木曜日, 4月 25, 2024
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まずは旬のナノハナから 花のリレーでつなぐ下広岡花迷路 つくば

花曇りの空模様が続くなか、中根農園直売所(つくば市下広岡、中根剛代表)の設けた「菜の花迷路」第1弾が見ごろを迎えている。菜種梅雨(なたねづゆ)が明ける中旬以降に第2弾、第3弾と順次開設の予定で、さらに一帯を折々の花のリレーでつなぐ「下広岡花迷路」の仕掛けで通年の集客を募る構えでいる。 直売所付近の農地に設置した迷路は広さ1300平方メートルのミニサイズで、入場料なしに散策できる。現在満開の見ごろとなっているのはセイヨウナノハナ。茎の高さが50~80センチほど。迷路は1メートルほどの幅でルートが切り開かれており、途中でシャボン玉を作って楽しめるようシャボン液が置かれている。 ナノハナ(菜の花)には、ナタネ(菜種は正式な作物名)、アブラナなどの呼び名がある。年末から初夏まで花期の長い花だが、菜花として食するには「これからが旬」と農園の中根剛さんの解説。今後、下広岡地内で2500平方メートルに設置した「菜の花迷路」の第2弾、7000平方メートルに及ぶ「菜の花大迷路」と相次いで開設する予定でいる。 農園では昨年7月に、耕作放棄地対策として「ひまわり迷路」を開設した(21年7月16日付)。中根さんによると、コロナ禍からアウトドアレジャーが人気となったこともあり、約1カ月で延べ2000人ほどが訪れたという。 そこで今年は一念発起。ナノハナの他に、4月末から6月に咲くポピーやヤグルマギクなどの遊歩道設置、6月中旬から11月上旬には昨年好評だった「ひまわり迷路」も開設する計画で、様々な花のリレー栽培に取り組んでいく。来場者を見込んで有料の駐車場(1台100円=税込み)も農園近くの数カ所に借地して設置した。 菜種梅雨の晴れ間にはウクライナカラー 3月から4月ごろ、気温が低く雲が多い日が何日も続いたり雨が降ったりする天気を「菜種梅雨」という。開花を促す春の雨「催花雨」という言葉が「菜花雨」に転じ、菜種梅雨という言葉ができたという説もある。 雨が上がって雲が晴れれば「青空と黄色の花でウクライナカラーになる」と中根さん。遠い地でウクライナの平和を祈る。(田中めぐみ) ◆現在開設中の「菜の花迷路」第1弾は入場無料。第2弾は大人100円、中学生50円。「菜の花大迷路」は大人200円、中学生100円を予定している。問い合わせは中根農園直売所☎090(6498)2913

「解のない時代、社会の求める人材に」 筑波学院大学で入学式

筑波学院大学(つくば市吾妻)で2日、2022年度の入学式が行われた。留学生3人を含む61人が入学し、新たな一歩を踏み出した。新入生代表でILA(国際リベラルアーツ)コースの才川峻大(さいかわしゅんだい)さんが入学誓約書を提出した。 望月義人学長は、ロシアのウクライナ侵攻や、国内の経済成長の停滞などについて触れ、「激動の時代、解決の難しい時代に私たちはどのように対処すればよいのか、その答えを見つけ出すのは容易なことではない」と述べた。また4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことについて「皆さんには権利と共に責任が求められる。選挙権も与えられ政治参加の機会も持っているが、この権利を生かすも殺すも皆さんの意識次第。その権利を生かすためには、何よりも判断力の元となる幅広い教養を身に付けること」だと呼び掛けた。 同大には昨年度から、英語ですべての授業を行うILA(国際リベラルアーツ)コースが設けられた。新入生は、様々な専門分野を学ぶ総合コースかILAコースのいずれかのコースで学び、2年次から人文科学、社会科学、経営学、情報デザインの4つの分野を専門科目として選択する。4つの分野は専攻の壁を越えて履修することができる。 望月学長はこのようなカリキュラムの特徴についても説明し「これらの授業を満遍なく履修することで、英語で仕事ができる公務員、経営に強いデザイナー、プログラムが書けITに強いビジネスマンなど社会の求める人材になれると確信している」と話した。さらに「何かの答えを見つける際にインターネットで検索すればすぐ答えが見つかる気がするかもしれない。しかし、解のない時代、本当に大事な場面で生きるのは、自分で考え抜き、試行錯誤をした経験だと思う。専門性を追求するのも大事だが、それ以上にベースとなる教養をまず身に付けてほしい。本を読んで、人と議論し、新聞などのメディアに接して、さまざまな世界があることを知る。入学を機会に、考え、試行するという過程を大切にしていただきたい」と式辞を述べた。 橋本綱夫理事長は、小さな達成と新しい刺激を積み重ねて、来たるべきチャンスに備えてほしいと話し、「いろんなことに興味を持って、疑問を持って、そこから学びを深めていってほしい。いろんな専門分野の先生がいらっしゃるので、皆さんの好奇心、探究心にどんどん応えていってくれると思う。ぜひ教職員の先生方を活用し、学びを深めていってほしい」とあいさつした。 これを受け、新入生代表の伊藤陸さんは「このコロナの逆風の中で、あきらめず進み続けられた私たちならば、それぞれの目標を達成できると信じている。私たちは運命でつながっており、大学生活においても互いに協力することができる。この恵まれた環境で学ぶことの楽しさや新しい仲間との出会いを大切にし、大学生活をより良いものにしていきたい。それぞれが掲げている目標に向かってかじを取るのはもちろんのこと、物事を多角的視点から見られるようになるためにこれから様々なことに挑戦したい。ゆくゆくは社会に貢献できる人間に成長したい」と宣誓した。 式典に臨んだ新入生の髙橋つかささんは「この日を迎えられてうれしい。大学ではサークル活動をしてみたい」と大学生活への希望を話した。 式典は、新型コロナ感染防止のため新入生と教職員のみで行われ、保護者の出席はなかった。新入生は入り口での検温と手指のアルコール消毒を行って入場、1席ずつ開けて着席した。(田中めぐみ)

