金曜日, 5月 3, 2024
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鈴木宏子 -検索結果

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キャンパス内に商業施設 10月1日筑波大に開店 支払いキャッシュレスに

【鈴木宏子】筑波大学(つくば市天王台)のキャンパス内に10月1日、スーパーとカフェを併設したショッピングプラザ(仮称)がオープンする。 スーパーはカスミ(同市西大橋、石井俊樹社長)が運営する同筑波大学店(箱田直美店長)で、同社初の取り組みとして現金のやり取りを行わず、クレジットカードや電子マネーで買い物するキャッシュレス化の店舗となる。 スーパーの建築面積は約1000平方㍍。生鮮食料品や日用品を販売するほか、留学生が多いことから、アジア各国の調味料など輸入食材や、イスラム教の戒律に沿って調理・製造されたハラール認証の食材なども豊富に取りそろえる。学生向けのため、商品価格は他の店よりやや安めにするという。 店舗には、その場で飲食できるイートインコーナー(店内33席、テラス44席)を設置。無料のWi-Fiが使用できるようにする。さらに簡易キッチンを備えた多目的スペース(8席)を設け、学生や教職員がミーティングなどで利用できるようにする。イートインコーナーには一誠商事のセルフ不動産検索機を設置し、新居探しもできるという。 店舗入り口付近にはスマートフォン充電シェアリングサービスを設け、店舗横に宅配便ロッカーを設置し宅配便が受け取れるようにする。自転車の無料空気入れスタンドも設置し、パンク修理も対応する。 学生、教職員計約2万2000人と周辺住民約3200世帯を対象に、年商3億4000万円を目指している。 カフェは、サザコーヒー(ひたちなか市、鈴木美和子社長)が運営する筑波大学アリアンサ店で、建築面積は約200平方㍍。同大と共同開発したコーヒー豆、アリアンサコーヒーのほか、ドイツ製の焙煎機で焙煎したこだわりのあるコーヒーなどを提供する。 同大は、学生と教職員の福利厚生と利便性向上を目的に、平砂学生宿舎北側に食品スーパーを中心にした商業施設を整備することを計画。昨年7月、運営会社を公募した。鹿島リース(東京都港区、稲葉仁社長)が施設を整備し20年間運営して、同大が土地の賃料を得る仕組みで、整備が進められてきた。 ◆カスミ筑波大学店の営業時間は平日が午前8時~午後9時、土曜・祝日は午前10時~午後7時。日曜定休。サザコーヒーは平日午前9時~午後9時、土・日・祝日午前10時~午後7時。10月1日のオープン時間はカスミが午前10時45分、サザコーヒーが同11時の予定。

金井宇宙飛行士が市役所訪問 つくば市の応援に感謝

【鈴木宏子】国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士として昨年12月から5カ月半、宇宙に滞在し、今年6月帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金井宣茂宇宙飛行士(41)が26日、つくば市役所を訪れた。打ち上げ時や帰還時につくば市の応援を受けたことに対し、五十嵐立青市長に感謝の意を伝えた。 金井さんはフライトエンジニアとして、ISSの維持管理や運用、宇宙環境を利用した科学実験などに取り組んだ。 宇宙滞在を振り返り「宇宙での生活は意外に快適で不自由なかった。宇宙食もおいしいし、肩凝りもないし、夜はハンモックに揺られるようにすやすや眠れた。普通の人が宇宙旅行しても生活するノウハウは蓄積されていると感じた」と話した。もの散らかっているのが嫌いな性格のため、他の宇宙飛行士が出しっぱなしにしているカメラなどを片付けるなど、片付け係だったというエピソードも披露した。 今年2月、アジアや日本の学生たちが筑波宇宙センターの運用管制ルームで生中継を見守る中、学生たちから提案があった8つの宇宙実験を行った際は「宇宙でも学生たちのパワーを感じた」と話した。 帰還後の6月、つくば市は、金井さんに送る「おかえりなさいメッセージ」を市民から募集し、市民の寄せ書きをつくば駅前の商業施設BiViつくばに展示した。筑波宇宙センターでリハビリ中だった金井さんは会場を訪れ、居合わせた市民から「お疲れ様でした」などと声を掛けてもらったことがうれしかったなどと語った。 29日は筑波宇宙センターで催される特別公開で子供たち向けの講演会を開く予定。さらに全国各地に出向いて帰還報告などをする計画という。「経験をいろいろな人にお話しすることで宇宙を身近に感じていただけば」という。 ◆筑波宇宙センターの特別公開は29日(土)午前10時~午後4時。金井さんは「教えて!金井宇宙飛行士」と題して、午前11時30分~、午後1時~、3時~の計3回、子供たちと対話しながらの講演会を開く。入場無料、先着順。問い合わせは電話050-3362-6265(同広報部)

県南3JA 予定通り合併へ 竜ケ崎が総会で逆転可決

【鈴木宏子】JA土浦、竜ケ崎、茨城かすみの合併をめぐり、JA竜ケ崎(木村透組合長)が臨時総代会で合併を否決した問題で、合併議案を再度審議するJA竜ケ崎の臨時総会が24日、牛久市中央生涯学習センター・文化ホールで開かれた。正組合員による投票の結果、3分の2を上回る賛成があり、合併は承認された。これによって当初の予定通り来年2月1日付けで3JAは合併し、新生「JA水郷つくば」が誕生することになる。 正組合員4908人のうち24日の臨時総会に足を運んだのは100人のみ。書面で意思表示した書面議決が3091人、委任状が89人あり、計3280人の出席となった。投票の結果、出席者の3分の2を上回る76%の2492人が合併を承認した。 一方、出席者からは「かなり多くの書面議決がある。賛否の表示がない場合、賛成として取り扱う根拠は何か」などの質問があり、事務局が、会社法の規程などを準用したと説明した。賛否の表示がない書面は562人からあったという。「(農協の)組織のための合併は分かるが、組合員にとってメリットはあるのか」などの質問も出た。 投票結果を受けて木村組合長は「総代会のときに組合員から『説明が足りない』と言われた。その後すぐに職員が一戸一戸訪問し、経過や合併のメリットについて説明して回った。その結果だと思う」と話し「竜ケ崎は土浦や茨城かすみと比べて販売部門が脆弱(ぜいじゃく)。土浦のレンコンは関西の方まで行っており、合併すればそういうところにアプローチがかけられうようになると思う」と組合員にとってのメリットを強調した。 3JAは今年8月1日、大井川和彦知事らの立ち合いで合併契約書に調印した。調印後の8月25日、各JAはそれぞれ臨時総代会を開いた。土浦と茨城かすみは3分の2以上の賛成を得て合併が承認されたが、竜ケ崎は賛成61.3%と3分の2に達せず合併議案は否決された。その後、JA竜ケ崎の正組合員1644人から農協法に基づく総会の招集請求が出され、24日、臨時総会開催に至った。 農協の合併は、国が農協改革の一環で来年5月までに一定の自己改革の成果を求めていることなどを背景に、JA自らが組織や経営基盤の強化を図る目的で進めている。

