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2023
主な話題はTX延伸 土浦市で新年賀詞交歓会
2023年1月7日
土浦市の経済3団体(商工会議所、観光協会、商店街連合会)主催による新年賀詞交歓会が6日夜、市内のホテルマロウド筑波で開かれた。コロナ禍が収まっていないこともあり、出席者はコロナ前の約300人に比べると抑えられ、約180人が参加。市長、国会議員、県会議員ら来賓のあいさつを聞いたあと、2段重ね弁当の食事を交えながらの懇親を楽しんだ。 「普通に考えたら土浦延伸」情報 土浦恒例の大型新年会は、土浦鳶職(とびしょく)組合の祝木遣(きやり)唄でスタート。 3団体を代表して中川喜久治土浦商工会議所会頭があいさつ、「10年、20年先を見据えた市の発展には、常磐線のさらなる利便性の向上、つくばエクスプレス(TX)の土浦延伸、常磐高速道のスマートIC設置(桜土浦ICと土浦北ICの間)などのインフラ整備が重要だ」とし、県によるTX延伸先選定が進んでいることを挙げ、「これは昨年の最大のニュースだった」と述べた。 この発言を受け、安藤真理子土浦市長は「オール土浦でTX土浦延伸を(県に)働きかけている。署名活動をしていて、若い人がこの問題に関心が強いことがわかった。土浦延伸は土浦市にとって最大の悲願であり、実現に向け最後まで活動を進めたい」と、力が入った。 また、国会議員で最初にあいさつした国光あやの衆院議員(茨城6区、小選挙区)は「県は2月にも延伸先を決めるが、県幹部から『普通に考えたら、まあ、土浦なのだ』との言質を得ている。(県内延伸は)国の審議会にかけられるので、(工事費用を)国もしっかり分担することになる」と、土浦延伸の可能性を強く示唆した。 市議、次の選挙で3分の1交替? ほかの国会議員は、青山大人衆院議員(茨城6区、比例)、上月良祐参院議員(茨城区)、小沼巧参院議員(同)、加藤明良参院議員(同)、堂込麻紀子参院議員(同)があいさつ。続いて、昨年12月の茨城県議選で無投票再選された土浦市区の伊沢勝徳県議、八島功男県議、高橋直子県議がお礼の言葉を述べた。 土浦市では、今春に市議選挙、今秋には市長選挙がある。安藤現市長、24現市議は次の選挙にどう臨むのかまだ明らかにしていないが、挑戦者のうわさも含め、あちこちで情報交換が盛んに行われた。市政情報に強い現市議、元市議の話によると、現市議の3分の1ぐらいは立候補を見送る可能性が強く、市議会は高齢市議を中心に世代交代が進みそうだ。 つくば市と市商工会、筑波大など6団体・法人主催によるつくば市の賀詞交歓会はコロナ禍を心配して中止された。来賓として出席した桜井姚つくば市商工会会長に現在の関心事を聞いたところ、「土浦学園線沿いの警察署があった所に商工会会館をつくってほしいと、つくば市長に言っているのだが、反応が鈍い」と、市政に不満を述べた。(岩田大志)
住民の安心、安全前提に広報サポート 国立環境研の除染土実証事業でつくば市
2023年1月6日
原発事故に伴う福島県の除染土壌を再生利用する実証事業を、環境省がつくば市小野川の国立環境研究所などで計画している問題で、五十嵐立青つくば市長は6日の定例記者会見で「地元の住民の理解、安全、安心の確保が大前提の中で、今後、調整が整い次第(環境省が)住民説明会を実施する予定と聞いている。(説明会の)広報等のサポートをしていきたい」と述べた。 つくば市として除染土の実証事業を受け入れるか否かについて記者から質問が出て、五十嵐市長は「受け入れる、受け入れないではなく、拒否する権限もない」とし「国の事業を国の研究所内でする。除染土の問題は、福島県だけの問題ではなく全国的に取り組まなくてはならない課題」だと話した。 市によると、昨年10月19日、環境省からつくば市に、除染土壌の実証事業の候補地の一つになっているとの説明があった。昨年の報道後、近隣住民から市に対し「賛成、反対でなく候補地に選ばれたことを前もって教えてほしかった」などの意見が1件寄せられたという。 五十嵐市長は「あくまでも実証事業の候補地の一つという話を聞いている。正式に決定したものではないという認識でいる」とした上で「住民の理解が重要。