月曜日, 4月 6, 2026

県営赤塚公園の秋《ご近所スケッチ》13

【コラム・川浪せつ子】今年のつくば市周辺の紅葉は例年より遅めのようです。つくば市で一番大きい洞峰公園のイチョウ並木も、今年は11月中頃でもまだ緑色。温暖化のせいでしょうか? ですが秋は日々深まりつつあり、至る所で紅葉が見受けられるようになりました。 つくば市役所のホームページによりますと、市内の公園は209カ所だそうです。面積の小さな、駐車場もないような近隣公園もあります。私のお薦めは県営の赤塚公園。駐車場は40台分。市営になった洞峰公園と遊歩道でつながっています。小さな池とかわいらしい水路もあります。 春の桜の季節は見事。とても静かで、近隣の方でないと気付きにくい穴場の公園です。絵のような東屋、ベンチも配置されていますので、ユックリできます。先日は、家族連れの外国の方々が、お子さん達を遊ばせながら、ランチタイム。また、大きな袋を持った女性が、木の枝や実を拾っていました。 近くには、映画館、日帰り温泉… お隣には茗溪学園や住宅。子供たちが遊びに来るからでしょうか、大きな時計も設置されています。先日は、全く水鳥は見えなかったのですが、鳥たちも集まっていることが多いです。自然をそのままに残しているような公園、小さいながら本当に素晴らしいです。 最近、研究学園駅周辺など、新しく移住してくる方が多いですが、どうぞ少し足を延ばしてみてください。赤塚公園の前には、映画館、日帰り温泉、ジム施設などもあります。ジムのボルダリング施設は、オリンピックに出場したスポーツクライミング選手、森秋彩(あい)選手が練習もした所です。(イラストレーター)

中止による減収2億3千万円 土浦花火大会 市が追加負担を決定

市長らの給与減額し道義的責任 土浦市は20日、第93回土浦全国花火競技大会の中止に伴って桟敷席などの収入が無くなり2億3000万円の減収があったとして、同額の補正予算を19日、専決処分で決定したと発表した。併せて、中止により多くの人に心配と迷惑をかけた道義的責任を明らかにするため市長と副市長の給料を減額するとした。 同花火大会は11月2日に開催する予定だったが台風21号の影響により中止。荒天の場合、3日または9日に延期する予定だったが、労働力不足により順延日の警備員を確保できず大会自体を中止とした(11月1日付、5日付、17日付)。 桟敷席の設営や撤去などすでに実施済みの委託業務や、中止に伴い新たに発生する経費を速やかに支払うため、議会の議決を経ないで決定する専決処分としたとしている。2億3000万円は、市が事務局を務める土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・安藤真理子土浦市長)に追加補助する。市は当初予算ですでに同実行委に8500万円の補助金を計上しており、中止となった大会の事業費は計3億1500万円になる。全額を市が負担する。 給与の減額は市長が月額20%、副市長が10%を12月から来年2月までの3カ月間減額する。12月の期末手当も市長が20%減、副市長が10%減となる。3カ月間減額する条例についても19日、専決処分とした。 安藤市長は「中止による減収を補うため新たに補助金を増額する結果となってしまったことについて、市民の皆様に心よりお詫びします。開催を心待ちにしていた皆様、 煙火業者の皆様、全ての関係者の皆様に対し、多大なご心配とご迷惑をお掛けしたことについて会長として責任を強く感じています。 今後は花火大会への信頼回復に努め、大会の運営等、様々な課題を検証し、次回の大会につなげて参ります」とするコメントを発表した。

