デイズタウンの「季彩 かがり」《ご飯は世界を救う》61
【コラム・川浪せつ子】コロナの終わりが視野に入ってきたといわれますが、つくば市内の飲食店に様変わりがありました。私の大好きだった居酒屋が閉店。悲しい。和食を食べるのにどこに行ったらいいのだろう…。そんなとき見つけたのが、TXつくば駅近く「デイズタウン」地下1階の「季彩 かがり」さん(竹園1丁目)。
デイズタウンは、この中にあったスーパーがなくなってから、足が遠のいていましたが、地下へ階段を降りてみて見つけました。かなり以前からあったのね。和風宴会だけかと思っていたら、ランチがすごい。おいしくて低価格。これでいいのか、こちらが心配になるほど。
今回はお刺身セットを注文しましたが、日替わり定食もあります。千円出しておつりがたくさんきます。
中でもお気に入りは「コロッケ定食」。絵にはしにくい、何でもないジャガイモコロッケなのだけど、おいしい。鶏のから揚げの上には大根おろし。体に優しい「とり雑炊」。私の好きな「親子丼」。グルメレポートはしないのですが、言いたくなってしまう。隠れ家的なランチ場所ですね。
夢が広がる空間 本屋さんも
また、デイズタウンには、スーパーがあった所に書店が入りました。ララガーデンが1年ほど前に閉店し、そこに入っていた本屋さん。
ネットで何でも買える時代になりましたが、やはり書籍は手に取ってセレクトしたい。そして、本屋さんでは思いがけない、ステキな出合い本もあるのです。人生の方向性を示してくれる本があることも…。
この本屋さんでは雑貨なども販売。友人などへの、ちょっとしたプレゼントにも活躍しています。今、日本中の本屋さんが閉店の危機と聞きますが、これからは夢の広がる空間、物・体験を提案していってくれる場所になったらなぁ、と思います。(イラストレーター)
障害者福祉事業者と留学生に助成金と奨学金贈呈 筑波銀行
社会貢献活動として筑波銀行(本部・つくば市竹園、生田雅彦頭取)が実施している障害者福祉事業に対する助成金と、留学生を対象とした奨学金の贈呈式が17日、つくば市竹園の同行本部で催された。今年は県内の4福祉事業所と3人の留学生にそれぞれ贈呈された。
筑波銀行が進めるSDGs(持続可能な開発目標)推進プロジェクト「あゆみ」の取り組みの一環。公益信託「筑波銀行愛の社会福祉基金」による助成金は、県内の民間事業者を対象に1992年から始まった。同「筑波銀行記念奨学金」による奨学金はアジアの国や地域から来日し県内の大学で学ぶ留学生を対象に1990年に設立された。対象となったのはこれまで、助成金が延べ82事業所88施設、奨学金は106人となっている。毎年募集し、運営委員会の審査によって対象が決められる。
愛の社会福祉基金による助成対象となった、土浦市中村南で放課後等デイサービスと生活介護事業を営むNPO法人サポートハウスにれの木代表の石川弥生さんは「これまで地域に密着しながら活動をしてきた。5月1日からは、筑波銀行の融資を受けて購入した阿見町実穀に移転するが、改めて地域の方々と交流しながら『にれの木』のように根を下ろし、さまざまなことにチャレンジしていきたい」とし、「今回の助成金は、新しくなる施設で使う冷蔵庫と洗濯機の購入費に使いたい」と話した。
奨学金の贈呈を受けた中国出身で日本国際学園大学(旧筑波学院大学)経営情報学部ビジネスデザイン学科3年の王欣欣さんは「日本と中国の文化を比較し、特に服にどのような違いがあるのかを研究したい」と語った。インドネシア出身で筑波大生命環境学群地球学類2年のアズハリ・ファディヤ・サキナさんは「大学では災害対応を中心に季節ごとの避難計画を具体的に研究し、人々に一番近い避難場所を伝えるアプリを作りたい」と目標を語った。
