土曜日, 4月 20, 2024
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「夢中になった銀幕の世界伝えたい」 手描き映画看板展 30日から、アルカス土浦

【橋立多美】映画全盛期だった昭和の温かみを伝える「懐かしの手描き映画看板展」が30日から、土浦駅西口前のアルカス土浦1階、市民ギャラリーで始まる。土浦市優秀映画鑑賞推進事業実行委員会主催、シネ・フォーラムつちうら協力。 作者は旧水海道町(現常総市)生まれで、つくば市在住の元映画看板絵師、井桁豊さん(85)。少年雑誌の挿絵に憧れるほど絵が好きだった井桁さんは、中学を卒業すると地元にあった映画館で5年間看板制作の見習いを続けた。 用事を命じられて都内に行った時は映画館が立ち並ぶ浅草六区に立ち寄り、看板を見上げて観察したり、ベニヤ板に張られた看板の紙の材質を知りたいと、切れ端をこっそり持ち帰った。まさに先輩絵師の技を盗みながら画力を高めていった。 20歳で上京して映画館に就職した。当時は戦後の復興期で映画は娯楽の王様だった。邦画洋画を問わず名作が次々に公開され、1千点を超える映画看板を描き続けた。 しかし映画産業の衰退で帰郷し、イベント用看板を請け負う傍ら、映画愛好者が集うシネ・フォーラムつちうらの一員に。同フォーラムの自主上映会などの際には手弁当で看板を手掛けている。 90年代からシネコンが映画館の主流となり、映画看板絵師たちは姿を消した。「知り合いはみんな看板業になった。僕もその1人だが、大衆が夢中になった銀幕の世界を映画看板で伝えていきたい。あと3年は描き続ける」と井桁さんは話す。 今展では、これまでに描いた黒澤明監督作「羅生門」や洋画の名作「風と共に去りぬ」「ローマの休日」「タイタニック」などに加え、NHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」、大河ドラマ「西郷どん」など新作を含めた80点が展示される。 会場には、閉館となった市内の映画館が保管している映写機がお目見えする。 会期は30日(火)~2月4日(日)。入場無料。

機械化進む外来診療 受け付けごとの番号にイライラ

【コラム・橋立多美】つくば市の健康診断で精密検査を勧められ、かかりつけ医の紹介状を持って筑波大学附属病院(同市天久保)を訪ねたのが2年前。以来、通院を続けている。 近年、多くの来院者で混雑する大病院は診療体制のスリム化と効率化を図るために受け付けや会計を機械化している。同附属病院は機械の操作に不慣れな高齢者のために、ボランティアが受付機や診療費支払い機の前で手助けをしている。 また厚労省は、プライバシー保護に配慮しながら医療や介護分野のICT(情報通信技術)の活用を加速させており、患者の診療データを管理する電子カルテは、400床以上の病院の7割以上に普及(同省の2014年調査)しているそうだ。 「3時間待ちの3分診療」といわれる診療体制の改革に異論はない。が、同附属病院の場合、検査のための採血(病状によってレントゲン撮影やMRIなど検査は異なる)、診察、会計ごとに受付番号票を受け取って順番待ちをする。当然のことながら各受付機から出てくる票番号は異なり、3桁か4桁の番号が印字されている。 数字に弱い私はコロコロ変わる番号を覚えられない。ポケットやバッグに入れた票の番号を何度となく確認して、電光掲示板に表示される番号と自分の番号とをにらめっこする。 人工知能の時代。一つの受付番号で会計まで一元化できないかと思うのは私だけではあるまい。定期的に首都圏の大病院に通院する知人女性は「受付番号は変わらないが、診察から支払いまでの流れが頻繁に変わるので覚えるのが大変」。効率的な外来診療の在り方が模索されているようだ。 番号は患者の個人情報保護の手段だ。だが電光掲示板に表示されても当人が現れず、アナウンスしても反応がないと、窓口の職員が「お名前で失礼します」と断った上で患者の氏名を呼ぶ場面は毎度のことだ。 超高齢化が進んで質、量ともに医療へのニーズが増大すると見込まれることから、厚労省は大病院と診療所の機能分担と勤務医の負担軽減を目的にした選定療養費徴収に踏み切った。紹介状を持っていない患者の初診の際に、診察料とは別に5000円以上の自己負担金(選定療養費)を徴収するよう大病院に義務付けたものだ。同附属病院は選定療養費を税込み1万800円に設定している。 自己負担は増えても「大病院信仰」は幅を利かせているようで、受診した今月15日の外来患者数は2400人を超えた。患者の大半が同伴者を必要とする高齢者。患者数の2倍近い来院者で院内はごった返す。外来診療システムの機械化は急務だろうが診察は血の通ったものであってほしい。(NEWSつくばスタッフライター)

新たな5品認証 つくばコレクション

【橋立多美】つくばエクスプレス(TX)つくば駅自由通路にある「つくば市物産館」と「つくばの良い品」に、新たな「つくばコレクション」が加わる。両店には、市内の物産品の中でも特に優れた物産品として市が認証した「つくばコレクション」が主に陳列されている。 つくばコレクションは、地域経済の活性化と同市のイメージアップにつなげることを目的に、2011年から始まった取り組み。材料や製造などの産地や安全性、品質に応じた買いやすい価格、オリジナリティ、パッケージデザインといった基準に適合した商品が認証される。 2017年度、新たに5品が認証されて合計26品目の食料加工品が「つくばコレクション」として認証を受けている。学識経験者やスーパーマーケットの商業者、観光業者などで構成される選定委員会が審査を行うが、今年度は消費者である市民たちが一部の審査を担い、その結果を前提に5品目が認証された。 「つくばコレクション」はTXつくば駅構内の2店の他、カスミの市内各店舗でも販売されている。 新たに加わった5品は以下の通り(写真はつくば市提供)。 ○男女川 TSUKUBA100プレミアム(製造・稲葉酒造) 米は筑波農場産の五百万石を用い、筑波山の湧き水で製造。圧力をかけずに一滴一滴自然の重みで落とす袋吊り製法で生まれた「雫酒」。4320円(税込み)。 ○七福来ギフトBOX(エコファーム飯島) 福来みかんを使った「七味とうがらし」と「筑波八ツ房とうがらし」、瀬戸内海で精製された厳選塩と七味とうがらしを調合した「塩七味」を詰め合せたギフトボックス。1280円(同)。 ○元祖つくば餃子(龍神) 材料から調味料まで、地元の農産物にこだわった手作りギョーザ。1080円(同)。 ○つくば豚無添加ボンレスハム(筑波ハム) 研究者の指導を受けて誕生した「つくば豚」を高い技術力で無添加で提供。無添加ハムは美味しくないという概念を覆す。4500~5500円(同)。 ○つくば大吟醸バターカステラ(コート・ダジュール) つくばの名酒「霧筑波」の大吟醸酒粕を練り込み、酒粕の香りが残るカステラ(アルコールは飛ばしている)。2160円(同)。        

撮った!ふたご座流星群 つくば市森の里、富樫次夫さん

つくば市森の里の富樫次夫さん(66)が14日午前0時22分、森の里団地脇の東谷田川土手沿いで、ふたご座流星群を写真におさめた。 気温マイナス1度と今季最強の冷え込みの中で流星群を待ち、約1時間にわたり300回シャッターを押した中の一枚。空気が澄んで夜空が美しく見える季節だが、撮影した時間は雲一つなく良い条件で撮影できたという。 「昨年も挑戦したがうまく撮れず、今年こそはと臨んだら、うまく撮れたのでうれしかった」と富樫さん。 今夜14日も流れ星をたくさん見ることのできる神秘的な現象を観察できる。(橋立多美)

