日曜日, 4月 28, 2024
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《吾妻カガミ》32 つくば駅周辺は商業区に不向き

【コラム・坂本栄】15年前、東京から土浦に戻ったころ、地域のドラッグストア・カワチ薬品の駐車場の広さには驚きました。100~200台が駐車できる広場の奥に店舗を配置するという、「先ず駐車場ありき」のレイアウトです。車社会のお店とはこういうものかと妙に感動したものです。 その車社会を前提にデザインされた研究学園都市のシンボル的なお店、西武百貨店の駐車場に車を入れたときには逆の意味で驚いたものです。立体駐車、走路が狭い、駐車幅も狭い。カワチとは対照的な造りでしたから、いずれ西武は淘汰されると思ったものです(本当そうなりました)。 つくばエクスプレス(TX)が開通してから13年。つくば市の商業的な「ヘソ」は、TX終始点のつくば駅から研究学園駅にシフトしました(駅間競争に終点が負けました)。その理由はいろいろあるでしょうが、「駐車場の使い勝手の善し悪し」があると思います。 ひとつは、カワチと西武の駐車場の形でも指摘しましたように、立駐(つくば駅周辺はこれが多い)vs平場(研究学園駅周辺はほとんど)です。もうひとつは、道路から店舗・駐車場に入る際のアクセスが複雑か単純かの違いです。 つくば駅があるセンター地区の構造は、道路からストレートに店舗・駐車スペースに入れない造りが多く、まるで車を拒否している(お客を拒否している)構造になっています。車社会の研究学園を構想した都市計画者は何を考えていたのでしょうか。想像するに、美しさとか別の機能性を夢想していたのでしょう。 車社会と駐車場 駐車場の話が長くなりました。なぜいくつかの事例を挙げたかというと、本サイトの記事やコラムでも取り上げられていますように、今、つくばのセンター地区問題(西武の建物跡地をどうするか、つくば駅周辺の街をどうするか)が地域の話題になっているからです。 結論を先に言ってしまえば、私は「つくば駅周辺は車社会に不向きな欠陥街だから商業に固執しない方がよい」と考えています。学園都市前期のノスタルジーは捨て、つくば市全体を見据え(あるいは県南中核市の視点から)構想した方がよいと思います。 似たようなことは土浦でもありました。市街地活性化策が議論されていたころ、ある会議でその方策について意見を求められたことがありました。そこで私は①市街地は前車社会(江戸・明治・大正)の構造になっており、現代の商都の要件を満たしていない②それを無理にと言うのであれば、高架道下を公営駐車場にして大駐車スペースを確保すべきだ―と述べました。 今、土浦の旧市街地は「コンパクトシティ」というコンセプトの住宅街化を目指しています(商都復帰を諦めました)。商業地としての適性に欠けるつくば駅周辺も別の絵(住宅+文化福祉施設?)を描いたらどうでしょう。(経済ジャーナリスト)

【ひと】「つくばなれ」現象を問題提起 筑波大大学院 和田桃乃さん

【柿内典子】「これからつくばでどう生きる?みんなで考えるつくばライフ」と題したトークイベントを4月下旬、筑波大近くの共有オフィスで開催し、筑波大生の「つくばなれ」現象を問題提起した。 大学入学を機に出身の福井県からつくば市に転居して6年目。現在、同大大学院システム情報工学研究科2年で、新規プロジェクトを応援する共有オフィスの学生スタッフを務める。 「つくばなれ」は和田さんが作った造語だ。つくば市に住むのではなく、千葉や東京のつくばエクスプレス(TX)沿線に下宿して大学に通う筑波大生が増えている現象を指すという。「特に卒業を間近に控えた学生が、流山おおたかの森や浅草などに移住する傾向にある」と話す。 和田さんが暮らした6年の間に、つくば市は西武筑波店、イオンつくば駅前店など大型商業施設の相次ぐ撤退があった。昨年12月には、学内で渡り廊下の崩落事故が発生、施設の老朽化を実感した。学生宿舎では3つあった銭湯のうち2つが廃業となった。「学生にとってつくばは緩やかに暮らしにくくなっている」と感じ「『つくばなれ』の背景にあるのでは」と指摘する。 一方で、学生自身による、つくばならではの学生コミュニティを再構築しようという新たな動きが起こっていることに着目。4月のトークイベントでは、全国初の大学サッカー部ファンクラブ設立に向けたクラウドファンディングの取り組みをしている学生や、唯一残る平砂学生宿舎の銭湯を生かしてコミュニケーションの場をつくろうと挑戦している学生の取り組みを紹介した。 和田さん自らは、学生同士のつながりをつくる手法として県人会に着目。今年4月、自らツイッターで福井県出身の学生に呼び掛けて、福井県人会を再開させた取り組みを、トークイベントで紹介した。 「都内に住む学生と違ってつくばは深い人間関係が築けることが魅力」と話し、「筑波大生として市内でコミュニティ活性化を目指している学生を紹介し、つくばでの暮らしをもう一度考えて欲しかった」と和田さんは説明する。 そうした積極的な姿勢が評価され、現在は市役所や筑波大同窓会「茗渓会」から声がかかり、地域活性化に向けた協力もしている。茗渓会からは、各県にいる筑波大卒業生と、現在つくばにいる人たちをつなげて欲しいと相談がきたという。「コミュニティの輪をさらに広げ、つくばを離れて暮らす人にもつくばに興味を持ってもらいたい。たくさんの人と協力し、つくばのイメージアップにつなげたい」と話す。