オリジナルレンコン料理専門店開業へ 土浦市産業祭で一部メニューお披露目

日本一の産地である土浦のレンコンを使用したレシピを開発し提供するオリジナルレンコン料理専門店を開業しようと、同市でインターネットテレビ「Vチャンネルいばらき」を運営する会社社長の菅谷博樹さん(55)と、つくば市下広岡で軽食店「ニッチDEキッチン」を運営する増田勇二郎さん(53)が準備を進めている。開業に先立って23、24日開催の第48回土浦市産業祭でオリジナルメニューの一部をお披露目し販売する。 店名は「土浦れんこん物語」。来年1月ごろ土浦駅西口近くの同市川口、ショッピングモール「モール505」の空き店舗に開業し、ランチを提供する予定だ。店を運営する合同会社「土浦れんこん物語」を近く設立する。 菅谷さんによると、土浦にスイーツ店を構えたことがある増田さんと今年9月頃、土浦の活性化について話した際、「レンコン専門店で土浦をもっとアピールしたい」と意気投合したのがきっかけ。 菅谷さんは「レンコンといえば土浦市だが、あまり県外に浸透していないと感じている」と言い、「レンコンを使ったオリジナルメニューを提供し、市内はもちろん全国、海外にも発信したい」と、食を通じた観光促進と地元産業の活性化を目指したいと語る。新店舗のコンセプトについて「農家+料理の職人がコラボレーションしてオリジナルの新しいレシピを作り出していくこと」だと話す。 提供するメニューには、土浦市とJA水郷つくば主催の「日本一のれんこんグランプリ」で2022年と23年に2年連続最優秀賞を受賞した「市川蓮根」(同市手野、市川誉庸代表)」が生産したレンコンを使用する。メニューの開発と監修は、筑波山温泉ホテル一望(つくば市筑波)の料理長を務めた逸見千壽子さんに依頼した。 提供するランチは700円から2000円程度とする予定で、ほかにキッチンカーでの販売も予定し、インターネット販売なども模索している。 コロッケとお焼きを販売 すでにいくつかのオリジナルメニューが完成しており、そのうち「れんこんコロッケボール」と「れんこんお焼き」を23日、24日、モール505で開かれる産業祭で、「ニッチDEキッチン」のキッチンカーで販売する。 れんこんコロッケボールは、レンコンのすりおろしとジャガイモを9対1の割合で配合し、真ん中にカットしたかみ応えのあるレンコンが入っている。食べやすいよう一口大のボール型にしカップに複数入れて販売、クシで刺して食べてもらう。「れんこんお焼き」は、逸見さんオリジナルのレンコン甘辛味噌が入ったお焼きだ。 菅谷さんは「レンコンを使ったオリジナルメニューを今後も開発、提供し、モール505の活性化にもつなげたい」と意気込みを語る。(伊藤悦子)

もったいない(2)《デザインを考える》14

【コラム・三橋俊雄】今回の「もったいない」は、「一物(いちぶつ)全体食」の話からいたしましょう。一物全体食とは、穀物なら玄米のように胚芽まで全部を食べる、野菜や果物なら皮ごと、魚なら骨や頭まで1匹丸ごと食べるという意味で、生物が生きているというのは、丸ごと全体で様々なバランスが取れているということであり、そのまま人体に摂取することで人の身体にも望ましいという考えです。 ウド(独活)の一物全体食 植物のウドも、穂先から茎、皮まで丸ごと食べられる「一物全体食」の食材です。捨てるところがほとんどありません。地中で育つウドの白い茎は酢の物に利用され、穂先の若芽は天ぷらに、硬い皮は細く切ってきんぴらの材料にします。さらに茎の根側の堅い部分は煮付けに用いられるなど、ウドは、それぞれの部位がその特質に合わせて料理に生かされているのです。 ウドという植物を余すところなく食材として使い尽くすこと、そして、前回のコラムでご紹介した「桐材」の多様な利用の仕方も、人間の創造的な知恵の産物であり、「一物全体活用」と言っていいと思います。 さらに、以下にご紹介するのは、一つの「材」ではなく、一つの固有な地域風土が有する「様々な資源」を総合的・循環的に捉えて活用する、三澤勝衛(1885~1937)の『風土産業(1941)』についてです。 塩尻峠横川部落の風土産業 三澤は、横川部落における気候風土の中から、凍(し)み豆腐づくり、養豚、養蚕に着目し、上図に示すような、その地域ならではの循環型資源活用のあり方を提唱しました。 それは、 (1)大豆を購入し、豆腐に加工し、寒い塩尻颪(しおじりおろし)が吹く晩に、凍み豆腐を製造する。 (2)一方、豆腐の搾り粕(かす)の「おから」は、飼っている豚の主要飼料となり、その豚は、肉・皮が利用され、それ以外にも、骨は骨粉にして肥料に、また、油脂も利用する。排泄物は養蚕用の桑や夏期野菜の肥料に使う。 (3)蚕は桑を食べて繭をつくり、その繭は製糸工場で生糸に紡がれる。 (4)繭を売った収入は、冬期の凍み豆腐づくりに向けて大豆購入の資金となる、というものです。 三澤が示したこの「風土産業」は、地域固有の気候風土の中で産み出された様々な資源を、一つの廃物も出さずに全て利用し尽くす循環型の産業であり、今日言われている「循環共生(エネルギーや食を地産地消しながら地域内で資源が循環する自立・分散型の社会づくり)」の先進的モデルと言えるでしょう。そして、広い意味での「もったいない」のデザインと言ってもいいでしょう。(ソーシャルデザイナー) 

