火曜日, 5月 7, 2024
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スイス選手団13日つくば入り 8月2日まで筑波大などで事前合宿

東京オリンピックに出場するスイス選手団の第1陣が13日深夜、事前合宿地のつくば市に到着する(6月2日付)。8月2日まで、マウンテンバイク、陸上、柔道の選手27人とコーチら計51人が市内のホテルに宿泊しながら、筑波大学陸上競技場や柔道場などで練習する。 市オリンピック・パラリンピック推進室によると、第1陣として13日来日するのは、マウンテンバイクの選手1人とコーチ、運営スタッフ、シェフら計6人。夕方、成田空港に到着し、検疫で新型コロナ陰性を確認後、つくば市に向かう。夜11時ごろ市内のホテルに到着する予定という。選手は14日から練習し、18日につくばを離れ、選手村に入る。 第2陣は、陸上の選手23人とコーチら12人の計35人が、競技種目ごとに16日から順次、来日し、筑波大学陸上競技場などで事前合宿を行う。陸上の選手らは種目ごとに8月2日までに順次、選手村に入る。柔道も選手3人とコーチら計10人が16日来日し、21日まで、大学の柔道場で練習などを行い選手村に向かう。 ホテル公表せず 選手団と、付き添いの筑波大スタッフ、市職員、ホテルスタッフは毎日、PCR検査を実施する。選手団はホテルと練習会場を往復するだけで、外出も買い物もしないという。 宿泊するホテル名は公表しない。ワンフロアを貸し切り、食事はホテル内の専用の調理室でスイス人シェフが調理したものを、専用の部屋でとる。ホテルの出入りは、同行する市職員やホテルスタッフらが、一般の宿泊客と接触しないよう注意を払うという。 部活動と区切り設置 練習会場となる筑波大は、新型コロナ対策のため、事前合宿期間中、構内への入場は関係者のみとする。公開練習なども実施しない。一般学生がスイス選手と接触しないよう、動線や施設使用の区域を分けるなどする。 大学の担当者は取材に対し「春学期の期間中ではあるが体育実技の授業はなく、一般の学生が練習場に入ることはない。また練習場所に区切りを設けることによって、部活動で練習場を使用する学生とも接触を避けるようにしていく」と感染対策を示す。 大学構内での移動についても「選手団は決まった経路のみを利用することにしている。アテンド(付き添い)の者が選手とのソーシャルディスタンスをとりつつ同行し、学生との接触がないよう注意喚起を行う」としている。 「歓迎したいが複雑」 人間学群の男子学生(22)は「スイス選手団が来ることそのものを知らなかった」と話した。比較文化学類の女子学生(20)は「スイス選手団が来る話は聞いたことはあったが、今来るのかと驚いた。オリンピックが目の前に迫っているという感覚が全くない。大変な時期にわざわざ来るのだから歓迎したい気持ちはあるが、なんだか複雑な気持ち」だと話した。 学生とスイス選手団の交流イベントについて大学は「対面でもオンラインでも、今のところ実施の予定がない」と話した。 事前合宿はもともとは6競技の選手らが予定していた。体操、フェンシング、トライアスロンの3競技は事前合宿を取り止め、直接、選手村に入るという。(山口和紀)

濃厚接触はサッカー部の土浦市職員ら12人 聖火リレー担当者感染で

東京オリンピックの聖火リレーで交通規制を担当していた土浦市の30代男性職員が新型コロナウイルスに感染していた問題(10日付)で、男性職員の濃厚接触者は、7日夜に市役所サッカー部で一緒に練習した市職員10人と外郭団体職員2人の計12人であることが分かった。 男性職員は7日夜8時から9時30分まで実施されたサッカー部の練習に参加した。プレー中はマスクをはずして練習したという。 市広報広聴課によると、12人は10日から自宅待機しており、12日から順次、最寄りの保健所でPCR検査を受ける。陰性が判明するまで自宅待機となる。12日時点で、症状が出ている職員はいないという。 男性職員が所属する市役所4階の下水道課を含め、市役所では12日から通常通り業務が実施されている。 一方、市スポーツ振興課によると、男性職員は、聖火リレーが実施された5日午後4時10分から6時まで、ゴール地点の市役所から約500メートル亀城公園寄りの裏通りで、車両の進入を規制する交通規制を担当していた。聖火リレーのルートとなった駅前通りの沿道には当時、大勢の市民が集まったが、沿道の交通規制は担当しておらず、聖火リレーでの濃厚接触者はいないという。

7/14-29 写真展「病院のまなざし」コロナと向き合う医療現場の表情を届ける

筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保)が今年春、院内で開催した写真展「病院のまなざし」(3月25日付)を、イオンモール土浦、イーアスつくば2カ所で期間限定で開催する。 同病院は2020年8月、NPO法人チア・アートと協働し、新型コロナウイルス感染症に向き合う医療現場のスタッフを撮影した。その後、患者や家族に医療スタッフの頑張る姿を感じてもらうために、病院内で写真展を開催した。 開催中、入院や外来患者、家族から多くの励ましやエールが寄せられたが、病院内は厳しい面会制限が続いており、写真展の見学を目的とした来院者を受け入れることはできず、病院利用者以外の人に直接見てもらうことができなかった。 そこで、多くの方に見てもらい、新型コロナと向き合う医療従事者への理解を深めてもらうために、イオンモール土浦、イーアスつくばの2施設の協力を得て写真展を開催する。 ▽開催日程は以下の通り 7月14日(水)~29日(木)イオンモール土浦2F専門店街 8月2日(月)~15日(日)イーアスつくば3Fフードコート前