「解のない時代、社会の求める人材に」 筑波学院大学で入学式

筑波学院大学(つくば市吾妻)で2日、2022年度の入学式が行われた。留学生3人を含む61人が入学し、新たな一歩を踏み出した。新入生代表でILA(国際リベラルアーツ)コースの才川峻大(さいかわしゅんだい)さんが入学誓約書を提出した。 望月義人学長は、ロシアのウクライナ侵攻や、国内の経済成長の停滞などについて触れ、「激動の時代、解決の難しい時代に私たちはどのように対処すればよいのか、その答えを見つけ出すのは容易なことではない」と述べた。また4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことについて「皆さんには権利と共に責任が求められる。選挙権も与えられ政治参加の機会も持っているが、この権利を生かすも殺すも皆さんの意識次第。その権利を生かすためには、何よりも判断力の元となる幅広い教養を身に付けること」だと呼び掛けた。 同大には昨年度から、英語ですべての授業を行うILA(国際リベラルアーツ)コースが設けられた。新入生は、様々な専門分野を学ぶ総合コースかILAコースのいずれかのコースで学び、2年次から人文科学、社会科学、経営学、情報デザインの4つの分野を専門科目として選択する。4つの分野は専攻の壁を越えて履修することができる。 望月学長はこのようなカリキュラムの特徴についても説明し「これらの授業を満遍なく履修することで、英語で仕事ができる公務員、経営に強いデザイナー、プログラムが書けITに強いビジネスマンなど社会の求める人材になれると確信している」と話した。さらに「何かの答えを見つける際にインターネットで検索すればすぐ答えが見つかる気がするかもしれない。しかし、解のない時代、本当に大事な場面で生きるのは、自分で考え抜き、試行錯誤をした経験だと思う。専門性を追求するのも大事だが、それ以上にベースとなる教養をまず身に付けてほしい。本を読んで、人と議論し、新聞などのメディアに接して、さまざまな世界があることを知る。入学を機会に、考え、試行するという過程を大切にしていただきたい」と式辞を述べた。 橋本綱夫理事長は、小さな達成と新しい刺激を積み重ねて、来たるべきチャンスに備えてほしいと話し、「いろんなことに興味を持って、疑問を持って、そこから学びを深めていってほしい。いろんな専門分野の先生がいらっしゃるので、皆さんの好奇心、探究心にどんどん応えていってくれると思う。ぜひ教職員の先生方を活用し、学びを深めていってほしい」とあいさつした。 これを受け、新入生代表の伊藤陸さんは「このコロナの逆風の中で、あきらめず進み続けられた私たちならば、それぞれの目標を達成できると信じている。私たちは運命でつながっており、大学生活においても互いに協力することができる。この恵まれた環境で学ぶことの楽しさや新しい仲間との出会いを大切にし、大学生活をより良いものにしていきたい。それぞれが掲げている目標に向かってかじを取るのはもちろんのこと、物事を多角的視点から見られるようになるためにこれから様々なことに挑戦したい。ゆくゆくは社会に貢献できる人間に成長したい」と宣誓した。 式典に臨んだ新入生の髙橋つかささんは「この日を迎えられてうれしい。大学ではサークル活動をしてみたい」と大学生活への希望を話した。 式典は、新型コロナ感染防止のため新入生と教職員のみで行われ、保護者の出席はなかった。新入生は入り口での検温と手指のアルコール消毒を行って入場、1席ずつ開けて着席した。(田中めぐみ)

困難を乗り越える指針「ロールモデル」 筑波学院大卒業式の学長告示

筑波学院大学(つくば市吾妻、橋本綱夫理事長)の2021年度卒業式が11日、行われ、経営情報学部ビジネスデザイン学科の学生108人が卒業した。望月義人学長は「(困難にぶつかった時に)ロールモデル、つまり生き方の模範となり生き方や考え方に共感し尊敬できる人物、そういった人の価値観や人生観を自分の生き方の指針にするという方法が解決策になる。自らを磨くために常に努力を続け、進化を遂げていく人の姿はいつも輝いている」と告示した。 卒業式は感染拡大防止のため、スーツや袴姿の列席者は1席ずつ離れて着席し、換気のため式典の最中は窓や扉が開けたまま、約40分間執り行われた。学位記の授与は卒業式の終了後、各教室で行われた。 望月学長は「この約2年間はオンライン授業であったり、対面授業であっても感染を気にしながら受講したり、サークル活動を制限されたり、と思い描いていたキャンパスライフを満喫できなかったと思う。大学生活としてはマスクとパソコンと我慢だらけの思い出などという人も多いかもしれない」とコロナ禍を振り返り、「厳しい状況の中、課題提出物の増加などを乗り越え、単位を取得して立派に卒業し学士の称号を得られたみなさんの努力を評価したいと思う」と苦難の大学生活を乗り切った卒業生たちを労った。 橋本綱夫理事長は「一人ひとりの努力が結実して卒業となった。これまでたくさんの人の恵みを受けて今がある。たくさんの人に恵みを送り、たくさん返ってくる、それが幸せということだと思う。大変なこともあるかもしれないが、人生は楽しくすばらしいもの。幸せに満ちた人生が待っていることを祈っています」と挨拶した。 卒業生代表として答辞を述べた大久保璃奈さんは「学院大で学び、小学生のころから夢だった父と同じ会社に内定をいただくことができた。大学で出会った友人の存在は何物にも代えがたく、学生生活を豊かにしてくれた。この先も多くの新しい出会いがあると思うが、全てを大切にしていける人間になれるよう精進して参ります」と述べ、恩師や友人、家族への感謝の気持ちを述べた。 卒業生の今野奈々瀬さんは式典後、「単位を取るのがとても大変だったので卒業できてうれしい。今後ももっと勉強し、やりたいことを探していきたい」と卒業の喜びを語った。(田中めぐみ)

困難を乗り越える指針「ロールモデル」 筑波学院大卒業式の学長告示

筑波学院大学(つくば市吾妻、橋本綱夫理事長)の2021年度卒業式が11日、行われ、経営情報学部ビジネスデザイン学科の学生108人が卒業した。望月義人学長は「(困難にぶつかった時に)ロールモデル、つまり生き方の模範となり生き方や考え方に共感し尊敬できる人物、そういった人の価値観や人生観を自分の生き方の指針にするという方法が解決策になる。自らを磨くために常に努力を続け、進化を遂げていく人の姿はいつも輝いている」と告示した。 卒業式は感染拡大防止のため、スーツや袴姿の列席者は1席ずつ離れて着席し、換気のため式典の最中は窓や扉が開けたまま、約40分間執り行われた。学位記の授与は卒業式の終了後、各教室で行われた。 望月学長は「この約2年間はオンライン授業であったり、対面授業であっても感染を気にしながら受講したり、サークル活動を制限されたり、と思い描いていたキャンパスライフを満喫できなかったと思う。大学生活としてはマスクとパソコンと我慢だらけの思い出などという人も多いかもしれない」とコロナ禍を振り返り、「厳しい状況の中、課題提出物の増加などを乗り越え、単位を取得して立派に卒業し学士の称号を得られたみなさんの努力を評価したいと思う」と苦難の大学生活を乗り切った卒業生たちを労った。 橋本綱夫理事長は「一人ひとりの努力が結実して卒業となった。これまでたくさんの人の恵みを受けて今がある。たくさんの人に恵みを送り、たくさん返ってくる、それが幸せということだと思う。大変なこともあるかもしれないが、人生は楽しくすばらしいもの。幸せに満ちた人生が待っていることを祈っています」と挨拶した。 卒業生代表として答辞を述べた大久保璃奈さんは「学院大で学び、小学生のころから夢だった父と同じ会社に内定をいただくことができた。大学で出会った友人の存在は何物にも代えがたく、学生生活を豊かにしてくれた。この先も多くの新しい出会いがあると思うが、全てを大切にしていける人間になれるよう精進して参ります」と述べ、恩師や友人、家族への感謝の気持ちを述べた。 卒業生の今野奈々瀬さんは式典後、「単位を取るのがとても大変だったので卒業できてうれしい。今後ももっと勉強し、やりたいことを探していきたい」と卒業の喜びを語った。(田中めぐみ)

