日曜日, 4月 5, 2026

運か実力か《続・気軽にSOS》145

【コラム・浅井和幸】明けましておめでとうございます。昨年は、運の良い年だったでしょうか。今年は、さらに良い運に恵まれるようになりたいですね。昨年は、実力が伸びた年だったでしょうか。今年は、より実力をつけて可能性を広げたいものです。 私は、「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如(ごと)し」と「人事を尽くして天命を待つ」という言葉が好きです。ですが、好きと出来るは別問題。何かにつけて、この言葉を思い出してはバランスと努力の積み重ねを考えて、後悔と反省を繰り返しています。 私は怠け者なので、周りの人への文句ばっかり言っては周りの人が変わるのを待ち、自分が動くことを怠ってしまいがちな人間です。時には、人が私の思い通りに動くことが正しいことで当然だという考えに支配されたりします。 それは、人や環境の良くないところに苛(いら)立つことに時間を費やし、心身を消耗する結果になります。良い結果が得られない理由を外にばかり求め、自分が変わったり、環境を変えるような関わり方をしたりすることから、意識をそらし続けてしまうのです。そして、環境に恵まれない自分は運が悪い、の一言で済ませてしまうのです。 ポジティブもネガティブも大切な感覚 「自分は運が良い」と感じている人が、良い運に接すると良い運を感じやすい。「自分は運が良い」と捉える人が、良い運に巡り合うと良い運を捉えやすい。「自分は運が悪い」と感じている人が、悪い運に接すると悪い運を感じやすい。「自分は運が悪い」と捉える人が、悪い運に巡り合うと悪い運を捉えやすい。 ということは、「自分は運が良い」と感じている人が、悪い運に引っ張られにくくなり、さらに運が良くなる。「自分は運が悪い」と感じている人が、良い運に影響されにくくなりさらに運が悪くなる。 運が良いと思う人がより敏感に良い運を感じやすく、運が悪いと感じている人がより敏感に悪い運を感じやすいのですから、当たり前だと言えば当たり前の結果ですね。それは、歯が痛いときに歯医者の看板が目につきやすいのと同じ理屈です。 ポジティブもネガティブも、どちらも大切な感覚です。どちらかに偏ることは大きなリスクを伴います。ですが、過去や今起こっていること、自分や周りの環境を良い材料として良い結果を起こせることに越したことはないのです。 良い運を呼び込めることも、大きな要因ですよね。今年一年も楽しく過ごし、より良い人生に向かっていきましょう。(精神保健福祉士)

防災と組み合わせ4年ぶり「どんど焼き」 つくば 田中青年会

地元青年会が中心になり、つくば市田中で7日、4年ぶりに開かれる「どんど焼き」が、今年は防災と組み合わせた形で開催される。地域住民が大勢集まる行事を防災意識向上に結び付けたいと、防災士の民間資格を持つ田中青年会会長で会社員の松崎貴志さん(43)が呼び掛けた。 田中地区では例年、どんど焼きに地域住民が200人くらい集まる。当日は青年会が豚汁、もつ煮込み、餅などを200人分用意して無料でふるまう。今年は地元の田中子ども育成会に協力してもらい、アルファ米の防災炊き出しセット200食を用意し、ご飯を炊いて食べてもらう。「年配の人の中にはレトルト食品を食べたことがない人がおり、防災食は慣れていないと非常時に食べられないことがあるため、普段から食べておこうということ」と松崎さんは狙いを話す。 田中地区は桜川に隣接する。2019年の台風19号で川の水が増水し道路や水田が浸水、集落まで迫った教訓から、松崎さんは昨年2月にも地域の子供会と防災キャンプを実施した(23年1月5日付)。 防災キャンプは子供中心の企画で、高齢者まで巻き込むことが出来なかったため、松崎さんは新たな取り組みが必要だと考えていた。コロナ禍で実施できなかった「どんと焼き」が今年再開され地域住民が大勢集まることから、防災と関連付けて開催できないかと考えた。 昨年4月に企画を青年会のメンバーに話すと「なぜそんなことをやらなければいけないのか。予算はどうするのか」という疑問の声も出たが、イベントの手順を考えるなど工夫をして、賛同を得た。 子ども食堂通じ「フェースフリー」に出合う 松崎さんは全国の子ども食堂を支援している認定NPO「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(湯浅誠理事長)のスタッフの一員でもある。むすびえを通して昨年、愛媛県宇和島市で開かれた子ども食堂の炊き出し体験イベント「ぱくパーク」に出掛け、「フェーズフリー」という言葉に出会った。 イベントは、子ども食堂を非常時にも安心して食事がとれる防災拠点にしようという取り組みの一環で、フェーズフリー協会(東京都文京区)が主催するフェーズフリーアワード2023の金賞を受賞している。 フェーズフリーとは、いつも行っていることを非常時にも役立つようにデザインしようという考え方で、日常時と非常時という2つのフェーズをフリーにするという意味。松崎さんは宇和島でイベントを手伝い、地元つくばでも出来ないかと考えた。毎年地域で行っている行事を、もしもの時に役立つようにしたいと、どんど焼きの際に防災訓練を兼ねた炊き出しセットを提供しようと思い立ったという。 松崎さんは「日常から防災意識をしっかり持っていれば、非常時に役に立つ。『いつも』が『もしも』に役に立つというフェーズフリーの意味を浸透させるきっかけにしたい。地区としては年に1、2回、防災訓練を開催できれば」と話す。(榎田智司)