シェーキーズ20日閉店 つくばセンタービル 35年の歴史惜しみ行列

【橋立多美】つくばセンタービル(つくば市吾妻)1階のレストラン街、アイアイモールにあるピザチェーン店「シェーキーズ筑波学園店」が20日に閉店する。同センタービルがオープンした1983年に開店し、35年間市民に親しまれてきた。西武筑波店、イオンつくば駅前店に続いて中心地区のにぎわいがまた一つ消える。同店前では、閉店を惜しむ人たちが連日行列をつくっている。 シェーキーズは関東を中心に23店舗を展開するピザチェーン。運営本部のアールアンドケーフードサービス(東京都世田谷区)によると、2014年頃から売り上げが下降傾向となり、近隣の商業施設の撤退もあり、やむなく撤退を決めたという。 閉店まで残り3日となった17日の正午過ぎ、40人以上が店の前で行列をつくり順番を待った。市内在住の40代の母親と娘2人は「寂しいし名残り惜しい」。60代の男女5人は「みんなピザ好きで土浦から誘い合って来ていた。これからどうしよう」と話した。牛久在住の49歳の男性は「当時通っていた牛久高校の期末試験が終わると、友人と50ccのバイクで来るのが決まりだった。青春時代の1ページが終わる」。精算を済ませた40代の男性は「今日も変わらずおいしかった」と話した。 4割が空き店舗に 同店はアイアイモールの核店舗の一つ。同モールがあるセンタービルは、建築家、磯崎新の代表作として知られ、コンサートホールや交流センター、ホテルなどの都心機能を併せもつ施設として建設された。 つくばセンタービルを運営している筑波都市整備(同市竹園)によれば、同モールは12区画あるが、同店が閉店することで4割の5区画が空くことになるという。 センタービルオープンに次いで、科学万博が開かれた85年に大型商業施設クレオが誕生した当時は、同モールとクレオを結ぶ平坦な歩道があった。市内外から集まった多くの買い物客は回遊してショッピングを楽しむことができた。 その後94年に歩道がなくなり、クレオと分断された格好になった。さらに2009年に常陽銀行、翌年関東銀行(現筑波銀行)が撤退し、モールの活気が徐々に失われていったという。総務部長の糸賀徹さんは、2銀行が撤退した頃にはオープン当初の来館者数の半分以下になっていたと振り返る。 小林睦営業部長は「シェーキーズは固定客が多くモールの核だっただけに、撤退は痛手」と話す。つくばエクスプレス(TX)開業や周辺に大型商業施設ができたこと、市庁舎が研究学園地区にできたなど社会的背景が変わってセンター機能が失われたとした上で、「人気店の撤退を機に、文化と科学が集積するセンター地区で求められる機能は何かを追求していきたい」とした。 「中心地が疲弊し厳しい状況だと分かっている」と語ったのは、つくばセンター地区活性化協議会事務局長の稲葉祐樹さんだ。中央広場を囲むセンタービル1階のモールは階段で2階のペデストリアンデッキに通じるが、ベビーカーを押す人や高齢者などはビル内のエレベーターに乗るという動線上の問題がある。稲葉さんは「磯崎新の設計を変えず、どう使いやすい施設にするかが課題」と話した。

《つくば道》7 つくばの玄関口整備は喫緊の課題

【コラム・塚本一也】TXつくば駅周辺の商業施設が苦戦しているようです。今月20日、つくばセンタービル内のシェーキーズが閉店することになりました。万博以来30年の長きに渡って営業し、ファーストフードバイキングの草分け的な店舗でした。西武デパートやイオン跡地の入居者も決まらず、駅に近いビジネスホテル内の飲食店も撤退し、つくば駅の駅ビル的存在である商業ビルもテナントの入れ替わりが頻繁です。 つくば駅周辺では中心市街地の官舎が廃止となり、その跡地の再開発が徐々に進んでいます。つくば駅は始発駅であるため戸建て住宅や分譲マンションの売れ行きがよく、不動産業者はこぞって開発を進めています。しかし、住宅だけが先行するのではなく、商業やオフィスなどの都市機能を備えたバランスのよい市街地を計画しなければ、いびつな街をつくってしまうことになります。 俗に「水清ければ魚住まず」と言うように、学園都市の初期のまちづくりを振り返ると、商業施設や歓楽街などの開発を抑制したために、「つくチョン族」と言われた学園都市への単身赴任者の自殺が多発するような事件を生んでしまいました。用途地域の指定だけでは、民間の商業施設はなかなかその通りには開発が進まなかったのです。 昭和50年代から科学万博の開催された60年代にかけて、学園都市の商業的な中心市街地は松見公園前の天久保地区でした。この地区では科学万博開催の折に、地元歓楽街も必要であろうということで、接客を伴う店が特別に飲食店として営業許可をいただいたという経緯があります。 バブルのころは大変なにぎわいを見せた地域ではありましたが、TX開通後は駅周辺に繁華街ができたこともあり、徐々にテナントの虫食い状態が進行しております。また、天久保地区には吾妻中学校や筑波メディカルセンター病院などが建設され、近年は文教地区となったため、PTAや地域住民からは地区計画の見直しの声が上がっております。 太古の昔から都市には歓楽街や繁華街が付き物であり、生身の人間が生活する憩いの場として発展を遂げてきました。ただ、そういった地域では様々なトラブルも発生することが多く、犯罪や災害をどのように抑止するかということも課題の一つです。吾妻小学校を吾妻中の近くへ移転させる小中一貫のメリットをさらに活かし、一方で小学校跡地と官舎跡地を一体的に開発し、大規模な複合商業施設を建設するようなドラスティックな発想で再開発に臨んではいかがでしょうか。 IT・ロボットなど、つくばが得意とする方法で管理・運営を行い、血の通った人間が行き交う街並みを計画的に創ることが「つくば」らしい「まちづくり」ではないでしょうか。(大曽根タクシー社長)

素案に評価と落胆 つくば市公共交通改編 茎崎地区で説明会

【橋立多美】つくば市が策定した、コミュニティーバス「つくバス」や路線バスなど公共交通改編素案の説明会が12日から市内7地区で始まった。このうち高齢化率が市内で最も高い茎崎地区では、参加者から「牛久駅行の新規バス路線を盛った案は一歩前進」と評価する声と、「要望がかなわなかった。高齢者は5年、10年先どうなるのか」と落胆する声の両方が出された。 同地区の説明会は13日、茎崎交流センターで行われた。改編素案は、昨年実施された地区別懇談会やアンケート調査で分かった利用者のニーズに沿い市が作成した。説明会には住民51人が参加し、5グループに分かれて素案の問題点を出し合った。グループワークで積極的に意見を述べる姿が見られた。 同地区では現在、下岩崎の茎崎老人福祉センターから牛久学園通りを走行してつくばセンターに至る「南部シャトル」と、牛久沼に突き出た南西部から商業施設アッセを経由してTXみどりの駅に至る「自由ケ丘シャトル」が運行されている。旧6町村中、高齢化率が36.7%と最も高い同地区の住民は、牛久市の病院やスーパーを利用する人が多く、市域を超えた生活圏が存在する。そのため牛久方面への公共交通の整備を要望する住民の声が絶えなかった。 改編素案では、牛久方面への直通バス路線のない南西部地域などに新規路線バスを運行するほか、牛久駅とを結ぶ既存の4路線バスへの運賃補助が盛り込まれた。補助額は、路線バス運賃をつくバス料金(200~400円、高齢者などは半額)と同等にする金額で検討されている。 グループワークでは素案に対し、「城山団地と桜が丘団地につくバスのルートをつくってほしい」「1時間に1本の自由ケ丘シャトルを30分間隔にしてほしい」「牛久の総合病院に乗り入れてほしい」「バスを待つバス停の環境を整えてほしい」などの意見が挙がった。 南西部・あしび野団地に住む稲川誠一さんは「この辺りの高齢者は1日かけて牛久の病院に通っている。路線バスでJR藤代駅まで行き、常磐線に乗り換えて牛久駅で降り、そこから病院の送迎バスを利用している。往復で1200円かかる。牛久駅行の新規バス路線を盛った案は一歩前進」と話した。 改編案に落胆した地区もある。つくバスの「南部シャトル」と「自由ケ丘シャトル」の中間に位置する桜が丘団地住民の交通手段は、マイカーか牛久駅とを結ぶ路線バス。落合正水区長は「つくばセンター方面に行きたい住民が多く、南部シャトルの昼間の時間帯で一本おきでもいいと要望したがかなわなかった。約500人の高齢者が住んでいる。5年、10年先はどうなるのか」と不安を隠さない。 約1300世帯が暮らす住宅団地、森の里の倉本茂樹自治会長は、つくバスのバス停の間隔を現在の約1㎞間隔から500m間隔を基準にするとの案を評価する一方、団地内にバス停が設置されないことに不満を募らせる。「バス停の間隔が狭くなると運行に時間が掛かるとの指摘があるが、体力のない高齢者が荷物を持って歩けるのは350mが精いっぱい」とした上で「団地面積は約25haで団地入り口のバス停まで最長1㎞の道のりがある。粘り強くバス停新設を要望していくしかない」と話していた。