あいさつに立った筑波銀行の山田孝行上席執行役員営業本部長は「SDGs推進プロジェクト『あゆみ』のもと、(筑波銀行は)社会的課題の解決を通じて地域と共に持続的成長モデルの構築に取り組んでいる。引き続き地域の未来のために、地域になくてはならない銀行を目指してさまざまな活動をしていきたい」と語った。(柴田大輔)
化け猫映画vs.ゾンビ映画《映画探偵団》75
【コラム・冠木新市】化け猫映画の『怪談佐賀騒動』(1953)を見返したが、今見ても怖かった。SFXのすぐれたハリウッドホラー映画や演出のテクニックがさえるジャパンホラー映画より、因果応報を描いた化け猫映画のほうが怖い。多分、子どもの頃に見た化け猫映画のトラウマで怖さを感じてしまうのだろう。
化け猫映画とは、悪い奴のいじめによって非業の死をとげた主人の飼い猫が化け猫となり仇(かたき)をとる話だ。つり上がった目、真っ赤に裂けた唇、ぴょこんと立った両耳の姿で悪党たちに襲いかかる。観客は仇を討とうする化け猫を応援し感情移入するべきなのだが、化け猫のあまりの不気味さに襲われる悪党側の気持ちになって恐怖を感じてしまうのだ。
化け猫映画の歴史は古い。明治時代の『鍋島の猫』(1912)に始まる。私が初めて見たのが新東宝の『亡霊怪猫屋敷』(1958)。怖くて夜中トイレに一人で行けなかった。子どもの私に化け猫映画を見せた大人は誰だろうか。
化け猫女優・入江たか子
その後、化け猫映画の歴史を調べ、戦前の化け猫スタアは鈴木澄子、戦後は入江たか子だと知る。入江たか子には覚えがあった。
黒澤明監督の『椿三十郎』(1962)に家老の奥方が出てくる。貫禄があり、主役の三船敏郎に引けを取らず存在感を示し、上品な雰囲気を醸し出していた。入江は華族出身の戦前の大スタアで、女優で初めてプロダクションを作った映画史に残る美人女優である。だが、戦後は一転して化け猫女優として人気を得る。
①『怪談佐賀騒動』(1953) のヒットを皮切りに 、②『怪猫有馬御殿』(1953)は12月29日公開のお正月映画である。当時、新年から化け猫映画を見る観客がいたわけだから、いかにすさまじい人気だったかが分かる。翌年には2本製作され、③『怪猫岡崎騒動』(1954)はシリーズ最高のヒットを記録した。④『怪猫逢魔ケ辻󠄀』(1954)もお正月映画だった。⑤『怪猫夜泣き沼』(1957)が最後で、入江たか子は5年で5本の作品を残した。
ハリウッドのゾンビ映画
それからも、日本映画界で化け猫映画は何本も作られるが、東映の『怪猫トルコ風呂』(1975)を最後にその歴史は途絶える。ホラーとお色気とコメディーを合わせ持つこの作品を期待して見たが、少しも怖くなくて失望した。だが今では、カルト映画として人気が上がってきている。
化け猫映画が途絶えた頃から、ハリウッドのゾンビ映画が続々作られた。ゾンビ映画の歴史も古い。『恐怖城』(1932)が始まりだから、かれこれ90年も続いている。私は、ゾンビ映画が好きではない。ゾンビは理由もなく健康な人々に襲いかかり、仲間を増やしていく。一体、何が目的なのだろうか。
この30数年、子どもたちの不登校問題が話題になっている。その背景は、いじめに原因があるような気がしてならない。もしや、この30数年次々と公開されたゾンビ映画の人気と関連しているのではと妄想してしまう。
ゾンビと比較すれば、化け猫のほうが健康的である。子どもたちに化け猫映画を見せ、いじめると化け猫に襲われると、因果応報を無意識に刷り込んだらどうだろうか。こんなこと言うと、寄ってたかって匿名の人たちに批判されるかな? サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)
40人の作家が自由な心を表現 「現展」40回記念展開幕 つくば