第一線の研究者同士が討論 つくば横の会シンポ 筑波学院大

【鈴木宏子】つくばの研究者らが、所属機関や組織を超えて横のつながりをつくり議論し合う「つくば横の会」(代表・江渡浩一郎産業技術総合研究所主任研究員)の第4回シンポジウムが23日、筑波学院大学(つくば市吾妻)で催された。「世界的なメディアアートの拠点としての筑波大学」や「スタートアップを軸とした地域との連携」などをテーマに第一線の研究者同士が討論を繰り広げた。 テレビ番組「情熱大陸」に出演したことでも知られる筑波大出身のメディアアーティスト、落合陽一筑波大准教授さんら14人が登壇した。新たなビジネスモデルを開拓して急成長する会社(スタートアップ企業)を支援する仕組みづくりに取り組んでいるつくば市の五十嵐立青市長らも参加した。 登壇した研究者からは「(メディアアートの先駆者、山口勝弘氏が教べんを執っていた時代の筑波大には)そこに行くとだれかが何かをつくっている24時間営業のるつぼみたいなところがあった。(世界的な拠点になるには)そういう環境が必要」「産官学やオールジャパンは失敗や癒着の匂いしかしない。ニコニコ商工会βをつくって、つくばをテクノロジーとアートとスモールビジネスの街にしよう」「(新産業創出を支援、促進する)英国の制度のように、つくば版SBIRをつくってはどうか」などの提案があった。 横の会は、2011年から5年間、インターネット動画サイト「ニコニコ動画」で放映された学術シンポジウムを開催した「ニコニコ学会β」(実行委員長・江渡さん)のつくば関係者が15年6月に立ち上げた。 現在、年1回シンポジウムを開催し、つくばの研究者を中心に毎回100人以上が参加している。これまで「つくばをスタートアップの聖地にする」などをテーマに催しを開催してきた。 筑波学院大が会場の今回は、同大の学生約10人がボランティアで運営に参加した。2年の内田克尚さん(20)は「会社社長もやっている落合陽一さんと一緒に写真を撮ることができた」などとうれしそうに話していた。

土浦の歴史的町並み調査から40年 建築文化史家 一色史彦さん22日講演

【鈴木宏子】土浦の歴史的町並み調査が1978年に初めて実施された。旧水戸街道沿いに残る同市の町並みに初めて光を当てた調査で、当時、東京都立大で教べんを執った市内に住む建築文化史研究者、一色史彦さん(78)が調査主任を務めた。あれから40年。当時、街並みの保存活用はどうイメージされていたのか、今、町並みを次世代にどう伝えていくのかー。 22日土浦市中央、まちかど蔵大徳で、まちづくり講演会が開かれ、一色さんが「土浦のまちづくりに込めたものー土浦の歴史的町並み調査をふまえて」と題して講演する。土浦界隈まちづくり研究会(伊藤春樹代表)が主催する。 調査は、文化庁の伝統的建造物群調査として実施され、東京大、都立大(当時)、筑波大など五つの大学が参加した。旧水戸街道沿いの下高津から真鍋まで、約3.5㌔間の家屋などをくまなく調査。当時は江戸時代や明治・大正・昭和初期に建てられた町家がまだ多く残っており、すべての建物の建築年代分布や、それぞれの建物が景観をどう形作っているかなどを明らかにした。 一方、当時、町家が取り壊され、近代的なビルや住宅などに変わっていたことから、一色さんらは、保存地区の設定や「奥行のある町づくり」などを提唱した。 現在、調査結果に基づいて、旧水戸街道沿いの中条通りに残る江戸時代後期から明治時代初期に建てられた商家が、土浦まちなど蔵「大徳」「野村」として改修・保存され、土浦で街歩きを楽しむ観光拠点となっている。 一色さんは「木造建築は火災で燃えるし、壊れる、伝統的建造物は大切にしたから残ったのではなく、偶然、奇跡的にたまたま残った」とし、特に「町にはりめぐらされていた川口川や水路が、今は道路などの下の暗渠(あんきょ)になってしまったことが水の都、土浦としてもったいない」などと話す。 講演会を主催する同研究会代表の伊藤さんは40年前、筑波大学大学院生として調査に参加した。40年前の町並み調査が活動の原点になっているという。伊藤さんは「土浦の町並みの魅力は何か、今後のまちづくりにどう生かしていくか、原点となった40年前の調査を踏まえて考えたい」と話す。 ◆まちづくり講演会は22日(土)午後1時20分~4時、土浦市中央1丁目、まちかど蔵大徳2階和室で開催する。講演後、県指定文化財矢口家住宅など中条通りの町並みを歩いて見学する。入場無料。参加申し込みは電話090-4059-4860(伊藤さん)