「お菓子の家」資材高騰も楽しく 24日 土浦市産業祭 人気企画

昨年の土浦市産業祭に初登場、いきなりの人気企画となった「お菓子の家で街をつくろう」が今年も24日に戻ってくる。同市上高津の筑波研究学園専門学校(野口孝之校長)の建築環境学科学生によるブース出展。整理券方式に加え、今年は事前登録制も設けて、参加者受け入れの拡充を図る。建築を学ぶ学生が子供たちのお菓子による家づくりを指導したら、楽しさとおいしさを提供できるはずと生まれた企画。学生たちがあらかじめ制作した街並みの空き地に、お菓子で作った家を参加者に建ててもらう。市販のチョコレートやウエハースを建材に、チューブ入りチョコを接着剤に家を組み立てていく。 コロナ禍による行動制限がなくなり、どっと人出が繰り出した昨年の産業祭に企画を持ち込んだところ、ひときわ人だかりの人気企画になった。急きょ配布した整理券チケットは即座になくなった。今回、参加費として200円を徴収する。手ぶらで参加でき、1軒分として1人あたりに用意するお菓子は約400円相当。出来上がった家は持ち帰って食べてもらう。指導する学生は7-8人。前回1年生だったメンバーがそのまま残った形で準備を進めている。ウクライナ戦争や円安などでこの1年、建築資材は一気に高騰しているそうだが、お菓子の家の原材料も値上げの波をかぶっている。建築環境学科2年、安達弘将さんは「壁を建て屋根を乗せて見栄えのいい家をつくる。子供たちにも建築のおもしろさを知ってもらえたら」と語る。イベントは24日の午前10時から午後1時の時間帯限定開催で、1時間おきに約20分をかけ、各回9人参加で家を組み立てる。対象は幼児から小学生・中学生とその家族を想定している。事前の申し込みは22日までに同専門学校(電話:029-822-2452建築環境学科)へ。(相澤冬樹)◆「第48回土浦市産業祭」は23日(土)と24日(日)午前10時から、土浦市川口1丁目、川口ショッピングモールをメーン会場に、商業祭、工業祭、農業祭ほかステージイベントなどが開催。土浦観光物産会、新治商工会青年部、JA水郷つくばなどの各団体、企業が物販、飲食を提供する。土浦駅前・アルカス土浦エリアにはキッチンカーが出店。主催は同産業祭実行委員会(電話029-826-1111=市商工観光課産業政策係)。 ◆23、24日は産業祭と併せて「第21回土浦カレーフェスティバル」が同市川口2-12-75 J:COMフィールド土浦(川口運動公園陸上競技場)で、23日は「土浦市消防フェスティバル2024」同運動公園運動広場サブグラウンドで同時開催される▽土浦カレーフェスティバルは市内や全国の飲食店45店がブース出店し、来店者の投票で土浦C-1グランプリを競う。主催は同食のまちづくり推進協議会(電話029-826-1111=市商工観光課)▽消防フェスは、消防車両乗車体験、救助訓練体験、緊急車両展示、住宅用火災警報器啓発などが催される。主催は市消防本部(電話029-821-0119=市消防総務課)。