第40回「茨城現展」が県つくば美術館(つくば市吾妻)で16日始まった。現代美術家協会茨城支部(佐野幸子支部長)会員や一般応募による約40人の作家の作品130点余りが展示されている。モットーは個人を尊重し、権力におもねらない自由な創作活動をすること。絵画や立体、工芸、写真など多様な作品が並ぶ。
「40回目の記念展にふさわしい高いレベルの作品がそろいました」と語るのは、同支部長の佐野幸子さん。今年成人を迎えた孫への思いを込めた絵画作品「晴れの日」、コロナ禍での心の葛藤を黒、赤、緑などの波と球体で表現した「葛藤」、日々移り変わる心の有様を描いた「想」の3点を展示する。佐野さんが作品制作で心掛けるのは、自分の心を表現すること。「世界で戦争が続き、あらゆる情報が波のように日々押し寄せる。世の動きとともに人の心も揺らぎ続ける。思うがまま、自分の心を自由に表現する」と話す。
今回が2回目の出展となるつくば市在住の福田徹さん(70)は、モニター上で無数の黒点が増殖、分裂、消滅を繰り返す仮想細胞の動きを映像作品にした。もとになるのが「ライフゲーム」という1970年にイギリスの数学者ジョン・ホートン・コンウェイが考案した生命の誕生、進化、淘汰などのプロセスを再現したシミュレーションゲームだ。
画家の佐々木量代さん(73)の作品は、ロシアのウクライナ侵攻への憤りをもとに描いた「踏み入る」と、和紙に風に舞い上がる花びらを鮮やかに表現した「乱舞」。蜜蝋を使うことで立体感のある作品になっている。佐々木さんが水彩画を描き始めたのは30年前。50歳でさらに技術を磨こうと美大に入学し若者たちと切磋琢磨した。現在は絵画教室とともにつくば市内で個人ギャラリーを主宰する。「現展はチャレンジの場所。年に一度集まり色々な作品に出合い刺激を受けている。新しい世界を広げていきたい」と思いを語る。
茨城支部長の佐野さんは「今回は20代から70代まで様々な作家が集まった。40回目を迎えたが、より若い方たちにも参加してもらいたい。『現展』は何者にも縛られない自由な会。お互いを尊重しながら刺激し合い、これからも高め合っていきたい」と語った。(柴田大輔)
◆第40回記念茨城現展は、茨城県つくば美術館で4月21日(日)まで開催。開館時間は午前9時30分から午後5時、最終日は午後3時まで。入場無料。20日(土)午後2時半からは、展示会場内で講評会が開かれる。参加無料。詳細はつくば美術館のホームページへ。
園児と児童がけが つくば市立幼稚園と小学校で昨年12月
つくば市の市立上郷幼稚園と沼崎小学校で昨年12月、それぞれ園児と児童がけがを負い医療機関を受診する事故が発生していたことが分かった。市は、19日開会の市議会定例会に事故の報告議案を提案する。
上郷幼稚園では、教室で工作をしていた園児が、誤って相手の園児の指先を切ってしまい、5歳の園児が左手薬指の指先と爪の先に切り傷を負った。沼崎小では小学6年の児童が校庭に落ちていたくぎを踏み、足の裏にけがを負った。
年齢に合わせた教材選びへ
同市教育局学務課によると、上郷幼稚園の年長児の教室で昨年12月21日午後2時45分ごろ、厚みのある段ボールをはさみで切る工作を実施し、一人の園児が左手で段ボールを抑え右手ではさみを持ち段ボールを切っていた。作業を手伝おうと、別の園児が反対側から段ボールにはさみを入れたところ、誤って、段ボールを抑えていた相手の園児の左手薬指の指先を切ってしまった。
当時、教室には担任など教諭らが3人いたが、事故時は別の子どもたちを見ていて、けがをした園児らを見ていなかった。
同園は止血など応急処置をし、教諭2人がけがをした園児を医療機関に連れて行ったが、処置が難しいと言われ、園児は同医療機関から救急車で総合病院に運ばれ治療を受けた。全治2週間と診断されたが、爪の傷の回復が長引き、3月の春休みまでに完治したという。