霞ケ浦の魚食文化再興を 筑波学院大 古家教授ら講演

【鈴木宏子】「帆引き船と霞ケ浦の魚食文化」をテーマにしたシンポジウムが16日、かすみがうら市坂、市農村環境改善センターで催された。民俗学者で伝統食を研究する筑波学院大学の古家晴美教授が「霞ケ浦の恵みと魚食文化」と題して基調講演し、霞ケ浦の魚食文化の再興について考えた。 10月につくば市で開催される世界湖沼会議の関連行事、サテライトかすみがうらとして開かれた。古家教授は、霞ケ浦の恵みを地域の人々がどのような形で生活に取り込んできたかの歴史を振り返った。 古家教授によると、明治時代になって水産加工技術が発達し、ハゼやエビの佃煮や桜エビなどが製造されるようになり、特に桜エビは中国に輸出するほど品質が高かった歴史を話した。 一方、庶民が霞ケ浦の魚をどのように食べてきたかについては近年の聞き取り調査資料などを基に、春先の田植え前、夜中にたいまつをたいてドジョウを採りみそ汁の具にしたり、イサザアミの煮干しを酢じょうゆをかけて食べたり、生のイサザアミを二枚貝のタンカイ(ドブガイ)の殻の上でいって塩味で食べたなどの食事を紹介した。母乳の出をよくする食べ物として、出産時に嫁の実家からコイ料理が提供された風習なども紹介した。 その上で古家教授は「今後、魚食文化が霞ケ浦地域の特色としてどのように意識化されていくのか見守っていきたい」などと話した。 続いて行われた事例発表とパネルディスカッションでは、滋賀県水産課職員の関慎介さんが、滋賀県が取り組んでいる「琵琶湖八珍」のブランド化の取り組みを紹介した。霞ケ浦の観光帆引き船事業を発展させるヒントとして、岐阜市歴史博物館の大塚清史館長は長良川鵜飼いと観光事業について話した。 同市歴史博物館学芸員の千葉隆司さんは「霞ケ浦は人と魚が食を通じて関わっていたことで輝いていた。霞ケ浦の魚を食べる文化を絶やしてはいけない」などと訴えた。

否決の合併議案を総会で再審議へ 県南3JA合併問題

【鈴木宏子】来年2月の合併を目指しているJA土浦(本店・土浦市)、竜ケ崎(龍ケ崎市)、茨城かすみ(美浦村)のうち、JA竜ケ崎が8月25日に開いた臨時総代会(総代507人が対象)で、合併議案が否決された問題で、3JAの組合長は13日記者会見し、9月24日にJA竜ケ崎が臨時総会(正組合員4905人が対象)を開き、再度、合併議案を審議すると発表した。 3JAの組合長は8月1日、大井川和彦知事らの立ち合いで合併に調印した(8月2日付け)。調印後の総代会で議案が否決されるのは全国的にほとんど例がないという。 合併の手続きとして調印後に、各JAがそれぞれ臨時総代会を開き、3分の2以上の賛成を得ることが必要になる。3JAは8月25日、それぞれ臨時総代会を開催した。土浦と茨城かすみは賛成多数で可決となったが、竜ケ崎は61.3%の賛成しか得られず、合併議案は否決された。 その後、JA竜ケ崎では組合員から「臨時総代会で半数以上が賛成している。正組合員からも賛成する声が上がっている」などの声が上がり、正組合員1644人から農協法に基づく総会の招集請求が出されたという。 総会を開催するためは同法の規定により正組合員の5分の1(JA竜ケ崎は981人)以上の請求者が必要になる。JA竜ケ崎は請求者数を確認、5分の1に達していたことから、8日理事会を開催し、臨時総会の招集を決めたという。 JA竜ケ崎の木村透組合長は「竜ケ崎は牛久、龍ケ崎、利根で農業形態が違っていて、畑作が多い牛久の組合員から『私たちが発言できる場をつくってほしい』という声が上がった。総会招集請求が出て、急きょ、総会を開くことになった」と経緯を話した。 ただし総会で合併議案を可決するためには正組合員2分の1以上が出席し、出席者の3分の2以上の賛成が必要になり、結果はふたを開けてみないと分からない。JA土浦の池田正組合長は「(結果についての)そこの議論はしたくない」と話し「竜ケ崎が最大限努力するということなので、できる限りバックアップして合併できるよう頑張りたい」と語った。24日の臨時総会で可決されれば来年2月1日の合併スケジュールに変更はないという。

リース校舎増築へ 児童・生徒数急増の竹園西小と東中 つくば

【鈴木宏子】児童・生徒数が急増し教室不足などが指摘されている、つくば市立竹園西小学校(同市竹園2丁目、児童数764人)と竹園東中学校(同市竹園3丁目、生徒数585人)について、市は、両校にリース校舎を増築する案を9月議会に提案した。両校とも2020年4月から使用できる見通しという。 両校の学区内では、つくば駅周辺のマンション建設や国家公務員住宅跡地の宅地造成などにより、児童・生徒数の増加が続いており、市の対応が求められている。 竹園西小は3階建て校舎(8教室)、東中は2階建て校舎(12教室)を建設する計画。いずれも鉄骨造りで、来年3月ごろ着工、約1年で完成し、20年4月から使用できるようにする。 リース代は18年度から29年度まで12年間で、西小は総額約3億3500万円、東中は約3億1500万円。9月補正予算案に債務負担行為を設置し提案した。 現状のままでは20年4月に西小が6教室、東中が3教室不足、21年度は西小が8教室、東中が7教室不足する見通しだった。 一方、東中は、校舎完成前の来年4月に1教室が不足する見通しだが、来年度は会議室を普通教室に充てて対応するという。 「対応あまりにも後手後手」 つくば駅に近い竹園1丁目地区には15年に、15階建てマンション3棟(計322戸)が建設され、国家公務員住宅跡地の住宅開発などと併せて児童・生徒数が急増している。20年には近くにさらに19階建てマンション(331戸)などが完成する予定で、小中学校などの受け入れ環境を早期に整備することが求められている。 今年3月と6月議会では、竹園西小と東中の過密化問題が複数の議員から指摘され、西小については「以前会議室だった場所が教室に転用されエアコンがない中で子供たちは過ごしている。特別支援教室は2教室を1.5㍍ほどのパーテーションで区切り3教室にして使用している。教材室だった6畳ほどの倉庫を日本語教室、特別支援教室に転用している。対応はあまりにも後手後手でひど過ぎる」「子供たちの数に見合ったグラウンドの広さがないため、お昼休みなど3年生以上しかグラウンドで遊ぶことができない。低学年の子は走り回れるスペースがない」(山中真弓市議)などの指摘があった。 東中については3月議会で、新井隆男教育局長(当時)が「(教室が)さらに足りない場合は、PTA室という大きい部屋があるので、それを普通教室としてPTA室と分ける」などと答弁、山中市議が「PTA室といっても旧校舎の昇降口だった。これが教室になるとは到底思えない。校舎を増設するなどの対応をきちんととっていくべき」などと指摘していた。