8/3 第3回つくば医療知識セミナー

コンピューターソフトウエア・システム設計会社「ペンギンシステム」(つくば市千現、つくば研究支援センター内、仁衡琢磨社長)は、2019年から「今を生きる全ての大人・法人が知っておきたい医療知識を学ぶためのセミナー」をスタートした。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により開催を一時中断していた。このたび、オンラインで再開する。 ▽第3回つくば医療知識セミナー 日時:8月3日(火) 15時~16時15分 開催方法:Zoomによるオンライン会議 テーマ:今を生きる全ての大人・法人が知っておきたい「緩和ケア・看取り」 ①緩和ケアの現状:ACP って何ですか? ② 看取りの実際:その時までに何をしたらいいでしょう ③ COVID-19 と看取り・緩和ケア 講師:つくばセントラル病院 緩和ケア科 長田明医師 参加費:無料。だれでも参加できる 参加希望者は事前の申し込みが必要。申し込みはhttps://forms.gle/r1FaHPVt6yH1VXTi7。または同社ホームページからも申し込みできる。

県内の聖火リレー つくばでフィナーレ

4日、5日の2日間にわたり、県内16市町を176人でつないだ東京オリンピックの聖火が、県内最終地点であるTX研究学園駅前公園(つくば市学園南)でフィナーレを迎えた。 5日夕方、土浦市では、市内出身の柔道家で2009年世界選手権金メダリストの福見友子さんら13人が県立土浦一高前から土浦駅前の市役所までを走った。つくば市では、宇宙飛行士の毛利衛さん、野口聡一さんら21人が、ノバホール前からTX研究学園駅前公園までをリレーし聖火をつないだ。 同駅前公園では、各日の最終聖火ランナー到着時に開催される、聖火を聖火皿へ点火する式典が行われた。出発やゴール地点には大勢の市民が駆け付けた。 「コロナ禍の思いを炎に乗せて走った」 つくば市の第1走者を務めた宇宙飛行士の毛利衛さん(73)は「科学の街・つくばで第1走者を務めることを誇りに思う」とした上で、「コロナ禍で困っている人がたくさんいる中で、そうした人々の思いを炎に乗せて走った」と語った。今回の聖火は、歴史上初めて水素を燃料としたことに触れ「新しい科学技術が生まれるつくばの街で、クリーンな、新しい社会のシンボルとなる水素の聖火を灯せたのは誇らしく思う」と話し、「賛否両論ある中での開催ではあるが、オリンピックの成功が世界に勇気を与えられるのではと考えている」と話した。 つくば市の最終ランナー、加藤澤男さん(74)がTX研究学園駅前公園に入ると、到着を待つ市民が拍手で迎えた。筑波大学名誉教授の加藤さんは、1968年メキシコ大会、1972年ミュンヘン大会、1976年モントリオール大会、計3度のオリンピックで体操競技に出場し、日本最多記録である8個の金メダルを含む計12個のメダルを獲得した。 聖火リレーを見ようと会場を訪れた市内の櫻井芳則さん(52)は「いよいよ(オリンピックが)始まるなという感じですね。抽選で当選して、今日は仕事を早めに切り上げて家族と来ました」と感慨深げに話し、「中学校でテニスをする息子にとってもいい思い出になる」と話した。 聖火は明日6日から3日間にわたり埼玉県を、9日からは最終地となる東京都を走り、23日正午過ぎ、最終ゴール地点となる東京都庁前に到着する予定だ。開会式は同日夜8時から国立競技場で行われる。埼玉県では新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、「まん延防止等重点措置」対象区域の川口市、さいたま市で公道での聖火リレー中止が決定され、東京都は島しょ部を除く全日程で公道での実施を見送る方向で調整が進んでいると報道されている。(柴田大輔) 「五輪は中止」抗議行動、つくばでも つくば市では、オリンピック開催に抗議する市民らが、聖火リレー出発地点のノバホール前(同市吾妻)と、終着地点の研究学園駅前公園(同市学園南)でそれぞれプラカードを掲げるなど抗議活動を行った。 ノバホール前では、開始前の午後6時ごろから市民ら約10人が集まり、「五輪は中止」などと書かれたプラカードを掲げた。 抗議行動に参加した牛久市の福祉関係勤務の男性(48)は「元々オリンピックに反対だけど、コロナ禍が無ければこういうアピールはしなかった。東京では飲食店に営業自粛させているのにオリンピックをやるのはおかしい。オリンピックにお金を使うなら、飲食店の救済にお金を使ってほしい」と語った。 終着地点の研究学園駅前公園では、約20人が「オリンピック廃止」の横断幕などを掲げて抗議活動を行った。 つくば市の団体職員男性(62)は「コロナ対策と全く正反対なオリンピックをやってはいけない。心の中ではみんな反対していると思う。声を上げるべきではないか。日本だけでなく世界中が(コロナ禍で)苦しんでいる。(オリンピック開催は)人の道に反する」と話した。(崎山勝功)

開催可否「最終判断は8月」 土浦花火大会で安藤市長

土浦市、安藤真理子市長の定例会見が5日、同市役所で開かれた。第90回記念土浦全国花火競技大会について「11月6日に開催する方向で準備をするが、正式決定ではない」とし「開催か中止かは、8月に最終決断する」と話した。 安藤市長は「花火業界は厳しい状況にあり、文化存続の危機でもある。できるなら全国に先駆けて開催し、業界の光を取り戻したい」とする一方、「オリンピック後の新型コロナ感染状況や、ワクチン接種状況によっては中止する場合もある」とも述べた。 市商工観光課花火対策室は「土浦の花火競技大会は全国でも有数の大会。開催して成功すれば他の花火大会の起爆剤になる可能性がある。しかし住民の健康と安全が最優先。危険を冒してまで開催するつもりはない」と話す。土浦と並ぶ日本三大花火の秋田県大曲、新潟県長岡はいずれも開催中止を決めている。 開催する場合の日程について、同実行委員会(実行委員長・安藤真理子市長)は6月29日に会合を開き、11月6日、桜川畔とすることを決めた。開催の可否を決定する前に日程を決めたのは、警察、消防など多数の関係者との調整が必要になることや、JRの臨時列車運行の調整なども行うため、今から開催を想定した準備に着手する必要があるためだという。 開催の場合、競技種目は例年通りを予定している。全国から約55業者が参加する予定だが、参加意向を各業者に調査中だとした。 市花火対策室によると、開催する場合の新型コロナ対策として、例年なら桟敷席4万席と一般観覧席2万席など合わせて6万席を用意するが、開催する場合、3分の1に減らし2万席にすることを検討している。桟敷席や観覧席での飲食は奨励しないが、アルコール類も含め持ち込みを規制できないとして、静かに見物し、飲食の際は黙って食べる「黙食」を呼び掛ける。露店の出店については桟敷席や観覧席のエリア内での出店は認めない方向だという。 さらに桟敷席などの販売対象を、例えば県内居住者に限定することや、万が一、感染者が発生した場合に備え、計2万人の氏名、住所、連絡先などを把握することも検討している。 一方、花火大会が開催されれば、会場周辺も大勢の見物客でごった返し、沿道に露店が出て混雑することが予想される。開催する場合、会場周辺の飲食や飲酒についてどう取り扱うか、国や県と協議中だとする。駅周辺の混雑にどう対応するかも検討している。 観光帆引き船運航は7月21日から 観光帆引き船の運航が、7月21日から始まると発表があった。操業船は「七福神丸」「水郷丸Ⅱ」の2隻。9月19日には、かすみがうら市、行方市と合同で、8隻の帆引き船を運航する。ラクスマリーナか常陽観光乗り場で見学船の受付を行う。運航は10月17日まで。(伊藤悦子)