市は、材料の段ボールに厚みがあり、5歳児にははさみで切りにくかったとして、今後、年齢に合わせた教材選びをするよう改善していくとしている。
同幼稚園を管理する市は園児や保護者に対し、治療費など6万9475円を支払うことで3月中旬に和解したとしている。
体育倉庫周辺を立ち入り禁止に
沼崎小学校では昨年12月22日午前9時15分ごろ、校庭で、6年生がレクリエーションで鬼あそびをしていた時、児童の一人が校庭の鉄棒付近で、落ちていたくぎを踏み、右足の裏にけがを負った。
市教育局教育施設課によると、くぎは長さ2.5センチくらいで、靴を貫通し児童の足の裏には血がにじんでいたという。児童は保健室で消毒などの応急処置を受け、連絡を受けた保護者と医療機関で治療を受けた。
くぎは、鉄棒近くにある古い体育倉庫の建物から抜け落ちたとみられるという。市は事故発生を受けて、体育倉庫周辺に児童が近づかないよう、エリアを定めて児童を立ち入り禁止にしている。体育倉庫には体育の備品などが入っており、必要な場合は教員が出し入れをしている。
同小を管理する市は、児童と保護者に対し治療費など2万4202円を支払い4月10日に和解したとしている。
町の「光」を観る《デザインを考える》7
【コラム・三橋俊雄】1988年、私が所属する研究室に、新潟県のS町から「観光開発基本計画」の依頼がありました。S町は大小48の集落が河川流域と海岸線に沿って分布し、約1万人の人びとが居住している高齢化・過疎化の進む町でした。
私たちは、本計画案策定にあたり、「観光」の本来の捉え方を、古代中国・周時代の『易経』にならい、「町の光を観(み)る」ことに置きました。はじめに、半年をかけて「町の光」の総点検を行うことにしました。その「光」のいくつかを、写真とあわせて紹介しましょう。
焼き畑の女たち
S町の焼き畑は8月お盆にかけて行われ、主人公は女たちです。この町特有の「ボシ」と呼ばれる頭巾(ずきん)をかぶり、ナタやクワを手にして、焼き畑の左右の縁に陣取ります。深夜零時に火入れ、その後、枯れ草に火を移しながら、山の上部から下部へ向かって順に広げていきます。
火は次第に燃え広がり、隣接しているスギ林や夜空までをも鮮やかに浮き出させます。飛び火や延焼から火を守る女たちの堂々とした姿は、めらめらと燃え盛る炎に照らされて、エロティシズムさえ感じさせるほどです。明朝、灰の熱いうちに赤カブの種をまきます。
コド漁
サケの上る道を推定して川底の砂をかき取り、「スジ」と呼ばれる魚道を作ります。その魚道の脇に、流れと直角に雑木の柵を打ち込み、その上に笹をかぶせます。川を上ってきたサケが、笹の下のよどみで一休みしているところを、長い竿(さお)の先にある「カギ」で素早くかき取ります。この伝統的な漁は9月から12月まで行われます。
八幡様の奉納相撲
筥堅(はこがた)八幡宮のある集落では、氏子たちが中心となり秋季例大祭が催されます。小中学生が担ぐ子ども神輿(みこし)には大人たちが大きな声でゲキをとばしたり、神輿の方向を直したり、あれこれ世話を焼き、女子高生とお母さんたちは、そろいの浴衣姿で「勝木小唄」や「佐渡おけさ」などを踊りながら、集落を練り歩きます。また、境内では庄内・越後の対抗奉納相撲がおこなわれます。
シナ布
シナ布は、北日本に多く自生するシナの木を原料とする、麻に似た感触の織物です。その工程のほとんどが昔ながらの手仕事で、豪雪地帯における冬場の家内仕事として細々と受け継がれてきました。Kさんは、その「シナ織」の技術を用いてバッグなどの製品化を試み、郷土工芸の一つとして、町の欠かせない物産となっています。
内発的な地域づくり