賞味期限1年9カ月過ぎのジャム 給食に提供 つくば市

【鈴木宏子】つくば市は11日、市立東小学校(同市東、児童数490人)に10日昼提供した学校給食に、賞味期限を1年9カ月過ぎたイチゴジャムが含まれていたと発表した。児童の健康被害は確認されてないという。 市教育局健康教育課によると、10日昼、給食を食べていた児童がジャムの賞味期限が切れているのに気付いた。アルミパックで包装された1個15㌘入りのジャムで、フランスパンに添えて出されていた。同校は全校放送でジャムを食べないよう呼び掛け、給食を提供した市桜学校給食センターに報告し、ジャムを回収した。児童145人がジャムを食べてしまったという。 今回のジャムは、農事組合法人つくばねファーム(つくば市和台原)が6日、同給食センターに計5620個を納品した中の一部。開封されたものを含め同小が回収したジャム516個を同センターが調べたところ、6割近い294個の賞味期限が1年9カ月前の2016年12月8日だった。納品後、センター職員は箱の期限表示と抽出調査をして賞味期限を確認したが混入に気付かなかったという。 10日は市立幼稚園2園、小学校5校に計2400個のジャムが提供された。幼稚園園児とほかの小学校児童はジャムを食べたが、いずれも賞味期限切れのものはなかったことを確認した。 原因について、市教育局は同ファームに調査を求めているが、現時点で不明という。 市は10日と11日、同小保護者にメールと文書で謝罪し、児童の健康状態を引き続き確認している。 ほかの学校に提供する予定だった残りのジャム約3220個については、いずれも賞味期限切れのものはないと確認されたが、提供を取り止め、児童らには別の代替品を用意する。 市は同ファームに対して、原因特定と再発防止策が確認できるまで商品の納入を一時中止する。 市の報告を受け、県つくば保健所と筑西保健所は11日、同ファームを合同で立ち入り調査した。県保健福祉部生活衛生課によると11日時点で原因などは不明という。

【土浦花火】あと1カ月 フォト歴代作品展開催 花火弁当受け付け中

【鈴木宏子】10月6日、土浦市学園大橋付近の桜川畔で開催される「第87回土浦全国花火競技大会」まであと1カ月。大会を盛り上げようと今年は、土浦市民ギャラリー(土浦駅前、アルカス土浦1階)で「土浦の花火フォトコンテスト歴代入賞作品展」が9月17日まで開かれている。土浦の特産品を生かした花火弁当の販売申し込みも始まっている。 20都道県の56業者が競う 【大会概要】今年は20都道県から56業者が参加し技を競う。10号玉の部は45発、創作花火の部は22組、スターマイン部は22台でそれぞれ競技が実施される。迫力を堪能できる大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」は、今年も横幅約500㍍の広さで9カ所から6分間にわたって約2100発を打ち上げる。恒例の大会提供エンディング花火は第87回大会にちなんで7号玉を87発打ち上げフィナーレを飾る。打ち上げ時間は午後6時から8時30分まで。昨年は75万人が観覧した。 前日5日正午、自由席開放 【観覧席】桜川河川敷に設置される桟敷席は、販売用の約2800升すべてが9月6日までに売り切れた。7月にローソンチケットで約1000升、9月4日朝8時に大岩田の水郷体育館で1800升の抽選会、同6日正午にローソンチケットキャンセル分約100升を追加販売し、いずれもすぐに完売したという。1升(6人席)2万2000円だが、今年も手に入りにくいプラチナチケットとなっている。 大会前日の10月5日正午からは、桟敷席下流の約2000平方㍍に設ける無料自由観覧席が一般開放され、場所取りが解禁になる。約2000人が観覧できる。例年、前日正午までに約1000人が場所取りに並ぶという。 9店が17種類を販売 【花火弁当】地元の特産品などを全国に発信しようと、市観光協会土浦名物弁当事業者部会が毎年販売している花火弁当は、今年は9店が計17種類を販売する。趣向を凝らした豪華な弁当の注文を各店で受け付け中だ(http://www.tsuchiura-kankou.jp/meibutubento/)。 歴代入賞作品を展示 【事前イベント】大会を盛り上げるイベントとして、今年は9月5日から市民ギャラリーで「土浦の花火フォトコンテスト歴代入賞作品展」が開かれている。2008年の第1回から昨年の第9回までの最優秀賞や優秀賞受賞作品など計38点が展示されている。実物大の花火玉や、大会当日に花火審査員が着用するはっぴなども展示され、はっぴは会場で実際に試着することもできる。市商工観光課は「ぱっぴを着て今年のポスターの前で写真を撮りSNSで土浦の花火を発信してほしい」と話している。 ほかに大会をより一層楽しんでほしいと、大会当日の10月6日午後1時30分からと2時30分からの2回、花火鑑賞士による「花火セミナーin土浦」が、土浦駅前の県南生涯学習センター(市役所5階)で開かれる。事前申し込み不要、参加費無料だが各回先着100人まで。 臨時列車も運行 【交通機関】大会当日の公共交通は、JR土浦駅から通常列車のほか、上り下りそれぞれ3本ずつ臨時列車が運行する。土浦駅東口から会場の学園大橋まではシャトルバス(大人240円、子ども120円)が行き来する。 駐車場は臨時・公共駐車場を5000台分用意する。このうち1790台分を無料駐車場として開放する。無料は、市立武道館駐車場(午前9時~、90台)▽上高津貝塚ふるさと歴史の広場(同9時~、100台)▽市民会館(午後1時~、200台)▽県土浦合同庁舎(午後1時~、100台)▽市職員駐車場かね喜裏(午前9時~、150台)▽霞ケ浦総合公園(午後1時~、600台)▽滝田1丁目臨時駐車場(午後1時~、300台)▽土浦第二小(午前9時~、50台)。 ※メモ 【土浦全国花火競技大会】1925(大正14)年、神龍寺(文京町)の住職、秋元梅峯が、霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した経済を活性化する目的で、私財を投じ霞ケ浦湖畔で開催したのが始まり。内閣総理大臣賞を授与する花火競技は、秋田県大曲と土浦の全国2大会のみで、特に土浦は数百発の花火を速射連発するスターマイン日本一を決めるといわれる。

