月曜日, 3月 17, 2025
ホームつくばバージョンアップの「Belle Ⅱ」1月再起動 KEKの加速器衝突実験

バージョンアップの「Belle Ⅱ」1月再起動 KEKの加速器衝突実験

中心に丸い孔(あな)の開いた正八角形の扉は鉄製で、真ん中で2つに断ち切った形状をしている。1枚の重さは約150トン、2枚合わさると高さ、幅ともに約8メートルになる。扉は「エンドヨーク」と呼ばれ、前方と後方に一対ずつある。それぞれの下部4カ所にはハンドルが取り付けられ、手動で勢いよく回すと扉はミリ単位で動き、1000回以上回してようやく八角形の片方が閉じる。そんな作業が昨年末、高エネルギー加速器研究機構(KEK、つくば市大穂)の実験装置「Belle Ⅱ(ベル・ツー)」で行われた。

扉でサンドイッチするように閉じられた装置の内部は、検出器と電磁石が同心円状に折り重なった構造をしている。光速近くまで加速された電子と陽電子が、大型加速器「SuperKEKB(スーパー・ケック・ビー)」の2本のビームラインを互い違いに走り、装置の孔に向かって突入すると、強力な磁場によって収束し、衝突する。衝突点で生成し、崩壊する素粒子の性質を調べて、宇宙創成の未解明な謎に迫る。新しい物理現象を探す実験は1月末、バージョンアップして再スタートする。

「物質」しかない宇宙の謎に迫る

周長約3キロの円型加速器SuperKEKBは、メーンリング上に4つの実験棟が配置されているが、衝突点として機能しているのは筑波実験棟だけ。背後に筑波山の控える実験棟屋内に、重さ約1400トンの観測装置のBelle Ⅱが設置されている。22年7月からロングシャットダウンと呼ばれる運転停止期間中で、加速器や検出器の改良ののち、1月末の運転再開を目指していた。Belle ⅡのB、KEKBのBは、素粒子の一種「B中間子」にちなむ。

マイナスの電荷をもつ電子とプラス電荷の陽電子は、前段の線形加速器でそれぞれ70億電子ボルト(7GeV)、40億電子ボルト(4GeV)に加速され、メーンリングに射出される。2本のビームラインの交点で衝突するとB中間子が大量に生成され、崩壊(より軽い素粒子に変化する)までに100ミクロン程度の距離を移動する。その崩壊過程を詳しく調べる装置というわけだ。

常設展示ホール「KEKコミュニケーションプラザ」に展示されている小林誠KEK名誉教授のノーベル賞メダル(複製)

前身の衝突型加速器KEKB(ケック・ビー)は1999年から2010年まで運転され、Belle実験が行われた。B中間子におけるCP対称性の破れを検証し、小林誠、益川敏英(故人)両氏のノーベル物理学賞(2008年)受賞につなげている。「CP対称性の破れ」は難解な物理学の理論だが、ほぼ「物質」だけで満たされている私たちの宇宙の成り立ちを説明するのに有効だ。宇宙の始まりのビッグバンでは「物質」と「反物質」が同じ量だけ作られたと考えられているが、なぜか「反物質」は消えてしまった。この仕組みを説明する理論とされる。

Belle Ⅱでの衝突実験は2018年に開始された。前身のBelle実験で蓄積されたデータの50倍のデータを収集・解析する目標が立てられ、昨年末の時点で28カ国、1100人の研究者が参加している国際共同実験となっている。

稀有な現象を大量のデータから探す

B中間子は、陽子の5倍程度の質量をもつが、崩壊までの寿命は1.5ピコ秒(0.0000000000015秒)しかない。光速に近い加速器での衝突実験では、この寿命を延ばすことができ、飛行距離は100ミクロン程度になる。今日の科学の測定限界に達し、いろいろな崩壊現象が見えてくる。しかし電子と陽電子が測定器内で数億回交差しても衝突に至るのは数千回、ほとんどがすり抜けていく。1秒間に3万回の記録をとっても興味ある事象は数例にとどまるという。そこで、より多くのデータをためて現象を調べるために「ルミノシティ―」(衝突頻度)というパラメーターが重要になる。今回の改良ではこの向上が最大の眼目になった。

装置の最深部には崩壊点検出器(VXD)がある。ビームパイプの中心から数センチのところにピクセル型検出器を2層構造で設置した。一種のデジタルカメラで、2層目のモジュールを12枚の完成形にしたドイツ製の装置が運びこまれた。この装置を組み込むために、扉が開けられ、測定器の外周部が取り外され、オーバーホール的なシャットダウンが行われた格好だ。

検出装置の説明をする中尾幹彦KEK素粒子原子核研究所教授

加速器側もビーム入射を細く絞る形でルミノシティ―の向上を図った。計量上の言い方は難しいが、これまでの記録はKEKが持っていた1平方センチ1秒当たり2.1×10の34乗だった。改良後のルミノシティ―は同4.7×10の34乗という「世界最高性能」(松岡広大KEK素粒子原子核研究所准教授)の値になる。加速器性能をあげるのは、は莫大な電力を消費する加速器運転の省エネにもつながるということだった。

物理学では、「標準理論」を構成する17種類の素粒子すべてが発見されたものの、なおも生じる「ずれ」が無視できないでいる。宇宙に物質しかないことの説明には、「超対称性粒子」の存在が示唆されてもいる。中間子のまれな崩壊を精密に調べることで、標準理論の「ずれ」が説明できるかもしれない。

中尾幹彦KEK素粒子原子核研究所教授(Belleグループリーダー)によれば、これまでのBelle Ⅱの運転により、非常にまれな物理現象の1つであるB中間子がK中間子と2つのニュートリノに崩壊する現象が認められたという。ニュートリノは検出できないが、精度をあげていけば統計的に有意な物理現象が見えてくるので、大量のデータを集めて「説明」を確かなものにしていきたいとしている。

リスタートの実験は1月29日に始まり、まずは6月末まで行われる。(相澤冬樹)

◆Belle Ⅱ実験の詳細はKEKのホームページへ。

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