「つくバス」など公共交通改編へ 12日から素案説明会 つくば市

【鈴木宏子】コミュニティーバス「つくバス」など公共交通体系の改編を進めているつくば市はこのほど改編素案をまとめた。つくバスは、朝夕の混雑時間などに一部で折り返し便を運行したり枝線を運行する、路線バスは既存路線を維持するため茎崎地区などで運賃補助を実施し、人口が急増している研究学園駅周辺に路線バスの新設を検討する―などが主な柱。12日から22日まで7地区で計14回の地区別説明会を開き住民の意見や要望を聞く。 つくバスの主な改編内容は、つくば駅から大穂、筑波地区を結ぶ「北部シャトル」は、つくばセンター~大穂窓口センター間の折り返し便を導入する。一方、大穂より北の筑波地区は運行便数が減少する。 つくば駅から桜、筑波地区を結ぶ「小田シャトル」は、日中の時間帯に小田地区~大穂窓口センターや松栄団地への枝線を新設する。 研究学園駅から豊里、筑波地区を結ぶ「作岡シャトル」は、現在の大穂窓口センター経由から、今鹿島、豊里の杜経由にルートを変更し、吉沼シャトルとの重複ルートを解消する。 つくば駅から市役所、豊里地区を結ぶ「吉沼シャトル」は、現在の上郷、東光台経由から、大穂窓口センター、学園の森経由にルートを変更する。 「上郷シャトル」を新設し、現在の吉沼シャトルの折り返し便である上郷便を同シャトルとして、学園の森経由から東光台経由にルート変更する。 つくば駅から谷田部、茎崎地区を結ぶ「南部シャトル」は、つくばセンター~理化学研究所間に折り返し便を導入する。一方、折り返し区間以外の茎崎地区は運行便数が減少したり乗り換えが必要になったりする。 研究学園駅から谷田部地区を結ぶ「谷田部シャトル」は、みどりの中央~つくば工科高校間について、みどりの東(TXみどりの駅近く)を経由するルートに変更する。 みどりの駅から茎崎地区を結ぶ「自由ケ丘シャトル」は、緑が丘~アッセ入り口間について、観音台、谷田部車庫を経由するルートに変更する。一方、路線が長くなるため運行便数が減少したり運行時間が増加する。 ほかに、新規路線として、市西部と万博記念公園駅やみどりの駅を結ぶ「西部シャトル」(仮称)を新設する。 改編により、つくバスは現在の7路線から9路線になる。バス停の間隔についても現在の約1㎞間隔から、500m間隔を基準にするとの案を示している。一方、間隔が狭くなると時間が掛かり、運行便数が減少する。 茎崎に牛久への路線バス新設を検討 路線バスについては、茎崎地区などと牛久駅を結ぶ既存の路線バスに運賃補助を導入する。補助額は、路線バス運賃をつくバスと同等にする金額で検討している。ほかに、現在バスの乗り入れがない茎崎地区の富士見台方面から牛久駅方面への新規路線バスの運行を検討する。 さらに、宅地開発が進む研究学園駅周辺に民間路線バスの新設を検討する―など。 改編時期については、今年10月からと来年4月からの2段階で実施するとしている。 つくバスの2017年度の利用者は年間約104万人。運行経費は年約4億4600万円、運賃収入は約2億600万円で、5割超の約2億4000円を市が負担している。改編案を素案通り実施した場合の運行経費がどうなるかについて市はまだ公表していない。 地区別説明会の日程は▷筑波交流センター=12日(土)と21日(月)午前10時から▷大穂交流センター=12日(土)午後2時からと17日(木)午前10時から▷豊里交流センター=16日(水)と19日(土)いずれも午前10時から▷桜総合体育館=19日(土)午後2時からと22日(火)午前10時から▷市民ホールやたべ=13日(日)と15日(火)いずれも午前10時から▷茎崎交流センター=13日(日)午後2時からと14日(月)午前10時から▷市役所=18日(金)と20日(日)いずれも午前10時から。

路線バスの旅はいかが 休日は1日700円で乗り放題 関鉄バス

【富永みくに】路線バスの旅がテレビ番組で人気だ。ゆっくり走るバスに揺られ、気が向くままに途中下車を楽しみながら見知らぬ街を巡るのが魅力だといわれる。ゴールデンウイーク(GW)にテレビの人気番組のようなバス旅に挑戦してはいかが。 関東鉄道グループは4月28日から、土・日・祝日と、お盆期間の8月13日~16日、年末年始の12月29日~1月3日に一般路線バスが1日乗り放題となる「IC・1日乗車券」を発売している。交通系ICカードSuica(スイカ)またはPASMO(パスモ)に、1日乗車券の機能を登録することで、大人は700円、小児は350円で一般路線のバスが乗り降り放題になる。 利用方法は、最初に降りるバス停で運転手に「IC・1日乗車券」を利用することを伝えて購入する。運賃はチャージ残高から差し引かれ、残額が足りない場合はチャージもできる。小学生未満の子どもは大人1人に付き1人まで無料。交通費1400円で大人2人子ども2人が丸一日楽しめる。 利用できる路線は、関東鉄道、関鉄グリーンバス、関鉄パープルバスの一般路線バス全路線。ただし、高速バス路線やコミュニティバス、筑波山シャトルバス、荒川沖駅東口~あみプレミアムアウトレット線、茨城県庁シャトルバスの水戸駅南口~県庁バスターミナル線は対象外となっている。 TXつくば駅(つくばセンター)からは牛久・下妻方面、土浦駅からは下妻・石岡・行方方面への路線バスの旅が楽しめるほか、いくつかバスを乗り継げば、守谷・取手方面へも行ける。電車を併用すれば水戸市内・鹿行方面でも利用できる。 本数が少ない路線もあるため、下車した際には必ず次の出発時間を確認するのが重要だ。バス専用の路線検索サイト・アプリを使うと乗り継ぎがスムーズに行える。「IC・1日乗車券」の詳しい利用方法については、関東鉄道ホームページ(http://kantetsu.co.jp/news/18041601_bus.html)へ。