振り込め詐欺撃退装置を無償貸し出し 土浦市

【鈴木宏子】高齢者のニセ電話詐欺被害を防ごうと土浦市は、振り込め詐欺などを撃退する「自動通話録音装置」計100台を高齢者世帯などに無償で貸し出している。県のモデル事業の一環で、取り組んだのは県内で初めてという。 固定電話に装置をつなぐと、着信時に「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため会話内容が自動録音されます」というアナウンスを発信者に流し、すべての会話を高音質で録音する。さらに装置の赤いボタンを押すと、あらかじめ登録していた近親者など4人に順に緊急を知らせる録音メッセージを届けたり、非通知電話を着信拒否するなどの機能もある。録音した会話は警察に提出すれば声紋分析が可能で捜査に役立てることができるという。 65歳以上の高齢者世帯のほか、日中、高齢者だけになる世帯などに貸し出す。 市生活安全課によると、県内のニセ電話詐欺の認知件数は今年6月末までの半年間で155件と前年同期と比べ48件減少、被害額は計約1億4800万円と同比1億1900円減っているという。 同市は8月から貸し出し受付を開始。現在、第2期分として9月4~28日まで申し込みを受け付けている。装置は市役所窓口まで取りに来て、自分で取り付けることが必要。今回の貸し出し期間は来年6月末まで。同課は2021年2月末まで、交代でさまざまな高齢者に使ってほしいとしている。装置の販売価格は1万2800円(税別)。詳しくは電話029・826・1111(同市生活安全課)

クレオ 年内にも売却意向 つくば市関与の是非 判断迫られる

【鈴木宏子】西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退後、空き店舗となり閉鎖されているつくば駅前商業施設クレオについて、つくば市は4日開かれた市議会全員協議会で、所有者の筑波都市整備(同市竹園)が年内にも売却を行いたい意向であることを明らかにした。市が一定の財政負担をしてクレオ再生に関与すべきか否か、関与するとしたらどの程度か、市は早急な判断を迫られている。 市によると同都市整備には現在、民間事業者からクレオを取得したいという提案がいくつかあるという。ただし、撤退前までのように全体を商業施設として活用したいという提案は無い。一つの提案として、一部に公共施設を導入し、旧イオンつくば駅前店側にマンションを新たに建築、ほかは商業利用する提案があるという。 クレオの再生について市は今年6月、5、6階に図書館などの公共施設を約22億1400万円かけて入居させる案を調査したことを市議会に明らかにした。市はさらに調査費を計上し、現在、市がクレオの一部を賃貸または購入して公共施設を入居させる場合と、市または市出資法人がクレオを購入し一部に公共施設を導入するケースについて、費用などを詳細に検討する調査を実施している。 当初市は、今年12月までに調査結果をまとめるとしていたが、早急に判断を迫られていることから、五十嵐立青市長は4日、9月末に市の関与手法や負担額などの方向性を出していきたいと表明した。 8割が市関与求め、8割が商業施設望む 市は4日の全協で併せて、7月29日から8月15日まで市ホームページで実施したクレオの今後の在り方に関するアンケート調査結果を報告した。市の関与について「負担額にもよるが一定の財政負担をしても市が関与すべき」と回答した人は81.7%、クレオの在り方として商業施設を望む声が80.8%(複数回答)を占めた。 回答者は1247人。6月1日現在の市の有権者数18万525人と単純比較すると0.69%しかなかった。 回答者の住まいは87.7%をつくば市民が占め、全体の54.3%がクレオ近隣の学園地区住民だった。年齢は40代が32.9%、30代が30.5%と30、40代が6割を占めた。性別は男女ほぼ半々。回答者のつくば駅周辺の利用頻度は、年に数回来訪する人が最も多く34.7%、次いで月に数回が28.5%、週に数回は22.2%だった。 クレオの在り方については、商業施設に次いで公共施設、業務施設の順になった。

最後のアサザ群落が消滅 霞ケ浦 日本最大の生育地

【鈴木宏子】霞ケ浦(西浦)のアサザ群落が今年、消滅してしまったことが分かった。1990年代に10カ所あった群落のうち、最後に残った行方市富田湖岸の群落が消えたことが、認定NPO法人アサザ基金(牛久市、飯島博代表)が8月に実施した調査で確認された。 アサザは水面に黄色い花を咲かせる水草で、準絶滅危惧種。霞ケ浦は北浦と併せて日本最大の生育地だった。例年なら6月ごろ開花し、8月から9月までのほぼ2カ月間満開となって群落一面にかれんな黄色い花を咲かせる。北浦は現在1カ所だけ群落が残っている。 1996年には霞ケ浦で10カ所の群落が確認されていた。2000年には4カ所に減少、その後一時的に回復したが再び減少し、昨年は行方市湖岸の群落が唯一残った。 特に最後の生育地、行方市湖岸の群落は、めしべとおしべの長さが異なる花のタイプがあって、全国で唯一、種子をつくることができる2タイプの遺伝子がある貴重な群落だったという。 「原因は水位操作」 消滅の原因について、アサザ基金の飯島代表は、水資源を確保するため国交省霞ケ浦河川事務所が実施している水位を上昇させる操作だと指摘する。水位操作は1996年から実施され、その後アサザ群落は徐々に減少、2000年には群落が4カ所のみに減った。2000~03年の3年間、国交省は水位操作を中断、その間アサザは回復したが、再び水位を上げ、アサザ群落は再び減り始めたという。 水位が上昇したことで湖岸に寄せる打ち返しの波が強くなり湖岸の植生帯がすでに削られてしまったこと、もともと自然のサイクルは、春先に水位が低くなってアサザが陸上で芽を出し、水位が上昇する夏場に水中で枝を広げるが、自然サイクルと異なる水位操作によりアサザが成長できなくなったためとみられているという。 こうした中、アサザ基金は1995年から、流域の小中学校や市民団体、企業、農林水産業者などに呼び掛け、アサザの苗を学校の池やバケツなどで育て、湖に返すプロジェクトなどを展開、これまで延べ20万人以上が関わってきた。 飯島代表は「水位操作は60年以上前に作られた計画にもとづくもの。その後人口は予想より増えず、産業構造の変化などによる水余りが生じており、水位を上げる必要はない。アサザが絶滅することが分かっていながら水利権が設定されているために水位を上昇させている」と指摘。「国は霞ケ浦の自然環境を保全する意識が希薄で、責任は重大。最大の水利権者である県の責任も問われる」と強調する。 その上で「諦めずに水位操作の見直しを国に求め続けたい。国が水位操作を見直した時には、保存しているアサザの株を再び湖に戻せるようにしたい」と話す。

