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つくば駅前で23日からワングーフェス アーティスト、筑波よさこい連らが出演

【谷島英里子】TXつくば駅前のつくばセンター広場で23~25日に、ワンダーコーポレーション(本社つくば市)が創業30周年を記念したフリーライブ「ワングーフェス」を開催する。アーティストの倉木麻衣さんや加藤ミリヤさん、BOOWY(ボウイ)のドラマーとして知られる高橋まことさんなど総勢65組が登場し、駅前を音楽で盛り上げる。 フェスではつくばセンター広場に2カ所のステージを設置。ワンダーコーポレーションに関わりのあるアーティストのほか、地元で活動する筑波大学生や「筑波よさこい連&筑波和弘」「関隆浩from NEVER SAY NEVER」なども出演する。出演アーティストの対象商品を購入した人にはステージ前方の優先エリアの入場券を限定販売する。 このほか会場周辺で、家族連れでも楽しめるようにアニメ「ポケットモンスター」のピカチュウとイーブイが登場するイベントや、約100店舗の食と物販が出店する。フェスを担当する管理本部の石井達也さんは「豪華アーティストが無料で見られます。ご家族みんなんで楽しめるイベントもありますので、ぜひ3連休はワングーフェスにお越しください」と話している。 同社は1988年に設立。エンターテインメント複合専門店のWonderGOOや音楽・映像ソフト専門店の新星堂、総合リユース専門店のWonderREX、音楽・映像ソフトレンタル専門店のTSUTAYAなどの事業を展開している。 詳しくはワングーフェスのホームページで。

《土着通信部》24 深まる秋の宝篋山ナイト

【コラム・相沢冬樹】つくば市—土浦市境に位置する宝篋(ほうきょう)山頂、標高461㍍はつくば市では筑波山(女体山、男体山)に次ぐ3番目の頂き、土浦市にあっては最高地点となる。「この高さが夜景を見るにはちょうどいいんです」と宝篋山小田休憩所の東郷重夫さん。毎年秋の終わりに山頂からの夜景観賞ツアーを仕掛けてきた。 「10数年前、集落調査に来ていた筑波大学の学生らを案内して、夜の宝篋山に登ったのがきっかけだった。山頂は今みたいに整備してなくてやぶだらけだったけど、見晴らすと遠近に街の灯がともり、やがて光の海になる。感動して泣き出す女子学生もいてね」 東は土浦市街に霞ケ浦の地形が入り込んで輪郭をつくり、南は東京方面へ道路網が伸び都会のビル明かりが林立する。西は気象条件がよければ入り日に富士山のシルエットが浮かび、北には筑波山の双峰が立ち上がる。2005年のTX開業以降、宝篋山は日帰りトレッキングに手頃な山として知られるようになり、リピーターの多さが特徴となったが、複数のルートを登り切ってしまうと夜景見物に興ずるものが現れだした。 東郷さんによれば「夜ばかり5回も登った」という女性もいるそうだが、日没後の単身登山はさすがに勧められない。イノシシとの遭遇も危ぶまれ、ガイド付きの夜景観賞ツアーを企画した。空気が澄んでくる晩秋にマイクロバスをチャーターして、ツアーを組むようになった。電波鉄塔が立ち並ぶ宝篋山周辺には建設用・管理用の道路が進入していて、許可があれば山頂付近まで車で近づけるのである。 あの辺にスカイツリーが見える かといって年に1度の鑑賞機会、いつも天候に恵まれるとは限らない。今季の開催日も朝から曇りがちで、日没を待ってのツアーでは、遠景ほどよどむ空気に霞んでしまった。約50人の参加者を引き連れ、「晴れてるなら、あの辺にスカイツリーがはっきり見えるんですけどね」と東郷さんの声が響く。山頂に30分ほど滞在して、深まる暮色のなか光量を増すパノラマを楽しんだ。 実は2018年度、筑波山は「日本夜景遺産」に認定された。筑波観光鉄道(つくば市)のロープウエーとケーブルカーが毎年9月から2月にかけ、夜の空中散歩と称して「スターダストクルージング」を運行する活動が評価されてのもの。民間団体による「日本夜景遺産」は今年度14回目、応募のなかから14カ所を選び、認定地は全国236カ所にもなった。 「筑波山より低い宝篋山だけど、手前にある分関東平野の広がりを実感できる。だから山登りも夜景ツアーもリピーターが多くなるんです。この先の元朝参りもまた登山客でにぎわうに違いない」。平成最後の元旦となる2019年1月1日の日の出時刻は午前06時50分ごろ。霞ケ浦越しのご来光が拝めれば、西の富士が朝日に映える眺望を見せてくれるはずだ。未明の山道を歩くため、懐中電灯携行は必至。小田休憩所の駐車場は午前4時前には満車になってしまうだろうということだった。(ブロガー) ▽宝篋山小田休憩所 電話029-867-1368

中高生もクレオ再生案に意見 28日つくばでタウンミーティング

【橋立多美】つくば市主催のタウンミーティング「会える市長with中高生」が同市吾妻の商業施設Bivi2階つくば総合インフォメーションセンター交流サロンで28日に開かれ、市内の中高生と近隣の高校に通学する14人が五十嵐立青市長と意見交換を行った。 五十嵐市長は「市長と会える」をキャッチフレーズに、就任3カ月後の2017年2月から市内6地区で市民と語らう会を開催してきた。中高生を対象とした今回のミーティングは初の試み。 「最近気になる」として生徒たちが質問したのがクレオ再生問題だった。「つくば市議会(全員協議会)で市議会議員の賛同を得られないのはなぜか」の問いに市長は「周辺地区の住民はクレオ再生より他にやって欲しいことがあり、議員は地区を代表している」。また「すぐ近くに中央図書館があって図書館は必要ないのではないか」「クレオは寿命がきているのではないか」などの質問が相次いだ。市長は「中央図書館は子どもと大人の共有施設で『子どもの声がうるさい』という意見がある。子どもたちが伸び伸びと本に触れることができる図書館を設置する」「クレオは築33年。専門家に調べてもらったところ建物は頑丈であと20年から30年は使えると言われた」と答えた。そして「クレオ再生問題についてはもうちょっと待ってほしい」と話した。 学校に関する意見も挙がった。「(公立中学の)バスケットボール部に所属しているが他の部とシェアしているため体育館が使えず練習できない」という声に、会場にいた門脇厚司教育長が「学校によって体育館が使えない状況は把握している。今春開校した、みどりの学園は工事が順調に進んで年内の完成を見込んでいる」と回答。市長は「TX沿線の小中学校の児童数が増加している。決められた予算の中から教育環境を整備していく考えで、小中学校の普通教室のエアコンは今年整備を終えた」と補足した。 また「夏休みに中央図書館で自主勉強をするが席が足りない」「TX沿線に県立高校を開校してほしい」という要望が上がった。ほかに「義務教育に異文化交流を取り入れたら外国人への理解が深まるようになる」「つくばは緑が多い。落ち葉をごみにせず、回収して堆肥化し、土に戻す『落ち葉銀行』に取り組んではどうか」という提案がされた。 生徒たちからは「自分の意見を言うことが大切だと分かった」「市民の一員なので市政に関心をもっていこうと思う」といった声が聞かれた。