このような事例から、人びとの「町の光を消してはならぬ」との強い思いを見てとることができます。「観光」とは、日常の暮らしの中に「光」を発見し、それらを地域の「誇り」や「喜び」として再確認し、守り、磨き、町内外に「知らしめ」「分かち合う」ことであり、それが「町の光を観る」という、内発的な地域づくりの姿勢であると強く感じました。(ソーシャルデザイナー)
新商品開発プロセスや地域古来の文化を紹介 つくばのワイナリー メルマガ創刊
ブドウ栽培の仲間を増やしたい
つくば市栗原でブドウ栽培とワインづくりを営む「つくばヴィンヤード」の高橋学代表(69)は、ブドウ畑の1年を紹介し、栗原醸造所として生産するワインについてつづったメールマガジンの配信を始めた。
以前からインターネット上にホームページを開設しているが、より能動的に情報発信し、商品開発のプロセスやブドウ栽培の面白さ、苦労などを伝えるのが狙いだ。
メールマガジンは今年2月に創刊され、PDF形式のファイルが添付されメール配信される。現在第4号が配信されたところで、月1回の発信ペースも安定してきた。
「正直なところを言うと、ワインの原料となるブドウ生産の人手が足りないのです。昨年、猛暑などの影響が出て畑仕事が追い付かず、ブドウの一部を収穫できずに廃棄することになりました」
高橋代表は、ホームページの情報発信はアピールの入り口に過ぎないと考え、興味を持ってくれる人々に可能な限りオンタイムなニュースを送り出そうとメールマガジン編集に取り組んだ。
「畑仕事ですから面白いと言いながらも様々な苦労と努力がついて回る。それを伝えながら、一緒にブドウ栽培に従事してくれる仲間を増やしたい。そのためには1年を通したブドウづくりの話と、つくば市の栗原から送り出されるワインの開発プロセスなどの詳細をつづっています」
4月中旬のブドウ畑にはまだ実りの風景はない。しかし広大な農場の隅々まで雑草が摘み取られ土の改良が進み、今年の収穫に向けた準備が行き届いている。スタッフだけでなく、高橋代表の心意気に触れた人々の協力によってブドウ畑は維持管理されている。
メールマガジンによれば、日常の畑仕事やブドウづくりの講習会などに訪れた人の中から、栗原で土地を借り受けたり、それぞれの地元にノウハウを持ち帰ったりしながらブドウの種植えを始めた仲間が増えてきたという。
新商品「栗原の白布」を開発
今年発売される新商品に、完全瓶内2次発酵スパークリングワインがある。地名を用いて「栗原の白布」と名付けた。メールマガジンはその生産設備導入のニュースや商品展開準備についてまとめている。注目されるのは「栗原の白布」という名称の由来についてつづられたリポート連載だ。
約1300年前にさかのぼり、その名は歴史に登場する。白布(はくふ)とは麻で編まれたもので、栗原の地で生産され東大寺正倉院に税として献上されていた良質の布であるという。
「この逸話はワイン会に参加している人から教えていただきました。栗原はそれほど素晴らしいところだったのかとうれしくなりましたよ。形は変わるけれど、私たちか栗原でつくるワインにこの名前をいただき、さらに未来へと橋渡ししたい。つくばの栗原からワインづくりという情報を発信をする上で、このことは非常に大事なことだと考えています」
これまでは、つくばの地でワインができるという意外性が耳目を集めてきた。気候風土は、決して信州や甲州に引けを取らないという自信にもつながった。
この豊かな風土は遠い過去においても白布生産の形でモノづくりの礎を残していた。地域の人々からも「畑を耕すとたくさんの土器が出てくる」と教えられていたが、つくばヴィンヤードでも破損の少ない弥生土器が出土し、ヒトが営む文明・文化の痕跡を見出すことができる。白布の逸話に出合ったことで、栗原のワインはそれを継承する農業文化の一つとして歩を進めたことになる。
