことをしよう」「もっと楽しいことをしよう」との声が上がり、木曜日に遊ぶ会=『木遊会』が発足しました。

TX駅前マンションを中心に、口コミで仲間が増え、この活動を知った遠隔地の人の参加もあり、ピーク時、この会は160余名に成長しました。 

毎月の定例会のほか、年2回のバス旅行会、新年会、観桜会、そば打ち会、芋煮会など、季節ごとのお楽しみ会も行われてきました。趣味が同じ人たちが集う同好会も次々とでき、多くの人が楽しい時を過ごせていたと思います。 

ところが、コロナ禍を経て高齢化が進み、役割を担える人が減少してきたこと、この地域に交流センターのような施設がないこともあり、活動を縮小せざるを得ない状況となっています。現在の会員は約120名に減っています。

会では、春の観桜会、夏の納涼会、暮れの忘年会のほか、ゴルフ会(原則隔月コンペ、筑波東急ゴルフクラブ)、麻雀会(毎週金曜日午後、マンション・レーベン研究学園内の林技術事務所)、パソコン会(毎週木曜日午前、同)、グラウンドゴルフ会(毎週水曜日、研究学園駅前公園)、ウォーキング会(毎月1回不定期、徒歩と公共交通機関で近隣へ)などを開いています。

シニアサロンで勉強とおしゃべり

研究学園地域に暮らすシニア世代の多くは、子供世帯と同居あるいは近くに住むため、全国各地から転居してきました。高齢になってから、新しい土地になじみ、友人をつくることはなかなか難しいことです。

自宅にこもりがちになってしまわないか…。そんな懸念から、気軽に楽しく交流できる場が必要と、長年つくば市で在宅診療と認知症ケアに携わってこられた元開業医の先生により、2003年に「サロンゆうゆう」が開設されました。

先生の長い経験から、健康づくり、介護予防、体調変化の見分け方、薬の飲み方など、多くのことを学びました。講話のほかに、軽い体操、歌、ゲーム、おしゃべりで、楽しい時が流れています。 

コロナ休止期間を経て、現在、民生委員の方数名がサロンの運営を担っています。知りたいこと、楽しいことを皆で考え、つくっていくこのサロンは月1回開かれています(第2月曜日13:30~、林事技術事務所)。毎回20数名の参加があり、緩やかにつながって、互いに気遣いあう関係ができたように思います。 

たくさんの人と交流して、これからの時間を大切に過ごしてゆきたいと思います。(けんがく活動団体協議会代表)

2団体で共同運営に 不登校児童・生徒の支援施設、つくばセンタービル内に移転 

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(左から)アーティストの平方さん、ウニベルシタスつくばの徳田代表、むすびつくばライズ学園の北村代表、ライズ学園職員の松井由佳さん、リヴォルヴ学校教育研究所の小野村理事長、

つくば市の施設である市産業振興センター内(同市吾妻)で不登校児童・生徒への学習支援を行ってきた「むすびつくばライズ学園」(NPOリヴォルヴ学校教育研究所運営、小野村哲理事長)が4月から、近くのつくばセンタービル1階、貸しオフィスco-en(コーエン) 内に移転する。移転後は、2009年から18年まで市内で市民講座「つくば市民大学」を開いてきた市民団体「ウニベルシタスつくば」(徳田太郎代表)との共同運営になる。

平日5日間は不登校支援事業に使用し、土日は市民大学による市民向け講座を開催する。また施設の一部を利用し、区画を分け合う希望者がそれぞれ自分の本を持ち寄るオーナー制の一箱本棚図書館「リブラリウム(コミュニティ・ライブラリー)」をウニベルシタスのメンバーで、石岡市で市民による私設図書館「つながる図書館」を営む同市在住のアーティスト平方亜弥子さんが担当する。

移転先のつくばセンタービル

使い分け家賃負担軽減

同NPOは2000年から同市谷田部で不登校の学習支援施設を運営し、20年から市と協働でむすびつくばをスタートさせた。21年12月に市が実施した次年度の運営事業者選定に漏れると利用者の家族などから運営継続を求める陳情が市に出され、迷走。五十嵐立青市長は謝罪しリヴォルヴとの事業を継続、1年間の事業延長が認められた。23年度からは市が創設した民間フリースクールへの補助金を受け産業振興センター内で事業を実施、24年度からは市の施設からの移転を迫られていた。

新しい移転先は現在の施設から徒歩5分ほど。同学園代表の北村直子さんは「(移転先は)最後の最後まで悩んだ。今いる子どもが通えなくならないことを第一に考えた」と話す。「子どもや保護者からは『よかった。これからも通える』という意見が多かった。新しい場所でも一緒につくっていこうと協力してくれている。みんな楽しみにしている」という。

2団体での共同経営や移転先決定の経緯について小野村理事長は「ここに来る子どもはいろいろなことに関心を持っている。市民大学に来るいろいろな人たちと触れ合う機会があるといいと思った。その中で、本を介してつながることもあればとコミュニティライブラリーの話にもつながってきた」とし、移転先については「物件候補が3カ所あったが雑居ビル3階などでは地域とのつながりがなくなってしまう。人の出入りがあるところがいいとの考えもあった。ウニベルシタスさんと平日と土日を使い分けられるなら、家賃負担も(センター地区から)離れたところで借りるのと変わらずにできる。であれば家賃が高くても価値があるということになった」と話した。