それぞれの夢を胸に6人が巣立つ 日本つくば国際語学院で卒業式

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長)の卒業式が11日、行われた。今年度の卒業生は6人で、4人が式典に臨み、恩師や在校生に見守られながら学びやを巣立った。 卒業式は山水亭(つくば市小野崎)を会場に開かれ、卒業生は青いガウンに帽子とマスクを着けて入場、列席者に感謝の意を述べた。卒業生の出身国はメキシコ、タジキスタン、ウズベキスタン、スリランカ、中国、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国。卒業後は大学や専門学校などに進学し、興味のある専門分野を深めるという。 東郷理事長は「将来どのようなことがあるが分からないが、困ったことがあったら母校であるつくば国際語学院を思い出してほしい。教職員があたたかく迎えてくれるでしょう」と話し、卒業証書を一人ひとりに手渡した。授与された卒業生は、それぞれ日本語で学院の思い出を話したり、後輩たちにエールを送ったりした。 卒業生代表でメキシコ出身のアルメイダ・ミチェルさん(23)は、「私たちはかけがえのない経験をし、大きく成長することができました。学びの場と貴重な経験、機会をくださったすべてのみなさまに感謝の気持ちを伝えます。私たちは本当に恵まれていました。今日まで本当にありがとうございました」と答辞を述べた。 アルメイダさんは、中学3年生の時に趣味で日本語を学び始めたのが高じ2017年に来日した。同学院で勉強し、日本語を母語としない人の日本語能力を測定する「日本語能力試験(JLPT=Japanese-Language Proficiency Test)」の最高レベルであるN1とそれに次ぐレベルN2の両方に満点で合格。特にN1は日本人でも満点を取るのが難しいと言われている。卒業後は筑波大学人文・文化学群比較文化学類に進学し、日本文学やジャーナリズムについて勉強するという。 同じく卒業生でタジキスタン出身のキムサノブ・アズィズさん(21)は、東京国際大学国際関係学部に進学する。キムサノブさんは中学と高校で合わせて5年間日本に住んでいた経験がある。来日した当初は日本語が分からず苦労したことから、自分と同じような境遇の外国人に向けた教育について勉強し、教育関係の仕事がしたいと話す。 ウズベキスタン出身のサミタガニエフ・ムスタフォ・トジベクウギリさん(22)は、栃木県にあるビジネスの専門学校に進学予定。「(卒業式で)緊張していますが、卒業できてとても嬉しいです」と話し、日本とウズベキスタンの文化、技術の懸け橋となる仕事をするのが夢だと希望をふくらませた。 同学院の森山英熙本部長によると、新型コロナの水際対策による入国制限で日本に入国できずにいる学院入学予定者が57人いるという。入国を2年待っている人もおり、中には留学を取りやめて就職するというケースもあるため、留学の夢をあきらめることがないようオンラインで課題を配信するなどの対応を行っている。今後の水際対策緩和で、4月から5月末までには新入生が入国し、来年度の新入生受け入れの手続きが進むのではとの見通しだ。(田中めぐみ)

テイクアウトのモバイルオーダーをスタート 百香亭

店内飲食もスマホから注文可能に 県南を中心に全8店舗を展開している中国家庭料理の店「百香亭」(ひゃっこうてい、本店・つくば市東平塚)が2月から、待たずに持ち帰りができるテイクアウト予約のモバイルオーダーシステムをスタートさせた。コロナ禍、昨年から同店は、弁当や一品メニューの持ち帰り販売に力を入れている。 スマートフォンでQRコードを読み取って注文する形式で、受け取りの時間を10分刻みで指定できる。現在、筑波大学店(つくば市天久保)では初回から3回目までの注文が割り引きになるテイクアウト専用割引券を配布中で、今後さらにテイクアウト利用客を増やしていきたい考えだ。テイクアウトで人気なのは500円(消費税込み)のワンコイン弁当のほか、店内飲食でも人気の看板メニュー黒酢豚に、炒飯や焼きそばだという。 店内飲食での感染リスクも減らそうと、店内でのモバイルオーダーもスタートした。席に着いた客が自分のスマートフォンで店内にあるQRコードを読み込み、メニューを選ぶと店側の端末に注文が届いて配膳される仕組み。伝票も必要なく、スマートフォンの画面をレジで提示して会計を行う。紙のメニューの消毒がしづらいことなどからメニューを触る必要なく衛生的と導入を決めた。アプリケーションのダウンロードが必要なく簡単で、若い客だけでなく、50代、60代にも好評だという。 統括マネージャーの許徳生(きょとくせい)さんは「お客さんは(テイクアウト用の)チラシをもらってもなくしてしまうし、注文したい時にどのようなメニューがあるか、そのメニューが持ち帰りできるのかどうかも分からない。感染リスクを抑えて安全に注文しやすい方法をと考え、モバイルオーダーシステムを導入した」と話す。 歓送迎会の予約はゼロ 一昨年はコロナ禍で売り上げが半分に減少。その後回復したものの店舗全体での売り上げはコロナ禍以前の7割ほどとなっている。昨年4月にデリバリー部門を新設してから1日50食ほどの弁当を主に官公庁に配達しており、売り上げ全体のおよそ3割をテイクアウトとデリバリーが占めている。 筑波大学の学生や教職員などの利用が多い筑波大学店では、コロナ禍以前、歓送迎会のある3月、4月には月の売り上げが1000万円ほどあった。しかし今年は歓送迎会の予約はゼロ。新システムの導入でテイクアウト部門を強化し、店舗への客足も増やしたい狙いがある。 モバイルオーダーシステムはコミュニケーションアプリLINEを利用したもので、「百香亭筑波学園店」はLINE公式アカウントから店舗情報などを随時配信している。同店のシステム担当者は「(百香亭筑波学園店が)公式アカウントを開設してから1週間で300人のフォロワーが付き驚いた」と話す。現在は2100人以上のフォロワーがおり、今後の集客効果に期待を寄せている。 「百香亭」は医食同源をコンセプトにした中国家庭料理の店として2001年にオープン。特につくば本店、筑波大学店はつくば市民を中心に親しまれている。牛久など合わせて7店舗があり、いずれの店舗もテイクアウトサービスを実施している。(田中めぐみ) ◆筑波大学店のテイクアウトについて詳しくは電話029-858-4360(百香亭筑波大学店)

土浦で1年越しの成人式 コロナ禍 2回延期

新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっていた2021年の土浦市成人式が27日、1年越しで同市東真鍋町、クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)で執り行われた。当初は昨年9月19日に延期する予定だったが、緊急事態宣言を受けて再び延期していた。 感染防止対策のため参加者は、市に事前申し込みをして抗原検査キットを送ってもらうか、自費でPCR検査を受けるなどし、受け付けで検査結果を示して会場に入った。会場にも当日用の抗原検査キットが用意され、来場者に備えた。 式典は8つの出身中学校を午前と午後の2部に分け、それぞれ30分間に短縮して開催された。 式典の中で安藤真理子市長は「この約2年間のコロナでたくさんのことが激変した。会社での仕事がオンラインになったり、自宅で仕事をしたり、学校に長く行くことができなかった。そんな時代を皆さんはご苦労されたのではないかと思っている。大きなピンチを皆さんの力でチャンスに変えていただきたい。ご苦労された両親や先生、これまで自分に関わってくれた方々に大きな感謝をし、自分自身の可能性を信じて大きく羽ばたいてください。夢は強く願えば、必ずかないます」と言葉を贈った。 成人式運営委員の小澤典皓さんは、成人代表謝辞として自身の塾講師のアルバイト経験を話し、「私たちは多くの人の手助けがあって現在に至る。コロナ禍で人とのつながりが薄れたように感じた人もいるかもしれない。しかし、人とのつながりを再認識し、感謝を伝えていくことで、社会人として旅立つ私たちにとってかけがえのない一日になる」などと述べた。 式典後、参加者は会場の大ホールから退場するよう促されたが、会場前では友人たちとおしゃべりする姿が見られた。 現在都内の大学に通う飯村駿介さんは「一年越しの成人式でみんな楽しみにしていたのでうれしい。コロナ禍でこのような式典を開いてくれることに感謝している。大学卒業後は小学校の先生になることを目指していて、今年茨城県の採用試験を受ける予定。小学校も中学校も土浦市だった。自分が育ったところで今度は自分が子どもたちを教える側になりたい」と意気込みを語った。 土浦市田中に実家がある塩田拓実さんは「両親には今日まで育ててくれてありがとうとシンプルに伝えた。今日は皆で集まることができてうれしい。今後の目標はもっと大人っぽくジェントルマンになりたい」とはにかみながらもマスク越しに晴れやかな笑顔を見せた。 対象となったのは昨年1月に成人式を行うはずだった1491人で、うち男性730人、女性761人。成人式には例年800人ほどが参加している。(田中めぐみ)