スタジアムを満員に つくばFCレディース 29日ホーム開幕戦

【崎山勝功】女子サッカー3部のチャレンジリーグで戦う「つくばFCレディース」のホーム開幕戦が、29日午後1時、本拠地のセキショウチャレンジスタジアム(つくば市山木)で行われ、ノルディーア北海道(北海道)と対戦する。ホームゲームをサポーターで埋めようと選手らが24日、つくばエクスプレス(TX)つくば駅入口周辺で優待券を配布した。 選手2人と職員ら計9人が午前7時から約1時間、通勤・通学客らに優待券を手渡し来場を呼び掛けた。優待券は、ホームゲーム入場料(当日1000円)を定価から300円割り引く。 参加したつくばFCレディースDFの藤井志保選手は「社会人の人たちが結構、優待券を受け取ってくれた。反応は良かったと思う」と手応えを感じていた。 同チームの今季の成績は1勝1敗で現在4位。FWの亀井祐美選手は、3月21日のプレシーズンマッチでの取材に対し「より多くの勝利を残して(上位リーグの)昇格争いに行ければいいと思う。今年はより上の順位でいきたい」と意気込みを語っていた。 応援マスコット決定 サッカーチーム、つくばFCは、茨城を応援する活動の一環として、地域の人々がアイデアを出し合ってキャラクターをつくる「プルプルたまごプロジェクト」を展開している。3候補による投票の結果、「茨城を愛するワンダフルボーイ」がマスコットキャラクターに決定した。今後、キャラクターの正式名称を募集する予定という。

つくばの研究機関・大学28カ所が一般公開 16~22日 科学技術週間

【富永みくに】「科学技術週間」に合わせた一般公開イベントが16~22日までの期間中、つくば市内の研究機関、大学など28カ所で催され、施設公開、講演会、展覧会など工夫を凝らした企画が実施される。 産業技術総合研究所「サイエンス・スクエアつくば」(つくば市東)は21日午前9時30分~午後5時、災害調査ロボ「CRoSDI」のデモンストレーションとミニ講演を実施。人が入れないような狭い場所で活躍するロボットが見られる。他にもオリジナルのビーズストラップやはんこが作れる工作コーナーなどが設置される(予約制)。 物質・材料研究機構(NIMS、つくば市千現・並木・桜)は22日午前10時~午後4時、講演、実験、工作など70を超えるプログラムを用意。谷田部中学校とのコラボイベント「永久磁石を作ってみよう」、ナノ戦隊スマポレンジャーによるスマートポリマー実験ショーなども開催される。 21日(土)、22日(日)の2日間は、無料の「つくばサイエンスツアーバス」が1日6便運行され、北回りはTXつくば駅、国土地理院、国立科学博物館つくば植物園を、南回りはつくば駅、つくばエキスポセンター、産業技術総合研究所、筑波宇宙センターを巡回する。 その他、主な施設の公開日は次の通り。 ▽国立公文書館つくば分館=16~21日午前9時15分~午後5時、特別企画展「花さんぽ」植物図譜を中心に園芸書・名所図会などの展示。 ▽建築研究所=22日午前10時~午後4時、耐熱性に優れ強度がある新しい木材製品CLTの特徴を体感できるCLT実験棟、防耐火棟・強度試験棟の見学など(予約制)。 ▽国土技術政策総合研究所・土木研究所=20日午前10時~午後4時、道路に関する実験を行う試験走路の見学、土石流の発生の仕組みを学ぶコーナーなど。 ▽防災科学技術研究所=22日午前10時~午後4時、豪雨体験ができる施設見学(雨具・長靴持参)、ペットボトルで地震計を作るコーナーなど。 ▽国立科学博物館筑波研究施設・筑波実験植物園=21日午前10時~午後4時、植物園バックヤードツアー、「研究お宝大公開」など。※一般常設展示有(「さくらそう品種展」は14日~22日) ▽JAXA筑波宇宙センター=16~22日午前9時30分~午後5時、国際ステーションから見た地球の映像の上映、展示館クイズツアーなど。 ▽気象庁高層気象台=18日午前10時~午後4時、自由気球を使った高層大気の観測、古い気象測器の展示など。 ▽国土地理院=17、19日午前10時~午後4時、測量用航空機「くにかぜ」内部公開など。 ▽国際協力機構JICAつくば=21日午前10時~午後4時、トマトの接ぎ木教室(先着順)、世界の布でしおりを作る工作、ボランティア事業紹介など。 ▽森林総合研究所=20日午前10時~午後4時、樹木園・実験住宅を研究員による解説付きで見学。 ▽国際農林水産業研究センター=20、21日の午前時~午後4時、熱帯果樹・黒糖・さとうきびなどの試食会、ハイビスカス・パインなどの苗の配布(先着順)など。 ▽筑波大学=21日午前9時~午後5時、子どものための特別授業「キッズ・ユニバーシティ」面白くてためになる科学実験など。 ▽筑波技術大学=20日午後1~5時、視覚障がい者のために開発された触って理解する教材、触覚的な案内表示などを公開。 ▽日本自動車研究所=21日午前10時~午後4時、水素・電気で走る車の試乗、交通安全教室、消防・救急車両展示など。 詳しくは、2018年度筑波研究学園都市研究機関一般公開総合ガイド(http://stw.mext.go.jp/event/tsukuba.html)へ。

カタクリ見頃 例年より早く 筑波山

【鈴木萬里子】「第18回筑波山頂カタクリの花まつり」が20日まで開かれている。山頂付近には約3万株のカタクリが群生しており、花を目当てにケーブルカーで登る観光客やカメラを首にかけた登山者らでにぎわっている。期間中イベントがあり、花まつりを盛り上げる。 群生地は男体山山頂付近の自然研究路と、ケーブルカー筑波山頂駅のある御幸ケ原から女体山に向かう「カタクリの里」など。自然研究路は標高800m辺りをぐるっと一周する登山道で、北側の登山道両脇に今が盛りと咲き誇る群生の花が見られる。ここ数日がピークのようだ。自然研究路南側とカタクリの里は見頃を過ぎてしまった。つくば観光コンベンション協会によると、今年は例年より開花が5~10日ほど早いという。 カタクリは早春に薄紫や桃色の花を下向きに咲かせ、2週間程の開花時期しかないことから「春の妖精」とも呼ばれ、愛好者を引きつけている。花の色は薄紫が一般的だが、カタクリの里には白い花も咲く。自生する白色の花は数万本に1本しかないそうだ。今年は残念ながらもう散ってしまったが、山頂売店の「たかはしや」に写真が飾られている。カタクリと同時期に咲くのがニリンソウで、御幸ケ原の南斜面ではニリンソウの群生も多く見られ、2種が共に咲く姿も見られる。 静岡県富士市から団体バスで訪れた60代女性は「やっと憧れの筑波山に登ることが出来てうれしい。その上カタクリの群生を見られるなんて、私達ラッキー」と写真を撮りながら大喜びしていた。 カタクリの花まつり関連イベントは次のとおり。 ◆筑波山神社参拝と筑波山頂カタクリの花散策=14日(土)。参加費無料(乗車料金は各自負担)、先着80人。特典として筑波山神社を正式参拝できTXオリジナルキャップがもらえる。申し込み029・866・0611(筑波観光鉄道) ◆筑波山ウォームアップ登山=14日(土)午前9時30分~午後4時。無料(一部有料)、筑波山登山と併せたスタンプラリー、ワークショップ、登山講座など。詳しい情報はhttps://www.yamakei-online.com/yk/tsukuba/ ◆筑波山ミニコンサート=15日(日)午後1時~3時。問い合わせ029・869・8333(つくば観光コンベンション協会)http://www.ttca.jp ◆ガマの油売り口上=山頂御幸ケ原で期間中の土日、午前10時~午後2時。