納屋をリフォーム、憩いの場開設 つくば市の高野ひろ子さん 「地域で支え合える場つくりたい」

つくば市苅間の畑の中に地域住民主体の交流の場、ふれあいサロン「みどりの風」が9月末にできた。オープンから3カ月、懐かしい歌を聴いたり健康体操や食事会を催すなど、地縁の輪を広げている。 主宰者は同地区在住の高野ひろ子さん(69)。栄養士として働いた後は、活け花と茶道の指導をしながら農業を営む夫を支えてきた。今年4月、長女が出産。産後の手伝いのため東京で1カ月生活した。日常を離れたことで人生を振り返り、女性の健康寿命に照らしてこの先10年をどう過ごそうかと心が騒いだ。 同市吾妻の市民活動センターに相談するなど情報収集をしたことで、農具を置いてある納屋をリフォームして地域住民が憩い、支え合える場を作ろうと考えが固まった。 7月に改修工事が始まり、9月中旬に完成した。土間が床板に変わったサロンは約48㎡。重厚な梁(はり)を生かした開放的な造りで、近代的なキッチンと広々とした洋式トイレを備えている。リフォーム代は、栄養士として働いてい当時から、老後の蓄えにと積み立てていたお金を充てたという。 「以前の私は何事も夫任せだったけど、サロンを作ると決めてから1人で市役所に手続きに行ったりするようになった」とひろ子さん。当初、夫はサロン構想に憤ったが、活動が始まると縁の下の力持ちとして応援している。「内弁慶の私にできるのか夫は不安だったと思う」と話す。 11月30日に常陸秋そばを味わう食事会が行われた。大穂や茎崎地区から駆け付けた男性たちが手打ちに挑戦し、近隣の女性たちがそば汁作りを担当。30人の参加者が田舎仕立ての温かいそばに舌つづみを打ちながら交流した。年内は15日に映画上映会、25日には餅つき大会が予定されている。 同サロンは会議やセミナーなどの利用もできる。苅間在住の女性たちは「地域に公共施設の交流センターがあるが、予約を取りたくてもいっぱいで利用できない。サロンができて便利になる」と話す。(橋立多美) ◆みどりの風はつくば市苅間1486。学園西大通りを北に向かい、ファミリーレストラン、デニーズ筑波学園都市店(同市春日)の交差点を左折して約300㍍直進した左奥。問い合わせは電話029-856-1381/高野さんまで。

認知症予防は可能か 高齢化進む茎崎で勉強会 「考える習慣を」

「認知症の予防は可能か」と題した勉強会が9日、つくば市茎崎保健センターで開かれた。つくば双愛病院(同市高崎)内の介護老人保健施設「ひまわり」の長廻紘施設長が講演し、「認知症の予防は社会性を保ち、考える習慣をつけること」などと語りかけた。 茎崎地区は高齢化率が今年4月1日現在35.56%と市内で突出して高いなどから、市茎崎地区連合会が主催した。できるだけ平穏な日々を送りたいと願う地区住民ら約60人が参加した。 長廻さんは東京女子医科大学消化器病センターで、選りすぐりの内視鏡を作ることに専念した後、群馬県立がんセンター病院長を務めた。その経験から、がんと認知症を比較し、予防について語った。 講演では「がんができる部位は決まっていて、小さいがんでも発見できるようになり死に至る病気ではなくなった。予防には検診です」と話した。一方「認知症は脳に垢(あか)がたまった状態。体内で脳細胞だけは再生できない。社会性の欠如や思考しない生活習慣が認知症の引き金になるとされている。認知症に有効な薬はできていない」などと述べた。 老齢の親と同居している50代の男性は「認知症になると介護が大変だと聞いて参加した。(親の)聴覚が衰えてきたが、できる限り会話して認知症にならないようにしていきたい」と話した。(橋立多美)

《地域包括ケア》1 まず知ることから始めよう

厚生労働省は地方自治体、保健福祉医療介護団体、報道機関などに「地域包括ケアシステム」の資料を提供しているが、市町村は住民向けの「市民べんり帳」や「みんなのあんしん介護保険」に「地域包括ケアシステム」の解説をしていない。市のホームページを見ても説明は見当たらない。市の「高齢者福祉計画」では解説されているが、市のホームページを読んでいる市民はごく少ない。 「地域包括ケアシステム」が、国レベルの文書の中で初めて使われたのは、2003年6月に高齢者介護研究会がまとめた報告書「2015年の高齢者介護」である。それ以来、厚労省も地方自治体も十分な説明を住民にしてこなかった。ここ3年前から、厚労省は苦しい介護保険財政対策として、介護度が軽い人たちに介護保険の居宅生活支援サービスを制限し、市町村の責任で「介護予防・日常生活支援総合事業」によるサービスを提供する施策に変更してきた。ここで初めて市町村は市民に対し、「地域包括ケアシステム」を説明し始めた。 厚労省は「地域包括ケアシステム」を「地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」と説明している。 私は開業したときから、寝たきり、あるいは寝たきりに近い状態の高齢者に定期的往診をしていた。その大半が農家であり、脳血管障害後遺症、あるいは骨・関節疾患により自分で身の回りのことが出来なくなった人たちであった。入院治療を終え退院してきた人、いつの間にか自宅で寝たきりになった人たちで、その原因は高血圧、糖尿病、農作業と加齢(老い)による骨・関節の変形と骨折後遺症等であった。 高血圧と糖尿病については、村の保健師の協力を得て食生活と日常生活動作改善の指導を行った。患者さんだけでなく家族の意識改革にも努めた。「呼び寄せ老人」の閉じこもりには方言ボランティアをお願いした。 振り返ってみれば、当時から私の頭のなかに「地域包括ケア」が萌芽していたのだと思う。開業医を辞めて8年経過したが、「地域包括ケア」への想いは大きく続いている。このコラムで誰でも参加できる「地域包括ケア」を提言、提案していきたい。(室生勝) 【むろう・まさる】1960年東京医大卒、70年東京医大霞ケ浦病院内科医長。76年つくば市で室生内科医院開業。91年つくば医療福祉事例検討会(月例)を立ちあげる。95年第2回Ciba地域医療賞(現ノルバティス地域医療賞)受賞。2006年室生医院閉院。2000年から、つくば市高齢者保健福祉推進会議委員。現在、高齢者サロン「ゆうゆう」を研究学園駅前で主宰。著書に「地域の中の在宅ケア」(医歯薬出版)、「このまちがすきだから」(STEP)、「僕はあきらめない-町医者の往診30年-」(著・橋立多美、語り・室生勝、那珂書房)など。京都府生まれ、つくば市在住。82歳。

《婚姻件数、戦後最低ーいばらきの結婚事情》㊦ 「すごい嫁さんだ」

つくば市小田の大曾根京子さん(58)は、自立的農業経営を目指して農業生産法人・武平ファーム代表になった女性農業者。連載2でふれたが、同市農業委員会の担い手対策専門委員でもある。 「やり方次第で農業は面白い」 大曾根さんは笠間生まれの元看護師。小田の兼業農家で会社を経営する夫と30歳で結婚して退職。4人の子を育てながら、先祖代々の田畑で義父を含む家族が食べる作物を作っていた。 転機は17年前。夫が会社をたたむことになり、農業経営士の夫と話し合い、農業生産法人として本格的に就農することに。農業用重機を操る大型特殊免許を取得し、近所で「すごい嫁さんだ」と評判になったという。約54㌶の田畑で水稲や麦、大豆などを生産している。 29人で構成されている市農業委員会中、女性委員は2人。大曾根さんは「農業は男の世界」と言いつつ、「女性主体で運営している農家レストランは人気があり、地域を元気にする。自然派の暮らしを求める女性なら、やり方次第で農業は面白い」と笑顔を見せた。 【取材を終えて】 NPO法人ベル・サポートの他にも婚活パーティーを催す企業に話を聞き、今どきの若者の結婚観が浮かび上がった。1,有名人を始め、周囲で離婚するカップルが多くなったせいか、離婚経験者を敬遠しないが前妻(夫)との間に子どもがいるかを問題にする。理由は養育費や将来の相続に関わる。2,女性は経済面と休日などの生活設計のため、農業を含む自営業の男性を受け入れない。 つくば市農業委員会は結婚支援事業を「農業後継者が良縁に恵まれ、農業経営を安心・安定して営めるよう」と位置付けている。農業後継者のために女性を農業に引き入れようとする形では、今後も成果がでないのではないかと感じる。 「嫁」にならなくても就農 国と同市独自の助成を受けて、つくば地域は非農家出身の新規就農者が多く、2人の女性が農業の担い手として活動している。農業に関心を持つ女性が「嫁」にならなくても就農した好例で、後に続く女性も出てこよう。彼女たちの関心に応える仕組みづくりが農業の発展につながるのではないだろうか。(終わり)(橋立多美)