メールマガジンの連載は魅力にあふれた郷土史の域にまでリポートを拡げている。この勢いを月に一度配信するのは大変ではないかと高橋代表に尋ねると、楽しげな答えが返ってきた。
「『栗原の白布』については次回のリポートで完結します。まだまだ伝えたいことがたくさんあるんです。もともと研究者でしたからリポート作成は苦にならないし、業務の報告書をまとめることに比べたら楽しいことこの上ありませんよ」
「栗原の白布」は新たに導入された瓶詰機械を通し、専用のエチケット(ラベルのこと)デザインが出来上がるのを待つ状態。順調に準備できれば5月中旬に発売される予定。次号メールマガジンのトピックとなりそうだ。(鴨志田隆之)
◆つくばヴィンヤードのホームページはこちら。
◆つくばヴィンヤードの過去記事はこちら➡地元ホテル、ワイナリーとコラボ(23年10月23日付)➡つくばワイン特区第1号のワイナリー稼働(20年10月16日付)➡つくばワイン育てる土壌つくりたい(19年1月24日付)➡つくば市がワイン特区に認定(17年12月27日付)
つくば洞峰公園問題を総括する《吾妻カガミ》181
【コラム・坂本栄】寄稿「つくば洞峰公園市営化で市長が隠していたこと」(4月2日掲載)で、酒井泉氏は市の広報紙「かわら版」30号では市民が共有すべき事実が伏せられていると指摘、市長は民主主義の基本が分かっていないと批判しています。私は、①交渉力の乏しさ、②財政運営の甘さ、③市民調査のおかしさ―について指摘しておきます。
明らかな事実A:器量不足
コラム175「… 県案丸呑みの不思議」(1月15日掲載)で、「県から公園を無償で譲り受けるに至るプロセスで、知事と市長の間でまともな話し合いが無く、…維持管理費を丸々押し付けられた」と書きました。
国と県が主導して建設した学園都市の洞峰公園は、県の財産であると同時に市民が自慢する公園です。こういった施設の運営方法をめぐって、知事と市長の意思疎通が2年にわたり不十分であったというのは異常です。
175で引用した市議の発言によると「市長が知事にアポを取って話し合ったことは一度もない。何度も直接協議するよう求めたが、その気配すらなかった」「一部市民から県の計画に反対する声が出たあと、市長は県に懸念を伝えたとSNS(ネット発信ツール)に書き込んでいた」そうですから、市長の交渉力(首長に必須の器量)には疑問符が付きます。
明らかな事実B:甘々財政
洞峰公園問題は、園内の野球場に設けるアウトドア施設の運営益を公園管理費の足しにしたい県と、都市公園をいじらないよう求める市がぶつかる形で始まりした。結局、公園部分どころか体育館施設も市に移管されましたから、管理費負担の面では県の勝利でした。
「かわら版」では、公園市営化で「…樹木が立ち並ぶ緑豊かな環境」が維持できると、プラス面を強調しています。新規財政負担(マイナス面)に触れたのは「維持管理費約1億5000万円/年度 目標使用年数(80年)を実現するための施設修繕費約3500万円/年度」の1行だけです。財政面での敗北を知られたくなかったようです。
171「…『劣化』容認計画」(23年11月20日掲載)でも取り上げたように、1億5000万円+3500万円の年間経費は、園内施設を修理~修理で済ませ、老朽化しても更新しない「ケチ・ボロ」計画です。こういった雑な施設維持に加え、将来必要な体育館建て替えなどを考えると、甘々で無責任な財政運営です。
明らかな事実C:誘導操作
「かわら版」では、洞峰公園を無償で譲り受けることの是非を聞いたアンケート結果を紹介しています。それによると、「賛成」+「どちらかといえば賛成」が74%だったそうです。