つくば市民大学は09年から9年間、同市東新井のろうきんビルで約1300講座を開講し、延べ1万2500人が参加し17年末に活動を休止した。徳田さんは「何らかの形でつくば市民大学を復活させようという話はあった。ウニベルシタスという団体は継続していてむすびつくばの運営協議会にも参加していた。子どもたちの支援は平日なので土日は使える。きちんとした場を持つ市民大学を復活しようという形になった」と語る。今後については「市民大学のキャッチコピーは『まなぶ、つながる、つくりだす』こと。互いの対話を通じて学び合い、集まる人同士の出会いがあって実際にアクションにつながるものにしていきたい。積極的に社会に働きかけていくような人へと皆で育っていこうという場にしていきたい」と語る。

一箱本棚図書館を担当する平方さんは「それぞれの本棚を通じて『この人はこんな本読むんだ、こんな側面あるんだ』と知ることができる。図書館の利用者同士が知り合い交流が生まれたら」と話す。

収益上げる体制づくりへ

リヴォルヴの小野村理事長は今後の課題を「収益を上げられる体制づくり」だとして、放課後の時間帯に開く新事業「ライズプラス」に期待する。「ライズプラスは『放課後教室』で、誰もが気軽に通えるところ。学校に行っているが自分のペースで学びたい子ども、自分の興味関心に合わせたことはすごく学べるがその環境がない子どもがいると感じている。そういう子を対象に社会科、英語科、国語科などの教室を開いていきたい」と話す。

北村さんは「不登校事業は決して収益性の高い事業ではない」とし、「ライズプラスと教材開発で安定した基盤をつくり子ども達のサポートに当てていきたい。教えることがうちの強みなので、そこをしっかりやっていきたい」と話す。(柴田大輔)

◆31日 (日) 午後2時からオンラインでオープニングイベント「むすびつくば ライズ学園 × 市民大学 + コミュニティ・ライブラリー」が開かれる。参加費無料。詳細は同ホームページへ。

ゴジラの国の子どもたち《映画探偵団》74

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】アカデミー賞の視覚効果賞を受賞した山崎貴監督の日本映画『ゴジラ-1.0』が世界中で大ヒットしている。さらに米国映画『ゴジラ✕コング 新たなる帝国』が近日公開となる。今年はゴジラ誕生70周年にあたる。1954年当時、ゲテモノ作品と馬鹿(ばか)にする人もいたが、今ではゴジラは日本の文化財と言っても過言ではない。

考えてほしい。公開当時20歳だった人は90歳、16歳だった人は86歳、10歳だった人は80歳だ。日本はゴジラを見て育った子どもたちの国なのである。

『ゴジラ・デイズ』

1980年代後半、『ゴジラを創った男たち』のテレビドラマ用の企画を考えた。1954年は東宝撮影所で黒澤明監督の『七人の侍』が製作されていたころ。ビキニ環礁で水爆実験が行なわれ、日本国中に放射能の恐怖が襲う中、田中友幸プロデューサ一は『G作品』の企画を立案。街頭テレビでは米人レスラーに力道山の空手チョップが炸裂(さくれつ)。

この年発足した自衛隊の撮影協力のもと、『ゴジラ』が作られる。作家の三島由紀夫がロケ地を訪れ、国産特撮第1号のゴジラに関心を示す。苦闘する特撮監督円谷英二と本多猪四郎監督。ゴジラとその時代をノスタルジックに描く。

企画書を田中プロデューサ一あて送ると、代理の方から電話があり「現在、新作のゴジラを準備中で、古いイメージを与えて新しいゴジラの邪魔をしたくない」との返事だった。1984年の『ゴジラ』の興業成績がいまひとつだったため、その後作られてなかった。1年後、その新しい作品が『ゴジラVSビオランテ』(1989)だとわかる。

知人に預けてあった企画書は出版社に渡った。ちょうどそのころがゴジラ生誕40周年を迎える前年にあたり、ゴジラブ一ムが起きていた。出版担当者の「第1作だけでなく20作までひろげ、関係者にインタビューして40年史にまとめられないですか」となり、『ゴジラ・デイズ』(1993年)の本になった。その年、アメリカ版『GODZILLA』が製作されるとのニュースが流れていた。

『新諸国物語』

特撮監督・川北紘一にインタビューした際、『ゴジラ』公開時、夢中になったのは『紅孔雀』だと話してくれた。そうなのだ。70年前、ゴジラに負けず劣らず少年少女の人気を集めていたのは、東映の『新諸国物語』シリーズである。

北村寿夫原作のNHKラジオ連続放送劇『新諸国物語 笛吹童子』を映画化したお子様向け時代劇は、白鳥党とされこうべ党の戦いを描く勧善懲悪の活劇3部作だった。大ヒットを記録した東映は、続いて『新諸国物語 紅孔雀』を全5部作で公開する。