《婚姻件数、戦後最低ーいばらきの結婚事情》㊥ 農業後継者、悩み多き婚活

農業後継者の結婚難が続いている。つくば市は1995年から、市農業委員会=メモ=担い手対策専門委員会と委員会事務局の市農業行政課が、男性後継者のための結婚支援事業を行っている。 市農業委員会のデータによれば、市の総農家数は4779戸(2016年4月1日現在)。このうち結婚を望んでいる農業後継者がどのくらいいるかは、調査を実施していないため分からないという。 体験型は参加者少なく 2006年から取り組んだのは農業体験型の交流会。農業に関心のある女性向けにと、作付けや野菜の収穫などを中心に企画したが、男女いずれも参加者は少なかった。 5年前に、若者に人気の観光スポットを巡って交流する横浜中華街ランチ&ベイクルーズ「カップリングパーティー」に切り替えた。例年農閑期に入る10月に開催されている。定員は男女各15人で参加費は男女共1000円。安い参加費で異国情緒漂う横浜のスポットを楽しめるとあって、参加者の反応は良いという。 10月22日朝、市役所前でバスに乗車したのは男性16人と女性13人、そして市農業行政課の職員2人。横浜元町まで片道約1時間半の行程で、男性が車内で席を移動して交流する。中華街での昼食やクルーズ客船内でも異性同士が会話できるよう配慮されている。 今年は7組のカップルが成立した。「カップルにならなかった人も含めてLINE(ライン)のグループでさらに交流を深め、結婚に結びつけてほしい」と同課の飯泉亮成さんは話す。 来年は身だしなみ指導 これまでの支援で成婚したのは4組。十分な成果は得られず、今後の活動について農業委員会で話し合いが持たれた。ある委員が「内気な息子が農委のパーティーに参加した経験を生かして、他の婚活パーティーで知り合った娘さんと結婚した。事業は後継者への啓蒙活動になっている」と発言。この発言をきっかけに横浜でのカップリングパーティーは継続が決まった。 来年は新しい試みとして、パーティーに参加する後継者に身だしなみなどを指導する場を設ける。担い手対策専門委員の大曾根京子さんの発案だ。「彼らは若い未婚女性と出会うチャンスが少なく、収穫期は天候が良ければ連日作業で休みは取りにくい。その辺りを理解してくれる人と出会う場であってほしい」と話してくれた。 同専門委員会の冨田寛一委員長(75)と高野武久副委員長(74)に話を聞いた。2人は「今は元気な高齢農業者が耕作しているが、これからは次世代の就農が不可欠だ。後継者の結婚が決まれば周りも大喜びで市長に結婚式に出席してほしいほどだ」と口をそろえた。担い手不足は喫緊の課題で、同時に農業後継者の成婚への悩みの大きさを感じさせた。(橋立多美)(つづく) ※メモ 【農業委員会】市町村に置かれ農地に関する事務を行う行政委員会。農地転用の許可や無断転用の監視、農業の担い手の確保・育成などが主な活動。つくば市では、3年に1度の農業者の選挙で選ばれる21人と農業関係団体や議会からの推薦で選ばれる8人で構成されている。委員は特別職の地方公務員。

《婚姻件数、戦後最低ーいばらきの結婚事情》㊤ 「後継ぎ」と「墓守」は自分の役目

県によると、2016年の県内の婚姻件数は戦後最低の1万3201件。1971年の2万件をピークに下降線をたどっている。若者の雇用や収入をめぐる経済環境の悪化が要因とされるが、「イエ」重視の県民性も一因ではないか。独身男女の婚活を応援するNPO法人と、農業後継者に「出会いの場」を提供する官製お見合いの現状など、いばらきの結婚事情を3回に分けてまとめた。 親世代の価値観が壁に 2005年5月に設立したNPO法人「ベル・サポート」(菊地長吉理事長・境町)は県南、県西の未婚者や再婚者を対象に結婚相手の紹介、相談活動、出会いパーティーを開催している。営利を目的としない組織で県内外を問わず入会でき、パーティーは会員でなくても参加可。今年10月31日現在、男性会員は920人、女性は520人。出会いパーティー開催は12年間で819回に及び、成婚者累計は433組に上る。 9人のスタッフが運営を担当。つくば市ケーブルテレビのプロデューサーやアナウンサーの経験を買われた小野史子副理事長は、出会いパーティーの司会進行役を務める他、会員からの相談にも応じている。 小野さんは「433組のカップル誕生は、これまでの会員計約2万3000人の中のわずかな数に過ぎません」と話す。そして「親世代が良いと思っている結婚観を受け継ぎ、それが成婚の壁になっている」とも。地元生まれの長男と長女の多くが「後継ぎ」と「墓守」は自分の役目だと思っているそうだ。結婚は家に縛られず個人の自由と捉える人とは大きく隔たる。 両家の中間に家庭築く ベル・サポートが相談に乗ったことで、後継ぎ同士ながら結婚に至った事例がある。男性(43)は10年間会員間のお見合いや出会いパーティーに参加したが、親と同居して家を存続する考えに共鳴してくれる女性はいなかった。婚活を諦めかけた頃、菊地理事長から言われた「少子化の影響で(これからは)夫婦2人が互いの両親4人の面倒を見る時代」という言葉にハッとした。 条件を優先して相手を探すより、「この人」と思える相手と出会いたいと思った。その後、守谷で行われた出会いパーティーで知り合った妻(42)も、婿になってくれる男性を条件にしたため相手は見つからなかった。互いにひかれ合い、デートを重ねるごとに人生の良き伴侶の思いを強くした2人は結婚を勇断。双方の両親に「親と家を大切にする」と伝えて話し合いを重ねた。最終的にどちらの親も「子どもの幸せが一番」と承諾してくれたという。 3年前に結婚。両家の中間に家庭を築いた。子どもに恵まれ、4人の親に子育てを応援してもらっている。 小野さんは「かつては男女の仲を取り持つ仲人がいたが、恋愛結婚が一般的になってほとんどいなくなった。子どもの結婚を経験した私たちスタッフが現代の仲人役。人生経験を生かして幸せなカップル誕生を応援していきたい」と語る。(橋立多美)(つづく)