災害復興祈り新作大ねぶた登場 移動支援ロボのパレードも 25、26日「まつりつくば」

【鈴木宏子】つくば市最大の夏祭り「まつりつくば」が今年も25、26日の2日間、つくば駅周辺で催される。恒例のねぶたや日本最大級の万灯みこし、1985年のつくば科学万博を記念して製作された万博山車、竿燈(かんとう)などが勢ぞろいしパレードを繰り広げる。 ねぶたは、今年新たに大ねぶた1基が加わり、凱旋太鼓と合わせて計10基が両日夕方から、土浦学園線をパレードする。新たに登場するのは日本神話のヤマタノオロチを退治するスサノオノミコトを題材にした、まつりつくばオリジナルのねぶた。2015年鬼怒川水害が発生したことを受け、自然災害からの復興を祈願して製作したという。つくば青年会議所ねぶたパレード実行委員会の猪瀬尚平委員長(31)は「見応えある壮大なパレードをぜひご覧ください」と来場を呼び掛ける。 25日のオープニングパレードでは、搭乗型移動支援ロボットが消防音楽隊などと共にパレードする。電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」、産業技術総合研究所の「マイクロモビリティ」、日立製作所の「ROPITS」、宇都宮大学の「NENA(ニーナ)」などがお目見えする予定だ。これまで歩道以外の公道走行は認められてなかったが、今年3月の警察庁通達で通行止め規制が行われている車道で走行できるようになった。車道走行は国内初という。 ほかに26日は、来年つくば市で開かれる茨城国体自転車競技を応援しようと、自転車ロードレースの「Jプロツアー」選手30人が、サイクルレースのエキシビション(特別実演)を実施する。 パレードのほか、つくばセンター広場、つくば公園通り、中央公園、つくばエキスポセンターなどでも様々な催しが繰り広げられる。 ▼つくばセンター広場=ステージやバザー広場が設けられ、ライブコンサートやヒーローショーが開催されるほか、飲食店が多数出店する。 ▼つくば公園通り、中央公園、エキスポセンター=文化会館アルスと中央公園にはさまれたつくば公園通りでは、プロの大道芸人らがパフォーマンスを披露する。つくばエキスポセンター正面ゲート広場にはロボットパークが設けられ、ロボット操縦体験やセグウェイ試乗などができる。二足歩行ロボットによるステージショーなども催される。中央公園は「ふれあい広場」が設けられ、ポニーの体験乗馬などができる。 ▼竹園公園=つくば国際会議場隣りの竹園公園には「スポーツパーク」が設けられ、グラスバレー大会やダンスパフォーマンスバトルが催されるほか、いろいろなスポーツを体験できるブースが設けられる。 今年のまつりつくばは例年とほぼ同規模。昨年話題を呼んだディズニーパレードは行われないが、例年同様、40万人の人出があると見込まれている。 市役所に無料臨時駐車場 25、26日の2日間、研究学園駅近くの市役所駐車場を無料臨時駐車場として開放する。無料臨時駐車場から会場のつくば駅周辺に出掛けられるよう、つくばエクスプレス(TX)下り快速列車の一部が両日とも研究学園駅に臨時停車する。 まつりの問い合わせは電話029-883-1111(まつりつくば大会本部・事務局つくば市観光推進課内)。

「フックン船長」宇宙へ 野口聡一さんと半年間

【鈴木宏子】つくば市のイメージキャラクター「フックン船長」が、2019年終わりごろから、宇宙飛行士の野口聡一さんと宇宙に行くことが決まった。半年間、野口さんと一緒に国際宇宙ステーションに滞在する。 フックン船長は宇宙飛行士型ふくろうロボット。宇宙で活躍できる日を夢見ながら、日夜、市のPRに励んでおり、夢がかなう。市科学技術振興課によると、日本の宇宙飛行士の間で、フックン船長は知名度があり、親近感をもたれていることなども選ばれた理由の一つという。 選定を受けてフックン船長は22日「野口宇宙飛行士と一緒に宇宙に行けることになったフク! 無重力の宇宙ステーションで上手に飛べるようフライトに向けて羽ばたく練習に励むフクー。野口さん、JAXAの皆さん、よろしくフク!」とコメントを発表した。 フライトエンジニアとして3回目の宇宙長期滞在が決定した野口さんが今年5月、五十嵐立青市長を訪問し、「ゆかりがあるつくばのものを宇宙に持参したい」と依頼していた。野口さんは1996年などにJAXA筑波宇宙センターが立地するつくば市で暮らしていた。 宇宙に行くのは高さ18㌢、奥行き18㌢のフックン船長のぬいぐるみ。100㌘以下という条件があったため、新たに製作した。 五十嵐市長は「フックン船長には、市民の思いがこもったメッセージと共に宇宙へ飛び立って、宇宙で活躍してもらいたい」、野口さんは「フックン船長の夢とつくば市民の熱い思いと共に、来年の国際宇宙ステーションでの長期滞在に臨む所存です」などのコメントを発表した。