年頭の世界展望 台湾有事について《雑記録》55

【コラム・瀧田薫】2024年は、「米中新冷戦」が本格化する1年となるでしょう。第2次世界大戦後の世界は、約80年間、米英欧が主導する戦後システム(国連、自由貿易体制など)に支えられてきました。しかし、22年2月、ロシアによるウクライナ侵攻を契機として、世界は新たな戦前(第3次世界大戦の可能性をはらむ)に突入したと思われます。本稿では台湾有事が起こる可能性を探り、併せてこれからの時代と世界を考えます。 23年6月の台湾国民世論調査では、対中関係について「現状維持」を求める人が60%を超え、独立志向の25%や統一志向の7%を上回りました(毎日新聞23年12月17日付)。台湾国民の対中意識は割れましたが、回答者全員に「台湾有事」に対する強い危機感があることは確かです。 軍事専門家や国際政治学者の間でも、台湾有事に関する判断は分かれています。起こらないとする根拠としては①中国軍の近代化が不十分、米軍と台湾軍の反撃は甘くない②中国軍兵士の大半が「一人っ子」であり、膨大な戦死者が出れば政府批判に火がつく③侵攻よりも台湾国内の親中派による傀儡(かいらい)政権を樹立する方が良策―といった考えです。 他方、起こるとする根拠としては①「民主制をとる自由な台湾」は中国政府の一党独裁支配を脅かす危険な存在②経済政策の失敗、その他に対する国民の不満を外に逸らす必要がある③米軍はロシア軍のウクライナ侵攻、その他への対応で手一杯、この機会を見逃すな④習近平氏は高齢だけに持ち時間に対する焦りがある―といったところです。 国家と党の安全を優先する中国 ちなみに、23年12月23日、北京で毛沢東(1893~1976年)の生誕130年祭が開かれ、習氏は毛の事業を引き継ぐと宣言し、悲願である台湾統一の重要性を強調しました。識者は、習氏の演説に政権の正統性に対する自信のなさを見ています。 毛の死後、党と政府は改革・開放路線を採ってきましたが、習氏はこの路線の行き過ぎが共産党一党支配を掘り崩すとして警戒し、国家と党の安全を優先する政策(経済における国家の役割拡大、中国民間資本に対する圧力、外資に対する制限)を打ち出してきました。最近の中国経済の変調については、こうした習政権の政治姿勢による影響が大きいと思います。 最近、中国経済のピークアウトを指摘する西側の経済専門家も増えていますし、中国政府内にも経済の先行きを懸念する声は高まっているようです。 ともあれ、中国では「絶対権力者習近平氏が不合理な命令を下しても従う」という、権威主義国家ならではの慣性が働くことは確かです。そこから、「台湾有事」は習近平氏の決断一つにかかっているという見方が出てきますが、もう毛沢東の時代ではありません。習政権は中国経済ひいては世界経済から自由な存在ではありません。 したがって、米国や日本の対中国政策の眼目は軍事と経済のバランスに腐心することです。中国に塩を送る必要はありませんが、台湾有事を回避するために、中国とのデカップリングは避けるべきでしょう。(茨城キリスト教大学名誉教授)