研究学園駅前でシニアが交流の輪 サロンゆうゆう 在宅医療の室生勝さん主宰

つくば市学園南、研究学園駅南口のマンション1階にシニア世代が交流できる「サロンゆうゆう」がある。主宰者は医師の室生勝さん(82)。脳トレやストレッチ、合唱などで心身をほぐしたり、乾燥肌や低温やけどといった身近な問題の対処法を学ぶことができる。 個性豊かで活力あるまちづくりに自主的に取り組む活動を応援する市の「アイラブつくばまちづくり」制度を活用したコミュニティサロンで、3年前に発足した。 室生さんは同市倉掛の診療所、室生内科開業時から30年以上、在宅医療の前線に立ってきた。閉院した現在も、高齢者のための講演会や相談などに精力的に活動している。 サロンは、新しい街に他市や他県から転居してきた高齢者の健康向上が目的。室生さんの長年の経験を生かした医療相談や、福祉や介護の情報を得ることもできる。高齢者の交遊コミュニティー「研究学園木遊会」と共催で運営している。 11月28日は、「転倒しそうになった時」の顛末(てんまつ)を語り合ったり、目覚めて体がこわばっている時のストレッチを室生さんが実際にやって見せた。約30人の参加者からは始終笑い声が聞かれ、老いと共にやってくる体の変化を前向きに捉える雰囲気に満ちていた。また顔見知りになった参加者同士のおしゃべりが弾み、サロンへの参加は外出を促す良い機会になっている。(橋立多美) ◆同サロンはレーベン研究学園1階の林技術事務所に設けられ、毎月第1、3月曜と第2、4火曜の午後1時~4時に開かれる。参加費100円。12月17日(日)午後2時からは「クリスマス・ハワイアンコンサート」が開催される。問い合わせは電話090-3331-4937室生さんまで。

ナースの道へ決意新た 筑波学園看護学生38人が戴帽式

筑波学園看護専門学校(つくば市上横場)の第14回戴帽式が29日、つくばカピオのホールで開かれた。看護学生が病院での本格的実習を前に志を新たにするセレモニーで、4月に入学した38人が臨んだ。緊張した面持ちでナースキャップを頭に頂いた学生たちは手のひらにのせた灯を見つめて、決意を新たにした。 近年は医療現場でナースキャップがあまり見られないことから戴帽式は減少傾向にある。同校はナイチンゲールの唱えた看護の心を継承しようと毎年実施している。 厳かな雰囲気の中で行われた戴帽式には病院関係者や保護者、友人ら約150人が祝福に訪れた。学生たちは「同じ夢を抱く仲間との絆を大切に、看護師になるために努力します」との誓いを込めて「結―ゆい―」を手話と共に合唱した。 戴帽式を終えた看護学生、井崎遥さん(19)は、県立土浦湖北高校を卒業して迷わず看護師の道に進んだ。「看護師として働く母親を誇りに思っている」とし「この8カ月は学ぶことがたくさんあった。患者さんの環境を整えるためのベッドメーキングは何度も練習した。難しいと感じることでも『進む道に近づいている』という希望に満ちている。患者さんに寄り添うことを大切にする看護師になりたい」と話す。 千葉県から通学している小坂健さん(19)は、父親が運営するデイサービス施設で利用者に信頼されている看護師に影響を受けたという。「これからますます勉強も技術も難しくなり、乗り越えていかなければならないことがたくさんある。自分本位の考えで援助をすることは患者さんの援助ではないことを実習で学んだ。患者さんの立場に立って行動できる看護師になりたいので、日頃から意識し生活していきたい」と話した。(橋立多美)

小中学校芸術展でダブル受賞 手代木中から2人が市長賞 精細な描写、独特の世界表現

つくば市民文化祭小中学校芸術展が今月初旬、つくばカピオで開催され、絵画と書道部門各学年1人ずつに市長賞が贈られた。市立手代木中学校(土田十司作校長、477人)は、1年の池田琴葉さんの絵画作品「木もれ日の中で」と、3年の菅野華加さんの絵画作品「成長」が市長賞に輝いた。 池田さんは、中学校隣にある手代木公園の散歩道に陽が射しこむ静かな風景をアクリル絵の具で表現した。「葉っぱの1枚ずつを細かい点で描いて濃淡を出すのが大変だった」と話した。将来は、世界の子どもたちが直面している問題に取り組むユニセフの職員になりたいという池田さん。「絵画は趣味として続けていきたい」と話した。 菅野さんの作品は木の下に座る女の子の周りに多様な魚や街が描かれ、見る人の想像力をかき立てる。海に沈んでいる未熟な自分が成長し、やがて陸に上がることを想定したという。独自の世界を水彩とアクリル絵の具、マジックペンで絵にした。漫画家を目指したこともあったが、今は「自立できる安定した職業に就く」が目標だという。 同展への出展総数は市内52校から絵画が1523点、書道(書写含む)1444点。18人に市長賞、36人に教育長賞が贈られた。(橋立多美) ◆2人の作品は29日から水戸市の県民文化センター展示棟で始まる県小中学校芸術祭美術展覧会で展示される。12月3日まで。入場無料。    

インフルエンザワクチン品薄 子育て中の母親に不安広がる 12月になれば改善か

冬の代表的な感染症インフルエンザが気になる季節。毎年10月下旬からインフルエンザワクチンの接種が開始されるが、供給が例年より遅れており、つくば市内の医療機関でワクチンの不足が生じている。 開業医らで組織するつくば市医師会は「市域全体の不足分は把握していない」とする一方で「医師の『接種を待ってもらうなど患者に迷惑をかけている』という話が多く聞かれる」という。 様々な慢性疾患を持つ人や高齢者は、インフルエンザにかかると重症化する恐れがある。小児では中耳炎や肺炎、熱性けいれんなどに加え、まれに脳炎や脳症などを合併することがあり、子育て中の母親の間で不安が広がっている。大穂地区在住の30代の母親は「通院している小児科と耳鼻科で、確保していたワクチンが2日で無くなったと言われた。接種が再開される時期は未定で予約もできない。今年は接種を諦める」と話す。 記者は市内の1病院と5 医院(内科、小児科、耳鼻科)に聞いてみた。いずれも予約の受け付けは行われておらず、病院は「例年なら患者さんに接する職員がワクチン接種するが、今年はそれもできない状態です」。内科の1医院だけが「12月になればワクチンが入るからこちらから電話します」との対応だった。 そもそもなぜワクチンが品薄状態なのか。ワクチンは例年、厚生労働省などが種類を決めているが、今年は使用する「株」が製造過程で変更となり、その結果、製造―供給が遅れるという状況を生んだ。 厚生労働省のホームページを見ると、今年度の供給予定量は約2528万本で12月1週から2000万本を供給。2010年以降、推計使用量は約2500万本前後で推移しており、需要に対しての供給は充分に見込めるとしている。 県つくば保健所は、現在のところ管轄内(つくば市、つくばみらい市)でのインフルエンザの発生はないという。「ノロウイルスなどの感染性胃腸炎が流行する季節でもあり、マスクや手洗い、うがいを心掛けて予防してほしい」とも。 インフルエンザの流行は年末から。厚労省によれば、ワクチンが効果を発揮するのは接種後約2週間から5カ月間。今はワクチンが確保されるのを待ち、遅くとも12月中旬までに接種できることに期待したい。(橋立多美)