172「…市の変な調査」(23年12月4日掲載)で、「これは市民の判断を『昰』に誘導する手法であり、市民の声をきちんと聞く調査とは言えません」と書きました。そして、この種の調査の基本である回答者無作為抽出を避けており、「調査の体を成していない」と指摘しました。
市の調査は、希望者だけに回答用紙を箱に入れさせる+市のHPに書き込ませる方式ですから、賛成者を動員することで結果を操作できます。市民の声を公平に聞くには、新聞やテレビが実施する世論調査方式(回答者を無作為に選ぶやり方)でなければ意味がありません。「賛成74%」はこういった誘導操作で作られた数字です。
クリアになった迷走の構図
緑地部の現状を維持し市の負担を抑える方策はなかったのでしょうか? ありました。例えば、153「…住民投票が必要?」(23年3月20日掲載)で示した霞ケ浦総合公園方式(土浦市と県が共同管理)です。体育館などは県に任せ、緑地部などを市が管理する方式(管理下の野球場はいじらない)で、これなら市の財政負担は半分以下で済みます。
試しにアウトドア施設を認め、迷惑施設と分かったら撤去させる手もありました(逆に大騒ぎするような施設ではないことが分かったかもしれません)。これなら市の負担はゼロです。いずれの策も、力量不足(A)では無理だったでしょう。結果、財政負担(B)が生じ、AとBをごまかすために市論操作(C)に動いた―これが洞峰公園問題の構図です。(経済ジャーナリスト)
「さくらまつり」と「みんなでゴミ拾い」《けんがくひろば》5
【コラム・島田由美子】2月のこの欄で告知した「けんがく さくらまつり2024」が、3月30日、TX研究学園駅前公園の古民家周辺で開催されました。今回はその報告と、けんがく(研究学園駅周辺)地区で気軽に参加できる活動「研究学園 みんなでゴミ拾い」を紹介します。
いろいろなイベントで世代交流
さくらまつり当日は天気に恵まれ、大勢の住民の方においでいただきました。様々な世代が集まり、シニアグループにグラウンドゴルフを教わる中学生や、おじいさんと昔あそびを楽しむ親子連れの姿が見られました。古民家内には、子どもたちの書や大人たちの水彩画やクラフト作品が展示されました。
縁側前のステージでも、サロンのウクレレグループや研究学園中学校吹奏学部の演奏からガマの油売り口上まで、バラエティーに富んだパフォーマンスが披露され、目指していた「地域の文化祭&新歓祭」を実現できました。
さくらまつりを主催した「けんがく まちづくり実行委員会」の目的はイベントを催すこと自体ではなく、イベントをツールとして、地区の活動団体が連携し、まちをよりよくすることです。
今回、初めての試みとして、「けんがく まちづくりコーナー」を設け、地区の20年間の移り変わりが分かる写真や地区の活動団体をマッピングした地図などを展示しました。来場者の方々にも「けんがくの夢」を桜型の付せんに書いていただき、大きな桜の木を完成させました。
また当日、イベントマップと一緒に、活動団体の活動を一覧にした「けんがく まちづくりカレンダー」を配布し、興味をもった団体にコンタクトしやすいようにしました。
ゴミを拾いながら情報もゲット
新年度になり、新しいことを始めたい人や地区に移ってきて知り合いをつくりたい方にぴったりのイベントが 「研究学園 みんなでゴミ拾い」。研究学園グリーンネックレス タウンの会が2019年から主催しています。このイベントの目的は、おしゃべり。ワイワイガヤガヤお話しながら、まちを歩いて、友達を見つけたり、お店を発見したり、新情報をゲットしたりします。そのおまけとして、まちもきれいにします。
月に1回、活動を初めてから今年で6年目になります。コロナ禍の時期、当初は中止していましたが、「ゴミ拾い」は3密にならないため、少し落ち着いてから再開し、遠出ができず、娯楽施設にも遊びに行けないご家族に楽しんでいただきました。