拡張現実下のまつりつくば8月開催 やらないパレードもスマホで見せる

つくば市きっての夏祭り「まつりつくば」は今年、8月7日から31日のロングラン開催となる。新型コロナ対策から、土浦学園線でのねぶた大パレードや、センター広場でのステージイベント、飲食の出店などは実施しない。その代わり、最新のデジタル技術を駆使するなどして、つくばらしい夏祭りの新スタイルを提案する。 つくば市とまつりつくば実行委員会が主催し、毎年8月下旬に約45万人が参加する一大フェスティバルも、昨年はコロナ禍から中止となった。市観光推進課は「2年連続で中止とするのではなく、新型コロナの影響下でも、市民が楽しみ、華やかな気持ちになれるような機会を提供できるように、新しい形でまつりつくばを開催する」と話す。 今回、導入されるAR(Augmented Reality、拡張現実)技術は、スマートフォンの画面越しに、ナビゲーションや3Dデータを現実世界に重ねて出現させることが出来る。つくばセンター広場や土浦学園線で、指定のQRコードを読み込むと、スマホ画面を通して、実在の風景にねぶたやみこしが重なって表示される。まつりつくばのにぎわいが繰り広げられているかのようなバーチャル世界が手軽に体験できるという。 コロナ禍であっても祭りを楽しむための工夫で、アプリなどのインストールは不要。市によると「QRコードが記載されたチラシを全戸配布する。そのQRコードをスマホで読み取ってもらうと、これまで祭りで演出されてきたようなものや演出がARで再現される仕組み」だという。 具体的には「ねぶたやみこし、花火の表示を想定している。例年通りとはいかないが、祭りの雰囲気が感じられるものを用意する。例えば、センター広場や土浦学園線で見ていただければ、これまでのパレードを再現できるような形」だという。さらに「自宅で花火の演出を見ていただくような形」も想定し準備している。 つくばセンター広場を中心に提灯や行灯による空間演出など、お祭りならではの雰囲気を盛り上げる計画もある。 ほかにも、オンラインステージやデジタルスタンプラリーが新たに導入される。オンラインステージでは、おはやしやよさこいパフォーマンスをインターネット上で生中継したり、過去のまつりつくばの映像のオンライン配信が行われる。 デジタルスタンプラリーでは、市内の参加店舗(現在、店舗数は未定)で電子スタンプを集めた人を対象に抽選で賞品をプレゼントする。(山口和紀) 詳細については決定次第「まつりつくば」ホームページで随時発表される。まつりつくばオフィシャルサイトはこちら。

2年ぶり 制作意欲倍加で150点 ムサビ卒業生ら県つくば美術館で支部展

武蔵野美術大学(ムサビ、東京都小平市)の卒業生らでつくる校友会の第18回茨城支部展が県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。7月4日まで、会員30人の絵画など、作品150点が展示されている。 校友会顧問、沼尻正芳さん(70)によると、支部展はこれまで同美術館の第1スペースだけを使い、展示数は80点程度だったという。しかし、新型コロナ感染拡大の影響で中止になった昨年の分も挽回しようと今年は第1、第2両スペースを使い、例年の倍近い150点の展示になった。 展示されているのは、技法も油絵や水彩画、墨絵など絵画を始め、張り子人形や刺繍バッグ、藍染めスカーフなどさまざま。絵画は100号の大作もあれば、ハガキサイズの小さな作品も。沼尻さんは、「150点という数は見応えがある。ジャンルにとらわれない展示なので楽しんでいただければ」と語った。 特別展示として昨年他界した会員、繪畑浩二さんの作品の展示コーナーもある。8点の展示のひとつ、「猫の集会」は、温かみのある表情で色鮮やかな6体の張り子の猫たち。来館者らから「かわいい」という声が上がっていた。 会場を訪れていた鈴木亮寛さん(76)はつくばみらい市田村にある華蔵院の住職。寺に所蔵している江戸時代の阿弥陀如来像を、沼尻さんに半年かけて描いてもらったという。「100号サイズで迫力がある。後光が差しているような姿に感動した」と見入っていた。 同支部は、武蔵野美術大学と前身の帝国美術学校や武蔵野美術学校、短期大学、大学院などを卒業した茨城県出身者、在住者ら約80人が在籍している。大学卒業後も美術家として活動している人をはじめ、主婦、会社員や元教員などで、50代から70代が多いという。 支部展のほか、会員以外も参加できるクロッキー会やデッサン会などを牛久など県内で年3回ほど開催、地域住民とともに文化活動を創ることにも努めている。(伊藤悦子) ◇会期は4日まで。入場無料。午前9時30分~午後5時。最終日は午後3時で終了。