『新諸国物語』は最終的に『白鳥の騎士』『笛吹童子』『紅孔雀』『オテナの塔』『七つの誓い』『天の鶯』『黃金孔雀城』の7部作の大河シリーズとなる。戦後の混乱が残る日本で生きる少年少女に正義と勇気のメッセージを送る作品だった。

私が体験したのは『黃金孔雀城』(1961)からで、黒冠者(里見浩太郎)の忍術シ一ンにしびれた。またテレビで見ていた山城新伍・主演『風小僧』は『新諸国物語』のスピンオフ作品だと後で知る。『スター・ウォーズ』(エピソード4)は、元ネタが黒澤監督の『隠し砦の三悪人』であることは知られているが、善と悪のフォ一スの戦いを見て、私は『新諸国物語』を連想した。

世界はゴジラの国の子どもたちの時代を迎えようとしている。今こそ、『新諸国物語』をリメイクし世界に輸出すべき時ではないかと思う。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

「筑波山、桜川は原風景」 角川短歌賞受賞の渡辺新月さん

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角川短歌賞を受賞した渡辺新月さん

つくば市長を表敬訪問

短歌界の新人賞にあたる角川短歌賞を昨年11月に受賞したつくば市出身の東大生、渡辺新月さん(21)が26日、つくば市の五十嵐立青市長を表敬訪問した。渡辺さんは「子どもの時に見ていた筑波山や、高校時代に自転車で橋の上から眺めていた桜川は、今も強く心に残る原風景」だと話し、今後は「大学院への進学を目指し、創作活動と共に和歌の歴史を学び、和歌を切り口とした一本の線で日本の文学史を研究していきたい」と語る。五十嵐市長は「地元出身の渡辺さんを応援したい」と声を掛けた。

渡辺さんは母親の実家のある青森県八戸市で生まれて間もなく、つくば市谷田部に移り高校までを過ごした。土浦一高を卒業後、東京大学に進学し4月から4年生になる。都内に暮らしながら学生短歌会「東京大学Q短歌会」に所属し創作活動に打ち込んでいる。

百人一首が小学生の頃から好きだった。中学生のときに夏休みの宿題をきっかけに短歌に興味を持ち始めた。以来独学で創作活動を始めると、土浦一高在学中の2018年に第64回角川短歌賞で佳作を受賞。20年には第2回笹井宏之賞野口あや子賞、21年に第3回超然文学賞短歌部門最優秀賞を受賞した。22年、再び角川短歌賞佳作を受賞し、昨年6回目の同賞挑戦で最高位の短歌賞を受賞した。過去最多の870篇の応募があった。

小、中学時代は地元の谷田部交流センター図書室や中央図書館に何度も通いながら古い文献を読むことに夢中になっていたという。中学、高校時代は毎晩5首から10首の短歌を作り、日記と共に毎日手書きでの創作を現在まで続けている。「書くことが面白い。日記は事象だが短歌には感情を乗せることができる」と語ると、「自分が作った短歌を後から読み返すと、その時、自分がどんなことを感じていたかを思い出せる。短歌にはその時の感情を残すことができると気がついた時に、最初の驚きを感じた」と創作に打ち込み初めた当時の気持ちを思い返す。

「古い言葉に興味がある。古い言葉を使って新しいことを歌うことが短歌の醍醐味。大学に入ってからは能に興味をもつようになり、自分でも習うようになった」という。

自身での創作と共に、歴史上の人物や他の作家の作品にも関心を持つ。その訳を「他者の作品を読むことでその人の感情を『解凍』できる」とし、「歴史上の人物の感情を自分に引き寄せて感じることができるのも短歌の魅力」だと語る。(柴田大輔)

いい日旅立ち《続・平熱日記》154

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絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】宇部の個展に向けてのロングドライブ。いつもパクを預かってくれるマヨねえこと小山さんは「1カ月でも預かるよ」と言ってくれたが、山口で義妹のユキちゃんもパクを待ってくれていることだし。何も好き好んで千キロの道のりを犬と絵を積んで軽自動車で走らずともと思うのだが…。

とにかく無理せず安全運転。しかしなにせ長丁場なので、飽きない工夫が必要なのだけれども空いているのは耳ぐらい。普段はラジオ派、というよりも特に好んで音楽を聴く習慣もないのだけれど、高速道路でそれまで聴いていたラジオ局の電波が届かなくなるという厄介なこともあって、改めてCDの良さに気付いたのだ。

例えばCD1枚で1時間、約百キロは退屈しないで走れる。ところが世の中はサブスクやブルートゥースの時代になっているし、私の家にはろくにCDがない。

キーボードプレイヤーとしてバンドをやっている友人のマサシさん。銀行員の彼は私より一回りほど若い。先日はライブに招待されて、50年代から90年代までの洋楽を中心に楽しませてもらった。そうだ!彼にCDを借りよう。

「じょうばん せーん!」

ところで長女の子供、つまり孫が3才近くになって2人で出かけることになった。というのも、2人目ができたので長女は少しでも体を休めたいから上の子の面倒を見てくれというのだ。生まれた時からしばらくはうちにいたし、それからも割と頻繁にうちに来ているので孫とは仲良しであるから、ふたりきりで出かけることに不安はない。

目指すは常磐線。そう、孫は電車が好きなのだ。「じょうばん せーん!」と繰り返しながら、楽しそうに駅のホームに到着。踏切を通過する度に喜び、さてどこまで行こうかと思ったが、その日は鉄橋を渡って我孫子で下車。それから、別の日には土浦までの旅を楽しんだ。

さてパクと山口に出発だ!