空の真上のお天道さまへの旅《映画探偵団》82

【コラム・冠木新市】来年1月に開催する茨城県出身の詩人・野口雨情没後80年、『筑波節』『筑波小唄』誕生95周年のイベントを準備中である。いささか長いが、雨情からのメッセージⅢ・詩劇コンサ一ト『空の真上のお天道さまへの旅〜水戸歩兵第二連隊歌と土浦小学校校歌〜』がタイトルだ。『空の真上のお天道さま』は、雨情のノ一トに書かれていた遺作の詩である。 これまで、雨情のイベントをやるとき、必ず不思議な出来事が起きた。 昭和6年(1931)の『筑波節』『筑波小唄』のSPレコードをお持ちの方はご連絡くださいとラジオで呼び掛けたら、すぐに持ち主が現れた。おかげでCDに復刻することができた。 次いで、昭和7年(1932)『常陸龍ケ崎音頭(今朝も別れか)』の楽譜を探し始めた矢先、龍ケ崎市の職員さんが『一昨日、古本屋から楽譜が見つかった』と教えてくれ、早速楽譜が送られてきた。 また、大正末か昭和元年(1926)ごろ作られた『茨城県行進曲』は、東日本大震災のとき、茨城新聞社の棚が崩れ、そこからSPレコードが出てきて手に入り、SPレコード研究者の大学教授か゚無料でCDに焼いてくださった。 今回のイベントも同じで、会場費を安くしてもらおうと経営者に会いに行ったところ、企画に賛同していただき無料となった。即決だったため不思議に思い理由を尋ねたら、実は父上が水戸歩兵第二連隊の生き残りだと分かった。子供のころに歩兵第二連隊の話をよく聞かされたそうである。 また、イベントの件でスタッフ、キャストと連絡をとっていたとき、久しぶりに学生時代の友人から電話が入り、いま自伝のようなものを書いていて、私が出てくるらしい。彼は東大卒で卒業時に協力した。最近、イ一ロン・マスク株で儲けたそうだ。イベント費用もかさむので、昔の恩を返したらと軽口をたたくと、素直に振り込み先を知らせてくださいと言ってきた。 『フィ一ルド・オブ・ドリームス』 ケビン・コスナー主演の『フィ一ルド・オブ・ドリームス』(1989)は美しく不思議な映画で、4度めの鑑賞となる。 アイオワ州の貧しい農業経営者のレイは、トウモロコシ畑で「それを造れば彼がやってくる」との天の声を聞く。レイは、畑のなかに野球場の幻影を観る。レイが天の声に従い、畑の一部をつぶしグラウンドを造ると、トウモロコシ畑から無実の罪で野球界を追放になった亡きプロ野球選手が現れる。つまり幽霊なのだが、この世の人物みたいに描かれる。ここまでが15分ぐらいなので展開は早い。 すると、レイに「彼の痛みを癒せ」とまた謎めいた天の声が聞こえてくる。それは野球選手に憧れ、挫折し今は隠遁生活を送る作家テレンス・マンのことだと知り、今度は彼を訪ねる。ここから作品はロード・ムービースタイルとなる。 レイにはさらに、意味不明な第3のメッセージが聴こえてくる。これら3つのメッセージの意味をさぐる間、かってレイは父親と喧嘩し10代で家を飛び出し葬式まで父親と会わなかったため、心に傷を抱えていたことがわかる。ロ一ド・ムービ一は、レイたち関係者の過去を語る時間旅行でもあるわけだ。 ラストでレイは、ユニホーム姿の若き日の父親と再会を果たす。「造れば彼がやってくる」の彼とは、本当はレイの亡き父親のことだった。さらに天の声とはレイ自身の心の声だったことが明らかになる。 いま、野口雨情、水戸歩兵第二連隊員、戦前の土浦小学校卒業生と、心で対話しながらイベントの旅を進めている。そうそう、SPレコード『筑波節』を吹き込んだ北条芸妓連も忘れてはいけない。きっと、まだまだ不思議なことが起こるに違いない。サイコドンハ トコヤンサノセ。(脚本家)