物材機構、製薬11社と共同研究スタート 世界に通じる標準化を目指す

物質・材料研究機構(NIMS、つくば市千現)が製薬企業11社とともに発足させたマテリアルズオープンプラットフォーム(MOP)が25日、医薬品に関する共同研究を開始した。参加企業はアステラス製薬、エーザイ、沢井製薬、塩野義製薬、第一三共、大鵬薬品工業、武田薬品工業、田辺三菱製薬、中外製薬工業、東和薬品、日本新薬。医薬品開発に関わる候補化合物の物性評価と製剤開発に関わる共同研究を企業の壁を越えて進め、研究開発の基盤力強化、開発技術の共有、開発手法の標準化を目指す。 MOPは産官学連携の新しい枠組みで、研究所と企業の個別な関係を各者の水平な連携に広げて構築し、国際競争力強化を図る。各企業が自前主義の発想から脱却し、保有技術を結集して共同で基礎技術力を磨くことが必須と考えられることから、NIMSが中心になってプラットフォームをまとめた。NIMS機能性材料研究拠点医療応用ソフトマターグループの川上亘作グループリーダーがプラットフォーム長を務める。 従来の医薬品は低分子化合物が中心だったが、近年は抗体、核酸、細胞など用いる材料が多様化しており、製薬企業には柔軟な対応力が求められている。新しい材料による医薬品は疾患予防や治療の可能性を大きく広げており、例えば新型コロナワクチンはm(メッセンジャー)RNA 技術によって開発されている。 国内製薬企業は、海外の大手製薬企業と比べると人員規模において大きく劣るのに加え、経営の効率化で研究所の部分分社化なども進み、新しい基礎技術の開発が難しくなっている。一方で、核酸医薬などの比較的歴史の浅い治療法においては評価手法が確定しておらず、その開発と標準化が急務となっていた。 つくば・並木地区にオープンラボ 当面の研究テーマは、①抗体医薬の分析法確立②抗体医薬の製剤化技術の開発③核酸医薬の物性評価法確立④低分子薬物の消化管吸収メカニズムの解明⑤非晶質医薬品の安定化⑥イオン液体の製剤利用-の6つをあげている。参加企業の約100人の研究者と共同研究を行い、国内製薬企業の物性評価・製剤開発に関する基礎技術力の向上と、製薬における開発手法において世界に通じる標準化を目指すという。 共同研究はコロナ禍で急速に普及したオンライン会議技術を利用することによって、企業間、研究グループ間の情報共有を頻繁に行って進める。また参加企業の研究者はNIMSが所有する最先端機器も利用でき、つくば(並木地区)に開設するオープンラボは、参加者が自由に出入りできる予定という。(如月啓)

7月5日に聖火リレー 土浦、つくばの夕暮れ時を走る

7月23日の東京オリンピック開会に向けて、聖火リレーが4日、5日に茨城県内を走る。県内16市町を176人のランナーが巡る。土浦、つくば両市に入るのは2日目の5日、夕暮れどきとなる。 土浦市では、市内出身の柔道家で、2009年世界選手権金メダリストの福見友子さんら13人が走者を務める。県立土浦一高(同市真鍋)旧本館前を午後5時40分にスタートし、亀城公園を経由、約30分かけて土浦駅前の市役所(同市大和町)を目指す。 つくば市の走者は、宇宙飛行士の毛利衛さん、野口聡一さんら21人。午後7時5分にノバホール(同市吾妻)前吾妻セントラル歩道橋をスタートし、センター地区を周回、県内最終地点となるTX研究学園駅前公園(同市学園南)を目指す。駅前公園では、各日最終聖火ランナーの到着時に、聖火を聖火皿へ点火する式典が予定されている。到着式の観覧には事前申し込みが必要で、21日に締め切られている。 東京2020聖火リレーメディア事務局によると、新型コロナウイルス感染防止の観点から、沿道観覧の混雑を避けるため、各ランナーの走行区間は各走者がスタートする30分前まで非公表となっている。 大井川知事は23日の定例会見で、公道での聖火リレー開催について、今後感染が急拡大する可能性もあるとし、状況に応じて臨機応変な方針変更をすると話した。現段階では密にならないよう対策をとるとした。 リレーは3月25日に福島県からスタート、茨城県は45番目。4日に鹿嶋市の鹿島神宮をスタートし、袋田の滝や竜神大吊橋、霞ケ浦などの名所を走り、聖火をつなぐ。ライブ中継は、NHKの特設サイトで観覧できる。(柴田大輔)

ワクチン84回分を廃棄 冷蔵庫半開きに つくば市内医療機関

つくば市は24日、新型コロナウイルスのワクチン接種を実施している市内の医療機関で、ワクチンを保管していた冷蔵庫の扉が半開きになっていたことから、ファイザー社製ワクチン14本、84回接種分を廃棄したと発表した。 市新型コロナウイルスワクチン接種対策室によると、24日朝出勤した医療機関のスタッフが、冷蔵庫が半開きになっていることに気付いた。各医療機関は、冷蔵庫で2~8度で保管することになっているが、冷蔵庫の温度は16度になっていた。 前日に扉を閉め忘れたためとみられる。なぜ閉め忘れたのか原因は不明という。 廃棄したのは医療機関が今週接種する予定のワクチン。廃棄分は市が新たに提供したため、接種を受ける市民への影響はないという。 ファイザー社製のワクチンは、つくば市がマイナス70度前後で保管し、その後医療機関が2~8度で保管して5日間に接種することになっている。 五十嵐立青市長は「今回の事案を受け、改めて医療機関に注意喚起し、市の保管についても細心の注意を払うよう指示した。今後このような事案が起こらないよう、再発防止の徹底に努めます」などとするコメントを発表した。