バージョンアップの「Belle Ⅱ」1月再起動 KEKの加速器衝突実験

中心に丸い孔(あな)の開いた正八角形の扉は鉄製で、真ん中で2つに断ち切った形状をしている。1枚の重さは約150トン、2枚合わさると高さ、幅ともに約8メートルになる。扉は「エンドヨーク」と呼ばれ、前方と後方に一対ずつある。それぞれの下部4カ所にはハンドルが取り付けられ、手動で勢いよく回すと扉はミリ単位で動き、1000回以上回してようやく八角形の片方が閉じる。そんな作業が昨年末、高エネルギー加速器研究機構(KEK、つくば市大穂)の実験装置「Belle Ⅱ(ベル・ツー)」で行われた。 扉でサンドイッチするように閉じられた装置の内部は、検出器と電磁石が同心円状に折り重なった構造をしている。光速近くまで加速された電子と陽電子が、大型加速器「SuperKEKB(スーパー・ケック・ビー)」の2本のビームラインを互い違いに走り、装置の孔に向かって突入すると、強力な磁場によって収束し、衝突する。衝突点で生成し、崩壊する素粒子の性質を調べて、宇宙創成の未解明な謎に迫る。新しい物理現象を探す実験は1月末、バージョンアップして再スタートする。 「物質」しかない宇宙の謎に迫る 周長約3キロの円型加速器SuperKEKBは、メーンリング上に4つの実験棟が配置されているが、衝突点として機能しているのは筑波実験棟だけ。背後に筑波山の控える実験棟屋内に、重さ約1400トンの観測装置のBelle Ⅱが設置されている。22年7月からロングシャットダウンと呼ばれる運転停止期間中で、加速器や検出器の改良ののち、1月末の運転再開を目指していた。Belle ⅡのB、KEKBのBは、素粒子の一種「B中間子」にちなむ。 マイナスの電荷をもつ電子とプラス電荷の陽電子は、前段の線形加速器でそれぞれ70億電子ボルト(7GeV)、40億電子ボルト(4GeV)に加速され、メーンリングに射出される。2本のビームラインの交点で衝突するとB中間子が大量に生成され、崩壊(より軽い素粒子に変化する)までに100ミクロン程度の距離を移動する。その崩壊過程を詳しく調べる装置というわけだ。 前身の衝突型加速器KEKB(ケック・ビー)は1999年から2010年まで運転され、Belle実験が行われた。B中間子におけるCP対称性の破れを検証し、小林誠、益川敏英(故人)両氏のノーベル物理学賞(2008年)受賞につなげている。「CP対称性の破れ」は難解な物理学の理論だが、ほぼ「物質」だけで満たされている私たちの宇宙の成り立ちを説明するのに有効だ。宇宙の始まりのビッグバンでは「物質」と「反物質」が同じ量だけ作られたと考えられているが、なぜか「反物質」は消えてしまった。この仕組みを説明する理論とされる。 Belle Ⅱでの衝突実験は2018年に開始された。前身のBelle実験で蓄積されたデータの50倍のデータを収集・解析する目標が立てられ、昨年末の時点で28カ国、1100人の研究者が参加している国際共同実験となっている。 稀有な現象を大量のデータから探す B中間子は、陽子の5倍程度の質量をもつが、崩壊までの寿命は1.5ピコ秒(0.0000000000015秒)しかない。光速に近い加速器での衝突実験では、この寿命を延ばすことができ、飛行距離は100ミクロン程度になる。今日の科学の測定限界に達し、いろいろな崩壊現象が見えてくる。しかし電子と陽電子が測定器内で数億回交差しても衝突に至るのは数千回、ほとんどがすり抜けていく。1秒間に3万回の記録をとっても興味ある事象は数例にとどまるという。そこで、より多くのデータをためて現象を調べるために「ルミノシティ―」(衝突頻度)というパラメーターが重要になる。今回の改良ではこの向上が最大の眼目になった。 装置の最深部には崩壊点検出器(VXD)がある。ビームパイプの中心から数センチのところにピクセル型検出器を2層構造で設置した。一種のデジタルカメラで、2層目のモジュールを12枚の完成形にしたドイツ製の装置が運びこまれた。この装置を組み込むために、扉が開けられ、測定器の外周部が取り外され、オーバーホール的なシャットダウンが行われた格好だ。 加速器側もビーム入射を細く絞る形でルミノシティ―の向上を図った。計量上の言い方は難しいが、これまでの記録はKEKが持っていた1平方センチ1秒当たり2.1×10の34乗だった。改良後のルミノシティ―は同4.7×10の34乗という「世界最高性能」(松岡広大KEK素粒子原子核研究所准教授)の値になる。加速器性能をあげるのは、は莫大な電力を消費する加速器運転の省エネにもつながるということだった。 物理学では、「標準理論」を構成する17種類の素粒子すべてが発見されたものの、なおも生じる「ずれ」が無視できないでいる。宇宙に物質しかないことの説明には、「超対称性粒子」の存在が示唆されてもいる。中間子のまれな崩壊を精密に調べることで、標準理論の「ずれ」が説明できるかもしれない。 中尾幹彦KEK素粒子原子核研究所教授(Belleグループリーダー)によれば、これまでのBelle Ⅱの運転により、非常にまれな物理現象の1つであるB中間子がK中間子と2つのニュートリノに崩壊する現象が認められたという。ニュートリノは検出できないが、精度をあげていけば統計的に有意な物理現象が見えてくるので、大量のデータを集めて「説明」を確かなものにしていきたいとしている。 リスタートの実験は1月29日に始まり、まずは6月末まで行われる。(相澤冬樹) ◆Belle Ⅱ実験の詳細はKEKのホームページへ。