【クレオ再生問題】市の関与に賛成84.4%

【鈴木宏子】つくば駅前商業施設クレオの再生問題で、つくば市議会全員協議会が18日開かれ、五十嵐立青市長は市民アンケート結果を発表した。有効回答数1769件のうち「まちづくり会社に市が出資してクレオを再生を図ることに賛成」と回答した市民が1493件と84.4%を占めた。「市場動向に任せ市が関与することには反対」は276件と15.6%だった。 一方、市は、アンケートなどで市民の合意が得られれば、10月下旬に市議会臨時議会を開き、20億円の出資の是非について諮りたいとしていた。五十嵐市長は議会に諮る日程について「まだ確定していない」としている。 アンケート結果について五十嵐市長は「無記名でとった前回(7~8月)より多い。1000件を超えると統計的に有意」だと述べた。市HPで実施した前回は1242件の回答があり81.7%が「市が関与すべき」と回答した。今回も前回とほぼ同様の結果となった。 回答者の内訳はクレオのある学園地区が55.5%。次いでTX沿線地区が11.2%、谷田部地区が9.7%、桜地区が8.6%など。前回と同様、中心地区が多く、周辺地区は回答者が少なかった。回答方法は市HPが71.8%を占めた。 クレオの再生について五十嵐市長は、市が20億円を出資し、まちづくり会社をつくって土地と建物を取得し、71億円かけて子どもたちが遊びながら科学を学べる体験型商業施設に再生する案を示している=9月28日付け。 アンケートは9月29日~10月16日まで、市ホームページと市広報誌臨時号に掲載した返信用はがき、4カ所で開催した市民説明会で実施した。はがきを付けた市広報誌臨時号は、新聞折り込み、小中学校での配布など計9万8777部を配布した。

《ご飯は世界を救う》4 しもだて美術館 カフェ・ブリーズ

【コラム・川浪せつ子】食欲、そして芸術の秋ですね。今は筑西市、かつては下館市と言われていたところに、ステキな美術館があります。「しもだて美術館」。しもだて地域交流センター・アルテリオの3階に、中央公民館とともに併設されています。建物はガラス張りで斬新な建築です。 年間を通し、企画展が数回。今年は7~9月、国際アンデルセン賞受賞の画家・安野光雅さんの絵画展。前期「御所の花」、後期「絵本の世界」、両方とも見に行きました。来年年明けからは、世界中を巡りネコを撮影していて有名な動物写真家・岩合光昭さんの写真展が楽しみです。 アルテリオの1階に、気の利いた「カフェ・ブリーズ」があります。ガラス張りで吹き抜けの空間。解放感があり、マッタリ、ユッタリ時間が流れて行くスペースです。今回は、お昼ご飯を食べました。正直、カフェのご飯って、あまり期待していないのです。だって、カフェだもん。でも、ここのサンドイッチ、本当に美味しかった! パンは、特別にパン屋さんで焼いてもらっているのだそうです。ウンウン。 つくば美術館 企画展やらないの? それで、思い出すのは「つくば美術館」。数年前から企画展が全くなくなってしまい、現在は貸しギャラリー状態。展示された作品は、全国組織の公募展の茨城支部展とかも多く、素晴らしくはあるのですが…。 かつては、安野光雅さん、500号もの大きな絵を描いている遠藤彰子さん、ほかにも世界的な画家さんの企画展もありました。TXの終点つくば駅から5分もかからない便利な所にあるのに、何で企画展なくなっちゃったのでしょうか? 比べちゃいけないとは思いますが、筑西市より人口、多いのでは? 茨城県の管轄と思います。文化的なつくば市に、企画展、お願いします~。 「しもだて美術館」に話を戻しますと、徒歩5分の所には、下館生まれの天才陶芸家・板谷波山(いたや はざん)の記念館もあります。横の民家は波山の生家です。懐かしさを感じる家屋です。記念館は小さいながらも見ごたえがあります。 食いしん坊の私は、5分間歩く道中に、「メロンぱんじゅう」という和菓子屋さんの「のぼり旗」を見つけ立ち寄りました。昔から続く地域の和菓子屋さん。時代の進化に沿って「メロンパン」と「おまんじゅう」をミックスしたものを作っているのです。見た目、可愛らしく、不思議な感触でした。 実は、もう1つ食べたのです。このサンドイッチを食べた後、今年の酷暑で暑くて暑くて、かき氷を。心と胃袋、大満足の1日でした。(イラストレーター)