高性能ベーゴマに「剣」の筆文字 土浦の匠が世に問う新シリーズ

「メカベー」はメカニカルベーゴマ。スピニングトップ社(土浦市港町)代表取締役の高橋克己さん(65)が医療機器開発のスキルを活かし、最長10分間も回り続ける安定感とステンレス製の美しいボディーの高性能ベーゴマを作り上げた。11日には、筆文字のデザインを施した新シリーズ「剣(つるぎ)」の第1弾が発売される。 医療機器の製作スキル生かし 今回登場は、コマの天面に筆文字「剣」をあしらった「Japanese calligraphy(ジャパニーズカリグラフィー)シリーズ」の第1弾。書道家の江森葵鶯(きおう)さんの筆による。筆文字の背景色はシャンパンゴールド、マットシルバー、レーシンググリーン、ワインレッドの4種類がある。これまでにも「虎」や「深海」「一撃入魂」という漢字フォントでデザインした「メカベー」を発表して海外ファンの人気も高い。「剣」も発売前から問い合わせがきているという。 製作者の高橋さんは国内や外資系の医療機器メーカーで40年間医療機器開発、品質保証業務に従事した。日本人の体に合わせた人工心臓駆動装置や血管内の病変部を削る高速回転ドリルなど、高度な精密さが要求される医療機器の製作に携わった。手術室にも何度も入り、機器の改良を繰り返してきたという。培った技術を活かしたいと定年退職後の2017年に会社を起こし、超精密なベーゴマ「メカベー」を作り上げた。 高橋さんは「医療機器を作って病気の人を治そうという使命感で働いてきたが、ベーゴマにも人を元気にする力があると感じる。子どもの教育にも良く、お年寄りの方も健康にする力がある。作り続け、世界中にメカベーを広めたい」と話す。 その特徴は遊びやすさと強さ。ステンレスなどの素材でできており、10分間回すこともできる。普通のベーゴマは紐を結んでこぶを作りコマに巻き付けるが、「メカベー」はこぶを作る必要がなく、より簡単に紐を巻き付けることができ、誰でも短い練習時間で回せるようになるという。 高速での回転バランスを保つ機構や紐巻きの構造などは3つの特許を取得。さらにコマの外周の直線と曲線を交えたくぼみ形状にも特徴があり、「メカベー」どうしで対戦させた時には打撃力が伝わって弾け飛ぶように設計されている。この外周の形状は意匠登録を受けている。パーツを交換したり、内部に5円玉硬貨を入れたりして自分好みにカスタマイズできるのも特徴だ。安定性があるため、他の種類のベーゴマと対戦させると競合するものがないほど強いという。 高橋さんはこれまで、強さを追求した「バトル系メカベー」や美しさを際立たせた「フィギュア系メカベー」、コマを回すのに適した台「バトルリング」などを製作し、オンラインショップで販売してきた。 ベーゴマを改良したおもちゃにはタカラトミーが販売する「ベイブレード」がある。世界80以上の国と地域で発売されており、累計出荷数は5億個を突破。世界大会も行われているため世界中にベーゴマ愛好家がいる。「ベイブレード」からベーゴマ愛好家となった人が、より強く美しいベーゴマを求め「メカベー」について問い合わせしてくるそう。今後は同シリーズの系譜で、日本の思想や文化を象徴する「柔」や「道」「龍」などの筆文字デザインの「メカベー」を製作予定。桜をイメージしたデザインも考案、開発中だ。(田中めぐみ) ◆「剣」は3960円(税込み)。「メカベー」はAmazon、楽天市場、メカベーオンラインショップで購入が可能。メカベーの回し方・基本フォームはこちらの動画で。

レストラン中台のレトルト5品 カレーオブザイヤー特別賞 土浦

土浦カレーフェスティバルで6年連続優勝を果たし、殿堂入りしている、レストラン中台(土浦市桜町)のレトルトカレー「つちうらカレー物語」5品が「カレーオブザイヤー2022」特別賞を受賞した。昨年発売された「弓豚スペアリブのスープカレー」「幻の飯村牛キーマカレー」「弓豚のプレミアムカレー」「土浦ホワイトレンコンカレー」「クリーミートマトカレー」の5品だ。 カレーオブザイヤー2022は、カレー総合研究所(井上岳久社長、東京都渋谷区)が運営する「カレー大學」が、革新的、画期的だがまだ世間に知られていないカレーに、1月22日のカレーの日に合わせて賞を授与しているもので、2017年から毎年名品カレーを選出している。 オーナーシェフの中台義浩さんによると、新商品のレトルトカレー5品は、佃煮加工の小松屋食品(土浦市大和町)の煮釜の1つをカレー加工専用にしてもらい製造した自信作だ。レシピだけを監修したのではなく、シェフ自身が味を確認し調整しながら作っているこだわりのレトルトカレーだという。 「コロナ禍の一昨年はお客さんが来なくなり従業員も呼べない状況だった。仕事がしたくてもできず、レトルトの新商品を作ろうと思い開発した。特に『幻の飯村牛キーマカレー』と『弓豚のスープカレー』は完璧な出来上がり。ぜひ食べてみてほしい」と話す。 材料にもこだわった。飯村牛や弓豚といった希少な銘柄肉のほか、野菜はなるべく地元産のものを使用。土浦、阿見などの契約農家と提携し新鮮なものを仕入れている。土浦特産のレンコンを使用しているのも特徴だ。 レストラン中台ではこれまで「幻の飯村牛ビーフシチューカレー」と「幻の飯村牛牛すじカレー」を発売しており、レトルトカレーは新商品を加え全7種類となる。同店のほか、スーパーマーケット「カスミ」やJA直売所各店、オンラインでも購入することができる。 今年で創業83年目となる老舗。今後の目標は霞ケ浦のテナガエビを使用したカレーを開発することだという。「テナガエビはまだあまり注目を浴びておらず、地元の漁師さんからもっとテナガエビを売りたいという声を聞いている。土浦や阿見の名産カレーとして商品化できたら」と中台さん。また、アスリート向けにタンパク質を増やし、カロリー計算した「奇跡のKOカレー」の商品化も目指している。冷凍食品も開発中で、店の味を完全再現したカレーやハヤシライスを試作中だ。(田中めぐみ)

子孫が土浦市に寄付「一色家住宅」 観光や文化振興に活用へ

江戸時代末期の武家住宅の面影を残す、土浦市西真鍋町の登録有形文化財「一色家住宅」の土地と建物が昨年12月、土浦市に寄付された。所有者で牛久市在住の彫刻家、一色邦彦さん(86)が寄付した。市では壊れた部分の補修を行い、観光や文化振興に活用していく予定だ。 一色家住宅は、土浦藩年寄格で、1878(明治11)年に県内初の国立銀行「第五十国立銀行」(常陽銀行の前身の一つ)を創設した一色範疇(はんちゅう)の居宅だった。茅葺屋根の主屋(面積201平方メートル)は2001年に国登録有形文化財となっている。 主屋は、江戸時代末期につくられた土浦藩士、西川右近家の主屋を、範疇が明治時代に移築したと伝えられている。内部は8畳間が4室、田の字型に配された書院造で、正面側と庭園側は縁側になっている。主屋の北側には築山と池のある日本庭園がある。1989年に南側に離れが増築されている。 市内で唯一、武家住宅の面影をとどめる建物で歴史的価値が高い。2019年まで和食店として使われていた。現在、内部は非公開となっている。 寄付は一色邦彦さんが市に申し出て実現した。邦彦さんの父で彫刻家の五郎さんは一色家住宅で生まれ育った。 邦彦さんは東京生まれ。戦時中に空襲を逃れて土浦市に移り住んだ。現在は牛久市にアトリエを持ち、彫刻家として活躍を続けている。邦彦さんは「国の登録文化財であり、雰囲気がよく、心を癒す場所。価値ある建物なので市民の癒しの場として活用してほしい」と話す。 市文化振興課は、文化財である主屋部分に壊れているところがあるため、補修を進めていくという。今後どのように活用していくかは未定だが、自転車道のつくば霞ケ浦りんりんロードから500メートルほどの位置にあり、サイクリストが立ち寄りやすい立地であるため、土浦の歴史と文化を伝える観光スポットとしての活用も検討する考え。補修後は限定的に内部を公開することも検討中としている。(田中めぐみ)