4社に1社、ワクチン接種促す仕組み検討 帝国データバンク

帝国データバンク水戸支店は、県内企業366社を対象に5月18~31日、新型コロナウイルスに対する意識調査を実施した。感染症対策で今後実施を検討している施策では、4社に1社が従業員のワクチン接種を促す仕組みを検討していることが分かった。 具体的には、勤務時間内での接種承認やシフト勤務、特別休暇付与などで、4社に1社の23.6%が「従業員がワクチン接種をしやすくする工夫」を検討している。有効回答企業数は174社、回答率は47.5%。複数回答。 次いで、17.8%が「従業員のワクチン接種状況の一元管理」、16.1%が「ワクチン接種に関する従業員への情報提供」を検討するなど、ワクチン接種対策への企業の関心が高まりつつある。 同社は「企業はワクチン接種の進展による経済の回復を期待しており、政府、自治体は今こそ接種推進を始めとする感染拡大防止策を進め、同時に経済再生・企業活動の継続につながる経済対策の実行が求めれる」と提言している。 マイナス影響7割、2カ月連続増加 一方、1年以上に及ぶ新型コロナが自社の経営に「マイナスの影響がある」と見込む企業は全体の71.8%に上り、2カ月連続の増加となった。 業界別では「マイナスの影響がある」と答えた業界の最多は飲食店を含むサービス業で73.9%、次いで製造業73.2%、運輸・倉庫業72.2%、卸売業71.4%、 新型コロナの影響に対し自社が実施した、あるいは実施している施策は「政府系金融機関による特別融資の利用」が37.4%と最も多く、次いで「民間金融機関への融資相談」が35.1%、「雇用調整助成金の利用」が27.6%、「持続化給付金の利用」が25.9%、「テレワーク設備などIT投資の推進」が17.8%だった。(山崎実)

初期診断用X線診療車は非接触型 筑波メディカルセンター、産総研と開発

筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保)に、新型コロナウイルス感染症患者を病院外で初期診断するエックス線診療車(ICXCU)が導入される。PCR検査で陽性判定された患者と非接触で放射線技師が胸部エックス線撮影を行い、遠隔診療の医師が診断を下す設備を整えている。17日、車両の技術開発に当たった産業技術総合研究所(産総研、つくば市)の研究グループが会見し、車両のお披露目をした。 エックス線診療車は、胸部エックス線撮影装置を搭載した車両に、感染防護のための換気機能、オンライン診療できる医療情報伝送システム、初期診療に必要な医療機器を搭載している。産総研健康医工学研究部門などがシステムを組み上げた。 車内にはオンライン診療を監視するオペレーターと、エックス線撮影を行う診療放射線技師が待機する。患者は体温測定後、後部入り口から搭乗し、血圧測定後、中央部のエックス線撮影室で胸部エックス線撮影を行い、車両後部の診察エリアで診断結果を聞く。 インターネットに接続された医療情報伝送用のオンライン診療システムは、医療関係者間コミュニケーションアプリを介して、病院内の診察室にいる専門医に胸部エックス線画像を転送する。医師はモニターを介し患者に問診し、画像から肺炎の程度を判定するなどして、保健所に伝える仕組み。 患者が車両に乗っている時間は10分程度。この間非接触を保つため、十分な換気を行い、ゾーニングにも工夫した。車内を区画分離し、前方から外気を取り込み、診察エリアへの一方向の気流を発生させ、後部診察室の天井から排気する換気システムを構築した。低濃度オゾン発生器やUV照射による空気の清浄化など、二次感染を防止する仕組みとしている。 PCR検査で陽性が確定した患者の療養先(自宅か宿泊か入院か)は、保健所が決めている。この判定のために必要なのが初期診断(メディカルチェック)。茨城県では胸部エックス線一般撮影(レントゲン撮影)、血圧、酸素飽和度、体温測定の4項目が推奨されている。これまでは患者が乗ってきたマイカーの窓越しに看護師が近づき体温などを測定した上で、エックス線撮影は病院の外に装置を持ち出して減圧テントの中などで行ってきた。 クラスターや二次感染の発生を避けるための措置だが、テント設置は、外気温や天候の影響を受けやすく、悪天候や照明が不十分な夜間時には診察できないなどの問題があった。初期診断の効率化は、医療従事者の二次感染防止と保健所負担軽減につながる取り組みとなった。 診療車は乗り合いバスのサイズで、従来も検診用に使われてきた車両を約7000万円かけて改造した。今後、オンライン診療システムの通信テストなどを行い、早ければ7月初めには筑波メディカルセンターに“納車”される予定。同センターでは減圧テントでのエックス線撮影と併用する構えだが、患者が宿泊するホテルなどへ“出張”しての利用も想定している。 車両を使った実証実験は、2021年度の茨城県DX(デジタルトランスフォーメーション)イノベーション推進プロジェクト事業に採択されている。地震や水害などで、医療機関が被害を受けた場合の一時的な救護施設支援としての機能検証なども県域対象に予定している。(相澤冬樹)