投票率上昇も衆院選・市議選の無効投票率が倍増 つくば市トリプル選挙 半数以上は白紙

トリプル選挙となった10月27日投開票の衆院選・つくば市長選・同市議選は、投票率が前回を上回り60%を超えた一方、衆院選と市議選では無効投票率が前回と比べ倍増し、無効票の半数以上が白紙投票だったことが分かった。 特に市議選の無効票は8658票(投票総数の7.2%)と投票者の14人に1人の票が無効となり、そのうち76.4%の6618人が白票を投じた。市議選の無効投票の割合は前回2020年と比べ2.8倍に増えた。一方、市長選の無効票の割合は前回とほぼ同じだった。 つくば市の衆院選小選挙区と比例区の投票率は60.66%(前回2021年は55.14%)と、戦後3番目に低かった全国平均の投票率53.85%(小選挙区)を6.81ポイント上回った。 一方、同市の小選挙区の無効票数は投票総数の5.49%にあたる6634票だった。前回2021年の無効投票率は2.01%で割合は2.7倍に増えた。無効投票の内訳は白紙投票が最も多く、無効票の57%の3794票だった。 同市の衆院比例区の無効投票率は4.18%の5060票で、こちらも前回の無効投票率2.16%の2倍となった。内訳は白紙投票が最も多く2817票と無効投票数の55%を占めた。 つくば市長選と同市議選の投票率は60.97%(前回2020年は51.60%)で前回より10ポイント近く上昇した。 市長選の無効投票数は3976票で、投票総数に占める割合は前回2020年の3.44%より若干減って3.31%のだった。内訳は白紙投票が最も多く61%の2448票だった。 これに対し同市議選の無効投票率(7.21%)は、前回2020年の無効投票率は2.55%と比べ2.8倍に増えた。8658票あった無効投票の内訳は76%の6618票が白紙だ。 用紙の取り違え数は不明 一方、トリプル選挙となった同市では今回、各投票所のスペースと投票に至るまでの動線確保のため、投票所での投票用紙の配布方法を、衆院選は小選挙区(浅黄色)・比例区(ピンク色)・最高裁国民審査(うぐいす色)の用紙を3枚一度に手渡し、別々の投票箱に入れてもらった。その後、つくば市長選(白色)・市議選(クリーム色)の用紙2枚を一度に渡し、いずれも別々の投票箱に入れてもらった。 市選管によると、衆院選小選挙区と比例区の用紙取り違えと、市長選と市議選の用紙取り違えはいずれもあったが、数は不明だという。一方、投票箱の取り違えは、開票の際に有効などとした。 トリプル選挙により投票率が上がったにもかかわらず、なぜ衆院選とつくば市議選で無効票が倍増し、半数以上が白票だったのか。 つくば市ではこれまで投票率に地域差があるのが特徴で、国政選挙は研究学園都市建設以降、転居してきたいわゆる新住民の投票率が高く、地方選挙は旧町村部の投票率が高くなる傾向にあり、例えば2012年の市長選は地区別(旧町村別)で14ポイントの開きがった。一方、トリプル選挙となった今回の投票日当日の地区別投票率に大きな開きはなかった。衆院選と市議選で無効票が倍増した理由について市選管は「調査していないので分からない」としている。