カスミの新業態「BLANDE」つくば並木店オープン ウエルシアと売場融合

食品スーパーのカスミ(つくば市、山本慎一郎社長)が28日、つくば市並木4丁目に新業態のスーパーマーケット「BLANDE(ブランデ)つくば並木店」を開店した。ドラッグストア大手のウエルシア薬局と売り場、レジを一体化したのが特徴で、医薬品を除く化粧品や日用品などを食料品とまとめて決済することができる。「フード、ヘルス、ビューティー&ウエルネス」をコンセプトにし、より利便性の高い新しいスーパーマーケットの形を目指す。1号店は売場面積2353平方メートル、年商目標は16億円。 食料品ではカスミのプライベートブランド「MiiL KASUMI(ミールカスミ)」でオリジナル商品を作り、地元ならではの品やこだわりの品をそろえる。総菜売り場ではアジアン、エスニックなどさまざまな国のメニューのデリカを用意。お酒売り場ではアプリを活用して好みのワインを探せたり、有料でワインテイスティングしたりできるコーナーも展開する。つくば市手代木のイタリアンレストラン「TRATTORIA E PIZZERIA AMICI(トラットリア・エ・ピッツェリア・アミーチ)」が監修した焼きたてピザも提供する。 レジを通らずに買い物できるスマートフォンアプリ「Scan&Go Ignica」を利用した会員制プログラム「BLANDE Prime」の導入も新しい試み。ブロンズ、シルバー、ゴールドと3つの会員グレードを用意し、有料会員はオンラインデリバリーの配送料無料やカスミの管理栄養士による健康相談、コーヒー1杯無料などのサービスが受けられる。 カスミによると、「ブランデ」は「混ざり合う」の意味で、人や食、文化が、商品・サービスを通じて交じり合うことを目指している。山本社長は「カスミは開業61年目となった。次の時代に合わせてスーパーマーケットをメタモルフォーゼさせていく必要がある」と話す。ウエルシアにはカスミ側から呼び掛け、協業が実現したという。「BLANDE」ではつくば市にこれまで出店している「カスミフードスクエア」とは違った新しい店舗づくりをしていくという。 同ショッピングセンター敷地内の「BRANDE」東側には4月に無印良品がオープン予定。「BLANDE」2号店は2月に同市研究学園にオープンを予定している。2号店はウエルシアとの協業ではなく、「食」に特化した滞在型の店舗を想定しているという。(田中めぐみ)

カエル像36体の物語 つくばテクノパーク桜 住民ら絵本づくり

つくば市桜のまちづくり団体、テクノパーク桜まちづくりを考える会(水谷浩子代表)がこのほど、地区内のあちこちに36体あるカエルの石像を主人公に、絵本『36ぴきのかえるちゃん』(A4判、20ページ)を制作、発行した。同会の古場容史子(よしこ)さんが朗読を担当し、YouTubeでも読み聞かせ動画を配信している。 36体のカエルの石像が会議をし、音楽のあるまちづくりをしていく物語。代表の水谷さんを中心に会員らが考え、筑波大学卒業生の高橋理恵子さんが絵本のイラストを描いた。 テクノパーク桜は1997年に、土地区画整理事業により完成した。筑波大学の東に隣接し、商業施設や住宅、研究施設が立ち並ぶ。同会は2009年に地域の良好な環境を守り、まちの活性と交流を目指すことを理念として発足。桜まつりや街角音楽会などさまざまなイベントを実施してきた。 地区内には事業の完了時点で、さまざまなポーズの36体のカエル像が設置されていた。腕を組んだり、ほおづえをついたり、一体一体ポーズが異なる。 代表の水谷さんは1998年からテクノパーク桜に住んでいる。当時はカエル像を気に留めていなかったが、ある時、数を数えたら36体あることが分かり、また1体ずつポーズが違っていることから興味を持ち始めたという。絵本の制作について「コロナ禍で会の活動がなかなかできなかったので、カエルの本を作ってお店に置いてもらったら街のことを知ってもらえるのではないかと思った」そう。 当時、石像を製作したのは桜川市に住む岩瀬照夫さん(72)だ。岩瀬さんは「ずいぶん前のことで記憶があいまいだが、注文を受けて制作した。カエルのデザインについては一任されていた」と話す。両国国技館(東京・墨田区)前に設置する四つに組んだ力士の像を手掛け、その制作のすぐ後にテクノパーク桜のカエル制作を始めたため、力士の姿をしたカエル像を思いついたという。 同会ではカエル像を皆に知ってもらい、地域の宝にしたいと、2019年に「カエルまっぷ」を制作した。一体ずつポーズの異なる像を「まねきカエル」「かたつむりカエル」「まんぷくカエル」などと名付けた。相撲のまわしを付けてポーズをとるカエル像は「はっけよいカエル」と名付けて、イラストを付けて36体をマップで紹介した。イラストは絵本と同じ高橋さんが描いた。 36体のカエル像をモチーフにした、マップに続く第2弾の取り組みとなる。カエル像は歩道に車が入ってこないようにする車止めの役割を果たしているものもあるが、36体作られた理由や配置については謎のまま残された。 「テクノパーク桜は新しい街なので伝統がないけれど、ここで育つ子どもたちが絵本を見てふるさとを思い出せるよう、ふるさとへの愛着を持てるようにしたい。テクノパーク桜にあるお店の人たちにも愛着を持ってもらいたい」と水谷さん。 絵本は500冊制作し、地区内の商店に置いてもらうほか、保育園などの施設にも配布するという。 動画の朗読を担当した古場さんは「絵本を見ることで、こんなカエルがあるんだよとみなさんに知ってもらいたい。春になって暖かくなったらみんなでカエルを巡り散歩して、楽しみながら興味を持ってもらえたら。とにかくカエルちゃんのしぐさがいい。カエルは他の場所にはない貴重な存在」と話している。(田中めぐみ) YouTube『36ぴきのかえるちゃん』読み聞かせはこちら