21日から7月上旬に接種券発送 65歳未満の約15万人に つくば市

65歳未満の新型コロナウイルスワクチンの接種について、つくば市は16日、今月21日から7月上旬までに順次、接種券を発送すると発表した。16歳以上の約15万2000人が対象となる。 年代別のスケジュールは次のとおり。▽60~64歳(約1万人) 21日に接種券を発送 24日から接種の予約を受け付け▽50~59歳(約3万人) 24日に接種券を発送 28日から予約を受け付け▽40~49歳(約3万9000人) 29日に接種券を発送 7月2日から予約を受け付け▽16~39歳(約7万3000人) 7月上旬に接種券を発送 7月中旬から予約を受け付け 接種と予約方法は65歳以上の高齢者と同じで、市内約100カ所の診療所のいずれかで接種する。予約はインターネットのつくば市新型コロナウイルスワクチン接種予約サイトまたは市のコロナワクチン接種対策コールセンター(電話029-883-1391)または診療所に申し込む。ほかに市が集団接種会場の設置を検討している。 5月24日から始まった65歳以上の高齢者の接種が進み、各診療所の予約に空きが出てきたことから、65歳未満の接種をスタートさせる。同市の高齢者の接種率(1回目のみ)は16日時点で38%という。 基礎疾患ある人、教員や保育士など優先 ほかに、65歳未満で基礎疾患のある人=メモ=と、福祉・介護従事者、教員、保育士などを対象に優先接種を実施する。 基礎疾患のある人は、16日からインターネットで申請または申請書を市に提出すれば、優先して随時、接種券を発送する。 福祉・介護従事者と教員、保育士などは、勤務先の事業所や学校、保育園などからの申請に基づいて、市が接種券を随時、優先発行する。つくば市内に勤務する市外在住者も接種できる。対象は約8100人で、接種や予約方法は、一般と同じ、市内約100カ所の診療所のいずれかで接種し、インターネットやコールセンター、診療所などに予約を申し込む。市が近く設置予定の集団接種会場でも接種できる。 一方、国が東京都千代田区大手町の合同庁舎に設置している防衛省・自衛隊の大規模接種センターで接種を希望する人は、16日からインターネットのつくば市ホームページなどで申請を受け付け、随時、接種券を発送する。 ほかに、茨城県が7月上旬以降、産業技術総合研究所(つくば市)に1日最大1000人規模の接種会場の設置を検討している。県内に5カ所設置される県の大規模接種会場の一つとなる。 接種費用は国が負担するため無料。ワクチンの種類は、つくば市の接種はファイザー社製、防衛省及び県の会場はモデルナ社製。ファイザー社のワクチンは通常、1回目の接種から3週間後の同じ曜日に2回目を接種する。モデルナ社のワクチンは通常、1回目の接種から4週間後の同じ曜日に2回目を接種する。 副反応として、すでに接種が進んでいるファイザー社のワクチンは、注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱等が報告されている。大部分は接種後数日以内に回復する。発熱、頭痛、倦怠感などの全身反応が出るのは、2回目の接種後の方が高く、年齢が下がるほど高くなる傾向や、女性の方がやや高い傾向が見られるという。厚労省の新型コロナワクチンの副反応疑い報告はこちら 【メモ】優先接種の対象となる基礎疾患がある人とは、▽慢性の呼吸器の病気▽慢性の心臓病(高血圧を含む)▽慢性の腎臓病▽慢性の肝臓病(肝硬変等)▽インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病▽血液の病気(ただし鉄欠乏性貧血を除く)▽免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む)▽ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている▽免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患▽神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)▽染色体異常▽重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)▽睡眠時無呼吸症候群▽重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、または自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)▽BMI30以上の肥満ーの人をいう。

対面は2年連続中止 筑波大 学園祭 オンライン開催へ奮闘

筑波大学学園祭実行委員会(芳賀力委員長)は、学園祭「雙峰祭(そうほうさい)」の対面形式による開催を昨年度に続き2年連続、中止とすることを決めた。新型コロナの影響。一方、同実行委はオンライン上での開催を目指し奮闘している。 毎年秋に開催される同大の一大イベントで、3万人以上が集まる。例年は模擬店やパフォーマンス、研究紹介、ステージ発表などが催される。 実行委員長で日本語・日本文化学類2年の芳賀力さんは「昨年から対面での開催を目指して活動してきたものの、対面ではやはり難しいという結論に至った」と話す。同大学生生活課からも「対面の開催は難しい」との見解が示された。国の緊急事態宣言の延長や、つくば市が5月に県から感染拡大地域に指定されたことなどが中止決定の流れに拍車をかけた。 対面開催は中止になったものの、オンラインでの開催方法を検討している。「伝統ある雙峰祭だから、2年連続での中止は避けたいとの想いがあった」と芳賀さん。雙峰祭の公式ホームページと動画配信サイトYouTubeなどを活用する方針だ。 オンライン学園祭の目玉はステージ企画だ。例年ならステージでダンスやマジックなどが披露され、最も多くの来場者が集まっていた。今年度の詳細は決まっていないが、出演者が実際にステージで演技する様子をリアルタイムにYouTubeで配信する形式などが検討されている。 対面開催の中止に伴い、実行委員会の活動体制も変化している。例えば、飲食を提供する屋台の安全管理などを行っていた部門はオンライン化により仕事が無くなった。反対に、参加団体に対して、企画のマニュアルを作成したり調整を行ったりする部門はオンライン化により業務が急増した。芳賀さんは「(実行委員会の組織を)再編するということはまだ行っていないが、活動体制も変化していっている。仕事がない部門の人員を、人が足りていない部門に回すなども考えている」と話す。 実行委に新入生200人強 今年は興味深い現象も起こった。対面での新入生歓迎会が行えなかった影響で、新入生があまり入らないサークルや学生団体が多かった中、学園祭実行委員会には例年を上回る新入生が集まった。「1クラスで10人以上の新入生が加入した学類もあった。例年であれば1学年で200人に届かない程度だが、今年は200人強が入った。どういう理由かはよくわからない」と芳賀さん。 オンラインでどのような学園祭を実施するかは、現在も実行委員会の内部で検討を行っており、7月下旬までに実施方法を固める方針だ。オンライン学園祭のテーマは「Next to Tsukuba」。(山口和紀) ◇令和3年度筑波大学学園祭は11月6日、7日にオンラインで開催される。公式ホームページはこちら。