先月、毎回参加してくれていたご家族のお母さんに「転勤族なので、もうすぐ引っ越します。このゴミ拾いはまちに慣れていなくても参加しやすく、子どもたちも毎回、楽しみにしていました」と言っていただき、この活動の意義が再確認できました。今後も無理なく続けていきます。(けんがくまちづくり実行委員会 研究学園グリーンネックレスタウンの会 代表)
<みんなでゴミ拾い>
▽4月28日(日)午前10~11時、研究学園駅北口集合、ゴミ袋でモンスターこいのぼり作り、花菖蒲プレゼント。
▽5月26日(日)、7月7日(日):場所、時間、催しの問い合わせはこちら。
防災ヘリ出動し避難訓練 土浦の高層マンション
「要配慮者」の避難に課題
土浦駅西口前の県内最高層マンション、ソリッドタワーで13日、マンションの管理組合が主催して火災発生を想定した避難訓練が行われ、住民約60人が参加した。この日は初めての取り組みとして、県防災航空隊の防災ヘリコプターによる救助訓練のほか、土浦消防署による煙体験ハウスを使用した避難体験が実施され大規模な訓練となった。
同市大和町のソリッドタワーは土浦駅に直結する地上31階、高さ109メートルのマンションで、戸数180戸。マンションとしては県内で最も高層で、建築物としては県庁(水戸市笠原)に次ぐ2番目の高さになる。地下1階から地上6階は土浦市役所、県南生涯学習センターのほかスーパー・カスミなどの商業施設が入っている。
午前9時45分、22階の一室からの火災発生を想定し、初期消火の模擬実施とともにマンション内にサイレンが鳴り響く。「避難してください」という管理組合員の呼び掛けで避難が始まった。9階駐車場に避難者が集まり点呼をとると、間も無く防災ヘリコプターが飛来しマンション上空で静止、防災航空隊員がマンション屋上へとゆっくり降下し救助訓練を開始した。
参加した80代の男性は「これだけの規模のものは初めて。(煙が充満した)煙ハウスは先が全く見えず怖かった。東日本大震災ではガスが止まり風呂にも入れなくなった。改めて水や食料など備品を用意したい」と語った。模擬消火器による消火体験に参加した照屋秀明さん(6)は「(消火器体験は)2度目だけど、少し怖かった。ヘリコプターは迫力がありかっこよかった」とこの日の印象を話した。
この日の訓練に立ち会った土浦消防署副署長の飯田浩さんは「地震が起きた際には揺れが収まってから避難してほしい。火災発生時はまずブレーカーを落とすこと。東日本大震災では通電による火災が発生していた。避難の際には延焼を防ぐ意味でも(火元につながる)扉を閉めることが重要。近隣の年配の方に手を貸しながら、転ぶなど二次被害にも気をつけてほしい」と注意点を呼び掛けた。
普段から声掛け合えれば
この日の避難訓練を主催したウララ管理組合住宅部の北田弘巳部会長(67)は「毎年やってきた避難訓練だがこれほどの規模は初めて。より多くの人に関心を持って参加してもらいたいとの思いで実施した。能登や台湾での地震があり防災意識は高まっているが、どうすればいいかわからない人もいる」と言う。
また同マンションには、高齢や病気、障害があるなどして災害時に一人で避難することが難しく周囲の支援が必要になるとして、管理組合や市に届け出をしている「要配慮者」が18世帯ある。しかし、届け出がされておらず、プライバシー保護の観点などから把握できていない世帯はさらに多いと北田さんは話す。
「市の防災課や老人福祉課とやりとりをしているが、(要配慮者を把握するために)どうするのが正解なのか答えは出ていない。防災意識を高めることで、自分の身は自分で守るという『自助』の意識と共に、同じフロアの人同士で普段から声を掛け合うなど、災害時に助け合えるよう意識を持ってほしい」と今後の課題を語った。(柴田大輔)