仲睦まじく時間紡ぐ姿デザイン つくばの野中和宏さん 「くきざき夢まつり」ポスターに思い込める

つくば市平沢に住むグラフィックデザイナーの野中和宏さん(43)は、今月23日(祝)に開催される第5回「くきざき夢まつり」のポスターを作った。まつりの実行委員会から発注を受けた。 野中さんは水戸出身。宇都宮大学教育学部美術科を卒業後、大手デザイン会社に就職し35歳で独立。都心までのアクセスが良くて自然豊かな環境を求めて、5年前に平沢官衛遺跡のある平沢の地に家を建て、妻と猫2匹と暮らしている。平沢に溶け込んだ今は「歴史と人の温かさもあってつくばは奥が深い」と感じている。 ポスター制作の前に茎崎地区を訪ねた。田園風景が広がり、人々が仲睦まじく時間を紡いでいるイメージが膨らんだ。背景色はヒマワリのように明るい黄色とし、筑波山と牛久沼のハスの花、そして楽しそうな家族のイラストを配置した。 「夢まつり」は旧茎崎町当時の「ひまわりまつり」を継承した地元住民主催の一大イベント、地区住民相互の交流の場でもある。約40人の実行委員会(古山和一委員長)に区長15人が加わり、まつりの運営を担っている。副委員長で茎崎区会連合会長の小原正彦さんは「自分たちの祭りだから機材運びやら片付けまで、みんなで汗を流す。お陰で横のつながりは強くなった。茎崎で育つ子どもたちの為に継続していきたい」と話す。 野中さんは「地元の皆さんが熱心に取り組んでいる祭りに参加できて良かった。ポスターを見た家族連れが見に来て、楽しい一日を過ごしてくれれば嬉しい」と話している。 (橋立多美) ◆夢まつりは茎崎運動公園(下岩崎)を会場に午前9時~午後3時まで。ステージでよさこいソーランやキッズダンス、舞踊などが披露されるほか、消防防災フェア、神輿(みこし)と山車が繰り出すなど、終日楽しめる。飲食の模擬店も多数出店する。雨天決行。問い合わせは☎090-3427-5298(くきざき夢まつり実行委員会)。