また名誉毀損で訴えるの? つくば市長《吾妻カガミ》196

【コラム・坂本栄】4年前の今ごろ、つくば市長2期目に入ったばかりの五十嵐氏は、選挙中に五十嵐市政を批判するミニ紙を発行した元市議を名誉毀損で提訴した。今回の選挙でも五十嵐市政を酷評するチラシが配られ、五十嵐氏はそれらに反論するチラシを出した。今回は紙上の反論で済ませ、批判チラシの正誤を司法の場で争わないのだろうか? 11月定例会見の際に聞いたところ、「(今回は提訴)しない。(チラシで)反論は済ませている」とのことだった。前回は裁判沙汰にしたものの、勝ち目がないと思ったのか、1年2カ月後に提訴を取り下げている。4年前の失敗に懲りたのかも知れないが、本音は論争を続けたくないようだ。 数字と定義を巧みに操作 市長選の終盤に出された五十嵐陣営のチラシでは、①市役所の人件費増、②洞峰公園の管理費、③五十嵐氏の政治資金、④市役所の管理職比率、⑤水道料金の値上げ、⑥市長支援者への便宜供与、⑦市の財政状況、⑧県立高の不足問題―について、批判チラシに反論した。市議に選出された酒井泉氏が執拗に追求している①と④の要点は、以下のように整理できる。 <人件費> ▼酒井氏:この8年間(2017年~2024年)で市役所の人件費は30.8%も増え、これは市の人口増加率を上回っている。 ▼五十嵐氏:算定方式の変更により人件費は増えたものの、最近の7年間(2016年~2022年)では20.8%増にとどまっている。 <管理職> ▼酒井氏:係長以上の管理職が市職員の53%も占め、現場の職員が不足している。これでは迅速な市民対応ができない。 ▼五十嵐氏:課長補佐以上の管理職は26%に抑えられている。土浦市の場合、係長以上は36.6%になっている。 それぞれの数字を比べて面白いのは、五十嵐氏は酒井氏の指摘に正面から反論せず、議論の前提を巧みにずらしていることだ。人件費問題では比較する年次を変え、伸び率を低めに操作している。管理職問題では、管理職の定義を「課長補佐以上」にすり替え、下位の係長級を除外している。こういった逃げの反論では、たとえ訴訟に持ち込んでも勝てないだろう。 ケチケチ・ボロボロ計画 ②の洞峰公園管理費問題は、議会会派・自民党政清クラブの市政報告(号外)を意識した反論と思われるが、ここでも正面から答えていない。 ▼政清クラブ:市営化された洞峰公園の維持管理費は20年で40億円かかるが、このほかに(体育館など建築物の)長寿命化改修工事に50億円が必要になる。 ▼五十嵐氏:プラス50億円は一部市議が計算した独自の数字であり、市の試算では年間3500万円(建て替えが30年先とすれば計10億円強)にとどまる。 洞峰公園市営化に伴う財政負担がどのくらいになるか、議会で論争があった。市は市営化に伴う新規支出を少なく見せようと、体育館などが老朽化しても修理~修理で済ませ、器機類などを新規更新しない「ケチケチ・ボロボロ」計画を立てた。これに対し有力市議は、他市営施設の長寿命化計画を参考にして、計50億円という改修費用を算出した。 20~30年先、公園内の建物を快適に使えるようにするには長寿命化が必須であり、市が予算化した年3500万円では体育館などの使い勝手が悪くなる。五十嵐氏の反論は、20~30年先の利用者に思いをはせない無責任な予算の立て方といえる。 論争は新しい議会の場で 人件費の割合、市職員の構成、公園の管理費、いずれも市政の大事な問題であり、新議会は選挙戦での論争を引き継ぐ必要があるだろう。新しく市議に選ばれた酒井氏、トップ当選した塚本洋二氏(政清クラブ)らの鋭い追求を楽しみにしている。(経済ジャーナリスト) <参考> 名誉毀損騒動については「…その顛末を検証する」(2022年2月7日掲載)をご覧ください。