「逆転の発想」が原点 土浦駅ビル 29日、サイクリング拠点オープン

【鈴木宏子】JR土浦駅ビル(同市有明町)に29日、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」がオープンする。中心市街地の衰退に悩む土浦で、何が始まろうとしているのか。 同拠点施設は県と土浦市が1階と地下1階に設置した。同駅ビルを運営するJR東日本の子会社、アトレ(東京都渋谷区)が指定管理者として管理運営する。駅ビルもペルチからPLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)に名称変更する。 シャワー、コインロッカー、レンタサイクル、サイクルショップ、カフェなどがあり、自転車で乗り入れできる。館内で組み立て、修理、洗車などもできる。サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポットを案内したり、街の楽しみ方の情報を提供などする。 従来のショッピングを中心にした「モノを売る」駅ビルから脱却し、「コトを売る(体験を提供)ことにまじめにチャレンジする」と、アトレ土浦店プロジェクトリーダーの藤本沢子課長は狙いを話す。 7分の1に落ち込み 土浦駅ビルは1983年にオープンし35年の歴史がある。藤本課長によると、売り上げのピークはバブル期の1991年で、年間約112億円の売り上げがあった。 その後、つくばエクスプレス(TX)が開通し沿線に多くの商業施設が建設されたこと、土浦駅を利用するのは車を運転しない学生やシニアが中心になったことなどから、駅ビルの売り上げが低迷し、2016年度の売り上げはピーク時の7分の1の約16億円まで落ち込んだ。 「モノが売れない、地元のお客様に駅ビルにお越しいただけない、お店を入れ替えてリニューアルしても解消されない中、駅ビルをどのように存在させるか。それならば足元の商圏に頼らず、東京や全国からお客様を呼ぼうという逆転の発想」だという。 「世の中の消費は、モノを買うより体験することにお金を使う体験型にシフトしている。モノを売ることにこだわらないというのが原点」と藤本課長。新しい価値をつくり出し、コトを売ることにチャレンジするチャンスだと捉えた。 同じ時期、土浦では、県が中心になり、霞ケ浦や筑波山を巡る全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」の環境整備が進んでいた。PRが功を奏し、同コースを利用する自転車愛好者は2015年が約3万9000人だったのに対し、16年度は約4万8000人、17年度は約6万人を超えると推測されるなど年々増加している。 米ポートランドをイメージ サイクリングのまちづくりで、藤本課長がイメージしたのが自転車の街として知られる米国西海岸のポートランドだという。 ポートランドには全長480㎞を超える自転車優先道路や自転車専用レーンが整備され、多くの市民が通勤・通学に自転車を利用している。自転車のイベントも数多く開催され、自転車を利用した観光も盛んで、グルメスポット、公園、下町、ビール醸造所など街中を巡るガイド付きツアーや、少し離れたブドウ畑、渓谷まで足を延ばすツアーなどが用意され、自転車は一大産業となっている。 「土浦、霞ケ浦は日本有数の観光拠点になる。そこから始める」と藤本課長はいう。 専用列車を運行 とはいえ、首都圏や全国からどうやって自転車愛好者を集めるのか。アトレでは、土浦駅前で自転車フェスティバルを開いたり、親会社のJR東日本や旅行会社と連携しサイクリスト向けの専用列車を運行して誘客に努める予定だ。 最初のフェスティバルはオープン後、最初の土・日曜となる31日と4月1日に駅前特設ステージで開催する。最新モデルのスポーツ自転車が集結し、試乗会やツアーなどを実施したり、キッズスクールなども開催するという。 オープン後、初めてとなるサイクリスト専用列車は4月22日に運行する。「つくば山桜ライド」と題して、上野発、15両編成の臨時列車が土浦にやってくる。参加者は折りたたみ自転車をたずさえて列車に乗車。土浦駅を出発し、山桜やご当地グルメを堪能しながら真壁休憩所まで片道30㎞を往復する。JTBが参加者を募集しており、28日までに130人の参加申し込みがあるという。 ホテルは90室前後 土浦駅ビルは今年11月、第2弾として2階と3階に、学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオがオープン。第3弾として来年5月、2階南側に茨城の地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。最終段階の第4弾は来年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。 ホテルはすでに運営会社が決定。客室は90室前後となり、1人1万円以下で宿泊できる施設になるという。「サイクリストはもちろん、観光客、ビジネス客も気軽にカジュアルに利用できるホテル」と藤本課長。さらに「霞ケ浦の景観が一番の魅力。きれいな霞ケ浦であってほしい」と願う。

《吾妻カガミ》27 市民は「つくばファースト」?

