木曜日, 10月 6, 2022
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多世代に注目してほしい街の原点【つくば建築散歩】7

つくばセンタービル この連載でも避けては通れないであろう、つくばセンタービル。 つくば市によるリニューアル問題の是非にはさほど興味を示さなかったが、そもそもこの街の多世代に親しまれているのかどうか、磯崎新アトリエのこの作品がなぜ「センター」「シンボル」なのか、若い世代の人々がどのように感じているのかに関心を寄せる。 画期的な事件 建築から都市へ、市民が眼差し開く つくばセンタービル(同)

市長、磯崎さんに面会熱望「改修着手前に意向の確認を」 つくばセンタービル

つくば市によるつくばセンタービルのリニューアル計画について、五十嵐立青市長が「私どもは(設計者の)磯崎先生と直接お話している」「磯崎先生の意向は今後も大切にしながら計画を進めていきたい」と9月議会で答弁する一方、市担当課が答弁と同じ日に磯崎新事務所関係者に「市としてもつくば市のシンボルともいえるつくばセンタービルの改修工事に直接着手する前には、是非(磯崎)先生にお会いし、ご意向の確認をと、市長は熱望しております」とメールを送っていたことが情報開示請求で分かった。 市長が磯崎さんに面会を申し入れたメールは、今年8月と9月に計4回、担当課が送っている。磯崎事務所関係者からは現在までに「コロナの状況がますますひどくなっています」「ご報告に関しましては引き続きメール等で」などとする返信がきている。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんのポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。つくば市のリニューアル計画をめぐっては、建築意匠に詳しい筑波大学の鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、エスカレーター設置の見直しなど市のリニューアル計画の見直しを求め、建物や広場の輪郭は保持すべきだなどとする要望書を出している。 情報開示資料によると、市のリニューアル案に対し磯崎さんの意向が示されたのは、2020年12月の事務所からの「改修案への磯崎の意見は特にございません。最初に屋根を架ける案を聞いたときはぎょっとしましたが、見送りになって安心いたしました」とするメールのやりとりだけだった。 その際、市担当者が事務所関係者に示したメールの内容は「基本的に外観については既存のままとし、建物内部をリニューアルする予定ですが、1階と2階の動線を改善するために、センター広場にエスカレーターを2基設置するとともに、一部階段を拡幅したいと考えています。以前懸念をいただいていおりました屋根については、今回、見送ることといたしました」などリニューアルの方向性の資料で、リニューアルによって建物や広場の輪郭のどの部分を改変するかは、当時、磯崎さんに具体的に説明してなかった。 つくば市職員が磯崎さんと直接面会したのは2019年3月の1回のみだった。(鈴木宏子)

改修へ設計を発注 つくばセンタービル 専門家懸念「文化財の資格手放す」

つくば市が計画しているつくばセンタービル(つくば駅前)のリニューアル事業について、同市は、改修に向けた実施設計の入札を9月7日に実施する。 センタービルは、プリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新さんが設計し、ポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。市の改修計画に対しては、市民団体から見直しを求める要望書が出され、専門家からも「大がかりな改修をしてしまうと登録文化財の資格すら手放すことになる」など懸念の声が出ている。 リニューアルに向けた実施設計の一般競争入札は、5日に市ホームページで告示された。開札は9月7日に実施する。予定価格は4742万円(消費税抜き)、設計書などの作成期間は来年3月まで。 エスカレーター2基を設置するなどのリニューアル計画のうち、センター広場北側(ホテル側)のエスカレーター1基とV字型階段の改修は、市議会の意見を受けて取り止める。(4月27日付 6月3日付 6月22日付) 一方、西側(クレオ側)のエスカレーターは当初の計画通り新設する。 リニューアル計画の主な内容は、ほかに▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動総合センターや交流センター、市民窓口をつくる▽ノバホール西側の外階段の半分をスロープにして土浦学園線から車両が出入りできるようにする▽現在の吾妻交流センターの内装を解体するーなど。

エスカレーターは必要か 27日に緊急討論会 つくばセンタービル改修で市民団体

つくば市が進める、つくばセンタービル(同市吾妻)のリニューアル計画に対し、文化財としての価値を知った上で改修の是非を改めて考えてほしいと、市民団体「つくばセンター研究会」(共同代表・冠木新市さんなど)が27日、同センタービル内で「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題した講演とシンポジウムを開く。 筑波大学の鵜沢隆名誉教授が、プリツカー賞を受賞した磯崎新さん設計のつくばセンタービルの価値について、なぜポストモダンの代表作だと世界的に評価されているのかなどを建築の観点から講演する。さらに活性化についても提案する。 続いて筑波大芸術系の加藤研助教、神奈川大学建築学科の六角美瑠教授らが加わってシンポジウムを開き、参加者と意見交換しながら、エスカレーター設置など市のリニューアル計画について討論する。 研究会は今月1日「市が進めようとしているつくばセンタービルのリニューアル計画は、文化財としての価値を失わせることになる」などとして、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長宛てにそれぞれ、センター広場へのエスカレーター2基の設置計画を見直すよう求める要望書を出した(6月1日付)。 27日の緊急討論会は要望書提出に続く取り組みとなる。 共同代表の冠木さん(69)は「つくば市は中心市街地を活性化するためにつくばセンタービルをリニューアルすると言っているが、活性化してないのは、センタービルの建物や設備のせいではなく、ソフトの問題だ。市のリニューアル計画に反対の人も、賛成の人も、センタービルの文化財としての価値を知ってほしい。それでもエスカレーターを付けるのか、市やまちづくり会社の関係者にも討論に参加していただきたい」と話す。