つくばセンタービルの価値を紹介 市民団体が「謎解きツアー」

つくばセンタービル(つくば市吾妻)の7カ所を巡りながら、建築デザインの意味や価値について解説する現地ツアー「つくばセンタービル謎解きツアー」を、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が開いている。 昨年11月3日から毎月3回開催し、これまで延べ83人が参加した。1月16日に7回目が開かれ、11人が参加した。同会代表でNEWSつくばコラムニストの冠木新市さんがガイドを務める。冠木さんは、つくばに移り住んで以来30年にわたり、センタービルについて独自に研究してきたという。 つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計した。ポストモダン建築の代表作として世界的な評価を受けている。2020年、つくば市は同ビルにエスカレーターを設置するなどの改修計画を発表したが、専門家や同会から建築物の価値を喪失するなどの指摘を受け、昨年12月、当初の計画を大幅に見直した経緯がある。 冠木さんによると、センタービルの建設に当たり磯崎さんは1978年、日本住宅公団(現在はUR都市機構)が実施した設計者を選ぶプロポーザルコンペで、筑波研究学園都市を批判するレポートを書き、7つの性質をセンタービルに与えることを提案した。劇場性、胎内性、両義性、迷路性、寓意性、逸脱性、対立性の7つだ。磯崎さんはつくばセンタービルが起死回生の役割を果たす象徴的な建築となることを目指し、その中核として同ビル中心に、くぼ地となるセンター広場を造ったという。 センタービルの中心にあるセンター広場の床面は、ルネサンス期のイタリアの建築家ミケランジェロが設計したローマのカンピドリオ広場を引用するデザインとなっている。ツアーで冠木さんは「床面の模様がカンピドリオ広場を反転した色合いになっている」と解説する。広場には霞ケ浦や桜川を反転した形が水の流れでデザインされており、冠木さんは「この反転は現実と虚構、日常と非日常を意味しているのではないか」と参加者に問いを投げ掛ける。 続いて、センタービル正面玄関の柱に引用されている18世紀のフランスの建築家、ルドゥーのアル・ケ・スナン王立製塩所のこぎり歯のモチーフ、ホテル日航つくば1階に設置されている、米女優マリリン・モンローの体のカーブを表現したいす「モンローチェア」などを見て回った。 さらに、2階ペデストリアンデッキのつくばイノベーションプラザ前に立って、ノバホール2階の三角の窓を見ると、窓の中に、ホテル日航つくばの最上階の瞳のような窓の形が映り込む様子が見える。冠木さんは「まるで『プロビデンスの眼』(神の全能の眼)を彷彿とさせる」と独自の解釈を披露し、「ノバホールのノバは新星を表す。新星は新生に通じ、ノバホールの眼は母の胎内から何か新しいものが生まれるのを見つめている。磯崎さんの言う『胎内性』『劇場性』と合致する」と話す。「センター広場は空の器であり、くぼ地の広場で市民が自由に活動し、新しいものを生み出すことを願ってつくられたと解釈できる」ともいう。 市内から夫婦でツアーに参加した谷田部宏子さんは、「知らないことばかりでおもしろかった。深い内容だった」とし「(センタービル周辺は)駐車場が停めにくいこともあり買い物にはあまり来ないが、ノバホールには時々来る。センタービルの改修計画ついては何も知らなかった」と話していた。(田中めぐみ) ◆次回のツアーは、30日(日)午後1時から。定員10人前後、参加費無料。参加申し込みは090-5579-5726(冠木さん)

つくば並木中等5年生コンビ全国大会へ 金融経済クイズ「エコノミクス甲子園」

大学入学共通テストを横目に、第16回全国高校生金融経済クイズ選手権「エコノミクス甲子園」茨城大会で優勝した県立並木中等教育学校(つくば市)の5年生コンビが2月の全国大会に向け、1年早い猛勉強に励んでいる。 茨城大会は高校生への金融経済教育の普及のため、筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)が開催した。県内の高等学校10校から33チーム66人が出場し、並木中教校5年の河合舞音さんと腰塚茉莉子さんのチーム「金木犀」が優勝。2月27日にオンライン開催される全国大会に出場する。 同級チームで1~4位独占 河合さんと腰塚さんは2020年開催の第15回茨城大会にも出場した仲良しコンビ。前回は入賞を逃したが、出場した同校の4年生チームの中で最高点を獲得したという。この大会で2人が所属するハンドボール部の先輩が優勝したことから「来年は私たちも必ず優勝したい」と決意を固めていた。 全国大会に向け、腰塚さんは「茨城予選では早押しで他チームに競り負けていたので、知識を身に付けるだけではなく反応速度も上げていきたい」と話す。河合さんは「4択問題なので知識を詰め込めばなんとなく解答できるのではないかと思っていたが、茨城予選でそれだけでは正解できないと感じた。知識を深めて全国大会に臨み、優勝を目指したい」とへの意気込みを語った。 金融経済の知識でなく、新聞やニュースを元にした時事問題や、より生活に根ざした家庭科など、幅広く「お金」に関する知識が問われる。茨城大会では並木中教校5年生のチームが1位から4位までを独占した。同校社会科の石本由布子教諭が、クイズ形式で楽しみながら勉強することで経済への興味を持つきっかけにしてほしいと大会参加を呼びかけた。今回は原侑生さんと鈴木ヴィセット健太さんが準優勝、関杏純さんと河野由依さんが3位、枝川龍之介さんと渡辺大晃さんが4位に入った。 上位を独占したことについて、石本教諭は「校内の練習ではどのチームが優勝してもおかしくないレベルだった。今回優勝したチームは前大会からの実績があり、周りから一目置かれていた。他のチームもこの2人のレベルに追いつこうと勉強してこの結果になったと思う。同学年で近い間柄だからこそ他のチームも2人を目標にして勉強できた」と話す。出題される金融経済の分野については4年次に公民で学んでおり、授業で用いた教材や石本教諭の作った対策プリントを使って勉強し、今大会に臨んだという。 政治家志向とクイズ王目線 優勝した河合さんの夢は政治家。SDGsに興味を持っており、リサイクルのためにペットボトルキャップを回収したり後輩に啓蒙のための講演を行ったりと、校内外で活動している。国際貢献にも興味を持っているという。腰塚さんはクイズ好きで、文化祭で行われるクイズ大会の実行委員を務めている。クイズのルールの設定の仕方や、適切な問題の作り方に興味があり、全国大会に出場したらクイズを作る側の目線から分析したいと笑顔で話した。 「エコノミクス甲子園」は全国の高校生を対象に、金融と経済に関する知識を深めてもらう目的で開催しているクイズ大会。各都道府県を代表する金融機関が地方大会を主催している。茨城大会は2012年度にスタートし、今年度で10回目の開催だった。(田中めぐみ)