【コラム・坂本栄】今年は明治維新から150年。私が卒業した高校は昨年創立120周年の式典を行った。こういった区切りに比べるとつまらないタームだが、在住40年の東京から茨城に戻って15年。生まれ育った土浦に戻るとき、10~20年あるいは30年かけて、2つのことを何とか実現できないかと考えていた。 ひとつは、汚いことで有名になった霞ケ浦の水をきれいにすること。その活動の一環は本コラム《泳げる霞ケ浦へ》欄でも報告されているが、私はある意味「根治」が必要ではないかと思っていた。霞ケ浦と太平洋を水門で遮断することを止め、湖海一体化した自然体系に戻せば、海の浄化力で湖はかっての姿を取り戻すと。 この点については、本コラム《吾妻カガミ》 20の「霞ケ浦を一大リゾート地に」の中で論点(私の考えとそれに対する反論)を整理しておいた。ご関心がある方は保存記事をクリックしていただきたい。 もうひとつは、県南の土浦市とつくば市の合併。2003年に地域紙社長として戻ったあと、両市長へのインタビューの際には、合併について前向きなコメントを引き出すよう工夫した。「平成の大合併」とは関係なく、機運を盛り上げたいと思ったからだ。 土浦との合併は不調に 江戸・昭和の香り(土浦)と平成の香り(つくば)、旧い街(土浦・つくば周辺部)と新しい街(つくば中心部)、湖水(霞ケ浦)と山並み(筑波山)、娯楽(土浦)と学園(つくば)、高レベルの大学(筑波大)と高校(土浦一高)、鉄道(常磐線・TX)と高速(常磐道)―これらをくくれれば広域首都圏の県南中核市として申し分ない。 その機運は13~14年に盛り上がった。つくば市長3期目の市原健一さんが土浦市長3期目の中川清さんに予備的会合を提案、勉強会の形で協議することになったからだ。企業の合併もそうだが、この種の案件は組織トップの意欲と判断によって決まる。両市長とも行政的にも政治的にも円熟する3期目。これは行けると思った。 しかし、予備協議は不調に終わる。最大の要因はつくばの市民が意外と冷めていたからだ。14年秋に実施された市民アンケートでは、合併に賛成15%、反対55%という数字だった。これには言い出しっぺの市原さんもがっかりしたようで、「市民は現状に不満がないようだ」と総括した。 昔、県南の中心だった土浦の市民は現状に危機感を抱き、今、学園都市として成長しているつくばの市民は現状に満足している。市民調査を総括するとこういうことだろう。つくば市民は現状維持に傾いている。流行の表現を使えば「つくばファースト」か。変化を拒み守りに入ると組織も地域も停滞する。(経済ジャーナリスト)

歴史的緑空間36ha URがつくば市に無償譲渡 中根・金田台 当面樹林地のまま保全

【鈴木宏子】つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区の一つ、つくば市中根・金田台地区内の歴史的緑空間用地=メモ=について、開発事業者のUR都市機構が今年末までに、市に約36haを無償譲渡することがわかった。市は当面、現状の樹林地のまま管理・保全していくとしている。 21日開かれた市議会全員協議会で市が報告した。3月末までに譲渡契約書を締結する。 同地区では絶滅の危機にひんするオオタカやサシバの営巣が確認されている。市は36haの管理・保全方法について①立ち入りを制限する「オオタカ生息環境保全ゾーン」と、市民が散策できる「保全散策ゾーン」の二つに分ける②散策ゾーンは将来、散策路などを整備し隣接の国指定史跡、金田官衙遺跡などと連携して活用を検討していくとの方針を示した。 URと市が13年12月に締結した合意書などに基づいて無償譲渡する。当時は「無償も含め」譲渡するとされていた。 「地域の財産として保全を」UR委員会が市に提言 一方、オオタカなどの営巣が確認されている同地区についてURは、08年3月「中根金田台地区貴重動植物生態系調査委員会」(委員長・山形耕一茨城大名誉教授)を設置し10年間にわたって生態系調査と保全活動を実施してきた。 今回、市に無償譲渡されるのに合わせて、URはオオタカなどの保全活動を終える。URの生態系調査委員会は今年2月、譲渡先の市に対し「(同地区は)今なお貴重な動植物が多く生息・生育する自然豊かな地区」だとして「近隣外周部も含め、地域の市民と連携し、保全に取り組むことが望まれる」「当地区の自然環境の重要性を地域の財産として保全していく」べきなどとする提言書を提出している。 ※メモ 歴史的緑空間用地は、同地区東側の国指定史跡、金田官衙遺跡周辺の約16haと、今回無償譲渡される北側の約36haを合わせた計約52haある。そのうち国指定史跡など約16haは市がURから47億5200万円で21年度までに順次購入する予定になっている。今回無償譲渡される約36haのうち約19haにも埋蔵文化財があるという。

樹林地の保全と活用考えよう 24日、NPOが「歴緑カフェ」 つくば市中根・金田台

【鈴木宏子】絶滅の危機にひんするオオタカやサシバが営巣している、つくば市中根・金田台地区の樹林地の保全と活用を考えようと、地元の環境保護団体、NPO金田台の生態系を守る会(高橋かよ子代表)が24日、「歴緑カフェ」と題した第1回目の意見交換会を開く。 同地区はつくば駅から約2~4㎞北東に位置するつくばエクスプレス(TX)沿線開発区域の一つ。地区東側の国指定史跡、金田官衙遺跡と周辺約52haは歴史的緑空間用地と名付けられ、宅地造成など開発からはずされている。一方、どのような形で保全や活用がされるかまだ決まっていない。 開発事業が始まって以降、歴史的緑空間用地内の樹林にオオタカが営巣していることが確認され、開発事業者のUR都市機構は2008年3月「中根金田台地区貴重動植物生態系調査委員会」(委員長・山形耕一茨城大名誉教授)を設置し10年間にわたって、同地区の生態系調査と保全活動を実施。NPOの高橋代表もオブザーバーとして参加してきた。同調査委は今年度いっぱいで活動を終えるという。 この間の13年12月、市とURは樹林地などの歴史的緑空間用地について、18年度までにURが市に無償も含め譲渡することで合意している。 こうした節目にある中、オオタカやサシバが営巣する樹林地が今後どうなるのかまだ決まってないことから、同地区で独自に環境保全活動を続けてきた同NPOが、市民に参加を呼び掛けて意見交換会を開く。 同NPOはURの調査委とは別に10年以上にわたって、オオタカやサシバなど動植物の調査、湧き水や地質調査、下草狩りなど森林整備、散策道の整備などをしてきた。 高橋代表は「金田台地区は生態系が豊かで史跡も多い貴重な場所なので、オオタカやサシバが営巣できる樹林地のまま残してほしい。つくば駅から4㎞のところに貴重な場所があることを市民に知ってもらい、訪れてもらいたい」と話し「歴緑カフェで意見をいただき、市と一緒に、保全と活用の青写真を作っていけたら」と話している。 ◆第1回歴緑カフェは24日(土)午前10時~正午、同市金田、桜総合体育館会議室で開催する。参加費無料。年3、4回開催する予定だが2回目以降の日程は未定という。

