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カウンセラー鈴木桂子さんをしのぶ 子育てに悩む保護者に寄り添う

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子どもたちの自殺予防を訴える鈴木桂子さんの記事が掲載された2016年8月25日付常陽新聞

「世のお母さんたちの助けになりたい」と子育てのアドバイスに力を注いだ、つくば市森の里のカウンセラー、鈴木桂子(すずき・けいこ)さんが8月21日、心筋梗塞で死去した。71歳だった。

日本カウンセリング学会会員で、03年~06年、つくば市教育委員を務めた。

夫の富夫さん(故人)は1997年自主廃業した山一証券の社員だった。関西や九州で支店長として活躍した夫の転勤について行き、考え方や風習の異なる土地で3人の娘を育てた。

この時の経験から子育てカウンセラーを目指すようになった。マイホームの森の里に落ち着くと、「茨城カウンセリングセンター」(水戸市)を設立し「茨城いのちの電話」の初代理事長を務めた故大須賀発蔵氏の下でカウンセリングを学んだ。

それから20年。県家庭教育推進員として幼稚園や小中学校での講演や自治体の「電話相談」の相談員、県少年指導委員を務めた。個別のカウンセリングはもとより、鈴木さんの講演を聞いた保護者たちが自主的に発足させたグループカウンセリングが県南各地に誕生。それに応えて奔走するなど、子育てに悩む保護者に寄り添うことに情熱を傾けた。

昨年8月25日付の常陽新聞で鈴木さんは、夏休みが終わる9月1日前後に自殺する子が多い状況を知ってもらおうと、「この時期に自殺が起きやすいことを児童生徒に関わる人たちの共通認識とし、前途ある子どもたちを見守ってほしい」と訴えた。

地域では、自治会副会長兼文化部長として活躍した。当時、会長を務めた倉本茂樹さんは「東日本大震災の翌年、鈴木さんが『津波の被災地の復興を応援しよう』と企画し、バスで北茨城を訪ねた。復興の一助にと皆で北茨城の海産物を買い込んだ。優しくて思いやりのある人だった」と振り返る。

8月27日、牛久斎場で告別式が執り行われ、約100人が参列した。長年の少年指導委員の活躍に対して県警本部長から感謝状が贈られ、喪主で娘の宮本正子さんに手渡された。(橋立多美)

◆鈴木桂子さんは、当NEWSつくば設立を応援し、監事を快く引き受けてくれました。還らぬ人となった鈴木さんのご冥福をお祈りします。 (NEWSつくば一同)

 

広域要望は県議に期待 茎崎区会連合会

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熱心に県議の活動報告に耳を傾ける住民たち(つくば市小茎)

茎崎地区区会連合会(小原正彦会長)主催による4回目の「県議会議員の活動報告を聞く会」が9月2日、茎崎交流センターで開催された。区会役員40人がつくば市選出の県議会議員4人の報告に聴き入った。

最初にマイクを握ったのは自由民主党の鈴木将議員。北朝鮮が8月29日に弾道ミサイルを発射した際に作動した、全国瞬時警報システム「Jアラート」と、国と地方自治体間で緊急情報の通信を行う「Мネット」について説明した後、茎崎地区には52基の行政防災無線が完備されており、デジタル化が検討されていると話した。

今年度から、自由民主党茨城県支部連合会の青年局長に就任した星田弘司議員は、つくばの最先端技術を生かして新たな産業創出を目指す「つくば国際戦略総合特区」が2020年度まで延長されたことを報告。産業化を促進していくと述べた。また、茎崎地区内の歩道整備や通学路の安全対策の進捗状況についてふれ、安全な地域づくりに向けた取り組みについて語った。

公明党の田村佳子議員は、県地球温暖化対策実行計画に基づく県民運動「いばらきエコスタイル」を報告した。ここ100年でつくば市の年平均気温は約2・1度上昇しているとした上で、ごみ減量化とリサイクル、食品の使い切りなど環境に配慮したライフスタイルを呼びかけ、「地球の未来のための行動は足もとから」と話した。

最後に活動報告をした日本共産党の山中泰子議員は、2012年から16年までの5年間「県政への要望」の上位を子育て支援と高齢者福祉、医療体制の充実が占めている。県予算は1兆円を超え、財源に余裕があることを示す財政力指数は全国8位だが、開発用地の破綻処理に税金が使われ、県民の要望に応えていないと指摘。県民の暮らし第一の県政への転換に向けて尽力していくと結んだ。

各議員の活動について質疑応答が行われ、県政を身近に感じる時間となった。

閉会直前に発言した森の里の男性は「茎崎地区の生活圏は牛久で、牛久方面に便利に行きたいが、つくバスは市内運行に限られている。ところが牛久市のコミュニティバスは(茎崎地区の)宝陽台まで運行されている。牛久市と協定が組めないものか。高齢化が顕著で公共交通が頼りの茎崎地区住民にとって大変な問題。また、牛久市とつくば市の図書館の相互利用が出来ないか。牛久市と龍ケ崎市は両市の協定に基づき、図書館の相互利用が可能となっている。これらについては、地区別懇談会や市長と語らうタウンミーティングでも要望してきたが、一向に改善されない。市を飛び越えての要望は申し訳ないが、県議の皆さんに茎崎地区住民の悲願を側面から聞き届けていただき、ご支援頂きたい」と訴えた。
牛久への公共交通の延伸を求めている問題は前市長時代から要望されてきた。自治体の負担軽減のために、公共施設の相互利用など広域連携が活発化する今、公共交通の乗り入れは叶わないのか。つくば市の本気度が問われている。 (橋立多美)