リモートワークのストレス癒すマッサージ店【人と仕事の回顧録’21】3

ムートン・マッサージセラピー(つくば)ラタナ・コックァさん つくば市に開業し8年目となるタイ古式マッサージ店。一昨年からコロナ禍を受けて客足が大きく落ち込み、大変な2年間だったという。運営するタイ人のラタナ・コックァさん(56)はコロナ禍で来店する人について「体の疲れというより、心の疲れ、ストレスを持ってお店に来るお客さんが多くなった」と話す。都内に勤務していてテレワークになり、在宅で仕事をしている人や、オンライン授業で課題に追われている学生も少なくなく、目や肩の凝りを訴えて来店する。「ムートン」はタイ語で「黄金の手」の意味。「首と頭を長くもみほぐしてほしい」「そこをもっと強めに」など、それぞれの要望に応じながらリモートワークの疲れを癒している。 あの手この手で乗り切った タイマッサージは一昨年末、ユネスコの無形文化遺産に登録された。これを機にさらにタイマッサージのすばらしさを広めたいと思っていた矢先のコロナ禍。昨年は非常事態宣言の影響もあって月の売り上げが3分の1から4分の1以下になり、一人の客も来ない日が何日もあった。 このままでは借りている店舗の家賃が払えない、と経済産業省が支給する家賃支援給付金の申請を行い、昨年10月に給付を受けた。デスクカウンターにパーテーションを設置するなどの対策も行い、昨年11月には感染防止対策に取り組む事業者が申請できる「いばらきアマビエちゃん」システムに登録。コロナ禍以前は、支払いは現金のみの対応だったが、非接触での支払いができるようにとバーコード決済も導入した。自分とスタッフの健康管理も考えるようになり、それまで無休だったのを、毎月第3水曜日定休とした。 3人のスタッフがタイ人。ラタナさんもスタッフも1年から2年に一度は故郷タイに帰省していたが、もう丸2年以上帰れておらず寂しいという。今年8月には全員が2回のワクチン接種を終えた。心配していた副反応も思っていたより軽く済み、すぐに仕事に復帰できてほっとしたと話す。 9月頃にはお客さんの中にもワクチン接種を終えた人が多くなってきた。戻ってきた常連客からは「長い間来られなくて店がつぶれたのではないかと思った。洗濯物が出ていたから、開いていると思って来た。つぶれなくてよかった」と心配された。 来年こそはタイに 今年1月から夏にかけては客足が戻ったものの、売り上げは例年の半分から3分の2程度。8月から9月は県非常事態宣言の影響で、入っていた予約がキャンセルになることもあり、一進一退の状態が続いた。秋になり感染者も減って好調かと思ったが、次はオミクロン株への不安が出てきた。「来てくれたお客さんのおかげでなんとかお店を続けることができた。なんとか収まって、来年こそはタイに帰れたらいいな」。年末は30日まで、年明けは3日から営業する。(田中めぐみ) ◆ムートン・マッサージセラピー(つくば市竹園2-6-1)電話:029-811-6108 https://beauty.hotpepper.jp/CSP/kr/reserve/?storeId=H000471138

水素燃料電池バスでPCR検査 筑波大、市と実証実験

災害などで電源を失った場所でも、高精度の感染症検査を可能にするシステムを開発中の筑波大学(つくば市天王台)が、同市のPCR検査会場で実証実験を行った。17日までの3日間、市独自のPCR検査が行われた会場に水素燃料電池バスを持ち込み、装置の稼働状況、検査から通知までの所要時間を調べるなどした。 検査会場の市役所本庁舎駐車場に持ちこまれたのは、トヨタ自動車の燃料電池バス「SORA(ソラ)」をベースに車内を改装した車体(11月18日付)。医学医療系感染症内科学の鈴木広道教授、システム情報系の鈴木健嗣教授らが、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムにより開発している。車内にはPCR検査に使う全自動の遺伝子解析装置や核酸抽出装置などが設置されている。今回大学と市が協力し、PCR検査希望者の協力を得て実証実験を行った。 つくば市では新型コロナ感染拡大の第6波に備え、10月から無症状の市民や市内在勤・在学者を対象にPCR検査を行っている。15日は45人、16日には54人が実験への協力に同意した。受付で検査キットを受け取り、検体として唾液を採取。キットは「SORA」の車内に持ち込まれて検査された。検査結果はQRコードを読み込み、識別情報を入力するとメールで通知されるシステムを想定しており、16日までの集計では、受付から検査結果が返ってくるまで最短48分、中央値は53分だったという。 鈴木広道教授は「いつでもどんな場所でも同じ質の検査を提供できることを目指す。現場によって状況や人の流れも異なるため、不具合が起きないかどうかを検証している。少しでも早く検査結果が分かるよう検査受付から結果通知まで常に60分を切ることが目標」と話す。検査自体の時間はこれ以上短縮することが難しいため、今後は通知システムの改良を重ねていく考えだ。 年を越し足を延ばす実証実験 17日には市の公用車である水素燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」を「SORA」にケーブルでつなぎ、電力を供給した。車内で行うPCR検査に必要な電気は「SORA」だけでまかなえるが、「MIRAI」をつないで電力供給することによりさらに遠隔地に出向くことが可能になるそう。 来年1月からは狭い場所を行き来できるマイクロバスの検査車も導入し、大型バスと2台で県央や県北、鹿行地域に赴いての実証実験を予定している。2月から3月には大学内外のイベントで無料のPCR検査を行い、社会実装に向けて調整を続けていく。 緊急時、災害時の感染症対策は地域の課題解決につながるとして、市は今後も筑波大に実証実験の場の提供を行っていく予定だという。(田中めぐみ)

【気分爽快りんりんロード】5 レンタサイクルの楽しみ 伊藤孝二さん

【田中めぐみ】一度はりんりんロードを走ってみたいが車しかない、輪行できるような自転車は持っていない、そんな人におすすめなのが、りんりんポート土浦(土浦市川口)で借りられるレンタサイクルだ。茨城県と土浦市、つくば市など8市町で構成する水郷筑波広域レンタルサイクル事業実行委員会のサイクリングサポートデスク、伊藤孝二さんに話を聞いた。 りんりんポート土浦は、自転車と車と船をつなぐ交通拠点として昨年3月にオープンしたスポット。敷地内をりんりんロードが通っており、およそ100台の無料駐車場に、無料Wi⁻Fi環境のある休憩スペースやシャワー室、自転車のメンテナンススペースを完備している。1階はガラス張り、屋上からは霞ケ浦を望める開放的な施設だ。 伊藤さんは新潟県の出身で、全国のサイクリングロードに詳しいサイクリストだ。JCF(日本自転車競技連盟)の審判員やサイクリング・インストラクターの資格も持つ。2011年に早期退職して自転車関連の仕事を始めた。広島・岡山両県にまたがるサイクリングロード「しまなみ海道」には、出張とプライベートを合わせ、年に10回、10年間通ったという。 「サイクリングの魅力は、四季折々の風を感じられることでしょうか。レースには出ませんが、一時期ロードバイクでストイックに自分を追い込み、峠や長い距離を走ったりもしていましたが、やはり気の合う仲間と走ったり全国各地をめぐるサイクリングが一番楽しいですね」2014年からは茨城県のサイクリング事業に携わり、サイクリングのPRや安全教室など自転車活用推進活動を行った。現在の広域レンタサイクル事業には2015年から携わっている。 2019年度のレンタサイクル利用台数は3024台に達した。サイクリングサポートデスクの仕事は、毎日30件以上あるレンタサイクル利用者の予約、問い合わせなどのメールを整理して自転車の配置計画を立てること。また、その計画に従って利用者の希望する施設へ自転車を配送、回収したり、自転車のメンテナンスを行ったりしている。常にワゴン車で移動しているため、デスクにいることはほとんどないという。 6車種がレンタル可能 レンタルできる車種は6種類で、1日1500円から4000円(無料ヘルメット付き、税込み)。車種によって料金が異なる。どんなところでも走りやすいクロスバイクは万人におすすめだ。ミニベロ(小径車)は小回りが利くので街乗りに適しているという。 体力に自信のない人や、初心者だが経験者に同行したい人などには、電動アシスト付きのクロスバイク「Eバイク」が便利。いわゆるママチャリの電動自転車は充電が早々に切れてしまうが、貸し出しているEバイクはスポーツバイクと同様の設計でバッテリーの容量も大きい。りんりんポート土浦から筑波山まで往復したり、霞ケ浦一周したりしても充電が切れる心配はないという。 2人乗り用のタンデム自転車もある。レンタサイクル事業は、TXつくば駅のつくば総合インフォメーションセンターを含むりんりんロード沿い11カ所の施設で行っており、乗り捨ても可能。(タンデムのみ乗り捨て不可)利用日の3日前までの予約が必要で、つくば霞ケ浦りんりんロードホームページ「RingRing広域レンタサイクル予約システム」からオンラインで予約ができる。これから自転車を始めようというなら、購入前にレンタサイクルで乗り心地を試してみる利用法もありそうだ。 船や電車の輪行便 3日スタート りんりんポート土浦に隣接するラクスマリーナ(土浦市川口)が運航する「霞ケ浦広域サイクルーズ」は、自転車を乗せられるクルージング。今季は3日のスタートとなる。土浦港午前9時30分発で、湖内の歩崎桟橋(かすみがうら市)、玉造桟橋(行方市)、潮来港(潮来市)を回り、土浦港に午後1時に戻ってくる。 今夏お目見えした歩崎桟橋(かすみがうら市坂)までレンタサイクルで行き、土浦まで船で戻ってもいいし、潮来港から半周するプランなら霞ケ浦一周より気軽に挑めそうだ。土浦港-潮来港が1回乗船1000円(税込み、小学生以下は半額)、その他の区間は500円(同)。来春まで土曜日に11回の運航が予定されている。完全予約制。電話029-822-2437(ラスクマリーナ) 3日はまた、自転車をそのまま電車内に持ち込んで移動できるサイクルトレイン、房総バイシクルベース(通称B.B.BASE)が佐原・鹿島コースの運転を開始する。3日、4日と11月7日、8日の土日の期間限定で、鹿島線の鹿島神宮駅、潮来駅に停車する。潮来着は往路が午前10時07分着、復路が午後5時06分発だ。JR東日本千葉支社がサイクリスト向けに企画した。 通常、電車内に自転車を持ち込む際は折りたたんで輪行袋に入れなければならないが、B.B.BASEには専用ラックが備え付けてあり愛車をそのまま持ち込むことができるという。「霞ケ浦広域サイクルーズ」と組み合わせれば、潮来駅から一気に房総方面まで遠征できる、と伊藤さんのおすすめ。前日までの予約が必要で、計画する際は注意したい。 チケット購入サイトはこちら