《吾妻カガミ》42  市のクレオ改修案に強い違和感

【コラム・坂本栄】前回のコラム(吾妻カガミ41回)では、つくば市長五十嵐さんの行政スタイルを取り上げました。要約すると、市民の考えを重視する慎重なスタイルではあるが、クレオ跡への対応については不自然な工作があった、といった内容でした。クレオ跡問題は市のホットな案件になっていますので、今回もこの問題をフォローします。 市当局は、クレオ跡再生プランをまとめ、9月議会最終日の全員協議会に「クレオに関する検討状況について」と題する資料を配りました。なかなかよく整理された討議資料です。 ただ、市が主導して会社を立ち上げ、百貨店とスーパーが入っていた建物を買い取り、商業施設と公共施設が入る複合ビルにリフォームするという構想には、議会から批判的な意見もあったようです。新会社への市出資金だけでも20億円という「絵」ですから、議会の心配も分かります。 市議からどんな意見が出たのか、ニュースつくばの鈴木宏子記者がリポートしています(9月28日掲載)。「全員協議会では『さまざまな課題がある中、なぜクレオを優先するのか』『周辺部にどれだけ波及効果があるのか』『公共性があまりにも少ない』『テナントが埋まらないというリスクはないのか』『拙速に進めるべきでない』などの質問や意見が相次いだ」と。 民業圧迫と特定会社優遇 市のシナリオでは、10月下旬に臨時議会を開いてもらい、出資金20億円を含む補正予算の承認を得て、12月中旬に現所有者の筑波都市整備から土地建物を購入する、となっています。ですから、一連のプロセスでは賛否が噴出することでしょう。 市当局の焦燥(一昔前までの中心地区から賑わいが失われる)はよく理解できますが、市が「旧」中心地区の開発に乗り出す(デベロッパーになる)ことには違和感を覚えます。特に「おやっ」と思ったのは、以下の2点です。 討議資料には、改修後のビルの賃料を、周辺相場(月坪1~2万円程度)の半分(同7,500円程度)にする、と書かれています。周辺には大中小のお店やオフィスが入るビルがたくさんあります。市の息がかかったビルの賃料は、これらの半分ということですから、官による民業圧迫といえます。 また資料には、予想される入居施設も記載されています。それによると、5~6階には地元企業オフィスが入るそうです。市の補足説明では、つくば創業の精密機器会社が1.5フロアー借りるそうですから、特定の民間会社が優遇されることになります。 TXつくば駅周辺の不動産市場秩序を乱し、地元ゆかりの会社を特別扱いにする―先に違和感を覚えると言ったのはこういった点です。つくば市は自由で民主的な市場経済を壊していくのでしょうか(少し大げさな表現?)。(経済ジャーナリスト)

【クレオ再生問題】170人が参加 抵当権の指摘も 市役所で説明会

【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設クレオ(筑波都市整備所有)再生問題で、市による市民説明会が14日午前、つくば市役所で開かれ、約170人が参加した。幼い子ども連れの姿も見られた。9日の大穂交流センター、11日の茎崎交流センターに続いて3回目の説明会となる。 五十嵐立青市長は「今、何も関与しないとクレオはマンションになる。一等地がマンションになると周りの公務員宿舎が売れなくなる」と危機感を強調し、新たに、テナントの入居交渉について、ディスプレイデザイン会社大手の乃村工藝社(東京都港区)が行っており「(入居交渉の手応えは)ひじょうにいい反応だったということだった」と話した。 主なやり取りは以下の通り。 参加者 同じ子ども向け施設のつくばエキスポセンターとの関係はどう考えていくのか。うまくいかないときのプランBは考えているか。 市長 エキスポセンターは30年前につくられた。今の最先端の科学技術を紹介したり、子どもたちを引き付けるかというとちょっと方向性が違う。質が違うものになる。(テナント)の入居率を95%で設定している。リスクは広くみてプランを組んでいる。 参加者 市が出資するまちづくり会社への市の関与が強くなりすぎることを懸念している。(青森市が第3セクターで運営した駅前再開発ビル「アウガ」が失敗したのは)早く失敗を認めて何らかの対応をとればよかったが、政争の具になってしまってずるずる引っ張ったからだ。市の関与が強くなり過ぎることがないようにきちんとしていただきたい。 市長 ずるずるいくようなことはしないことをしっかり決めていきたい。 参加者 きょうの説明を聞いて安心した。乃村工藝社だとか(市が出資者を打診している)ミント機構(民間都市開発推進機構)とか実績のあるところと連携していて安心した。 市長 マンションに固定化されると手も足も出ない。時代のニーズに合った経営をしていくためにもまちづくり会社である必要がある。 参加者 マンションで賛成だ。TXのすばらしい駅があり、つくば駅前のマンションは価値が違う。 市長 私はマンション廃止論者ではない。この場所はマンションがだめだということだ。 参加者 個人的には(再生案に)消極的な立場だ。西武、イオンが撤退したのは(立体駐車場なので)平置きの駐車場ではないからだ。アクセスの対策が行われなければ家賃を安く見積もっても大丈夫とはいえない。(まちづくり会社の)出資割合が大きいサイバーダイン社に家賃を安くして貸すのであれば間接的な助成になるのではないか。つくば市は(まちづくり会社の出資金50億円のうちの)20億円で過半数ではない。市がイニシアチブをどうとるのか。民間企業の意向が(まちづくり会社の運営に)反映されてしまう。 市長 立体駐車場は1台当たりの駐車スペースを広げる工事をしている。(購買者が無料駐車できる時間は)3時間から5時間程度無料になっていく。(再生後の施設の)賃料は適正な金額で貸し出していく。つくば市の出資は4割だが筆頭株主になる。4割は単独で否決権をもつ。 参加者 (1階に置く予定の)食品スーパーは周辺にマンションをつくって人口を増やさないと採算が合わない。一定の条件でマンションを作る必要ある。(隣接の)ライトオンつくば本店ビルはタカラレーベンに売却された。ここをマンションにしない方策は考えているのか。(市長は)財務内容がいいとおっしゃるがサイバーダインは(損益が)赤字会社だ。クレオに抵当権が150億円ついている。整理の見通しは立っているのか。 市長 ライトオンに今入っている企業はオフィスとして入っている。ライトオンの社長とも話をして、マンションにはしないという話はいただいているが何が起こるか分からない。サイバーダインは研究開発を先行させているので赤字だが、中堅企業の中では一番お金を持っている。状況によって、いかようにもなっていく見通しをサイバーダインはもっている。(所有者の)筑波都市整備がクレオとモグ、キュートの三つを売りたい話がある。(三つが)共同担保になっている。クレオの担保をはずすことは十分に可能だろうという話になっている。 参加者 TXを使った集客が大事。電車をつかって県外から来てもらう魅力を発信することが重要。 市長 つくばに行ってみようと思われるようなシティプロモーションはこれまでなかなかされてこなかった。今、一から見直している。 参加者 きょうの話でいろいろなことが分かってすっきりした。市長は2階部分がつくば市の1丁目1番地と言ったが、電車で来たとき1階の角のところが1丁目1番地になる。そこに温浴施設があるのはもったいない。インフォメーション施設をつくってはどうか。 市長 駅からの動線を含めて案内機能を考えていきたい。 参加者 (つくば駅周辺の)建築の用途制限をすべき。クレオは減価償却をやると価格はどのくらいあるのか。5年先、10年先に事業計画が困難になるのであれば、イオン棟側だけセットバックしてマンションとして建てるのはやむを得ないのではないか。 市長 どういう規制の可能性があるのか検討している。減価償却と保証金は民間企業の経営に関わることなので開示は難しい。イオン棟を既存のまま使っていくことが必要。マンションが建ってない街区は4街区しかない。 参加者 基本的には賛成だがいくつか心配している。センタービルとの関係はどうなるのか。筑波都市整備はまちづくり会社だが、(新たにつくる)まちづくり会社との違いは何か。 市長 センタービルは中心市街地のビジョンに紐付けて戦略をつくっているところ。クレオと役割分担しながら。エリア全体として再生させることに力を入れている。筑波都市整備は本来まちづくり会社だが、建物の管理が中心になった。今度のまちづくり会社は主体的に動いていく。 参加者 方向性は共感するが、具体論に入っていくと、まちづくり会社の出資会社にサイバーダインが入っていることが疑問。本業とは違うところに出資することになる。市民から出資を募ってはどうか。エキスポセンターがあるのになぜ子供の施設をつくるのか。既存の施設をもっと活用するようなハブの役割をすべき。(1階に予定している)温浴施設も周辺にある施設を活用すべき。 市長 出資はこの形で限定ではなく増資もある。市民が主体的に関わっていく仕掛けを作っていくことも必要。エキスポセンターと食い合うことはない。温浴施設は、つくば駅から筑波山の登山に行く人がある。周りのものを食うのではない。 参加者 概ね賛成。モグ、キュートがマンションになってしまうと再生案が瓦解してしまう。将来の取得を含めて何とかできないか。 市長 規制を具体的に検討しているので、そういう中で、(民間が)買ってもマンションにできない方向性をつくっていきたい。 参加者 市の中心のクレオに、市民活動総合センターをつくるという話があった。それが消えてしまった。 市長 市民活動センターは箱としてはずかしい。移転をさせないといけないと思っている。移転先だが、すべての機能をクレオに盛り込むのは難しい。市民活動センターは重要なので私の意志として必ず移転させたい。 参加者 まちづくり会社の情報を十分な開示していく必要がある。 市長 当然開示しないといけない。 参加者 (市が5階にテナントとして入居させる)子ども科学図書館は市が家賃を払うが、ほかはきちんと家賃をとれるのか。 市長 当然、黒字にしていくことが重要。利益を出すバランスと公共性とのぎりぎりでパズルを組み合わせてつくった。すべてのテナントから家賃をとる想定で考えている。 参加者 家賃を安く設置できるのは、古くなった建物を安く買うからか。あまり安く借りられると周りのモグとかに入っている企業が不満に思う。 市長 先を見据えた形でできることを誘導していく。 参加者 中高大学生にアンケートとったらどうか。 市長 先週の金曜日に小中学校に(再生案について説明した広報紙の臨時号を)配った。若い世代の声をたくさん出してもらえればいい。 参加者 ほとんど賛成だが、気になるのは温浴施設の水。地震とかあったときにクレオの耐久性は大丈夫か。 市長 大規模改修の必要なく動かしていける判断している。対応可能だと思っている