後日、快くCDを持ってきてくれたマサシさんとそんな話をした。というのも…彼の息子さんは以前私の家に絵を描きに来ていて、まだ学校に上がる前だったか、どうやら電車が好きだというので、とりあえず電車ばかり描かせた。家にあった子供百科事典の「でんしゃ」の項目数ページは切り取られ彼専用の見本となった。で、なんと息子さんはこの春JR西日本への就職が決まったというではないか。

JRといえば、CMにも使われた「いい日旅立ち」という歌がある。私が高校を卒業するころに流行(はや)った曲だ。なぜだか家に百恵ちゃんのレコードがあって聴いていた思い出がある。昨年まで新幹線の中で流れていたのも記憶に新しい。

さてパクと山口に出発だ! 「いい日旅立ち」になりますように! マサシさんのCDからどんな曲が流れてくるか楽しみだ。(画家)

酒気帯び運転で40代女性職員を停職処分 つくば市

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つくば市役所

つくば市は25日、酒気帯び運転により、市財務部の40代女性職員を、同日から6カ月間の停職処分にしたと発表した。

市人事課によると職員は、昨年10月27日午前7時52分ごろ、車で出勤途中、市外で民有地のフェンスと接触する物損事故を起こし、警察の調べで酒気帯び運転が分かった。

市の調査によると職員は、前日の夜9時40分ごろから350ミリリットル入りのハイボール缶を6本未満飲酒した。翌朝は体調が不調ということはなく、車で出勤途中、助手席に物が落ちたため拾おうとしてハンドル操作を誤ったと話しており、酒気帯び運転については認め、罰金と免許取り消しの行政処分を受けているという。その後、市職員分限懲戒審査委員会を開いて処分を決定した。

五十嵐立青市長は「飲酒運転が大きな社会問題となっている中、これまで再三の注意を喚起してきたにも関わらず、このような不祥事を起こしたことは誠に遺憾。市民の信頼を裏切り多大なる迷惑をお掛けしたことを心からお詫びします。今後再発防止に万全を期し、市民の不信を招く行為を厳に慎むよう綱紀の保持を徹底させます」などとするコメントを発表した。

実証実験同意の個人情報を漏えい つくば市立保育所の保護者27人分

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つくば市役所

実験は中止

つくば市は25日、民間企業が市立保育所2カ所で予定していた実証実験で、実験に参加することを同意した保護者の個人情報が、6日から11日の6日間、他の参加同意者に閲覧できる状態になっていたと発表した。市は個人情報の不適切な取り扱いがあったとして、今回の実証実験は中止するとしている。

市科学技術戦略課によると、漏えいしたのは、保護者の氏名、メールアドレスと、子供の発達状態に関するアンケートを集計した概要。アンケートの概要は、保護者個々人の氏名などと紐づけされたものではないという。

先端技術を活用し子育て支援サービスを開発、提供するエフバイタル(東京都中央区、安島真澄社長)が作成したインターネット上の回答フォームで、実証実験に同意した保護者が、他の保護者の氏名などを閲覧できる状態になっていた。

同社は昨年10月、同市と「先進技術を活用した子育て支援及びSDGsの推進に係る包括連携協力協定」を締結した。協定に基づいて、市立保育所2カ所で、3~5歳の園児の保育所での様子を動画で撮影し、人工知能を活用して行動の特徴や傾向を解析し、得られた結果を保育所で活用する可能性について検証する計画で、6日から回答フォームで保護者に参加を募っていた。

11日午後6時ごろ、保護者の一人から、他の保護者の回答内容が閲覧できる状態になっていると市に連絡があり発覚した。

市は同社に対し、保護者の回答情報を閲覧できないよう速やかに設定を変更するよう指示したとし、さらに27人を含む2カ所の保育所の3~5歳児の保護者全員に、市と同社がそれぞれ謝罪し対応状況を知らせたとしている。

原因について市は、エフバイタルがオンライン回答フォームを作成した際、設定を誤ったためだとし、同社に対し、検証と再発防止策を求めているとしている。今後の同社の実証実験について市は、現時点で未定だとしている。

広さ最大、コインランドリー併設 ガソリンスタンド「つくばみどりの店」開所

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テープカットをする(左から)小島守 関彰商事エネルギートランスフォーメーション事業部長、小金丸大輔エネオス関東第1支店副支店長、関正彬関彰商事取締役、竹村徳憲タツノ関東支店支店長、萩原孝弘セキショウカーライフ社長