コラムニスト紹介

坂本栄 《吾妻カガミ》 【さかもと・さかえ】土浦一高卒。1970年、一橋大社会学部卒、時事通信入社。ワシントン特派員、経済部長、解説委員などを経て、2003年退社。同年から10年間、旧常陽新聞新社社長-会長。現在、内外情勢調査会-茨城県南副支部長、茨城キリスト教大学経営学部講師、NPO法人NEWSつくば理事長。1946年生まれ、土浦市出身、同市在住。 先崎千尋 《邑から日本を見る》 【まっさき・ちひろ】慶應大経済学部卒。茨城大学人文学部市民共創教育研究センター客員研究員、一般財団法人総合科学研究機構特任研究員、環境自治体会議監査役、NPO法人有機農業推進協会顧問。現在、農業。主な著書は『農協のあり方を考える』(日本経済評論社、1982)、『よみがえれ農協』(全国協同出版、1991)など。元瓜連(うりずら)町長。1942年、瓜連町(現那珂市)生まれ。那珂市在住。 及川ひろみ 《宍塚の里山》 【おいかわ・ひろみ】東京都出身。神奈川県内の小学校教員を務める。1970年代につくば市転居後、「学園都市の自然と親しむ会」などのメンバーとして子連れで近隣の自然を散策。1987年に宍塚地区の開発計画を知り、里山を未来に伝える活動に取り組む。現在、認定NPO法人宍塚の自然と歴史の会理事長。 浅井和幸 《続・気軽にSOS》 【あさい・かずゆき】石岡一高卒。1991年科学技術庁無機材質研究所(総理府事務官)入庁。精神障害者福祉施設勤務を経て、2002年浅井心理相談室開業。NPO法人若年者社会参加支援普及協会アストリンク理事長。NPO法人青少年の自立を支える会シオン副理事長。NPO法人とらい理事。ボランティア活動「浅色の雲の会」主宰。 奥井登美子 《くずかごの唄》 【おくい・とみこ】東京薬科大卒。1958年、奥井薬局(土浦市)の奥井清氏(中外製薬勤務)と結婚、土浦に。薬剤師。1895年創業の老舗薬局を経営する傍ら、霞ケ浦の自然を守る活動などに参加。「水の時代をひらく」(KGP総合研究所)、「柳川堀割りから水を考える」(藤原書店)、「くずかごの唄」Ⅰ~Ⅷ(筑波書林)など、著書多数。加藤尚武京大名誉教授は実弟。1933年生まれ、杉並区出身。土浦市在住。 玉置晋 《食う寝る宇宙》 【たまおき・すすむ】東京理科大理工学部物理学科卒。茨城大学大学院理工学研究科地球生命環境科学専攻修了。現在、つくば市で宇宙開発の仕事に従事する傍ら、放送大学大学院生として二足のわらじを楽しむ。茨大理学部でも「宇宙天気防災」のテーマで研究中。1978年生まれ、水戸市双葉台出身、土浦市宍塚在住。 斉藤裕之 《続・平熱日記》 【さいとう・ひろゆき】東京芸術大学大学院後期博士課程満期退学、フランス政府給費制として滞仏。同大助手のあと、東京芸大講師などを勤めながら作家活動を続ける。1961年、山口県生まれ。牛久市在住。 堀越智也 《つくば法律日記》 【ほりこし・ともや】土浦一高校卒。法政大法学部卒。茨城県弁護士会所属「つくば中央法律事務所」代表弁護士。つくばコミュニティ放送株式会社代表取締役。離婚、相続、中小企業・ベンチャー企業、借金の問題、交通事故など民事全般、著作権、刑事事件を主な業務とする。筑波大アソシエイトプロフェッサー、スピードリーディングインストラクター。  1975年、東京都生まれ。つくば市在住。 オダギ秀 《写真だいすき》 【おだぎ・しゅう】本名は小田木秀一。早稲田大学政経学部卒。写真家。高度な技術に裏付けられたハートフルな写真に定評があり、県内写真界の指導的立場にある。専門はコマーシャルフォト全般およびエディトリアル。㈳日本写真家協会(JPS)会員、㈳日本広告写真家協会(APA)会員、土浦写真家協会会長。1944年、水戸市生まれ、土浦市在住。 高橋恵一 《ひょうたんの眼》 【たかはし・けいいち】土浦一高卒、中央大経済卒。茨城県庁に入り、知事公室長、生活環境部長などを歴任。この間、明野町(現筑西市)、土浦市に助役で出向。県庁退職後、オークラフロンティアホテルつくば社長(2006~11年)、JA茨城県厚生連理事長(11~16年)。現在NPO法人NEWSつくば理事。1946年、土浦市生まれ、同市在住。 冠木新市 《映画探偵団》 【かぶき・しんいち】脚本家、アートプロデューサー。TVや映画の編集助手を経て、映画監督市川崑に師事。角川映画「天河伝説殺人事件」で脚本家デビュー。映画『マヌケ先生』(大林宣彦総監督)、舞台『奥様は化け猫』(瀬川昌治演出)など。2008年、つくば市に移り、宴劇『桜川芸者学校』などを制作。著書に『ゴジラ・デイズ』(集英社)、『映画「極道の妻たち」ノ美学』(近代映画社)など。1951年、福島県生まれ、つくば市在住。 入沢弘子 《ポタリング日記》 【いりさわ・ひろこ】1969~76年、新聞記者だった父の転勤で土浦市に住まう。約30年の博報堂勤務のあと、つくば市任期付職員として広報を統括。その後、アルカス土浦の土浦市立図書館初代館長。国立研究開発法人・防災科学技術研究所調査役として勤務後、広報コンサルタントとして自治体などの広報アドバイスやセミナーを担当。1962年、福島県喜多方市生まれ。つくば市在住。 室生勝 《地域包括ケア》 掲載終了 【むろう・まさる】東京医大卒。1970年、東京医大霞ケ浦病院内科医長。76、年つくば市で室生内科医院開業(2006年閉院)。第2回Ciba地域医療賞(現ノルバティス地域医療賞)受賞。つくば市高齢者保健福祉推進会議委員。現在、高齢者サロン「ゆうゆう」を主宰。著書に「地域の中の在宅ケア」(医歯薬出版)、「僕はあきらめない-町医者の往診30年-」(那珂書房)など。1936年、京都府生まれ、つくば市在住。 中尾隆友 《茨城の創生を考える》 【なかお・たかとも】土浦一高卒、慶応大学文学部史学科卒。外資系金融機関、官公庁勤務を経て、現在、㈱アセットベストパートナーズ代表取締役。経営アドバイザーとして大企業・金融機関に助言・提案を行う。総合科学研究機構特任研究員。1970年、土浦市生まれ、つくば市在住。 川浪せつ子 《ご飯は世界を救う》 【かわなみ・せつこ】武蔵野美術短期大学デザイン科卒(テキスタイルデザイン専攻)。住宅部品会社デザイン室、(建物の外観や室内を立体的な絵にする)建築パース事務所を経て、現在、フリーの「建築パース」イラストレーター。イーアスつくば内「アイカルチャー」の「かんたん水彩イラスト」講師。つくばショートムービーコンペティション市民審査員。東京都練馬区出身。1982年、結婚によりつくば市に移り在住。 山口絹記 《ことばのおはなし》 【やまぐち・まさのり】脳動静脈奇形(AVM)による脳出血、失語、失行を経験する。リハビリと育児と仕事の傍ら、放送大学にて言語学と心理学を中心に学ぶ日々をおくる。1988年、神奈川県生まれ、東京都育ち。つくば市在住。 沼尻正芳 《制作ノート》 掲載終了 【ぬまじり・まさよし】水海道一高卒、武蔵野美術大学卒。千葉県公立中学校で教職に就き、茨城県公立小中学校長を退職後、つくばみらい市公民館長などを歴任。現在、一般社団法人・新極美術協会副理事長。1951年、茨城県生まれ、つくばみらい市在住。 浦本弘海 《法律かけこみ寺》 掲載終了 【うらもと・ひろみ】ペンネーム。会社勤務を経て弁護士に。会社在職中に法科大学院への進学を決意。苦節〇年、司法試験を突破(暗黒時代でした…)。企業経験を活かし、現在、企業や自治体の法務コンサルタント。両親が土浦市出身の縁で、土浦・つくばを中心に活動中。東京都出身。 沼澤篤 《霞ケ浦 折々の眺望》 掲載終了 【ぬまざわ・あつし】山形大理学部生物学科卒。東京大大学院修了、理学博士。医薬品会社研究員、自然公園職員などを経て、1989年より霞ケ浦の市民活動に参加。霞ケ浦情報センター主任研究員、茨城大学農学部非常勤講師、霞ケ浦環境科学センター嘱託職員などを歴任。現在、霞ヶ浦市民協会・研究顧問。1952年、山形県出身。土浦市在住。 広田文世 《沃野一望》 掲載終了 【ひろた・ふみよ】土浦一高、山梨大学工学部卒。1984年、㈱トータルシステムデザインを設立、社長に就任。2017年から会長。旧常陽新聞に『いばらき・里・山・みち』を掲載。『桜田門外雪解せず』で「茨城文学賞」受賞。『縁故節現世考』で「やまなし文学賞」受賞。『天狗壊滅』で「日本自費出版文化賞」特別賞受賞。1946年、土浦市生まれ、同市在住。 石井康之 《ON THE ROAD》 掲載終了 【いしい やすゆき】ファッションデザイナー、オブジェアーティスト。桑沢デザイン研究所卒。1987年、パルコオブジェ展で「やまもと寛斎賞」受賞。97年より、東京コレクションのほか、パリ、ミラノ、ニューヨークで作品を発表。東京デザイナーズウイークでオブジェ製作。建築雑誌で特集が組まれる。東京在住。 古家晴美 《県南の食生活》 【ふるいえ・はるみ】筑波大学第2学群比較文化学類卒、同大学院博士課程歴史人類学研究科単位取得満期退学。筑波学院大学経営情報学部教授。専門は民俗学・生活文化。神奈川県生まれ。 川上美智子 《令和楽学ラボ》 【かわかみ・みちこ】お茶の水女子大学大学院家政学研究科食物学専攻修了。1971~2016年、茨城キリスト教大学勤務(1982年から教授)。19年4月から、関彰商事㈱ライフサイエンス事業部・保育園開設準備室(つくば市)勤務。現在、保育園長。茨キリ大名誉教授、茨城県教育委員。著書に『茶の香り研究ノート-製造にみる多様性の視点から-』(光生館、 2000)、『茶の事典』(朝倉書店、2017)など。兵庫県出身、水戸市在住。 瀧田薫  《雑記録》 【たきた・かおる】土浦一高卒。慶応大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。茨城キリスト教学園に入り、短期大学長、茨キリ大教授、常務理事を歴任。2016年、定年退職。現在、同大兼任講師、名誉教授。中学2年のとき、V.フランクル著「夜と霧」に衝撃を受ける。当時の安保闘争・学生運動になじめず、その反動で「政治学」を志す。1947年、土浦市生まれ。同市在住。 小野村哲 《ライズ学園日記》 掲載終了 【おのむら・さとし】39歳で公立中学校を退職した後、つくば市内で不登校や学習につまずきがちな子どもたちのための「ライズ学園」を立ち上げる。県内外で、子育て・英語教育・LD(学習障害)などについて講演活動も行う。NPO法人「リヴォルヴ学校教育研究所」元理事長、つくば市教育委員。1960年、東京都板橋区生まれ。つくば市在住。 川端舞 《電動車いすから見た景色》 【かわばた・まい】生まれつき脳性麻痺という障害があり、電動車いすで生活している。2010年、筑波大学障害科学類への入学を機に、つくば市に引っ越し、介助者にサポートしてもらいながら、1人暮らしをしている。