ワクチン職域接種を受付 つくばの医療アプリ開発会社

企業や大学が実施する、新型コロナウイルスワクチンの「職域接種」の本格始動を前に、医療相談アプリ事業を運営するリーバー社(本社・つくば市、伊藤俊一郎社長)が、母体の医療法人グループと連携し、9日から実施企業の受付を開始した。まず1都5県を対象に10会場程度を募集する。 リーバー社は、1都5県に13カ所の訪問診療を展開するアグリグループ(本部・つくばみらい市、日馬祐貴代表)に属している。グループの医療法人部門と連携して、医療機関外での診療・看護経験のある医師、看護師の確保が行える強みから、今回の取り組みを決めた。 職域接種では、それぞれの企業や大学が行うこととなっている会場や接種に当たる医師や看護師の確保など、接種体制の整備に苦慮しており、企業内では混乱が生じている状況という。 今回は東京都、神奈川、愛知、茨城、千葉、新潟県で各1000人程度の接種希望者を集めることのできる企業を対象としている。各企業に出張し、企業内の会議室などで政府から配布されるモデルナ社製ワクチンを接種する。 1次募集は10会場程度(1日上限約5000人程度)を想定しており、単純計算で毎日500人ずつ10会場で接種できる体制を整えた。1000人の企業であれば1日500人を2日間に分けて、2クール(4週間間隔を空けて投与)で実施する予定という。申し込みは6月いっぱいを見込んでいる。 アグリグループには現在常勤医25人、常勤看護師80人程度が所属するが、必要に応じて臨時雇用も行う。リーバー事業で医療相談に当たる登録医師の応援も検討しているという。 リーバー社で提供している「LEBER for Business(リーバー・フォー・ビジネス)」を通じて、新たに「ワクチン副反応チャットボット」「医師による医療相談」「ワクチン管理サービス」などを提供することにより、副反応に対する不安を減らすことができる。またワクチン接種を希望しない場合も「体温・体調管理サービス」を利用することでクラスターのリスクを減らすことが可能になるとしている。 アグリグループは医療法人AGRIE(アグリ)と株式会社のAGRI CARE(アグリ・ケア)からなる。AGRIEは2015年5月につくばみらい市にメドアグリクリニックを創業し訪問診療を開始した。現在全国13カ所で在宅医療を提供している。患者や老人ホームで働く医療・介護職員など合わせて約6000回の新型コロナウイルスワクチンの接種を予定している。(相澤冬樹) 問い合わせはリーバー(Eメール:info@leber.jp 電話029-896-6263) 【職域接種】企業や大学が自ら医療従事者や会場などを確保し、同一会場で最低1000人程度が2回接種を完了することとされる。ワクチンはモデルナ社製。接種費用は国が負担する。具体的方法として、①既存の企業内診療所を活用して接種する②外部の医療機関が出張して会社の会議室などで接種する③従業員が、企業が指定した医療機関に出向いて接種するーの3通りが想定されている。

ランチタイムの市役所ピアノ 2カ月余で50人超が演奏 土浦

土浦市役所2階に「まちかど想い出ピアノ」が設置されて2カ月が経った。9日現在で延べ55人が平日ランチタイムのミニコンサートを開いた。「コロナ禍でなければ…」の思いをこめて演奏を楽しんでいる。 来庁者が自由に弾けるストリートピアノは、ペデストリアンデッキで土浦駅と結ばれた市役所正面のエントランスに置かれている。3年前に閉校となった市内の小学校で眠っていたヤマハ製のグランドピアノ。平日の正午から午後1時まで限定で演奏ができる。 予約は不要だが、演奏前に庁舎2階の受付で記名の申し込みが必要になる。「もっとオープンに弾いてもらいたかったがコロナ禍ということで手続きをお願いした」と市管財課。手指消毒の除菌スプレーを用意し、演奏中のマスク着用を求めている。 9日は常連となったつくば市在住のピアノ教師、関義夫さん(40)が正午ちょうどに来庁し、リスト編曲のワーグナーの歌劇「トリスタンとイゾルデ」など2曲を演奏した。 「日立の駅ピアノなど各地のストリートピアノを訪ねて弾きにいっているが、やっぱりグランドピアノは違う。土浦市役所は吹き抜けになっていて音の抜けがいいから、1階の来庁者も上がってくる。多くの人に聴いてもらいたいときはポップス曲をサービスする」と関さん。 新治中学の卒業生らが再生 ピアノは斗利出(とりで)小学校の音楽室で半世紀以上にわたって使われていた。同小は2018年3月、児童数の減少から藤沢小、山ノ荘小と共に閉校。新治中学と併せて新設の新治学園義務教育学校(土浦市藤沢)に統合された。 3校には合わせて6台のピアノがあり、1台は新治学園に引き取られたが、まだ演奏できる状態のピアノが3台残った。廃校となった藤沢小の最後の校長を務めた原井一永さん(60)は新治中学の第19回卒業生で、土浦市在住。昨年2月、同級生らと「新治地区旧小学校のピアノを生かす会」を立ち上げた。 同窓生や地域の企業に寄付を呼びかけると、1カ月足らずで100人以上から40万円余りが集まった。先に引き取ったピアノが不調になった新治学園に2台を整備して移し、残る1台はストリートピアノとしての活用を目指したが、折からの新型コロナ感染拡大で難航した。1年の間をおいて土浦市役所にやってきたのは4月1日のことだ。 ぴかぴかに磨かれ、調律も施され、「想い出ピアノ」として再デビューを果たした。ピアノ脇には斗利出小の校舎の写真が掲げられている。 教員を定年退職した原井さんは「同級生らと還暦同窓会を開くときはピアノの回りに集まろうって話になっている。コロナ禍でおあずけを食らっているが必ず実現したい」と楽しみにしている。(相澤冬樹) 問い合わせは市管財課(代表029-826-1111)。

自治会が高齢者のワクチン予約をサポート つくば市森の里団地

高齢化が進むつくば市森の里の住宅団地で7日、自治会役員らが、一人暮らし高齢者などの新型コロナウイルスワクチンの予約作業を手伝った。同市で高齢者を対象にした集団接種の予約受け付けが同日始まったのを機に、森の里自治会(倉本茂樹会長)が、まだ予約がとれていない高齢者の接種予約をインターネットでお手伝いした。 同市は5月17日から予約が始まり、同24日から市内約100カ所の診療所などで接種がスタートした。一方、電話かインターネットでしか予約をとることができないため、電話がつながりにくかったり、インターネットを利用できず予約がとれないという一人暮らし高齢者の声を、自治会役員らが耳にしていた。 同団地に暮らす住民のうち、65歳以上の高齢者はほぼ半数の約1400人。一人では予約をとることができず、不安を感じていた一人暮らし高齢者が少なくなかったという。 自治会役員らは、市広報誌で6月から新たに、筑波学園病院、いちはら病院、筑波記念病院の3カ所で集団接種が行われることを知り、インターネットで予約をとる作業をサポートすることを決めた。 今月2日、自治会が接種予約のお手伝いをするというお知らせを団地内に回覧。6日午後、団地内の自治会公会堂で申し込みを受け付けたところ、回覧を見て約60人が来所した。役員らは対面で丁寧に話を聞きながら、接種希望場所や希望日時のほか、生年月日や接種券番号などを聞きとるなどして翌朝からの集団接種予約開始に備えた。 予約開始日の7日は、パソコン計7台を用意して役員10人が自治会公会堂に集まり、午前8時30分の予約受付開始と同時に、インターネットで計60人分の予約を次々にとっていった。午前中までに約60人全員の予約を終えた。 一方、聞き取った生年月日が間違っていたなどハプニングもあり、役員が高齢者の自宅に電話を掛けたり、自宅に赴いたりして生年月日を確認するなどのケースもあった。 予約を申し込んだ高齢者には、その日のうちに電話して接種の日時や場所を知らせると共に、市のコミュニティバス「つくバス」を利用した接種会場への行き方やバスの発着時間などを案内した。 バスに乗って会場に行くことができない高齢者に対しては、近所の人同士が自家用車に乗り合わせて接種会場に行けるようにするなど、さらに手はずを整える。 倉本会長は「なかなかワクチンの予約がとれず不安に思っている高齢者が多かった。予約がとれたのでとりあえず安心すると思う。接種日が決まったので、次のステップとして、近所の元気な人が送迎する環境を整えるなどサポートをしたい」と話す。(鈴木宏子)