ライフスタイルの中のSSへ、新しい形態目指す

セキショウグループのセキショウカーライフ(つくば市、萩原孝弘社長)は25日、つくばエクスプレス(TX)沿線のつくば市みどりの地区にガソリンスタンド「つくばみどりの店」(菊地東人店長)をオープンした。コインランドリーを併設し、最新型のドライブスルー洗車機と、9台分の屋根付き拭き上げ場を備える。敷地面積は約4084平方メートルで、県内のほか栃木、群馬、福島に計54店を構える同社のガソリンスタンドの中で最大。同社が新店舗を開所するのは5年ぶりという。

菊地店長は「若い世代が多い地域なので、例えば季節によって餅つきや豆まきなどのイベントを開いて、地域住民の新たなコミュニティーをつくる場となれば」と話し、「今までのサービスステーション(SS)とは違った目線で、カーライフの中にあるSSから、ライフスタイルの中のSSというような新しい形態をつくっていくことができれば」と話す。

25日オープンしたサービスステーションつくばみどりの店。左奥がコインランドリー、中央が給油レーン、右が屋根付き拭き上げ場

市内のTX沿線を結ぶ新都市中央通り線と国道354号の交差点に位置する。24時間営業、セルフサービスのガソリンスタンドで、8台分の乗用車給油レーンと、ドライブスルー洗車機2台、タイヤなどの下回りを予備洗いする高圧洗浄機、洗車後に水滴などを拭く屋根付きの拭き上げ場が9台分ある。オイル交換など車の整備をするカーメンテナンス場は設置しておらず、整備や修理は近くのみらい平店と連携して実施する。

併設のコインランドリーもセルフ式、24時間営業で、通常の洗濯や乾燥のほか、羽毛布団やスニーカーなどを洗濯、乾燥する機械を備える。

併設されているコインランドリー店内

オープンに先立って25日、同所で竣工式と開所式が催された。関彰商事の関正彬取締役は「新店舗を運営できるのはうれしい限り。今回はセルフ式の新店舗となる。お客様の利便向上を目指し、地域のお客様に選ばれる店舗運営を目指したい」とあいさつした。

エネオス関東第1支店の小金丸大輔副支店長は「国内は経済的に活況を呈しているが、資源高やインフレが続き、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出ゼロ)は以前にも増して議論が活発になっている。先行きが読めない中、関彰商事は将来に目を向けて手を打ってこられた。つくばみどりの店もそういう店。道路の開通や住宅増加を見越してこの場所につくってくださった。単にセルフSSではなく、新しいサービスとして地域密着で近接性の高いランドリーを設置いただいた。エリアナンバー1のSSとなるようけん引していただければ」と話した。

◆つくばみどりの店はつくば市谷田部871(陣場F-22街区7)。4月5日(金)~7日(日)の3日間、オープンイベントを開催する。問い合わせは電話029-886-6722(同店)

常総学院、日航石川を破り1回戦突破 選抜高校野球

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母校の勝利に沸く生徒たち=土浦市中村西根の常総学院高校

第96回選抜高校野球(西宮市、甲子園球場)は大会6日目の25日、第1試合で茨城県代表の常総学院(土浦市)が日本航空石川(石川)と対戦。エース小林心汰の好投と4番・武田勇哉の決勝打により、1-0で常総が競り勝った。2回戦は第3試合(27日午後2時からの予定)、報徳学園(兵庫)と対戦する。

第96回選抜高校野球 1回戦(25日、甲子園球場)
常総学院   000001000 1
日本航空石川 000000000 0

試合前に両チームの監督が予想した通り、ロースコアの締まった試合になった。ともに放った安打は5本ずつで無失策。常総学院はエース小林が9奪三振で完封、日航石川は2年生左腕の猶明光絆が5回まで2四球4奪三振の好投で常総学院打線を苦しめた。

4回表の常総学院は、武田の四球と5番・森田大翔の中前打などで2死一・二塁とするが、ダブルスチール失敗で好機を逃した。4回裏には日航石川に1安打1四球と暴投で2死一・三塁とされるが、小林がカットボールで次打者を三振に取った。

スコアが動いたのは6回表。先頭の2番・池田翔吾が四球で出塁後、ボークで進塁。3番・若林佑真の送りバントで1死三塁とする。ここで打席に立った武田は右翼への犠牲フライ。4番の仕事で常総学院が貴重な決勝点を手にした。

常総学院は8回表に2死満塁、9回表に1死一・二塁の好機をつくるが、日航石川の継投の前に追加点は挙げられず。9回裏の日航石川は、四球と盗塁、単打で1死一・三塁と逆転のチャンスをつくるが、次打者が遊ゴロからのダブルプレーで試合終了。能登半島地震の被害に苦しむ地元の輪島市に、勝利を届けることはできなかった。

「さすが」「やる時はやる」

土浦市中村西根の常総学院高校では、生徒ら約70人が視聴覚室に集まり、大型スクリーンの前で観戦応援をした。バスケットボール部の海老澤慶人さん(3年)は、野球部員とも親しく、日頃から試合の結果などを話して互いに励まし合っている。武田選手の決勝打には「さすがだなと思った」と感想。次戦では、仲の良い杉山陽大選手の活躍に期待しているという。

