木曜日, 5月 13, 2021
ホーム つくば 「市負担軽い福祉有償サービス強化を」 高齢化進む茎崎から提言

「市負担軽い福祉有償サービス強化を」 高齢化進む茎崎から提言

多くの参加者が我が事として熱心に耳を傾けた

つくば市で最も高齢化率が高い茎崎地区は、皆の困りごとを皆で支え合う活動への関心が高い。21日、茎崎交流センターで「茎崎の高齢者生活支援を考える集い」(市民団体「まちづくり研究会」主催)が開かれ、現在、各自治会などで取り組みが行われている支え合い活動が5例紹介された。市の負担が軽くなり、住民主体の福祉有償サービスを強化しながら支え合おうという新たなまちづくりへの提言もあった。集いには110人が詰めかけた。

支え合い活動を最初に紹介したのは区会連合会長の小原正彦さん。毎年秋に開催される「くきざき夢まつり」を例に挙げ、区会連合会が実行委員に加わって情報を集めたり資金集めに奔走している状況を報告。「茎崎には人と人がつながる土壌がある」と話した。

宝陽台の伊儀宜夫さんは、団地住民の半数を占める高齢者が相互に助け合う宝志(ほうし)会活動を報告した。電球の取り換えやごみ出し、送迎などの生活支援と、自治会行事などに参加するとポイントが貯まる健康維持活動が柱。「人と交わる環境づくりがテーマ」と語った。

桜が丘団地の落合正水自治会長は今年度立案した高齢者支援活動について述べた。庭木の手入れや草刈り、大工仕事、災害時の要援護者支援が主な活動内容で、送迎や介護の手伝いも視野に入れている。活動は自治会福祉部と登録制ボランティアとの協働で実施するという。

今年度から、ふれあい相談員(社協の地域見守り事業の一環)として森の里団地の見守り活動をしている倉本茂樹さんは、個人情報保護の壁があって支援が必要な高齢者にたどりつけない、また団地には約1400人の高齢者がいるが見守り登録者は3人と少なく、当事者が「自分は大丈夫」と登録を拒否する状況を報告した。

最後に登壇したのは、有償ボランティアによる外出支援を20年続けているNPO法人「友の会たすけあい」の佐藤文信事務局長。タクシーの半額程度の料金で利用者のニーズに応える福祉有償サービスが認知され、20年間で延べ5万人を送迎した。「市の乗り合いタクシー『つくタク』の茎崎地区運行に要する年間経費は推計で約2000万円、対して同会は290万円。つくタクの運行を見直し、福祉有償サービスを強化すれぱ市の負担を軽減できる」と訴えた。

途中から参加した五十嵐立青市長は「住民自身の支え合いが活発な茎崎は他の地区の手本」と話した。また「議会で反対されなければ」とした上で「来年度、友の会たすけあいへの予算を準備している」と明かした。

茎崎地区の高齢者にとって移動手段の確保は切実な問題。市の動向を注視していきたい。

旧茎崎町細見生まれで東京大学客員研究員の木村清一さんによる「高齢社会とコミュニティ」と題した講演もあった。木村さんは、人と人が交流し支え合う取り組みが多い地域の高齢者は、元気で健康寿命が長いと語りかけ、「孤独から悲劇が生まれる。1人にしない取り組みが必要」と結んだ。(橋立多美)

 

会員募集中

NEWSつくばでは、私たちの理念に賛同し、一緒に活動していただける正会員、活動会員、ボランティア会員、および資金面で活動を支援していただける賛助会員(クレジットカード払い可)を募集しています。私たちと一緒に新しいメディアをつくりませんか。

スポンサー

注目の記事

ほうきの力で「魔女のフェスタ」 29日 旧筑波小に集結

つくば市国松の旧筑波小学校を会場に、29日開催する「魔女のフェスタ」の準備作業が佳境を迎えている。2018年以来3年間、人の手が入らずにいた校舎を利活用する廃校リノベーション企画。フェスタ実行委員会(いしざき緑子代表)は校長室や各教室の大掃除から始め、ほうきの力で学校ばかりか地域社会にも魔法をかけた。 29日は校庭に飲食店のキッチンカーやテントが並び、3階建ての校舎全体に占いや癒し療法、手づくり品、子供向け工作教室のワークショップなどが展開する。10日現在、その数は95店になった。10代から80代の「魔女」が集結する。

最新記事

指定管理施設職員が新型コロナ つくば市

つくば市は13日、市民交流施設、市ふれあいプラザ(同市下岩崎)の指定管理事業者の職員が12日、新型コロナに感染したことが分かったと発表した。 市文化芸術課によると、この職員の濃厚接触者は同施設内にはいないという。 同施設は13日、消毒作業などのため休館となった。 14日から通常通り開館する。