地元企業の人材確保へ NPO設立し留学生やUターン学生の就職支援

【鈴木宏子】少子高齢化が進み、地方の中小企業で人材不足への懸念が深刻になる中、筑波学院大学(つくば市吾妻)と県内企業、就職支援をするキャリアカウンセラーなどが連携して、県内企業の人材確保に取り組むNPO法人の設立準備を進めている。 NPO「タウン・アクティビティ・コモンズ(TAC)」(土浦市)で、東南アジアからの留学生を対象に、大学で学びながら県内企業で就労体験する機会を作ったり、県出身の学生に県内企業にUターン就職するための就職体験プログラムを提供したり、地元で活躍する意識を育てるなどの事業を計画している。 筑波大学(つくば市天王台)職員として長年、学生の就職支援に取り組んできたキャリアカウンセラーの久保田優さんが理事長、筑波学院大の大島慎子学長が副理事長を務める予定だ。 久保田さんが長年築いてきた人脈を生かして、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど東南アジアの大学生を対象に、県内企業と共に現地で留学説明会などを開催する計画だ。留学生には奨学金を得ながら筑波学院大で学び、県内企業で半年から1年間インターンシップを体験してもらった上で、県内企業への就職を支援する。 日本人学生は、都内などの大学で学ぶ県出身者を対象に、県内にUターン就職してもらうためのインターンシッププログラムを提供する方針だ。ほかに学生のキャリア形成のための授業プログラムを開講したり、企業の人事担当者向けにセミナーを開催したり、高校生や高校教員向けにキャリア形成の学習支援などを企画している。 21日、筑波学院大学で同NPOの設立総会が開かれ、今後の事業計画などを決めた。秋には設立の見込み。 久保田さんは「大学と連携して地域で活躍できる人材を育て、地域企業に定着を図りたい」と話し、大島学長は「留学生はここ最近、日本で就職したいという意向に変わっており、教育方法も変化している。県内に定着できるようになれば」と語っている。

子どもの養育状況を別人に郵送 つくば市 児童手当現況届25件流出か

【鈴木宏子】つくば市は15日、子どもの養育状況などが書かれた児童手当現況届を、市が誤って別人に発送し、25件の個人情報が流出した可能性があると発表した。 児童手当を受給する要件を満たしているかどうかを確認するための書類で、受給者の氏名、住所、生年月日、加入年金の種類と、子どもの名前、生年月日、同居や別居の有無、子どもの面倒を見ているか否かの監護の有無などが記されている。 市こども政策課によると同市の児童手当受給者は約2万1000人。今年度の現況届は7月2日が提出締め切りとなっている。一方、未提出者が1206件分あったことから、提出を促すため、あらかじめ市が把握している情報をもとに子供の養育状況などを印刷した現況届を13日、1206件に発送した。 発送の際、現況届を入れた封筒が25件分足りなかったが、担当者が、25件分を印刷していなかったと思い込み、印刷し直して発送した。 翌14日午後、市民から、自分の分のほかに別人の現況届が入っているとの指摘があり、誤発送が分かった。15日午後4時半時点で計5人から、他の人の分が混入しているとの連絡が市にあるという。市は25件について、誤って他の受給者の封筒に現況届を混入して発送してしまった可能性があるとみている。 今後、25件全員の自宅を訪問し謝罪するほか、誤発送した現況届の回収を行うとしている。再発防止策として、通知発送の際は封筒に書類を入れる前と後に書類のチェックを徹底したいとしている。 五十嵐立青市長は「市の信頼を損なう行為で、大変申し訳なくお詫び申し上げます。再発防止に努め、特に個人情報保護については研修を行うなど流出防止の徹底を図っていきます」とのコメントを発表した。

【戦後73年の記憶】6 顔知らぬ文通相手 突然帰らぬ人に 横田晴子さん(91)

【鈴木宏子】つくば市の横田晴子さん(91)は、太平洋戦争が始まった1941(昭和16)年、旧水海道高等女学校に入学した。4年生のとき、水戸陸軍病院に入院していた友達のお兄さんに俳句を添えて慰問の手紙を書いた。女学生からの手紙だと評判になり、病室で皆が回し読みしたという。 しばらくして手紙を読んだ一人の男性から返事が届いた。埼玉県杉戸町出身の古河地方航空機乗員養成所の教官で、盲腸のため入院していた。すぐに退院したが、その後も文通は続き、横田さんはその都度、俳句を添えた返事を送った。 学校の全校作業の日だった。生徒全員が校庭に出て草取りやごみ拾いなどの作業をしていたとき、下妻の方から飛行機が飛んできた。校庭の上空を何度か旋回し、だんだんと低空飛行になって斜めになり、窓から白いハンカチを振り飛び去った。校庭にいた女学生たちはわあわあと大騒ぎになった。 後日、文通相手から手紙が届いた。「計器測量のため下妻まで行きました。皆さんの姿が豆粒みたいに見えたので、水海道に行きました」と記してあった。学校の上空を旋回しハンカチを振ったのは文通相手だったのだ。「この手紙が最後になるかもしれません」とも書かれていた。 しばらくたって文通相手の妹から手紙がきた。「兄によく手紙がきていた方なのでお知らせします。兄は九州から飛び立ち、帰らぬ人となりました」という内容だった。特攻隊に志願したのだという。顔も知らず会ったこともない相手だった。特攻隊に志願した話は妹からの手紙を見るまで知らなかった。 1944(昭和19)年に女学校を卒業。先生から代用教員になることを勧められたが、子供たちに教えるより工場で働いた方が役に立てると、挺身隊に入り、守谷町(当時)の海老原軍需工場で働いた。飛行機の補助翼などをつくる職場で、部品に打ち込む、焼いて熱くしたくぎを運ぶ係だった。 工場から徒歩10分くらいの距離にある長龍寺が挺身隊の寮となった。杉山に囲まれた寺で、寺は寝るだけ。朝昼晩の食事は工場の食堂でとった。 3食すいとん汁だった。2、3㌢くらいの大きさのうどん粉を丸めた団子が三つか四つ入っているだけ。若かったので辛かった。自宅通勤の友達が「毎日すいとん汁では辛かろう」とふかしたサツマイモを新聞紙にくるんで持ってきてくれたことがあった。昼にごちそうになり、その時食べたイモは最高においしかった。 終戦で挺身隊は解散。戦後は土浦の奥井裁縫所に1年間住み込み裁縫などを習った。姉4人、兄1人の6人きょうだいの末っ子。習い事のため東京に出ていた姉は食糧難で満足に食べられなかったが、土浦の横田さんの住み込み先には、兄が月1回、自転車でコメを運んでくれた。 「大変な時代だった」と話す。=終わり