子供会解散、老人会が招待し多世代交流【シルバー団地の挑戦@つくば 桜が丘】2

つくば市茎崎地区の住宅団地、桜が丘の公園で17日「秋の収穫祭&2024交流会」が催され、幼児から90代まで多世代の団地住民約50人がゲームや食事などを楽しみながら交流を深めた。 同団地の老人会「桜寿会」(佐藤恵美子会長)が3年前から、団地の子供会「育成会」を招待して開催してきた。今年3月、子供の数が少なくなり育成会が解散。前の育成会役員を通して改めて子どもたちを招待した。 参加者はゲームやマジックを楽しんだり、近くの畑で収穫したサツマイモで作った石焼き芋や手作りの菓子を味わったり、ホットドックや卵サンドを食べながらおしゃべりを楽しんだ。 首都圏のベッドタウンとして造成され約450世帯が暮らす同団地は、団塊世代が多く住む。子どもの数は、団地が造成され入居が始まった1970年代後半や80年代前半が最も多く、200人以上の子どもたちがいたという。同自治会の落合正水会長(78)は「育成会の倉庫があって、キャンプの飯盒(はんごう)がたくさん残っている。臼(うす)やきねもあって、餅つきもしていた」と振り返る。 団地造成から40年以上経った今年3月、団地の小学生は10数人となり、育成会は解散に至った。育成会元役員の母親(44)は「コロナ禍で育成会の行事が数年間中止となったこと、(共働きなどで)育成会の役員のなり手がなかなかいないこと、育成会は自治会の下部組織だが自治会に加入しない若い世帯が増えたことなどがあった」とし、収穫祭の招待について「地域の方となかなかお会いする機会がないので、お招きいただき本当にありがたい」と話す。 公園の清掃や花壇整備も 収穫祭を主催した桜寿会は会員約30人、平均年齢は82歳で、日ごろ、団地内の公民館で毎月1回、交流会「笑和(しょうわ)の集い」を開き、市内で活動するフラダンスやオカリナ、合唱などの愛好団体を招いて演奏を披露してもらったり、講師を招いて頭の体操などを実施している。ほかに役員や運営委員など10人ほどが団地内の公園を月2回清掃したり、花を種から育ててバスターミナルの花壇に植えるなどしている。 収穫祭に向けては、事前に収穫したサツマイモを役員らが洗って干すなどしたほか、当日は役員の一人が朝5時30分から石焼き芋を準備し、午前8時からは約10人が集まって調理をしたり、会場の準備をして子供たちにふるまった。 佐藤会長(71)は「普段、高齢者と子供たちが集まる機会はなかなか持つことができないので、年に1度でも出来る限り続けていきたい」と言い、「ただ私が一番若く、回覧板で入会を募っても(桜寿会に)新しい人が入らないので、あと何年できるか」とも言う。 ➡【シルバー団地の挑戦@つくば 桜が丘】1はこちら ➡【シルバー団地の挑戦】つくば 森の里編はこちら