障害者団体「つくば自立生活センターほにゃら」で活動中。群馬県出身。つくば市在住。 霞ケ浦市民協会 《泳げる霞ケ浦へ》 掲載終了 【かすみがうら・しみんきょうかい】1995年の世界湖沼会議で採択された「霞ケ浦宣言」の理念を継承し、「霞ケ浦及び流域環境の浄化・保全及び創造をめざす市民活動を推進し、人と自然が共生できる快適で文化的な地域社会を構築する」ため、翌96年「社団法人霞ケ浦市民協会」として発足。2013年一般社団法人に。 相沢冬樹 《土着通信部》 【あいざわ・ふゆき】1953年土浦市生まれ。常陽新聞(旧社)に在籍もキャリアは1999年まで。辞めて18年も経つのに周囲も自分も記者扱い・記者気分が抜けない。この間地域政策コンサルタントを経て、現在は地元財団の発行する機関誌でパートタイム編集長を務める。記事はもっぱらブログ「重箱の隅に置けない」に書いている。http://fykai.blog.fc2.com/ 栗原亮 《郷土史あれこれ》 掲載終了 【くりはら・りょう】土浦一高卒、中央大経済卒。1976~2010年、霞ケ浦高で世界史と日本史を担当。「新治村史」「図説 土浦の歴史」「牛久市史」「八郷町史」の編纂に参画。旧常陽新聞で「江戸時代とは何か」を連載。著書に「忠臣蔵の真実」(常陽新聞新社、2012年)、「近世村落の成立と検地・入会地」(岩田書院、2013年)。土浦市出身・在住。71歳。 橋立多美 《猫と暮らせば》 掲載終了 【はしだて・たみ】1949年、長野県天龍村生まれ。84~96年、常陽リビング社勤務。退社後フリーライターとして活動しつつ、『茨城のホームヘルパー最前線』『ルポ消防団』など4冊を出版。2013年から常陽新聞記者。17年の休刊後はNPO法人NEWSつくばのデスク兼ライター。つくば市在住。69歳。 大島愼子 《世界に生きる》 掲載終了 【おおしま・ちかこ】米DePauw Univ.を経て、早稲田大学第一文学部卒。同大学院経営学修士。ルフトハンザドイツ航空客室乗務員、人事担当、広報室長を経て、2006年に筑波学院大学教授。12年から学長。筑波技術大学監事、日本広報学会理事、日本インターンシップ学会理事、日本国際観光学会前副会長、NPO法人Japan Now観光情報協会理事長。専門は航空政策・観光政策。著書に「ドイツおいしい物語」「飛翔へのロマン」(東京書籍)など。 吉田礼子 《食のエトセトラ》 【よしだ・れいこ】東北学院大文学部史学科卒。子どものころから母が料理する姿に触れ、料理の先生に憧れる。「台所は実験室」をモットーに独学。50歳を前に、全国料理学校協会所属の児玉久美子先生に師事。2008年、土浦市に吉田料理教室を開校。1953年、宮城県生まれ。土浦市在住。 塚本一也 《茨城鉄道物語》 【つかもと・かずや】土浦一高卒、東北大学工学部卒、筑波大学大学院修了。一級建築士。大曽根タクシー(株)取締役社長。元JR東日本グループリーダー。茨城県ハイヤー・タクシー協会経営研究会会長、つくば市花畑自治会長。県議。著書に「つくばエクスプレス最強のまちづくり」(創英社 三省堂書店)。1965年、つくば市生まれ。同市在住。 田口哲郎 《遊民通信》 【たぐち・てつろう】慶應大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。専門は19世紀パリの遊歩者について。その後、家庭教師、派遣社員などを経て、四十路過ぎで2度目の大学生として東京大学文学部在学中。興味・関心は、神秘主義、スピリチュアル、宗教、高等遊民、鉄道模型。大阪・仙台育ち。牛久市在住。 岩松珠美 《介護教育の現場から》 掲載終了 【いわまつ・たまみ】同志社女子大学(栄養生化学)卒。女子栄養大学大学院修士課程修了。老年看護学、地域看護学に研究分野を拡げ、大学や専門学校で教育に携わる。精神保健福祉士、介護福祉士、看護師など。著書に「六訂栄養士・管理栄養士をめざす人の社会福祉」(みらい出版)。現在、つくばアジア福祉専門学校(土浦市)校長。1961年、長野県生まれ。土浦市在住。 鶴田真子美 《晴狗雨dog せいこううどく》 【つるた・まこみ】1990年、東京外語大イタリア語学科卒。同大学院博士前期課程修了後、後期課程単位を取得。日伊協会講師、東邦音楽大、慶応義塾大などの非常勤講師を歴任。2008年からNPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク」理事長。茨城県の犬殺処分ゼロを目指し活動中。2021年、土浦市に「パルTNR動物福祉病院」を開設。神戸市生まれ。 山口京子 《ハチドリ暮らし》 【やまぐち きょうこ】2020年まで、いばらきコープ生活協同組合の「くらしの電話相談ダイヤル」相談員を15年務める。また組合員を対象にした「くらしの講座」講師として、生活設計、家計管理、年金、相続、遺言、終活、保険見直しなどのセミナーを企画。現在「社会保険労務士 やまと事務所」所属。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、消費生活アドバイザー。1958年、栃木県生まれ。龍ケ崎市在住。 三浦一憲 《塞翁が馬》 掲載終了 【みうら・かずのり】高校生の時に8ミリ映画を自主制作。以来、フリーのフォトグラファー。 電鉄・建築などの撮影のほか、写真館も経営。2004年「まちかど音楽市場」を立ち上げ、代表に就任。現在住む団地内でボランティア環境美化活動(ローズマリーの会)。1952年、東京都江東区生まれ。1991年、つくば市に移住。 秋元昭臣 《夢実行人》 【あきもと・あきおみ】土浦一高卒。明治大工学部卒、京成電鉄系列のホテル会社に入社。奥那須、千葉、水戸、犬吠埼、白浜、土浦などのホテルに勤務。土浦京成ホテル閉鎖にともない、2008年からラクスマリーナ(株主は土浦市)専務。遊覧船運航、霞ケ浦湖上体験スクール、小型ヨット体験、ボート教室、足湯浴場、サイクリング事業などを展開。 2021年4月退職。1942年生まれ、土浦市在住。 原田博夫 《文京町便り》 【はらだ・ひろお】土浦一高卒、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。専修大学経済学部教授を経て、2019年4月から名誉教授。米スタンフォード大などに留学。公共選択学会会長、政治社会学会理事長などを歴任。著作(編著)に『人と時代と経済学-現代を根源的に考える-』(専修大学出版局、2005年)、『身近な経済学-小田急沿線の生活風景-』(同、2009年)など。現在、土浦ロータリークラブ会員。1948年土浦市出身、土浦市文京町在住。 伊東葎花 《短いおはなし》 【いとう・りつか】小説ブログを始めて12年。童話、児童文学、エンタメ、SFなど、ジャンルを問わずに書いている。文学賞にも挑戦中するもやや苦戦気味。第19回グリム童話賞大賞、第33回日本動物児童文学優秀賞を受賞。妄想好き。猫好き。趣味は読書と太極拳。東京生まれ、美浦村在住。伊東葎花はペンネーム。 小泉裕司 《見上げてごらん!》 【こいずみ・ひろし】1954年、土浦市生まれ、県立土浦一高卒。工学院大学工学部卒。民間企業を経て土浦市役所に入庁。政策企画課長、市長公室長を歴任。2017年まで副市長1期。在職中、花火審査員係業務に13年従事。現在、日本花火鑑賞士会会員。ラジオやネットTVにも出演。茨城新聞に寄稿(19~22年)。花火セミナー開催や「花火通信」(Facebook)などで花火の魅力を発信中。「花火と土浦」(土浦市、2018年)も一部執筆。同市在住。 若田部哲 《日本一の湖のほとりにある街の話》 【わかたべ・てつ】筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻修了後、建築設計事務所など経て、2009年、土浦市役所入庁。地元出身が多い職場にあって、県外出身として地域への理解を深めるため、霞ケ浦周辺を歩き回り、様々な対象をイラスト化。WEBサイト「日本一の湖のほとりにある街の話」などで地域の魅力を配信。1976年生まれ。「日本一の湖のほとりにある街の話」の公式ホームページはこちら。 片岡英明 《竹林亭日乗》 【かたおか・ひであき】福島高校卒。茨城大学農学部卒業後、太陽コンサルタンツ勤務。茨城大大学院修了。39年間、霞ケ浦高校勤務。主な著書は、英語Ⅰ教科書「WORLDⅠ」(三友社、1990年)、「たのしくわかる英語Ⅰ 100時間」(あゆみ出版、同)、「若い教師のための授業・HRづくり」(三友社、2016年)。現在、「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」世話人。1950年福島市生まれ、つくば市在住。 平野国美 《訪問医は見た!》 【ひらの・くによし】土浦一高卒。1992年、筑波大学医学専門学群卒後、地域医療に携わる。2002年、同大博士課程を修了、訪問診療専門クリニック「ホームオン・クリニックつくば」を開業。著書「看取りの医者」(2009年、小学館)は大竹しのぶ主演でドラマ化。新刊は『70歳からの正しいわがまま』(2023年4月、サンマーク出版)。医療関係業界誌などでもコラム執筆。1964年、龍ケ崎市生まれ。つくば市在住。 松永悠 《医療通訳のつぶやき》 【まつなが・ゆう】北京で生まれ育ち、大学で日本語を専攻した後、日系企業に就職。24歳のとき、日本人夫と結婚して来日し、気がつけば日本にいる時間が長くなっています。3人の子供を育てながら、保護犬1匹、保護猫5匹も大切な家族。子育てが一段落した今、社会のために、環境のために、何ができるか、日々模索しています。 三橋俊雄 《デザインについて考える》 【みつはし・としお】1973:千葉大学工業意匠学科卒業/1973〜6年間:GKインダストリアルデザイン研究所/1979〜6年間:二番目のデザイン事務所/1985〜6年間:筑波大学(デザイン専攻)・千葉大学(環境科学専攻)にて学生/1991〜6年間:筑波技術短期大学・千葉大学にて教官/1997〜18年間:京都府立大学にて教員。6年単位で「居場所」を替えながら、さまざまな人と出会い、さまざまなデザインを行ってきました。退職後つくばに戻り、「竹園ぷらっと」「ふれあいサロン」「おやじのキッチン」など、地域の「居場所づくり」「まちづくり」のデザインを行っています。 島田由美子 《けんがくひろば》 【しまだ・ゆみこ】けんがくまちづくり実行委員会代表、研究学園グリーンネックレス タウンの会代表。本業は海外映画・ドラマの字幕翻訳。TX研究学園駅地区に移り住んだことをきっかけに、まちづくりに興味を持つ。まちづくり活動を行いながら、現在、筑波大学大学院システム情報系非常勤研究員として、都市計画の研究に携わっている。