【戦後73年の記憶】4 号令に合わせひたすらアルミ板たたいた 栗栖恵子さん(86)

【鈴木宏子】土浦市の元中学校教員、栗栖恵子さん(86)は、80歳を過ぎてから母校の土浦二高に年1回赴き、後輩たちに戦争体験を伝えている。 栗栖さんは東京大空襲が激しさを増した1945(昭和20)年3月10日過ぎ、自宅があった東京から、父の実家がある土浦に逃れてきた。女子聖学院1年生で13歳だった。 家族は父母ときょうだい4人。小学6年の弟と3年の妹は群馬県伊香保に集団疎開した。土浦には5歳の妹が一足先早く来ていた。両親は東京に残り、家族は3カ所に分かれて戦時下を生きた。 土浦高等女学校(現在の土浦二高)に転校した。運動場はすべて畑になっていて勉強した記憶は一切ない。食糧増産のため毎日、虫掛などの農家に手伝いに行った。 しばらくして右籾の第1海軍航空廠(軍需工場)に勤労動員された。飛行機のどの部品を作っているのか分からなかったが、日の丸の鉢巻きを締め、工員の号令に合わせてひたすらハンマーでアルミ板を成型する作業をした。一の号令で腕を振り上げ、二でひじを曲げ、三でアルミ板をたたいた。 女学生や土浦中学(現在の土浦一高)の生徒が、街中から航空廠まで砂利道を歩いて通った。遠いので通うのが大変だろうと、土浦中学に機械を移し学校工場とすることになった。初出勤の8月15日、門をくぐると「正午に重大な発表がありますので帰宅してラジオを聞いて下さい」という貼り紙があり、帰宅し玉音放送を聞いた。 敗戦により、カメラマンとして宮内省(現在の宮内庁)に勤務していた父は職を失い、伊香保に学童疎開していた弟と妹も帰ってきた。ばらばらだった家族6人は戦後、土浦でやっと一緒になった。 伊香保から戻った弟と妹はシラミがひどくて、床屋に連れていかれ丸坊主になった。母は2人の衣服を釜でゆでシラミを殺した。疎開先では栗やドングリを食べていたという。2人が持ち帰ったノートには食べ物の絵ばかりが描かれていた。 女学校を卒業後、アルバイトをしながら茨城大学で学び、教壇に立った。父が職を失ったことから、当時もらった奨学金はすべて家に入れた。 現役を退き80歳になったころ、女学校の同窓会で戦争体験が話題に上るようになった。勤労動員された航空廠で空襲警報が鳴り、防空壕に逃げる途中、転んで米軍機に機銃掃射されそうになった話や、目の前で爆弾が爆発した話などだ。航空廠ではたびたび空襲警報が鳴った。栗栖さんは、自分は足が遅くて逃げられないと、いつも工場の中に隠れていた。同級生たちの辛かった体験を80歳になって初めて聞いた。 母校に赴き、戦争体験を後輩たちに話すようになったのはそれからだ。「勉強して、部活動をして、家に帰ると食べ物がある生活が当たり前でない時代があった。それが出来なかったのが戦争」と話す。

常総市民ら30人が提訴 鬼怒川水害で国家賠償訴訟

【鈴木宏子】2015年9月に発生した鬼怒川水害で、住民が甚大な浸水被害を受けたのは、同河川を管理する国交省の管理に瑕疵(かし)があったためだとして、住宅や家財、車などに浸水被害を受けた常総市の住民ら30人が7日、国交省を相手取って、計約3億5000万円の損害賠償を求める国家賠償訴訟を水戸地裁下妻支部に起こした。 訴えたのは同市若宮戸、上三坂、水海道地区などに住む19世帯と1法人の30人。国家賠償法の時効となる2018年9月を前にした提訴となった。 訴えによると、越水した同市若宮戸地区は、堤防がなく砂丘林が堤防の役割を果たしていたが、国が河川区域に指定しなかったことから規制が及ばず、自然堤防が削られたとしている。さらに14年3月ごろからソーラーパネルが設置され、砂丘林の高さと幅がさらに小さくなり被害を拡大させたなどと強調している。 堤防が決壊した上三坂地区は、法令が定める堤防の高さと幅を大幅に下回っていたと指摘。国は毎年、堤防の高さを測量し、地盤沈下を繰り返して低くなっている事実を把握しながら、かさ上げすることなく放置したとしている。 市中心部の水海道地区は、排水河川である八間堀川排水機場の運転が停止されたなどから水位が急上昇し、水海道市街地に第1波の洪水が押し寄せた。その後も排水機場の運転再開が遅れ、同河川の堤防が決壊して第2波の洪水が発生。排水機場の操作規則に違反して運転再開が遅れたことが被害を拡大させたなどと主張している。 住宅2件が浸水被害を受けた原告団共同代表の片倉一美さん(65)は「これまで国交省との話し合いに参加してきたが、役人は何を言ってもろくな返事をしてくれなかった。なぜこんな被害を受けなくてはならなかったのか、裁判を通して原因を知りたい」と話した。弁護団の只野靖弁護士は「鬼怒川水害は河川管理をしている国の責任が甚大で、人災である可能性がひじょうに強い。全国でいろいろな水害が起きている。そういう人たちを勇気付けられる裁判にし、全国の治水の在り方を見直すきっかけになれば」と語った。

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