高級ホテルを誘致 県 つくばなど4エリア候補

【山崎実】県が上限10億円の補助金を用意し、高級ホテルの誘致に取り組んでいる。候補地は、つくば市など県内4エリア。来年3月までには事業者(ホテル)、立地場所を決める方針だ。 外国人観光客を含む観光宿泊者を県内に取り込み、観光消費額の増加などを図るのが狙い。新たにフラッグショップとなり、茨城の観光のイメージアップにつながる国際観光ホテル級の誘致をしている。 ホテル誘致制度の内容は、概ね100室以上、平均客室面積20平方㍍以上で、国際観光ホテル整備法の施設基準を満たすことが要件。投資額(土地、建物、設備)の5%(上限額5億円)を補助。県の観光イメージの向上に特に顕著と認めらる場合は、投資額の10%、上限10億円まで増額される。 大井川和彦知事の今年度の目玉施策だけに、県議会でも議論を呼び、第3回定例会の営業戦略農林水産委員会では、橘川(きっかわ)栄作観光物産課長が県内4エリアで調査を進めていることを明らかにした。▽筑波山・霞ケ浦エリア(つくば市)のほか、▽海浜リゾート(大洗・ひたちなかエリア)▽歴史・文化の街(水戸・笠間エリア)▽県北エリア(日立市・常陸太田市・高萩市・北茨城市・常陸大宮市・那珂市・東海村・大子町)ーの各エリアだ。つくばエリアについては学園都市があるのでコンベンション(国際会議や見本市など)機能のあるホテル誘致に絞りたいとしている。 県は、東京・千代田区平河町の都道府県会館に東京渉外局PR・誘致チームを組織し、本県各地の観光資源と、圏央道県内区間の全線開通、茨城空港と成田空港の近接性、つくばエクスプレス(TX)による都心からのアクセス利便性など、交通体系までを網羅した事業者への制度説明(誘致活動)に力を注いでいる。 橘川課長によると、大手デベロッパー、ゼネコン、信託銀行、ホテル業界など、既に80社以上に足を運んでいるという。この国際観光ホテル級の立地は、最終的には平均客室面積、価格などを総合的に勘案し、外部有識者による審査会の意見を踏まえて決定することになる。

アッセの核店舗カスミ30日撤退 テナント順次移転後、閉鎖へ

【橋立多美】つくば市上横場、つくばショッピングセンターASSE(アッセ)の核テナントで食品スーパー、カスミつくばアッセ店が今月30日午後6時をもって閉店する。同店の撤退に伴って現在営業しているテナント数店も順次移転する予定で、その後、建物は閉鎖されることになるという。 アッセはかつて谷田部地区のにぎわいの中心で、市内はもとより牛久や水海道(現常総市)などからも客を集めた。つくば駅前の西武筑波店やイオンつくば駅前店が撤退し、現在、中心地区のにぎわい創出が市の課題となっているが、谷田部地区のにぎわい創出も大きな課題だ。 アッセはつくば商業開発が運営管理している。カスミを核とするA棟、ホームセンター「ケーヨーデイツー」が入るB棟、国道354号に面したラーメン店などの別棟で構成されている。敷地面積約5万平方㍍、商業施設面積約9600平方㍍で約150台の駐車場を有する。 食品からファッション、旅行会社、飲食店と幅広い店舗が入居する複合商業施設として1995年11月1日にオープンした。常磐道谷田部インターチェンジ近くの国道とサイエンス大通りが交点する上横場交差点に位置し、県南や県西、千葉県などからも来店し、にぎわった。 その後、つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区の研究学園駅前に2008年、商業施設イーアスつくばが開業したころから陰りが見え始め、2011年の東日本大震災でA棟は外壁や天井などに損傷を受け、テナントの長期休業や移転が相次いで衰退に拍車がかかった。 ここ数年は空きテナントが多くなり、存続を危ぶむ声が聞かれていた。茎崎地区から市内の職場に車通勤する女性(38)は「帰宅途中でアッセに立ち寄って買い物するのが日課で、生活に直結するだけにショック。これからどうしよう」と途方に暮れる。 同社は「まだ移転先が決まっていないテナントがあって当面は営業する。建物を解体してリニューアルオープンする予定だが、具体的な計画までには至ってない」と話した。B棟のホームセンターと別棟のラーメン店などは営業を続ける。