理工系の書籍充実 リブロ クレオから移転、11日キュートに再オープン

【崎山勝功】つくばエクスプレス(TX)つくば駅近くの大型商業施設クレオ2階(つくば市吾妻)で営業していた書店「リブロ」(本部東京都豊島区)が、クレオの閉鎖に伴い、隣接のキュート2階に移転して11日から営業を再開した。新店名はリブロつくばキュート店。 「文化の発信拠点」を担う書店が全国的に減少傾向にある中、稲葉順店長は「(つくばは)30年来付き合いのある土地なので、つくばの本屋を守る」と意気込みを示した。その上で「ネット通販もあるけど、実際に見て、触れ、判断する手助けをしたい。書籍の中身を見て自分の感覚に合うかはネット通販では分からない」と、本と触れ合うことの重要性を説く。 同店は広さ約191㎡、取り扱い冊数は約4万冊。市内のショッピングモール内にある大型書店と差異化を図るため、理工系新書「講談社ブルーバックス」専用の本棚を2つ設置するなど理工系図書を充実する。主な客層として筑波大の学生や市内在住の研究者らを想定しており「車を使わなくても行ける書店」「コンパクトで幅広く」をコンセプトに据える。 同店を訪れた東京理科大薬学部5年の女子学生(23)=同市在住=は「理系を専攻しているので、勉強に役立ちそう。電車で通学しているので、駅の近くに書店があるとありがたい」と話した。 同店は1985年のクレオ開業以来、西武筑波店5階で約30年にわたり営業していたが、2017年2月末の西武撤退に伴いクレオ2階に移転。今年1月末のイオンつくば駅前店の撤退で、キュートに再移転した。

子育て、福祉―「きめ細かい市民ニーズに応えた」 つくば市新年度予算案

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長は7日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初と比べ2.3%減の856億1700万円となる。過去最大だった前年度に次いで2番目の規模。五十嵐市長は「子育て、教育、出産、中心市街地(の問題)など、やらなければいけながったがこれまで手が付けられなかったきめ細かい市民ニーズに応えた」とし「子供の貧困対策に力を入れた」と強調している。 特別会計などを合わせた総額は1391億6700万円で同比1.6%減。つくばエクスプレス(TX)沿線の二つの義務教育学校の建設が終了したことからマイナスとなる。 歳入は、人口増加などから市税が同比2.7%増えると見込む。借金に当たる市債は二つの義務教育学校の建設終了により同比22・5%減少する。ただし市債と、将来発生する支払い見込額である債務負担行為を合わせた残高は前年度より増えて708億円になる見込み。旧茎崎町との合併算定替えの特例期間が終了し18年度から不交付団体となるという。 新年度の主な事業は、子どもの貧困対策として、ひとり親家庭の児童などに支給する福祉金を児童1人当たり年3万円増額し1億2700万円を計上する。子どもの学習支援として、新たにNPOや社会福祉協議会などが取り組む無料学習塾4カ所に計850万円を補助する。 子育て支援は新規事業として、産婦人科を新たに開設したり、病床を増やしたり、医療機器を購入する産婦人科施設に費用の半額を助成する(5000万円)。出産後、体調不良や育児不安がある母親が、赤ちゃんと一緒に診療所や助産院に宿泊しながら育児相談を受けたり心身のケアを受ける産後ケア(525万円)にも新たに取り組む。 教育は、統廃合により4月に開校する秀峰義務教育学校のスクールバス運行に1億8400万円を計上。小学校に続き市立中学校11校の普通教室すべてにエアコンを設置する(4億1800万円)。 つくば駅前の商業施設クレオから西武筑波店に続いてイオンつくば駅前店が撤退するなど空洞化が課題の中心市街地対策は、クレオ跡地の利活用を調査する委託費などに648万円を計上。中央公園(吾妻)の池の水をきれいにして子どもたちが水遊びできるようにするなど、たまり場や遊び場をつくる実証実験をする中心市街地プレイスメイキング事業に1000万円を計上する。 ほかに、高齢者や障害者の外出を自家用車で移送支援しているNPOなどの福祉有償運送事業に計160万円を補助する▽市役所(研究学園)敷地内に、市民が交流スペースとしても利用可能な分庁舎を建設するため、9億4600万円(15年間)の債務負担行為を設定する▽産業振興センター(吾妻)を1億2300万円で再整備し1階に共有オフィスとなるコワーキングスペースなどをつくる▽中央図書館は、土日曜の開館時間を2時間延長し、無料駐車時間を1時間延長する(計915万円)。 民間保育所の保育士の給与に月額3万円を上乗せする保育士処遇改善助成金は、17年度に引き続き実施し2億2100万円を計上する。事業を凍結した竹園3丁目地区の地域拠点再構築事業は18年度も凍結のままという。

《つくば道》4 茨城県の魅力とは

【コラム・塚本一也】都道府県の魅力度ランキングという指標がありますが、2017年度版でも茨城県は最下位となりました。横綱稀勢の里の出身県であることやNHKの朝の連続ドラマ「ひよっこ」の舞台となったことなど、プラス要素もあったのですが、結果は4年連続の最下位でした。しかし民間調査会社の「魅力度調査」といっても自治体のイメージを測る一指標でしかなく、その順位が最下位であったとしても、茨城県の全てが否定されたわけではありません。 茨城県は有名人を起用した観光PRやイメージ戦略で人気回復に取り組んでいますが、本質的な改善策も必要であると思います。とくに近隣他県に遅れをとっているのが交通基盤の整備です。 茨城県にはつくばエクスプレス(TX)という在来線としては類いまれな高性能を持つ高速鉄道があります。TX本来の建設主旨は常磐線のバイパスとして機能することにありました。つくば駅からTXが北部延伸して常磐線と接続し、水戸とつくばを鉄道で結ぶことにより利便性は飛躍的に向上します。 水戸方面から都心への所要時間も短縮され、どちらか一方の路線が車両故障や災害時の場合においても振替輸送が可能となり、水戸が東京の通勤圏として本格的に機能することになります。そして水戸市とつくば市が連携することにより、2大都市を軸とした新たな生活圏・文化圏が誕生し、茨城の新しい時代が開かれることになると思います。 さらに、TX北部延伸の延長線上には空の玄関である茨城空港があります。茨城空港は軍民共用のため、様々な制限はありますが、「茨城県の空港」を主張するだけではなく、羽田・成田を補完する「首都圏第3空港」としての役割を認識し、沿線各市や近隣各県にも利用し易くすることが茨城県の評価につながると思います。 また、茨城県の海運の拠点である常陸那珂港は「海の無い栃木・群馬に港を開く」というコンセプトの下、3県がスクラムを組んで物流拠点としての常陸那珂港開港にこぎ着けました。この考え方こそが、これからの北関東3県の浮沈を握ると思います。茨城の陸・海・空が持つポテンシャルを活かし、近隣各県も恩恵が享受できる施策を発信することが、茨城県の魅力を高めることにもなるはずです。 それぞれの自治体がお互いの弱点をカバーしあえる関係を構築し、北関東圏がひとつの経済圏として大きく発展すれば、全国に先駆けた先進的な取り組みのモデルとなるでしょう。(大曽根タクシー社長)