「みんな最後まで集中を切らさず、全力を出しきってくれた」と話すのは相澤宥愛さん(3年)。特に小林投手の投球と、6回裏の池田選手のダイビングキャッチが最高だったという。「2人とも教室ではおちゃらけてるが、真面目なところもあり、やる時はやるなという感じ」とのコメント。自身は剣道部で、大会があるため甲子園に応援には行けないが「次戦も頑張ってほしい」と期待を託した。(池田充雄)

つくばオフィスをオープン バックオフィスのタスキー

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タスキ―つくばオフィス(タスキ―提供)

経理や労務などの業務を後方から支援するバックオフィス総合支援事業のタスキー(本社 東京都中央区、青谷貴典社長)は22日、つくば市二の宮に「つくばオフィス」をオープンした。同グループの拠点としては5カ所目となる。つくば市内のホテルで21日、関係者約200人を集め記念式典が催された。

つくばは人口増加が続き、集積する研究機関を中心にスタートアップ企業が生まれ続けていることから、ローカルビジネスやスタートアップビジネスを支援しようと開設した。

つくばオフィスは、スタートアップ企業の創業支援や、中小企業の会計、税務、人事、労務などを支援する。公認会計士の菊池友博さんが所長を務め、公認会計士、税理士など4人が配属される。

会計ソフトなどを開発するマネーフォワード社のクラウド型会計ソフトを積極的に活用し、業務を代行する企業の日々の取引データの入力などを効率化して会計業務にかかる時間を大幅に短縮。さらに給与計算、売上管理、労務管理、経費精算などをネットワーク化することなどが特徴だ。

地域開発を行うグループ会社のBTも同オフィスに拠点を置く予定で、外食産業の坂東太郎(青谷英将社長)と、筑波山麓でフォトウェディング事業や複合施設運営事業などの地域開発を行う。

タスキーは2018年に設立された。バックオフィスのDX化が強みで、バックオフィス総合支援事業、HR(人材)ソリューション事業、経営コンサルティング事業を3つの柱としている。マネーフォワード主催のフォワード・アワード2021では「バックオフィス改革 チャレンジ賞」を受賞した。

タスキーグループは、グループを統括するタスキ―を中心に、士業業務を担うタスキー税理士法人、タスキー社会保険労務士法人、バックオフィスアウトソーシング事業を運営するB-tas、地域開発事業を担うBTの5社から構成されている。グループ全体で、公認会計士、税理士、中小企業診断士、社会保険労務士、行政書士など計32人のスタッフがいる。

あいさつをするタスキーグループの青谷貴典社長

21日の記念式典であいさつした青谷貴典社長(44)は「坂東太郎、青谷洋治会長の次男として生まれ、両親が事業を大きくしていくのを見てきた。社員や地域のために、坂東太郎の後を継ぎたかったが、公認会計士の道を目指した。主に仙台で仕事を学び、自分のふるさと茨城の地で事業を始めることになった。人手不足など経営者の悩みに沿った運営をしていきたい」と語った。

つくばオフィスの所長を務める菊池友博さん(34)は「人と人をつなぎ未来へたすきをつなぐということで、会計、労務、人事、情報サービス、ウェブサービスなど専門的な業務を総合的にやっていく。スタートアップ企業の多いつくばという地で役立ちたい」と意気込みを語った。

式典ではつくば市の五十嵐立青市長、筑西市の須藤茂市長、阿見町の千葉繁町長、境町の橋本正裕町長のほか、桜井姚つくば市商工会長、岡田広元参議院議員らが祝辞を述べた。続いてマネーフォワードSMB事業推進本部の服部穂住さんが「企業を成長させる組織づくりとは」というテーマで記念講演し、中小企業のDX化やバックオフィスの重要性などを語った。(榎田智司)

植物のありのままを芸術的に描いた絵《邑から日本を見る》156

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写真は筆者

【コラム・先﨑千尋】今、水戸市千波町の県近代美術館で、企画展「英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」が開かれている。私は絵心がないので、ボタニカル・アートとはどんなものかを知らなかった。本によれば、ボタニカルとは日本語では“植物学の”、アートは“芸術”だから、ボタニカル・アートとは「植物学的な絵=植物画」という意味になる。

「植物のありのままの姿を、誇張を交えずに、正確に、細密に表現し、かつ鑑賞に堪える芸術性を合わせた絵画」だそうだ。そう言われても、実際に見てみないと分からない。

この企画展は、キュー王立植物園が所蔵する作品や個人コレクションを主体に構成され、食用植物を題材にした18~19世紀のボタニカル・アートとともに、英国の食文化を伝えるティー・セットや家具、18世紀ごろの古いレシピやヴィクトリア王朝期の主婦のバイブル「ピートン夫人の家政読本」など、約190点が展示されている。