敬老の日 高齢者割合 つくばは県内最低 土浦は数年先に3割超

【枝川廉】きょう17日は敬老の日。県統計課は、敬老の日(17日)現在の高齢者人口を公表した。県人口は285万1057人で、このうち28.9%に当たる82万4397人が65歳以上の高齢者となり、人口、割合ともに過去最高を更新した。県常住人口調査を基に推計した。 市町村別に見ると、大子町が44.5%と最も高く、つくば市が20.1%で最も低い割合となった。土浦市の高齢者人口の割合は28.9%で、県全体の割合とほぼ同水準となっている。 県の高齢者人口は年々上昇しており、人口の割合も1960年頃までは6%程度で推移していたものの、以後は年々上昇している。 高齢者人口の割合がつくば市や守谷市で小さいのは、TX沿線の開発による生産年齢人口の増加などが背景にあると考えられる。 全44市町村で高齢者割合増加 また、今回の推計に使われた県常住人口調査では、7月1日現在の年齢別人口が公表されている。これによると、大子町など25市町村で高齢者の割合が30%以上となっており、県内全ての市町村で前年同期より高齢者の割合が増加した。 過去10年間について見ると、高齢者の割合は年々上昇しており、土浦市は県全体とほぼ同程度の水準で推移している。この傾向が続いた場合、土浦市は数年以内に高齢者人口の割合が30%を超える可能性が高い。 一方、つくば市は、県全体と比較すると低い割合だが、割合は年々上昇しており、現在は約5人に1人が高齢者という状況になっている。

まつりつくばで大道芸を後方支援 筑波学院大ジャグリングサークル

【崎山勝功】筑波学院大学ジャグリングサークル「FARCE」(ファルス)の部員たち11人が25、26日、つくば市吾妻のTXつくば駅周辺地域で催されている「まつりつくば2018」の大道芸パフォーマンスを、ボランティアで後方支援する一員として活躍している。 部員の浅見将吾さん(20)=同大2年=は、つくば公園通りに設けられた「アートタウンつくば 大道芸フェスティバル」のステージ後方で、中国雑技芸術団のアシスタント業務に従事する。雑技団員の男性が、高く積んだいすの上で曲芸を披露し終えた後、ほかのボランティアたちと一緒に曲芸で使ったいすを片づけるなどした。 同サークル先輩の土手啓至さん(21)も後輩たちと一緒にボランティアに関わる。土手さんによると、同サークルがまつりつくばに参加しているのは約5~6年前から。以前は筑波大ジャグリングサークル「Sheep」(シープ)と合同でジャグリングを披露したことがあった。現在はまつりつくばのパンフレットにサークル名が記載されてはいるが「ボランティアなど後方活動がメーン」という。 25日のつくば市内の日中の最高気温36.2℃、26日は37.4℃を記録した。浅見さんは、炎天下で曲芸を披露した雑技団員たちに飲み物を提供するなど、懸命にボランティア活動に励んだ。 パフォーマンスショーの裏方の仕事を体験したいと、浅見さんはボランティアに参加した。休憩時間は、中国人留学生のボランティアと一緒に、同世代の雑技団員とおしゃべりもした。 2日間、雑技団員と間近で接して「裏にいるときはごく普通で、自分たちと同じような普通の会話をしているのに、本番になると笑顔で技をきれいに見せるし、たとえ失敗しても顔に出さない。本番の顔はかっこよくて、あこがれた」と話す。ショーの時間配分やスタミナの配分など勉強になった点が多かったと振り返る。 大学のサークルでは空中で中国ごまを回転させる「ディアボロ」を担当しているという。「自分もステージに立ちたいという気持ちが沸いてきた」と語る。

災害復興祈り新作大ねぶた登場 移動支援ロボのパレードも 25、26日「まつりつくば」

【鈴木宏子】つくば市最大の夏祭り「まつりつくば」が今年も25、26日の2日間、つくば駅周辺で催される。恒例のねぶたや日本最大級の万灯みこし、1985年のつくば科学万博を記念して製作された万博山車、竿燈(かんとう)などが勢ぞろいしパレードを繰り広げる。 ねぶたは、今年新たに大ねぶた1基が加わり、凱旋太鼓と合わせて計10基が両日夕方から、土浦学園線をパレードする。新たに登場するのは日本神話のヤマタノオロチを退治するスサノオノミコトを題材にした、まつりつくばオリジナルのねぶた。2015年鬼怒川水害が発生したことを受け、自然災害からの復興を祈願して製作したという。つくば青年会議所ねぶたパレード実行委員会の猪瀬尚平委員長(31)は「見応えある壮大なパレードをぜひご覧ください」と来場を呼び掛ける。 25日のオープニングパレードでは、搭乗型移動支援ロボットが消防音楽隊などと共にパレードする。電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」、産業技術総合研究所の「マイクロモビリティ」、日立製作所の「ROPITS」、宇都宮大学の「NENA(ニーナ)」などがお目見えする予定だ。これまで歩道以外の公道走行は認められてなかったが、今年3月の警察庁通達で通行止め規制が行われている車道で走行できるようになった。車道走行は国内初という。 ほかに26日は、来年つくば市で開かれる茨城国体自転車競技を応援しようと、自転車ロードレースの「Jプロツアー」選手30人が、サイクルレースのエキシビション(特別実演)を実施する。 パレードのほか、つくばセンター広場、つくば公園通り、中央公園、つくばエキスポセンターなどでも様々な催しが繰り広げられる。 ▼つくばセンター広場=ステージやバザー広場が設けられ、ライブコンサートやヒーローショーが開催されるほか、飲食店が多数出店する。 ▼つくば公園通り、中央公園、エキスポセンター=文化会館アルスと中央公園にはさまれたつくば公園通りでは、プロの大道芸人らがパフォーマンスを披露する。つくばエキスポセンター正面ゲート広場にはロボットパークが設けられ、ロボット操縦体験やセグウェイ試乗などができる。二足歩行ロボットによるステージショーなども催される。中央公園は「ふれあい広場」が設けられ、ポニーの体験乗馬などができる。 ▼竹園公園=つくば国際会議場隣りの竹園公園には「スポーツパーク」が設けられ、グラスバレー大会やダンスパフォーマンスバトルが催されるほか、いろいろなスポーツを体験できるブースが設けられる。 今年のまつりつくばは例年とほぼ同規模。昨年話題を呼んだディズニーパレードは行われないが、例年同様、40万人の人出があると見込まれている。 市役所に無料臨時駐車場 25、26日の2日間、研究学園駅近くの市役所駐車場を無料臨時駐車場として開放する。無料臨時駐車場から会場のつくば駅周辺に出掛けられるよう、つくばエクスプレス(TX)下り快速列車の一部が両日とも研究学園駅に臨時停車する。 まつりの問い合わせは電話029-883-1111(まつりつくば大会本部・事務局つくば市観光推進課内)。