病苦のイラクの子救おう 筑波学院大生がミニライブ 「チョコレート募金」呼び掛け

【大志万容子】病に苦しむイラクやシリアの子どもたちを支援しようと、筑波学院大学の学生が3日、つくば市でミニライブを行う。14日のバレンタインデーにちなみ、同じ場所で行う「チョコレート募金」に併せて開くもので、学生らは「関心を持ってもらうきっかけになれば」と話している。 ライブを行うのは、若松音於さん(20)と石塚留菜さん(20)の2年生2人。 チョコレート募金は1缶550円のチョコレートの購入を通じて、イラクの劣化ウラン弾の影響が疑われる小児がんの子どもたちやシリア難民の子どもたちの医療を支援するプロジェクト。缶には小児がんを克服したイラクの19歳の女性が描いた絵がデザインされている。鎌田實医師が代表を務めるNPO法人「日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET=ジムネット、東京)」が主催する。 同NPOの活動に賛同した同大の野田美波子講師(39)が募金をPRするために、別の教員に依頼して「チョコレートのうた」を制作。さらに、イラクやシリアの子どもたちが描いた絵を使って、学生がアニメーション動画を作成した。注射や点滴を打たれた子どもたちもチョコレートの雨に笑顔になり、「ハッピー 、ハッピー」と合唱する内容だ。野田講師は「まずは面白そうと思ってもらい、そこから問題を知ってもらえれば」と話す。 3日のステージでは、動画を流しながら、若松さんがギター、石塚さんがピアノを演奏しながらデュオで「チョコレートのうた」を歌う。 「缶の絵を描いた少女が同世代ということを知ってショックをうけた」と若松さん。「病気で辛いのに他の子供たちを絵で励まそうとする姿勢に心を打たれ、自分も何ができるかを考えるようになった」という。「私たちの歌がきっかけで、少しでも子どもたちや募金活動に関心を持ってもらえれば」と熱を込める。 「チョコレート募金」は3日午前11時~午後4時、つくば駅前の商業施設クレオスクエアMOG1階プラザ・パフォーマンス・ギャラリーで。ミニライブは午後2時頃から。「チョコレートのうた」動画は(https://www.youtube.com/watch?v=y31TXTm66sg&feature=youtu.be)から閲覧できる。

買い物客ら名残惜しむ イオンつくば駅前店閉店 33年の歴史に幕

【大志万容子、谷島英里子】つくば駅近くの大型商業施設クレオ(つくば市吾妻)は1月31日、イオンつくば駅前店と専門店全8店が営業を終え、33年の歴史に幕を下ろした。閉店時刻の午後8時、同駅前店出口では佐久間勇樹店長はじめ従業員が「ありがとうございました」と頭を下げながら、買い物客を見送った。クレオ2階の正面入り口前には、買い物客ら数十人が帰宅せずに残り、8時半ごろ、店内のシャッターが下り始めると、写真を撮るなどして名残を惜しんだ。 最終日の店内は日中、買い物客でにぎわった。「ラストプライスご用意します!」との店員の掛け声がとび、「70%オフ」「半額」の札が並ぶ中、商品をカートに積みあげて買い物をする人たちの姿が見られた。 50代の女性は「大型ショッピングモールより(店内が)コンパクトで買い物しやすかった。20年以上前から利用しており、なくなるなんて思いもしなかった」と閉店を惜しんだ。3歳と1歳の子どもを連れた30代の女性は「去年、近くにマンションを購入したのに、西武に続いて立て続けに商業施設がなくなるのが悲しい。つくばの中心部が寂しくなってしまう」と不安を明かした。 佐久間店長は「閉店を発表して以降『子どもの頃から来店してきたので思い出が詰まっている』『大学生の時アルバイトでお世話になった』等の声を寄せていただいた。長年ご愛顧いただいた地域の皆様には心から感謝している」とコメントした。 つくば市の五十嵐立青市長は「昨年の西武筑波店の閉店に引き続き、イオンつくば駅前店の閉店により、クレオが全館閉店となることは非常に残念」とし「クレオはつくば駅前のにぎわいづくりの鍵となる重要なエリアであり、引き続き(クレオを運営する)筑波都市整備や関係者と連携しながら、公共施設の導入も含めて今後のあり方の検討を進める」とのコメントを発表した。 同店は1985年3月、ジャスコつくば店としてオープン。売り場面積は約6300㎡、1階は食品や家電、日用雑貨など、2階は衣料品を中心に扱い、昨年2月に閉店した西武筑波店とともに周辺住民に親しまれてきた。しかし同店を運営するイオンリテール(本社・千葉市)によると「つくばエクスプレス(TX)開通や郊外大型店が増えるなど周辺環境が変化し、消費者のライフスタイルも変わったことに対応できなくなった」。売上高も約20年前のピーク時に比べ半減していたという。従業員145名は近隣店に異動するなどして雇用を継続する。 同日営業を終了した専門店8店舗のうち6店舗は隣接する商業施設キュートに移転する。クレオの後続テナントについてはまだ見通しが立っていないという。

新たな5品認証 つくばコレクション

【橋立多美】つくばエクスプレス(TX)つくば駅自由通路にある「つくば市物産館」と「つくばの良い品」に、新たな「つくばコレクション」が加わる。両店には、市内の物産品の中でも特に優れた物産品として市が認証した「つくばコレクション」が主に陳列されている。 つくばコレクションは、地域経済の活性化と同市のイメージアップにつなげることを目的に、2011年から始まった取り組み。材料や製造などの産地や安全性、品質に応じた買いやすい価格、オリジナリティ、パッケージデザインといった基準に適合した商品が認証される。 2017年度、新たに5品が認証されて合計26品目の食料加工品が「つくばコレクション」として認証を受けている。学識経験者やスーパーマーケットの商業者、観光業者などで構成される選定委員会が審査を行うが、今年度は消費者である市民たちが一部の審査を担い、その結果を前提に5品目が認証された。 「つくばコレクション」はTXつくば駅構内の2店の他、カスミの市内各店舗でも販売されている。 新たに加わった5品は以下の通り(写真はつくば市提供)。 ○男女川 TSUKUBA100プレミアム(製造・稲葉酒造) 米は筑波農場産の五百万石を用い、筑波山の湧き水で製造。圧力をかけずに一滴一滴自然の重みで落とす袋吊り製法で生まれた「雫酒」。4320円(税込み)。 ○七福来ギフトBOX(エコファーム飯島) 福来みかんを使った「七味とうがらし」と「筑波八ツ房とうがらし」、瀬戸内海で精製された厳選塩と七味とうがらしを調合した「塩七味」を詰め合せたギフトボックス。1280円(同)。 ○元祖つくば餃子(龍神) 材料から調味料まで、地元の農産物にこだわった手作りギョーザ。1080円(同)。 ○つくば豚無添加ボンレスハム(筑波ハム) 研究者の指導を受けて誕生した「つくば豚」を高い技術力で無添加で提供。無添加ハムは美味しくないという概念を覆す。4500~5500円(同)。 ○つくば大吟醸バターカステラ(コート・ダジュール) つくばの名酒「霧筑波」の大吟醸酒粕を練り込み、酒粕の香りが残るカステラ(アルコールは飛ばしている)。2160円(同)。        

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