これらによって、この時代に貿易大国として世界に君臨した英国の食の歴史や文化、生活様式が分かるというものだ。同植物園は、18世紀に王室の宮殿に併設した庭として始まり、現在は世界有数の植物や菌類の研究機関でもある。

五感が刺激される不思議な絵

会場に入ると、リンゴや洋ナシ、ザクロなどの果物やカブ、キャベツなどの野菜、紅茶やコーヒー、チョコレートの原料となるカカオ、ハーブやスパイスなど、私たちが日ごろ口にする食べ物や飲み物になる植物が目に飛び込んでくる。写真と見間違うほど、正確、精密に描かれた絵だ。

普通の絵だと、日本画でも西洋画でも、描く人の個性によってどこを強調するかがはっきりしており、見る人にもそのことが分かる。しかしボタニカル・アートはそうではなく、あくまでも対象となる野菜や果物を、主観を交えず正確に描写することに力点が置かれる。1枚の絵の中に葉の裏表や果実の内部などが綿密な手わざで描かれ、実物を見ているような気分になる。果物や野菜、花などが生きているのだ。手に取ってみたくなる。

写真とは違い、生命の力強さを感じる。描き手には、例えば、花びらの数、おしべ・めしべの形や数、茎に葉がどのようについているか、とげや毛があるかなどを注意深く観察することが求められる。ボタニカル・アートは「科学と芸術の融合」だそうだが、展示されている作品を見ていると、私の五感が刺激されてくる。

NHKの朝ドラ、植物学者・牧野富太郎をモデルにした番組を思い出した。牧野は収集した植物を、時間を置かずに描き、残した。全体図だけでなく部分図も多く描き、まるで解剖図のようだった。牧野は画家ではなかったが、誰にでもできる技ではない。同館では、昨夏の「土とともに 美術にみる<農>の世界」に続く好企画だ。(元瓜連町長)

◆ボタニカル・アート展は4月14日まで(月曜休館)。電話029-243-5111(同館)。

路上から対抗 筑波大生「本を読むデモ」でパレスチナと連帯

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「静かに本を読むデモ」を企画した安田茉由さん(左)と上田由至さん=23日、筑波大学中央図書館前

イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への軍事侵攻が続く中、「理不尽な暴力に、学ぶことで対抗する」という思いを抱く学生らが23日、犠牲者への連帯を示す「静かに本を読むデモ」をつくば市天王台の筑波大学構内で行った。

「もしよかったら、本読んでいってください」

雨上がりの午後5時、冷え込む屋外で筑波大大学院1年の安田茉由さん(23)が、通りかかる学生に声を掛ける。地面に敷いたシートの上には19冊のパレスチナ関連書籍と印刷した資料が並んでいる。誰でも自由に手に取り、時間をかけて読むことができる。「大学内に、パレスチナの今を学べる空間をつくれたら」と考え用意した書籍は主に安田さんと、企画に協力する同大大学院3年の上田由至さん(31)によるものだ。上田さんによる短い感想が添えられたものもある。風に飛ばないよう印刷物に置かれた小石には、「停戦」「誰も殺すな」など安田さん直筆のメッセージがカラフルなイラストとともに描かれている。

「スタートは午前11時。これまでに5人くらいが長い時間読んでくれ、その他に話をしてくれた親子や、立ち止まって見てくれる学生などがいた」と、厚手のコートに身を包む2人は笑顔で話す。

並んだ本から一冊を手にした学生は「SNSで知って、連帯したいと思い来てみた。学生として自分も知識を得なければと思う」と語った=同

きっかけはデモ参加

きっかけとなったのが、3月14日につくば駅前で行われたガザ地区攻撃への抗議デモだった。参加した安田さんはパレスチナ問題に関心を持ち、署名活動に協力するなど行動してきた。ただ、大きい音が苦手な安田さんはデモでの音に馴染めなず、「自分ができる他のことがあるんじゃないか。大学という場がせっかくあるのだから、学ぶことで暴力に対抗できないか」と考えた。そこで思い至ったのが「静かに本を読むデモ」だった。「知らないことで、日本人の私たちも民族浄化や虐殺への加担につながってしまった」という反省があった。

活動の場を屋外にした理由は「室内で読書会をやるより、ランダムに人と出会うことができる外が良かった。屋外なら、ちょっとだけ見て去っていく、じっくり見る、遠くから眺めるなど様々な関わり方ができる。静かにできるのも大事にしたい。スピーカーを使ってデモをするのも素敵で応援したいと思いつつ、私のように大きな音が苦手だったり気後れしちゃう人でも関われる場をつくりたかった」という。そして同じ学科で学ぶ上田さんに声を掛けた。

安田さんは都内の大学に通っていた学部時代に、駅前の広場や路上に敷いた大きなロール紙にペンで誰でも落書きできるイベントを開いた。路上を行き交う人同士が絵を描くことでつながり、そこで生まれる交流に心を動かされたという。海外から来た人、路上生活する人、多様な職業の人、子ども、大人、高齢者がそこで交わった。上田さんは、大正期の路上での芸術、政治活動などを始め「路上」で繰り広げられた表現活動を研究対象としている。2月には、国内外の事例や思想を論じる雑誌「路上の抵抗誌」を創刊した。