【アングルつくば市長選】2 なぜ貸しオフィス、議会で論戦 センタービル改修

【鈴木宏子】「エリアマネジメント団体のビジネスプランはどうなっているのか。どういう経営収支で成り立つか分からないと、議会としても判断ができない」。6月に市がホームぺージ(HP)で示した「つくばセンタービルリニューアルの方向性案」をめぐり、9月議会一般質問で、山中真弓市議が経営収支計画を示すよう迫った。 エリアマネジメント団体とは、来年3月に市が主導して設立する予定のまちづくり団体だ。つくばセンタービル1階を改修して新たにつくる「多様な働き方を支援する場」を運営するほか、中心市街地のまちづくりを担うとされる。市は同団体に6000万円を出資する。加えて市所有のアイアイモールと地下駐車場の床の区分所有権の一部を渡し、現物出資することも検討している。 センタービルの改修案は、センタービル1階アイアイモールの一部に多様な働き方を支援する場をつくり、ノバホール西隣のつくばイノベーションプラザなどに吾妻交流センター、市民活動センター、国際交流、消費生活などの機能を集めた市民活動拠点をつくるとされる(6月26日付)。 併せてセンター広場に屋根を掛け、エスカレーターを設置することも検討されている。概算工事費は約13億6000万円。1983年に建設されて以来初の大規模改修工事になる。(6月28日付)。 一般質問では、改修計画自体が市民に周知されていないこと、さらに屋根を掛けることに対し「(つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家の代表作の一つであるなどから)磯崎新氏の思いを壊してしまうことにならないか」(山中氏)との疑問も出された。 一般質問を受け、市がようやく明らかにしたのは、▽エリアマネジメント団体の初期の必要事業費として4~6億円を想定している▽出資額割合や具体的収支は秋ごろには整理する▽次年度以降、市は運営費を負担する予定はない▽同団体の主な事業として、オープンカフェ、不足しているイベントの開催、シェアオフィスやコワーキングスペースの運営、情報発信をする▽市民活動拠点を含め、配置図案を11月ごろ市ホームぺージで公表し、12月ぐらいにオープンハウス等で市民の意見を聞くーなど。肝心の経営収支計画は明らかにされなかった。

【つくばセンタービル改修】㊦ 世界的アート建築に屋根?

【鈴木宏子】つくばセンタービルのリニューアル計画では、センター広場に屋根をかける計画も検討されている。今回公表されたリニューアルの方向性案には「(センター広場は)多くのイベントが実施されているが、雨天であると実施が難しいなど運営面のリスクが高いことから、雨天時でも実施できるよう屋根の設置を検討する」とある。 今回公表された整備費用約9億8960万円(または約13億6280万円)は屋根を含めた概算費用になるという。「屋根については公共施設基本計画を進める中で検討」(市長・副市長報告案件指示要項)するとされている。 どんな屋根が検討されているのか。2019年3月策定の「つくばセンタービルあり方検討業務報告書」によると、軽量で透明性の高いアーチ状のドーム型屋根が検討されている。骨組みは木材を材質とし、「広場の楕円形に沿って剛強リング梁を設け、リング梁同士の間にアーチ状の架構を渡す」などとかなり具体的な記載がある。費用は非開示。イベントの都度、組み立てて設置するテント式の立派な屋根も各地の式典やコンサートなどですでに使用されているが、可動式の屋根は検討すらされていない。 固定式のドーム型屋根は建物全体のデザインやアート建築としての思想を変えることにならないか。 プリツカー賞受賞 つくばセンタービルは筑波研究学園都市のランドマークとして1983年に造られた。昨年、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新氏の代表作の一つ(19年3月7日)。ポストモダン建築の代表作品ともいわれる。

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文章を磨き上げる速記者の腕 つくば 竹島由美子さん【ひと】

つくば市松代の竹島由美子さん(74)は51年にわたり、速記者という仕事に一筋に向き合ってきた。現在は都内の速記事務所から委託を受け、自宅に届く講演会やインタビューの録音をパソコンで文字に起こす仕事を続けている。現場に出向く仕事はほとんどなくなり、速記の符号に出番はないが、培った技術を生かし仕事に磨きをかけている。 速記は、簡単な線や点でできた符号などを使って、人が話す言葉をその場ですぐさま書きとり、それを解読して文章に書き直すまでの作業を指す。 竹島さんは「符号の出番がなくなってきたことは寂しいが、技術の進歩に助けられて仕事を続けてこられた」と話す。コロナ禍で仕事がキャンセルになったことがあったが、仕事が物心両面で支えになっているという。時代とともに新たな言葉が生まれたり、流行したりする。これからも毎日2紙の全国紙に目を通して話題や言葉にアンテナを張り、レベルアップを図っていきたいという。 アナログ録音機で独学 東京生まれ。中学生の頃から作文や感想文を書くのが好きで、子ども向けの雑誌に載っていた「速記文字を使えば人の話が書ける」という速記専門学校の宣伝文句にひかれたのが始まり。当時は速記学校の募集広告が多く見られ、「就職したら速記を勉強しよう」と決めたという。 高校卒業後、比較的休みの多い学校の事務職員なら速記を勉強するのに都合が良いと考え、明治大学の採用試験を受けて職員に採用された。

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孤立し苦境に立つプーチン大統領 《雑記録》40

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