街の記憶 東京・つくば 《遊民通信》16

【コラム・田口哲郎】 前略 「木綿のハンカチーフ」などで知られる作詞家、松本隆さんは2012年に東京から神戸に移住したそうです。当時雑誌記事で読んで、衝撃を受けました。松本さんは生粋の東京人です。生まれ育ちは港区青山、慶應義塾に通い…と、シティ・ボーイの体現者です。のちの渋谷系につながる、いわゆるニューエイジの山手文化を生み出し、けん引してきたことはご存知の通りです。 都心文化を屈託なく表現できる人は、上京者の街でもある東京にはそれほど多くいません。その松本さんが東京を離れたことは、一個人が地方に引っ越したという事実以上の何かがあるに違いないと思わせられました。東京がかつての東京では無くなったという旨の発言をされていました。 コロナ前の東京は色々限界だったのかもしれません。諸々(もろもろ)が集中・蓄積しキャパシティ・オーバーとなり、はち切れる寸前でした。そんな東京をコロナ禍が襲いました。東京は破裂せず、しぼみ始めました。今後も東京は東京として続くでしょう。でも、かつての東京はもう戻ってこないでしょう。 恐らく、かつての東京、例えば第2次大戦前の東京は戦後の東京とは全く違う東京でした。戦前の東京を戦後に語ったところで、それはノスタルジーに過ぎないわけですが、街の記憶は人をなんとも言えない感覚に誘います。沈みゆく東京は、これから無数の記憶の華に飾られるでしょう。

「大規模事業評価行わないのは違法」 18人が住民監査請求 つくばセンタービル改修で

つくば市が取り組んでいる総事業費約10億3800万円のつくばセンタービルリニューアル事業について、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市の要綱で定められているにも関わらず、事業評価の手続きが踏まれていないのは違法だなどとして、元大学教授の酒井泉さん(72)ら市民18人が12日、市監査委員(高橋博之代表監査委員)に対し、すでに支出された約7000万円の返還請求と未支出額の支出差し止めを求めて住民監査請求をした。 同要綱は、住民投票で白紙撤回となった市総合運動公園事業を教訓に、五十嵐立青市長が2018年9月に定めた。10億円以上の大規模事業と市長が必要と認める事業を実施する際には、評価会議を設置し、事業の必要性や妥当性などの評価を行うことなどが定められている。 監査請求によると、同リニューアル事業は10億円を超えるのだから「同要綱の対象であることは明らかであるが、市はこの要綱に従った評価を全く行っていない」としている。 一方、大規模事業評価をめぐっては、今年3月議会で、飯岡宏之氏(自民党政清クラブ)と山中真弓氏(共産)が一般質問し、それぞれ大規模事業評価を実施するようただしたが、市は、約10億3800万円のうち、まちづくり会社「つくばまちなかデザイン」への市の出資金6000万円はリニューアル事業の事業費ではないなどとし、10億円を超えないのだから大規模事業評価を実施しないとした。 監査請求した酒井さんは「議会で質問した議員がいたが、数の力で無視された。議会が道理を通すことができなくても、市民は道理を通すということをはっきりさせたい」と話した。 監査請求ではほかに、まちづくり会社は市が出資する第3セクターであるにもかかわらず、総務省が2014年に出した「第3セクターの経営健全化指針」に基づく検討を行っておらず、市の出資金6000万円の支出は公金支出のための必要な手続きを欠いており違法だと指摘している。

ほうきの力で「魔女のフェスタ」 29日 旧筑波小に集結

つくば市国松の旧筑波小学校を会場に、29日開催する「魔女のフェスタ」の準備作業が佳境を迎えている。2018年以来3年間、人の手が入らずにいた校舎を利活用する廃校リノベーション企画。フェスタ実行委員会(いしざき緑子代表)は校長室や各教室の大掃除から始め、ほうきの力で学校ばかりか地域社会にも魔法をかけた。 29日は校庭に飲食店のキッチンカーやテントが並び、3階建ての校舎全体に占いや癒し療法、手づくり品、子供向け工作教室のワークショップなどが展開する。10日現在、その数は95店になった。10代から80代の「魔女」が集結する。 いしざきさんは昨年、学校近くの国松地区の古民家に移住して、アロマテラピーの教室「魔女の学校」を開設(2月17日付)。誕生日が4月30日で、ドイツの魔女祭り、ヴァルプルギスの夜にちなむ「世界魔女デー」であることから、自身「魔女」と称して活動を行ってきた。2019年4月には石岡市内で「魔女のフェスタ」を催したことがあり、旧筑波小でも開催を計画した。 「地区に子供たちがいないわけではないのに、放課後や休日に声がしない。校庭に集まって遊ぶ様子がない」のを残念に思ったためだ。 音楽教室のいしざきさん=旧筑波小