東京五輪スイス選手団 7月中旬から筑波大で事前合宿

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック・パラリンピックに出場する海外選手団の事前合宿を取り止める自治体が全国で出ている中、筑波大学で予定されているスイス選手団の事前合宿について、つくば市は2日の定例会見で、陸上と柔道の選手団計約70人が7月中旬から8月上旬にかけて、同大学で事前合宿を実施することを明らかにした。 新型コロナ対策として、スイス選手団は事前合宿中、毎日、PCR検査を実施するほか、選手団と直接接触する筑波大やつくば市担当者なども毎日、PCR検査を実施する。 選手団の練習中は、大学の施設を貸し切りにして、一般の筑波大生らと接触しないようにするほか、宿泊施設は市内のホテルのワンフロアを貸し切り、一般の宿泊者と接触しないようにする。選手団は練習会場とホテルを往復するだけにする。 選手団の食事は、スイスから随行する専用の料理人がホテルの調理室の一部を借りて調理する。食事は、専用の部屋でとるという。 市オリンピック・パラリンピック推進室によると、スイス選手の第1陣が7月13日夕方来日し、同日夜からつくば市内に滞在する予定だという。 競技種目ごとに順次、来日するため、市内に滞在する人数は最大で30人程度という。 当初予定では、陸上、柔道のほか、フェンシング、体操、トライアスロンの計5競技の選手団が、競技の2~3週間前に来日し、大学の陸上競技場や武道館、体育館などでトレーニングする計画だった。 5競技のうち、フェンシングと体操の事前合宿は取り止めになり、トライアスロンは未定される。 市民との交流イベントは中止 市によると、フェンシング選手団が取り止めとなった理由は、競技日程の都合だとし、来日後は直接、選手村に入る。未定のトライアスロン選手団が筑波大で事前合宿をする場合は10人程度になる見込み。 市民との交流は当初、ウエルカムイベントや小中学生との文化交流、事前合宿の見学会などが予定されていたが、選手と直接接触するイベントはすべて中止となる。一方6月中に市は、市内の市立幼稚園と小中学校などの給食にスイスの家庭料理メニューを出すことを計画している。 筑波大と県、つくば市は2018年4月、スイスオリンピック協会と基本合意書を締結し、事前合宿の受け入れを決めた。19年2月に同市はスイスのホストタウンとなった。 19年5月、スイスの女子リレーチームが、7~8月にはトライアスロン選手団がそれぞれ筑波大で事前合宿を実施し、小中学生が選手の食事を配膳したり、中学生が練習の様子を取材して記事を書くなどの交流イベントを実施してきた。

2年ぶりのアトリエ・ハートタイム展 県つくば美術館に190点

アトリエ・ハートタイム展が1日、県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。田中己永(みのり)さん主宰の絵画教室によるグループ展。土浦、石岡、東京に教室がある。 イタリア・ドロミテ山脈を「ランプブラック」という黒色顔料で描いた田中さんの作品をはじめ、色鉛筆画講師の三上詩絵さん、教室の生徒56人の水彩画や色鉛筆画190点を展示している。 透明水彩で描いた土浦の街並み、アクリルガッシュで描いた紅葉、色鉛筆でリアルなタッチに描いたスプーンとフォークなど力作が並ぶ。中には2年以上かけて完成させた作品も展示されている。 下妻市の女性(66)は「どの絵も光と影のコントラストが素晴らしい。最初は写真と思ったほどリアルな絵もあって驚いた。見に来てよかった」と熱心に見入っていた。 コロナ禍も絵を描けば気がまぎれた グループは2007年から毎年、展覧会を開催していたが、新型コロナの影響で昨年は中止を余儀なくされた。準備のため前日に集まった生徒30人は、「2年ぶりということで、みんなうれしそうに作業していた」と田中さん。 三上さんは「展覧会は自分が描いた絵が額装されて、人に見てもらえる貴重な機会。次の作品へのイメージもわきやすくなる」とし「生徒同士も互いの絵を見ることで刺激になる」と話す。 各教室では、コロナ感染対策を行いレッスンは続けていたが、「感染が怖くて教室に行けない」と辞める人も多く、70人いた生徒が一時は40人にまで減ったという。残った生徒らは「家にこもりがちになっても、絵を描くことで気がまぎれた、いい趣味を持ってよかった」と話しているという。 現在は、三上さんが人気テレビ番組に出演していることから色鉛筆画の生徒が増え、56人になっている。生徒の水野敏幸さん(62)は、展覧会に絵を出すのは今回が初めて。2018年の同展を見て「自分も描いてみたい」と入会したという。「自分の絵が飾られることはすごい。最高」と話す。 田中さんは「教室では、1年で誰でも描けるように指導している。生徒たちは描きたいように描いているので、見る人も好きなように見てほしい」と話していた。(伊藤悦子) ◇会期は6日(日)まで。入場無料。午前9時30分~午後5時。問い合わせは田中己永さん(090 -1203-2439)

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