《吾妻カガミ》37 わがまま高速道・鉄道インフラ論

【コラム・坂本栄】県内を縦と横に走る高速道にはお世話になっています。会合で水戸へ行くときには常磐道-北関東道を使えば1時間かかりませんし、講義で日立へ行くときには常磐道で1時間強。また、圏央道開通で孫たちが住む埼玉県へも1時間強で行けるようになりました。以前の常磐道-外環道-東北道(逆台形の3辺)ルートに比べると、1辺経由で行けますから大幅に短縮されました。 高速を走るにあたっては車載ITにお世話になっています。今はスバルのSUVに乗っていますが、「アイサイト」という半自動運転装置を使うと、高速道でアクセルとブレーキを踏む必要がありません。巡行時はハンドルに手を軽く乗せ、追い越し時だけ操作すればOKです。 以上は、高速道と車のIT化でいかに便利になったかという個人体験。皆さんも仕事や生活で、縦と横に走る高速道の便利さを実感していることでしょう。 もうひとつの交通インフラ、鉄道でもお世話になっています。私は土浦在住ですから、東京に行くときは常磐線を使います。でも行き先によっては、つくばエクスプレス(TX)も利用します。浅草寺周辺の飲み屋に行くときは、近くに浅草駅があるTXを使います。いずれにしても、首都圏への鉄道2ルートは生活と仕事に欠かせません。 TXは空港延伸で完結 孫のこと、スバルのこと、浅草のこと―個人的なことを書いてきましたが、そろそろ本題に入りたいと思います。TX北部延伸(県央斜め横断鉄道)のことです。 13年前のTX開通で、県南エリア、特に沿線の守谷市、つくばみらい市、つくば市は人気のまち(人口が増えるまち)になりました。現在のつくば終点をもっと先に延ばせば、その周辺の生活と仕事の利便性が数倍、いや数十倍になるのは間違いありません。 先の県知事選、衆院選(6区)では各候補が延伸を公約に掲げました。小美玉市、石岡市、かすみがうら市、つくば市、土浦市の議長連も延伸に向け動き出しました。首長の間には温度差があるようですが、「政治的な環境」は整ったといえます。いよいよ議論を深めなければなりません。 ポイントは2つ。ひとつは、常磐線のどことクロスさせるか(石岡駅か高浜駅か神立駅か土浦駅か)。このライン引きでは思惑が錯綜するでしょうが、エイヤで決めるしかありません。もうひとつは、茨城空港までの延伸をセットにするか切り離すかですが、TXの利用価値を高めるにはセットにすべきです。 また個人的な話に戻ります。2年前、神戸に住む甥の結婚式があり、新幹線ではなく、茨城空港発神戸便を使ってみました。大変便利で、これから京阪神に遊びに行くときは小美玉発を使うつもりです。今、茨城空港には車で行くしかありませんが、TX延伸が実現すればアクセスの選択肢が増えます(私は数年先に後期高齢者。免許返納でしょうからTXしかありません)。(経済ジャーナリスト)

まつりつくば・特別往復切符販売

今年もセンター地区で「まつりつくば2018」が開催される。センター広場特設ステージでのイベントやパレードなど、多彩な催しが繰り広げられる。 センター地区が渋滞するため、研究学園駅周辺に無料駐車場が設けられることに伴い、TX研究学園駅からつくば駅間の割引往復乗車券「まつりつくば特別往復きっぷ」が、まつり期間中の2日間発売される。 通常は大人340円の往復運賃が200円、小児は180円が100円。研究学園駅自動券売機または、ごあんないカウンターで。前売りはない。    