紅葉前線駆け降りる 筑波山麓の古刹、性山寺にも  

紅葉前線が駆け降りて筑波山が秋色に染まってきた。西側の山すそにあるつくば市国松、性山寺(しょうざんじ)は室町時代の1559年に建立された古刹(こさつ)で、モミジが美しいことで知られる。 ことに歴史を感じさせる山門と色づいたモミジとのコラボレーションは一服の絵のようだ。同寺の紅葉は始まったばかりで今月いっばい楽しめる。 参道入り口の太鼓橋周辺や本堂前には枝垂れ桜の古木がすくっと立つ。「開花の頃にも多くの見物人がやってくる」と近所の人は話していた。(橋立多美) ◆参道右手に駐車場があるが、狭い坂道なので注意が必要。同寺と近隣の迷惑にならないようマナーを守ってお楽しみください。

「にぎわい取り戻したい」合言葉 谷田部市街地でフェア 商店主や区長ら

秋晴れに恵まれた「文化の日」の3日、「谷田部市街地のオータムフェア」がつくば市谷田部の千歳通りとふれあい広場で開催され、500人を超す市民でにぎわった。「谷田部市街地のにぎわいを取り戻したい」を合言葉に、商店主によって組織された谷田部タウンネット、区長会谷田部支部、つくばくらしの会が主催した。 石畳が敷かれた千歳通りで小学生の金管バンドやダンス、ソーラン踊り、中学生の吹奏楽演奏が繰り広げられた。地元グルメの模擬店や老舗和菓子店も出店。買い求める人の行列ができた。 谷田部総合体育館隣のふれあい広場では古物商約50店による骨董(こっとう)市が開かれた。アンティークな皿や絵画、仏像、古銭、工具などが並べられ、宝探しを楽しんだり、古物商と値段を交渉したりする人の姿が見られた。 谷田部市街地はかつて商業の拠点で1987年、つくば市誕生時には本庁舎が置かれた。だが大型商業施設がセンター地区にできたことで、同地区の商業機能は急速に低下した。2010年、新庁舎が研究学園(旧谷田部町)へ移転して市街地は活気を失い、シャッター通りとなっている。 区長会谷田部支部の宮崎栄二さんは「往年のにぎわいを取り戻したい」と熱を込める。09年に発足した谷田部タウンネットは、現状を打破して活性化を目指そうとクリスマスイルミネーションなどの活動を展開している。(橋立多美)

鮮烈な色調「まっすぐ描き続けたい」 つくば市の金子安伸さん 洞峰公園記念館で作品展

高校生のときから絵筆を握ってきた金子安伸さん(75)=つくば市真瀬=の「絵が謳(うた)う」作品38点が、同市二の宮、洞峰公園の新都市記念館で展示されている。 金子さんは東京生まれ。日本画を描いた義兄の影響で絵画に興味を持ち、15歳から油彩の勉強を始めた。以来、仕事に従事し家庭を持っても絵画サークルなどで研鑽(けんさん)を積み、絵筆を離すことはなかった。 仲間や先輩たちの作品に学び、当初は柔らかな色彩で仕上げていたが、抑えた色では「絵が謳わない」と気づいた。それからは鮮明な色調にこだわり、各々が存在を主張する作品になったという。そんな金子さんが尊敬するのは「色彩の魔術師」と称されるフランスの画家アンリ・マティスだ。 「美しいものは光によって一瞬で変わる。それをすくい取って描きたい」という思いで仕上げた作品は油彩や水彩、デッサンまである。中でも、岩肌が際立つ妙義連山を題材にした油彩画は20年かけて描いてきた作品で、今展直前に最後の筆を入れた会心の作。 「人生100年の時代。次の個展を目指してまっすぐ描き続けたい」と話す。入場無料。会期は31日(火)まで。(橋立多美)

「市負担軽い福祉有償サービス強化を」 高齢化進む茎崎から提言

つくば市で最も高齢化率が高い茎崎地区は、皆の困りごとを皆で支え合う活動への関心が高い。21日、茎崎交流センターで「茎崎の高齢者生活支援を考える集い」(市民団体「まちづくり研究会」主催)が開かれ、現在、各自治会などで取り組みが行われている支え合い活動が5例紹介された。市の負担が軽くなり、住民主体の福祉有償サービスを強化しながら支え合おうという新たなまちづくりへの提言もあった。集いには110人が詰めかけた。 支え合い活動を最初に紹介したのは区会連合会長の小原正彦さん。毎年秋に開催される「くきざき夢まつり」を例に挙げ、区会連合会が実行委員に加わって情報を集めたり資金集めに奔走している状況を報告。「茎崎には人と人がつながる土壌がある」と話した。 宝陽台の伊儀宜夫さんは、団地住民の半数を占める高齢者が相互に助け合う宝志(ほうし)会活動を報告した。電球の取り換えやごみ出し、送迎などの生活支援と、自治会行事などに参加するとポイントが貯まる健康維持活動が柱。「人と交わる環境づくりがテーマ」と語った。 桜が丘団地の落合正水自治会長は今年度立案した高齢者支援活動について述べた。庭木の手入れや草刈り、大工仕事、災害時の要援護者支援が主な活動内容で、送迎や介護の手伝いも視野に入れている。活動は自治会福祉部と登録制ボランティアとの協働で実施するという。 今年度から、ふれあい相談員(社協の地域見守り事業の一環)として森の里団地の見守り活動をしている倉本茂樹さんは、個人情報保護の壁があって支援が必要な高齢者にたどりつけない、また団地には約1400人の高齢者がいるが見守り登録者は3人と少なく、当事者が「自分は大丈夫」と登録を拒否する状況を報告した。 最後に登壇したのは、有償ボランティアによる外出支援を20年続けているNPO法人「友の会たすけあい」の佐藤文信事務局長。タクシーの半額程度の料金で利用者のニーズに応える福祉有償サービスが認知され、20年間で延べ5万人を送迎した。「市の乗り合いタクシー『つくタク』の茎崎地区運行に要する年間経費は推計で約2000万円、対して同会は290万円。つくタクの運行を見直し、福祉有償サービスを強化すれぱ市の負担を軽減できる」と訴えた。 途中から参加した五十嵐立青市長は「住民自身の支え合いが活発な茎崎は他の地区の手本」と話した。また「議会で反対されなければ」とした上で「来年度、友の会たすけあいへの予算を準備している」と明かした。 茎崎地区の高齢者にとって移動手段の確保は切実な問題。市の動向を注視していきたい。 旧茎崎町細見生まれで東京大学客員研究員の木村清一さんによる「高齢社会とコミュニティ」と題した講演もあった。木村さんは、人と人が交流し支え合う取り組みが多い地域の高齢者は、元気で健康寿命が長いと語りかけ、「孤独から悲劇が生まれる。1人にしない取り組みが必要」と結んだ。(橋立多美)  

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