暴力に抗う

「暴力」に対して2人はこう話す。自身の研究対象であるフェミニズムとの関わりから安田さんは「私はフェミニズムを研究する中で性暴力についても学んでいる。暴力に対して誰が一緒に怒り、周囲がどうそれに応答したのかが性暴力被害に遭う人にとって、その後の回復や残る傷の深さを左右する。パレスチナで人々が負う傷やトラウマは今だけでなく一生続くかもしれない。それに対して命を落とす一人一人を悼むととともに、私がその傷を広げてしまわないよう何とかできればというのも個人的な動機になっている」

上田さんは「ガザでは日々死傷者数が増えている中で欧米諸国がイスラエル支援に立っている。マイノリティーの側に立つことが、自分が学んできた人文学だと考える。学ぶこと、実際に声を上げることが大切」と話す。

安田さんはさらに「一番は続けていくこと」だと言う。今後については「足を止めてくれる人が同じ空間で本を読んで、同じ思いを共有できるのは良い経験。今すぐ何かが変わるわけではないかもしれないが、家に帰ってから思い返すなど、少しでも変化を与えられたらと思っている」と話す。「私はパレスチナのことを知らなかった。だからこそ声を上げてこなかった。そのために暴力に加担し、また、させられてきたのが悲しかった。大学院生として学ぶことで(暴力に)加担しないよう抗っていきたい」と述べる。今後の活動は、SNSを通じて発信していくという。(柴田大輔)

確定申告が終わって思うこと《文京町便り》26

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】自民党安倍派で蔓延(まんえん)していた、派閥パーティ券の売り上げの一部を派閥から戻す際、政治活動であれば政治団体の収入に記載しなくていいとの慣行・指示・経緯は不透明なまま、結局はうやむやに終わりそうな気配である。今年の確定申告でも、多くの国民は不承不承ながらも、国民の義務を果たすべく、申告会場に出向いたり、電子納税・申告システムe-Taxに付き合ったはずである。

そもそも、確定申告をしている納税者はどの程度いるのだろうか。そして、その納税額はどの程度なのか。

国の租税・印紙収入を2022年度決算で確認すると、一般会計分計は71.1兆円、うち所得税は22.5兆円(源泉分18.7兆円、申告分3.8兆円)である。今や消費税23.1兆円の後塵(こうじん)を拝しているが、法人税14.9兆円を上回っている。

申告納税分3.8兆円は、個人の確定申告の結果、その申告分だけが計上・納税されているわけでもない。国税庁『民間給与実態統計調査(1949年分から調査開始)』と『申告所得税標本調査(税務統計から見た申告所得税の実態、1951年分から調査開始)』から読み解いてみよう。ただし、両調査とも全数調査ではなく、復元推計手法による標本調査である。たとえば、大規模・多額の場合は全数だが、小規模・少額の場合は(1/400などの)サンプリングなので、所得税の納税状況の全体像をイメージするしかない。

給与所得者の申告納税額は少ない

『民間給与実態統計調査』によれば、2022年12月31日現在の源泉徴収義務者(要するに民間事業者)は287万件、給与所得者数は5967万人、支払われた給与総額は231.3兆円、源泉徴収所得税額は12.0兆円で、給与総額に占める税額の割合は5.21%である。このうち、1年を通じて勤務した給与所得者は4360万人、その税額は11.7兆円である。

他方、『申告所得税標本調査』は、事業所得者83万、不動産所得者39万、給与所得者117万、雑所得者29万、他の区分に該当しない所得者16万で、合計285万の標本数である。

これらの所得区分は、納税者に複数の所得源泉がある場合は、各種の所得区分の中で大きいものに分類される。申告納税者数は653万人、所得金額は46.4兆円、申告納税額は6.6兆円である。所得者区分別で給与所得者の人数・税額および構成割合は、申告納税者268万人・41.0%、申告所得金額20兆円・43.2%、申告税額3兆円・46.5%である。

この『申告所得税標本調査』によれば、税額は6.6兆円(源泉徴収税額3.0兆円、申告納税額3.7兆円)である。所得者区分別の税額内訳をみると、給与所得者は給与所得に対する源泉徴収税額74.4%、申告納税額23.1%と、申告納税額の割合が低い。要するに、大半の給与所得者は、源泉徴収制度に甘んじているのである。

愚民政策から脱却すべき

1940年4月に戦費の効率的な徴収システムとして拡大・開始された源泉徴収制度は、徴収サイドは無条件の給与所得控除制度の適用範囲を限定しながらも堅持する一方で、特定支出控除(実額控除)を部分的にしか進めない結果、納税者(給与所得者、および徴税業務を代理執行している納税義務者=事業者)も確定申告まで持ち込む準備ができていない、というのが大半の給与所得者の納税状況ではないか。

少なくともシャウプ勧告(1949年)の趣旨は申告納税制度の普及にあったはずなので、『論語・泰伯』の「由らしむべし、知らしむべからず」以来の愚民政策は、脱却すべきではないか。(専修大学名誉教授)