【ひと】日本語教師目指す70歳の大学3年生 目標は留学生支援

【橋立多美】「留学生は自分の鏡」と話す人がいる。筑波学院大学経営情報学部3年の井手尾司さん(70)だ。食品などの表示機器メーカー(本社東京都板橋区)に40年勤務し、営業成績が認められて常務取締役に上り詰めた。3年前の2016年5月に退社したが、会社の了解を得て同年春に同大に入学を果たし、会社に在籍したまま大学生となった。 退職して一休みすることなく大学生になったのは、「大学に入り直して日本語を勉強し、日本語教師になって社会に恩返しをしよう」の一念だった。住まいは職住近接の板橋から大学のあるつくばに移した。ゴルフが趣味で茨城を度々訪れ、つくばはTX開業で都心にも近い。第二の人生のステージをつくばにしたことに迷いはなかった。 意欲的に生き方を選びとり、順風満帆だった井出尾さんは入学間もなく気力を失いかけた。大学との連絡はメールでスマホ使用が当たり前だったからだ。仕事で全国を飛び回ったが、取引先とのアポ取りや切符の手配まで全て部下がやり、井出尾さんはスマホのメール機能を使えなかった。「役職気分をぬぐえず、使いこなせないスマホに戸惑って孤立感を味わい、サクサクとスマホを使う孫世代とのキャップに悩んだ」という。 ある時、学友が「簡単だよ」とメールを設定して使い方を指南してくれた。この日を境に悩みは解消され、「KVA祭」(学園祭)に協力しようと地元商店に広告費のお願いに出かけた。学生は一度断られたら諦めるが、長年培った営業力を発揮して快諾を得た。その実績が評価され、実行委イベント係になって学生たちに溶け込んだ。 同大学の日本語教員養成プログラムは文化庁の方針に沿った428時間の必修授業。3年生の現在は、国際別科の金久保紀子教授が担当するコミュニティカレッジ講座で実践的な指導を学んでいる。今春はインドネシアのジョグジャカルタ第一高等学校で日本語の授業を行い、経験を積んだ。同校で会った生徒たちは自国をなんとかしたいという熱意にあふれ、授業中にスマホをいじる姿は皆無だった。「インドネシアでの研修で心を洗われた」と井出尾さんは回想する。 金久保紀子教授は「日本語を母語としない家族が日本で健やかに過ごすためには日本語の力が必要で、海外から職を求めてやってくる人は今後も増える見通し。そのため、日本語の学習を支援する人材の確保はどこでも重要な課題。日本語を長く使っているから教えられる訳ではなく、意欲的に日本語教育に取り組む井出尾さんのようなシニアにどんどん挑戦していただきたい」。 同大国際別科では約200人の留学生が日本語を学んでいる。井出尾さんは彼らとの付き合いが多くなった。そして多くの留学生が日本に在住して「母国との橋渡し役になりたい」と考えていることが分かった。 「晴れて日本語教師になったら、日本で働く彼らを応援するビジネス日本語の教室を持ちたい。孤立感を味わった僕にとって留学生は自分を写す鏡で、苦しさが分かると思っている。だから力になりたい」。営業畑一筋だった井出尾さんが導きだした進むべき道だ。

《ご飯は世界を救う》1 ランチ、食べる前に、まず描く

【コラム・川浪せつ子】「食いしん坊」で「好奇心イッパイ」の私のお話です。お付き合いください。 36年前、東京からつくばに来ました。当時は、外食をする場所どころか、毎日の買い物にも不便な陸の孤島。でも、今では「美味しいものたくさんの街」ですね。「ランチを描くのはスケッチの練習になるなぁ」と思い、描き続けて10年余り。スケッチはすごい枚数になりました。 食事が運ばれてきて、食べるのではなく、まず描く。友人とランチした時、「描くと思った。イイよ、描いても」。連れ合いとの時は、待たせてしまうのに気兼ねして「アナタも描いたら」「ボクにも冷たいもの食べろというの」。 私のランチスケッチは「つくば市周辺の歩みともリンクしている」と、大げさに自分勝手に思って続けています。「ランチ」から地域、そして胃袋からその周辺の話題を、つづっていきたいと思います。 荒川沖駅前「カフェ・ド・コトブキ」 初回は、つくば市ではなく、土浦市のカフェです。どこにしようか迷いましたが、荒川沖駅前の「カフェ・ド・コトブキ」さん。 この駅は、なんと開業が明治29年(1896)だそうで。2000年ごろは、 1万2000人の乗車人数でしたが、最近は8000人ほど。ひたち野うしく駅、つくばエクスプレス(TX)が出来て、今でこそ閑散としていますが、一世を風靡(?)したこともあるのですね。仕事で渋谷まで通っていた時、大変お世話になりました。 東京通いの時期には、このカフェを知らなかったのですが、息子の塾の送迎時、時間をつぶす場所を探していて出合いました。育児の手もだいぶ離れ、水彩画を描き始めた時と重なっていました。「そうだ!このレトロなカフェを絵に描こう」。 そして、今の私があるのです。今回は「トーストセット」ですが、大好きなものは「ハンバーグセット和風」。洋風もどちらも、付け合せの野菜も多く美味しいです。ちなみに「コトブキ」さん、創業1985年。33年も続いているのですねぇ。 「コトブキ」さんを通じ、いろいろな出会いがあり、今年6月にはミニ展示会をさせてもらいました。そして、「NEWSつくば」(元常陽新聞の方々を中心にスタート)との再会。1年4カ月ぶりで、また連載をさせていただきますね♪(イラストレーター) 【かわなみ・せつこ】武蔵野美術短期大学デザイン科卒(テキスタイルデザイン専攻)。住宅部品会社デザイン室、(建物の外観や室内を立体的な絵にする)建築パース事務所を経て、現在、フリーの「建築パース」イラストレーター。イーアスつくば内「アイカルチャー」の「かんたん水彩イラスト」講師。つくばショートムービーコンペティション市民審査員。東京都練馬区出身。1982年、結婚によりつくば市に移り在住。

科学・文化スポット紹介 つくば駅周辺まち歩きマップ

【橋立多美】つくばセンター地区活性化協議会(つくば市竹園)が、TXつくば駅を中心とするセンター地区の科学や文化施設が一目で分かる「つくば駅周辺まち歩きMAP」を5000部製作した。 センター地区は、東西の大通り線と南北の大通り線の中の南北2.4kmの細長い区域で、面積は約80ha。これまでのマップは細長い区域に沿ったタテ型だったが、見やすく横に配置したA3版で、手書きのイラストを交えた親しみやすいデザインになっている。 マップは、つくばエキスポセンターや江戸時代の古民家を移設した、さくら民家園、筑波研究学園都市のランドマーク・つくばセンタービルなどのスポットを紹介。フォトスポットや飲食店も盛り込まれている。 同協議会は、同地区のにぎわい創出を目的に、筑波都市整備(株)を中心に同地区に立地する企業など52団体が2009年に設立した。 協議会事務局長の稲葉祐樹さんは「つくば駅周辺は市外から学会や仕事で来訪する人が多いが、つくばらしい建築物を見ることなく帰ってしまう。駅周辺の魅力を知ってほしい」。事務局の神村典子さんは「マップを活用してセンター地区を回遊してもらえるとうれしい」と話している。 ◆「まち歩きマップ」は、つくば市総合インフォメーションセンター(BiViつくば内)、つくば駅自由通路の物産館前などで手に入る。