【気分爽快 りんりんロード】4 ヒルクライムに熱中 志賀旭さん

【田中めぐみ】筑波学院大3年の志賀旭さん(21)は、昨年4月、兄の大海(ひろみ)さんに誘われたのがきっかけでつくば霞ケ浦りんりんロードを走り始めた。休日の早朝、つくば市内の自宅から出発して土浦駅まで行き、りんりんロードに入って平沢官衙遺跡(つくば市平沢)まで走る。そこから、つくば市と石岡市の境にある標高294メートルの不動峠、筑波山南東の尾根に位置する標高412メートルの風返し峠、つつじが丘駐車場に上るヒルクライムコースが特にお薦めだそうだ。 坂を上りきる達成感 「ヒルクライムはとにかく体力勝負。余った体力を坂にぶつけている。頂上まで上り切った時の達成感が最高」と志賀さん。「ギアを軽くして上る人もいるが、自分は軽くせず、一度も止まらずに強い踏み込みで上っていく。動いている、確かに前進していると感じられるのがヒルクライムの楽しさ」と顔をほころばせる。 不動峠の平均勾配は7%。途中10%を超える急傾斜もある。風返し峠を過ぎると標高は500メートルになる。兄の大海さんと、どちらが早く着くか競い合うこともあるそうだ。 つつじケ丘駐車場から筑波山神社に向かいダウンヒルで下りてきた後、りんりんロード沿いの筑波休憩所近くにある「松屋製麺所」(つくば市沼田)で食べるラーメンは感動の味だそう。「サイクリスト向けに駐輪用の自転車スタンドが置いてあり、席数もメニューも少ないが、安くてめちゃくちゃおいしい」 バイトしクロスバイク購入 志賀さんが初めてクロスバイクを手に入れたのは昨年10月。大学に進学してから物流倉庫で荷物を仕分けするアルバイトを始め、貯めたお金で購入した。同時にヘルメット、スパッツ、シューズと、ペダルを固定するクリートという器具なども購入し、本格的に自転車に取り組み始めた。 クリートを使ってペダルにシューズを固定すると、ペダルを引き上げたり回したりする動作が安定し、ヒルクライムでもダウンヒルでも効率的な走りができるようになった。しかし、ペダルから足を外すのにコツがあり、慣れないうちは足が外れず何度も転んでけがをした。転びながらコツを覚え、今では自在にペダルを操れるようになったと話す。 どこにでも行ける自由さが魅力 元々自転車で走ることが好きだったという志賀さん。小学校から高校時代まで自転車で通学していた。自宅から高校までは片道およそ13キロあり、自転車通学で基本的な体力が付いたという。 りんりんロード付近には様々な史跡があることから、地域の歴史に興味を持つようになり、在籍する筑波学院大の社会貢献活動「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」では、文化財を案内するボランティア活動を行った。 「自転車で行動範囲が広がると同時に自分の世界も広がったように感じる。自転車さえあれば自分でどこにでも行ける、その自由さに取りつかれてしまった」

【気分爽快 りんりんロード】4 ヒルクライムに熱中 志賀旭さん

【田中めぐみ】筑波学院大3年の志賀旭さん(21)は、昨年4月、兄の大海(ひろみ)さんに誘われたのがきっかけでつくば霞ケ浦りんりんロードを走り始めた。休日の早朝、つくば市内の自宅から出発して土浦駅まで行き、りんりんロードに入って平沢官衙遺跡(つくば市平沢)まで走る。そこから、つくば市と石岡市の境にある標高294メートルの不動峠、筑波山南東の尾根に位置する標高412メートルの風返し峠、つつじが丘駐車場に上るヒルクライムコースが特にお薦めだそうだ。 坂を上りきる達成感 「ヒルクライムはとにかく体力勝負。余った体力を坂にぶつけている。頂上まで上り切った時の達成感が最高」と志賀さん。「ギアを軽くして上る人もいるが、自分は軽くせず、一度も止まらずに強い踏み込みで上っていく。動いている、確かに前進していると感じられるのがヒルクライムの楽しさ」と顔をほころばせる。 不動峠の平均勾配は7%。途中10%を超える急傾斜もある。風返し峠を過ぎると標高は500メートルになる。兄の大海さんと、どちらが早く着くか競い合うこともあるそうだ。 つつじケ丘駐車場から筑波山神社に向かいダウンヒルで下りてきた後、りんりんロード沿いの筑波休憩所近くにある「松屋製麺所」(つくば市沼田)で食べるラーメンは感動の味だそう。「サイクリスト向けに駐輪用の自転車スタンドが置いてあり、席数もメニューも少ないが、安くてめちゃくちゃおいしい」 バイトしクロスバイク購入 志賀さんが初めてクロスバイクを手に入れたのは昨年10月。大学に進学してから物流倉庫で荷物を仕分けするアルバイトを始め、貯めたお金で購入した。同時にヘルメット、スパッツ、シューズと、ペダルを固定するクリートという器具なども購入し、本格的に自転車に取り組み始めた。 クリートを使ってペダルにシューズを固定すると、ペダルを引き上げたり回したりする動作が安定し、ヒルクライムでもダウンヒルでも効率的な走りができるようになった。しかし、ペダルから足を外すのにコツがあり、慣れないうちは足が外れず何度も転んでけがをした。転びながらコツを覚え、今では自在にペダルを操れるようになったと話す。 どこにでも行ける自由さが魅力 元々自転車で走ることが好きだったという志賀さん。小学校から高校時代まで自転車で通学していた。自宅から高校までは片道およそ13キロあり、自転車通学で基本的な体力が付いたという。 りんりんロード付近には様々な史跡があることから、地域の歴史に興味を持つようになり、在籍する筑波学院大の社会貢献活動「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」では、文化財を案内するボランティア活動を行った。 「自転車で行動範囲が広がると同時に自分の世界も広がったように感じる。自転車さえあれば自分でどこにでも行ける、その自由さに取りつかれてしまった」

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