あけましておめでとうございます 《吾妻カガミ》174

【コラム・坂本栄】今年もよろしくお願い申し上げます。 ロシアのウクライナ侵攻とハマスのイスラエル攻撃には共通点があります。自分たちが軽く見られるようになり、その存在を周りに再確認させたいとの焦りです。日本の周辺にもそういった思考癖がある国があります。用心しなければなりません。 昨秋、ネット媒体「NEWSつくば」が日本メディア学会で取り上げられました。研究者は「非プロフィット(非営利)・脱ペーパー・超ローカル」に強い関心を持ったようです。グーグルやヤフーなどが運営する「ニュース・プラットフォーム」との関係も話題になり、先生方との意見交換は有益でした。 以上は私の年賀状の全文です。今年最初の本欄は上の2パラグラフの補足になります。 問題の解決を武力に頼る時代 国際秩序のタガが緩んでいます。問題を暴力で解決することが目立つようになったからです。NATO(北大西洋条約機構)の拡大をロシアが恐れ、イスラエルと回教大国の仲直りがハマスを焦らせ、そういった恐怖や焦燥が彼らを武力行使に走らせました。米国の力が相対的に弱くなったことも、軍事が幅を利かせるようになった一因です。 日本の近隣にも、核弾頭やその運搬手段の開発で威嚇しようと考える小国、内外の問題を軍事力の誇示で解決しようとする大国があります。欧州や中東だけでなく、日本の周辺も厄介なことになってきました。 一番厄介なのは、米国が20世紀にそうであったような大国ではなく、内向きの国になったことです。前大統領の「米国第一」が、国民の気分を汲み取ったスローガンであることを考えると、対米関係もこれまでとは違ったものになります。大統領選がある今年、新たな米国との枠組みが必要になるかもしれません。 戦後の経済を律してきた自由貿易や市場原理も過去のものになりつつあります。軍事をコアとする安全保障が国際貿易や企業活動に介入するようになったからです。こういった国際構造の変化をきちんと受け止め、機敏に対応する必要があるでしょう。 ニュース砂漠と地域ジャーナリズム 昨年11月4日、日本メディア学会のワークショップ(ウェブ会議ツールZOOMを使った研究集会)で当サイトが取り上げられました。タイトルは「ニュース砂漠と地域ジャーナリズム―非営利法人『NEWSつくば』を事例として」です。私、編集担当者、システム担当者が参加し、約2時間、全国の研究者と議論しました。 年賀状に書いたように、大学などの研究者は「NEWSつくば」の試み=非プロフィット(営利)、脱ペーパー(新聞)、超ローカル(つくば・土浦中心)=が面白いと思ったようです。 ここで私は、①税金で仕事をしている組織の監視が編集方針の一つ②記者は元記者(プロ)と市民記者(アマチュア)で構成③新聞社などを退職した元記者の参加を歓迎④地域に住まう識者のコラム寄稿も歓迎⑤運営費は大口小口の寄付に多くを依存⑥寄付文化が根付く米国と違い経費の捻出に苦労⑦ニュース・プラットフォームは地域メディアの発信力にプラス―などと報告しました。 研究者の方々は、非プロフィットに強い関心を示しました。広告収入に頼る民間放送、購読料+広告料に頼る新聞がメディア運営の常識ですから、当然といえます。当サイトは今年でスタート(2017年10月)から7年。先に挙げた特性を踏まえながら、新基軸を取り入れていきます。(NEWSつくば理事長、経済ジャーナリスト)

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