「土浦の花火」中止に思う《見上げてごらん!》34

【コラム・小泉裕司】来年2025年は土浦の花火100周年。土浦全国花火競技大会実行委員会事務局は、今秋中止した大会の支出に対する予算措置にめどが立っていないことや中止決定への信頼回復もままならない状況で、「予算的にも市民感情的にも記念事業を考える状況にない」という。 赤字支出への対応 中止にもかかわらず、予算総額3億円のうち、桟敷席の設営や椅子などの借上料、警備委託費、花火製作費など主たる経費のほぼ全額に加えて、チケット代金の返還手数料などが支出となる。収入に計上した有料席代金や広告料2億2000万円が未収となるため、同額近くの新規予算化が必要となる。 詳細は、記事「来年100周年、運営再検討へ」(11月5日掲載)をご覧いただくとして、不足分は土浦市から大会実行委への「補助金」として、市議会の議決を要する案件。補助金削減を進めて来た土浦市、しかも議員の一部から、責任問題を追及する意見も聞こえてくるので、議決までの道のりは簡単ではなさそうだ。 それでも期限が迫っている経費もあり、支出が可能となる12月下旬の市議会定例会の会期末までは待てないという台所事情もある。 支出を急ぐ方法としては、臨時会の開催、市長の「専決」、12月定例会での「先議」が考えられる。臨時会を招集するいとまがないことや専決できるほどの軽微な案件ではないことから、最終日の議決を待つのではなく、会期中の早い時期に他議案に先駆けて議決する「先議」になるのだろうか。 異常気象下の中止決定 今年は、10月に入ってまで日本を直撃する台風が多かった。このコラム入稿時の天気図も、南方海上にトリプル台風が発生、そのうちの1個は日本方面に向かう予報。かつて経験のない気象を引き起こす気候変動が、通常化しつつある。 かつて土浦の花火が開催されていた10月は、東京五輪1964の開会日10月10日が「晴れ」だったことから、晴天が集中する季節との伝説が生まれたが、特段に晴れが多い季節ではなかった。土浦は、気候変動の影響を考慮し、それから1カ月遅い11月に変更し、3年が経過した。 今年は11月2日。大会当日、台風21号が温帯低気圧に変わり、秋雨前線に沿って東進。打ち上げ時間に合わせるかのようにピンポイントで雨脚が強まった。同時刻に開催した「NARITA花火大会」(成田市)のライブ映像では、開花高度の高い花火は大部分が雨雲に覆われ、雲の下層部にたこ足のように開花する花火の一部が見え隠れした。 この映像を見て、第82回大会(2013年)10号玉の部でのノーコンテストトラブルを思い出した。このときも、雨雲に隠れて10号玉のほとんどが見えず、創造花火やスターマインも一部が雲に隠れた。審査委員会は、見えない作品は一律に審査標準玉の点数をつけたが、公表の可否を委ねられた市長は「公表」を選択。 大会終了後、ノーコンテストではないか、開催決断が間違っていなかったのかという批判が多数寄せられ、市長は「なにしろ自然が相手」と断った上で、雨天決行したがゆえに、見えない状況になったことを謝罪した。今大会、この時の二の舞を演じなかった英断に敬意を表したい。 花火師の無念さ 土浦に参加する花火師は、土浦仕様の作品を持ち込む。事務局が、すべての出品業者に連絡、謝罪した際、中止判断への否定的な言葉はなかったという。 雨天にあったわけではないので、仕込み済の花火が夜空を彩る新たな機会はあるだろうが、花火師は、そんなことよりも、土浦に出品するために、いくつかの危険な手作業の工程を経て完成した花火作品への思い入れ、そして観客の皆さんに披露することがかなわなかった悔しさを、言葉にしなかっただけ。花火師の無念さはいかばかりか。 11月11日(月)に大曲の花火実行委員会が開催した「大曲の花火 感謝の集い」に出席した花火師から、「土浦で上げたかった」との発言があったという。 花火師ファースト 実行委は、今回明らかになった「順延・中止」に対する課題の検証や対応策を検討するとのこと。気象条件の精査や警備体制の確保、予算の増額など、多様な検討が行われるのだろうが、軸足を「花火師ファースト」で意思決定する体制を再構築してはどうだろう。 言うまでもなく土浦は「競技大会」である。オリンピック同様、中止はあり得ないと思っている。荒天の場合、いつに順延するかの判断基準、たとえば設置した桟敷席や設備の安全確保、借り上げ料の増額、観客の交通・宿泊など、多様な検討材料が多いが、「土浦の花火」を競技大会として存続していくためには、欠かせないコンセプトに思う。 チケット代金が払い戻され、私たちが残念に思う気持ちは、徐々に希薄になるのかもしれない。しかし、1年かけて準備を進めてきた地元茨城の花火師や実行委の職員が、抜けるような晴天の中、花火筒の撤収や案内看板を回収した悔しい思いを、私は、長く心に留めておきたい。 今回はこの辺で、打ち上げならず「ザンネーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <チケット代金の払い戻し> 実行委は、11月14日(木)10時から、第93回土浦全国花火競技大会の中止による有料観覧席の払い戻しの受け付けを開始した。来年1月14日(火)までの期限があるので注意が必要。実行委ホームページはこちら。

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