《吾妻カガミ》35 ダメな材料が続出 つくば駅周辺地区

【コラム・坂本栄】今回もTXつくば駅周辺の問題を取り上げます。というのはまた悪材料が出てきたからです。本サイト22日の記事によると、センタービル(オークラフロンティアホテルつくばとノバホールをつなぐ建物)の1階にあった蕎麦屋が店を閉じたそうです。人通りが少なくなったところで1店だけ店を張るのはつらいものです。ビジネス判断としては当然でしょう。 前回のコラムで、西武百貨店跡にマンションが建つのは好ましくないと市当局は考えていると書きました。また、あるホテル会社が西武跡を買い取り、ホテルを建てようとしているとの情報も紹介しました。 ところがその後、事情通から「西武跡にホテルは建たない。なぜなら、土地建物の持ち主・筑波都市整備はオークラつくばに対し、西武跡をホテル業者には売らないと約束している」と耳打ちされました。民と民のビジネスを縛る約束があり、高値で買いオファーがあっても、都市整備はホテル用途には売却できないというのです。 一昔前まで、オークラつくばは都市整備が保有するホテルでした(運営は虎ノ門の「ホテルオークラ東京」を運営するホテルオークラに委託)。しかしお荷物になり、経営権をホテルオークラに譲渡、今は都市整備から切り離されています。でも昔のつながりもあり、競争相手になるホテルは西武跡地(隣接区画)に出させないと約束していたようです。 ホテルが集積する街? マンションもホテルもNOということですから、西武跡地処分のハードルは結構高くなります。このコラムの32でも指摘しましたように、TXつくば駅を中心とするセンター地区は駐車場の利便性に問題があります。また駅間競争では研究学園駅に負けました。 ダメダメばかりです。モータリゼーション時代を迎え、理想の研究学園都市、その中心になるセンター地区の絵を描いた都市計画者は、今ごろなにを思っているでしょうか。 つくばセンター地区をどうやって再生させるか。最近、地域のメディアが好んで取り上げるテーマですが、前段で触れたような制約を取り払い、もっと自由に考えた方がよいのではないかと思っています。マンションでもホテルでもいいのではないか、広い平面駐車場をつくったらどうか、行政はあまり口を出さず、ビジネスベースで進めた方がよいのではないか—と。 オークラつくばとホテルグランド東雲の間(西武跡地)に、大ホテルが建つのも面白いと思います。このエリアに宿泊・宴会・レストランを持つホテルが林立すればにぎやかになるでしょう。とんかつ屋が3軒、ラーメン屋が3軒集まれば、どこがうまいかと足を運びたくなります(例えは大衆的過ぎますが)。(経済ジャーナリスト)

市民11人が「つくば市財政白書」作成

【鈴木宏子】つくば市民11人がこのほど、市の財政事情を約1年半かけて調査・分析し、財政白書にまとめ上げた。「市民がつくったつくば市の財政白書」(A4判カラー、114㌻、700円)で、市民団体「つくば市民による財政白書づくりの会」(野本高志代表)が発行した。 市民が支払っている一人当たりの税金や、市が使っている福祉、教育、公共事業、職員の人件費など43項目について102のグラフを使って分かりやすくまとめている。2005年度から15年度まで11年間の変化のほか、15年度の財政を、近隣の土浦や守谷市、つくば市と面積や人口が近い甲府市、つくば市と同じ特例市39市の平均などと比較しているのが特徴だ。 つくばエクスプレス(TX)沿線開発により人口が急増しているつくば市の財政規模は、住民一人当たりに換算すると34万2000円で、全国814市区平均より9万5000円少ないこと、市の収入は、市民税や固定資産税など市が自由に使える地方税の割合が55%と、他市と比較して財政の自由度が高いことなど、市の財政は「今のところ比較的しっかりしている」(野本代表)ことなどが浮かび上がった。 一方、市の支出全体に占める職員などの人件費の割合が、他市と比べ高いことなども分かった。白書は、つくば市は面積が広く、安全を守る消防署の職員数を減らせないなど行政サービスを行き届かせるための人件費が多くなる事情もあると分析している。 総合運動公園問題きっかけ 2015年、総合運動公園の賛否を問う住民投票が行われたことが白書作成のきっかけ。市の財政はどうなっているのか、自分たちの税金がどう使われているのかに興味をもった市民らが、翌16年、市民による財政白書づくりで知られる多摩住民自治研究所の大和田一紘さんを招いて勉強会を開催した。さらに17年1月から毎月2~3回、計20回勉強会を開いて白書をまとめた。 野本代表は「現在、市の財政は他市に比べて有利な状況だが将来もそうだということではない。どういうつくば市であるべきか、何を優先すべきか、市民が議論する際の基礎にしてもらえれば」と話している。 ◆発行を記念して同会は30日(土)午前10時から、つくば市吾妻、つくばイノベーションプラザで出版記念の集い「市民が財政白書をつくりました!」を開催する。参加費無料。問い合わせは電話029・859・0264(同会)

透き通った色彩 つくばの川浪せつ子さん 南イタリアをスケッチ

【鈴木萬里子】つくば市在住の水彩画家でイラストレーター、川浪せつ子さんの「南イタリアスケッチ展」が、土浦市のJR荒川沖駅西口前のカフェ・ド・コトブキで開かれている。昨年5月にスケッチツアーで南イタリアを訪れた際に描いた下絵を水彩画に仕上げ、そのうち40点を展示している。 透明水彩絵の具を使って描いており、どの作品も透き通った色彩で細部を丁寧に描き込んでいるのが特徴だ。川浪さん(62)は「作品は水彩画というより水彩イラストで、イラストに近い描き方」と解説。家に飾ってなごむ絵、生活の中にある水彩画を中心に描いている。 イタリア旅行は今回が2回目、有名な観光地を巡った前回に比べ、今回は南部地方の小さな町や村を訪れた。南部の有名な観光地アルベロベッロから北東の、アドリア海に面した小さな港町モノポリを一日中1人で歩いた。観光地化されていないモノポリの風景の美しさや、人々の暮らしを丹念に見て回り、数点の作品に仕上げている。 川浪さんは建築の完成予想図を描く仕事に長く携わってきた。昨年3月に休刊した常陽新聞にも長く作品を発表していた。淡い色合いに定評があり、ファンが多かったことでも知られる。つくば市内を描いた絵はポストカードになり、TXつくば駅構内の「つくばの良い品」で販売されている。 来場した赤木裕子さん(65)と平島かよ子さん(68)は熱心に絵を鑑賞し「一般の水彩画とは違って、建築をやっているので建物が丁寧に描かれている。色合いが柔らかくてすてき」「写真とは違い、描き込んでいるのが良く分かる、すてきな作品ばかり」と話した。 ◆会期は7月10日(火)まで、正午~午後4時30分。会場は土浦市中荒川沖町1-1カフェ・ド・コトブキ、日曜日休み。問い合わせは川浪さん(電話080・5524・8678)。

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