説明会の範囲をきちんと決めていただい上で(日程などが)決まったらきちんと周知できるようにその方法を環境省と協議していきたい。市として必要な情報の周知は一緒に行っていく必要があると思っている」とし「環境省には安全性の丁寧な説明や事業プロセスの透明性の確保、実証実験に関する積極的情報開示について真摯(しんし)に対応いただきたい。環境省も当然そのつもりだと認識している」と述べた。 福島第1原発事故に伴う除染土壌は、東京ドーム11杯分が福島県内で中間貯蔵されており、2045年までに県外で最終処分することになっている。環境省は最終処分量を減らすため、1キロ当たり8000ベクレル以下の除染土を土砂やアスファルト、コンクリートなどで覆って盛土など公共工事で利用したり、5000ベクレル以下を土砂で覆って農地などに利用する計画を立て、福島県内では2018年から農地の盛土などの事業が実施されている。 国立環境研究所でこれから行う実証事業は福島県外では初めてとなり、ほかに埼玉県所沢市の環境調査研修所、東京都の新宿御苑の計3カ所で実施する計画。実証事業では各施設の広場や花壇、駐車場などに除染土を埋設し、土で覆って、植栽などへの影響を確認するなどとされている。(鈴木宏子)
高校新設めぐり押し付け合い? 知事「市立を」、つくば市長「県の仕事」
2023年1月6日
人口増加が続くつくば市で、市民団体が県立高校の新設を求めている問題で、大井川和彦知事が「つくば市立の高校をつくってはどうか」と昨年12月の県総合教育会議で発言したのに対し、つくば市の五十嵐立青市長が「県立高校をつくるのは県の当然の仕事」と6日の市長定例会見で反論するなど、県と市が押し付け合う形になっている。 昨年12月8日の県総合教育会議の議事録によると、大井川知事は「つくばにおける高校の問題は我々としても非常に注意を払って検討している」と述べた上で「(つくば市の)通学圏の周辺をみると、今後生徒数が減っていく中で、定員割れがどんどん増えてくる状況が予想される。通学圏にある高校を生かすことも検討しなければならないので、単純につくば市の中心部に新設校ということにはならない」などと述べた。 一方「通学圏の中でクラスを増やすなど、対応できるように県としても努力する」とし、高校新設について「我々からもつくば市に、市立の高校をつくってはどうかということも逆に提案させていただいている。その際には県として、教員の配置等含めて全面的に協力したいということも記者会見の場で申し上げている」と話した。 大井川知事はさらに「今後きちっとつくば市側に我々の意図をお伝えし、状況を理解いただいて、最善の選択肢ということを、我々としても努力しているということを、ご理解いただけるよう努力していきたい」などと述べた。 同教育会議で県教育委員の市原健一前つくば市長が「(市の)中心部ではお子さんがどんどん増えて、今後やはり高校に入りやすい環境をつくってほしいという意見もどんどん強くなっている」「ここは県と市が協力し合いながら、私はつくば市立の高校を設置していただくのが一番いいのかなということを、以前から感じている。その中で実態調査をお願いしたい。実態調査をきちんとやって、市と連携をとって、用地の提供であるとか、人事でも協力するというような姿勢を見せていただきたい」と県に投げ掛けたのに、大井川知事が答えた。 市は六つの小中学校つくる これに対し五十嵐市長は6日の会見で記者の質問に答え、「県立高校をつくるのは県の当然の仕事。これだけ人口が増加しているつくば市において、県として県立高校を責任をもってつくっていただきたい。市としては目先だけでも六つの小中学校をつくっていく。県で県立高校の一つをつくっていただくことができないということはないと思っている。県の責任で進めていただきたい」と述べた。 記者からは「県と市のはざまで父母が谷間に落ちてしまう。突っ張り合いでは問題は解決しないのでは」などの質問が出たが、五十嵐市長は「市立高校ニーズが出てくるのは、本来、県立高校がきちんとつくられていれば必要ない話。県がつくる意思があれば、市立高校の議論すら始まらない。私どもとしては基礎自治体の責任である小中学校、義務教育の学校をきちんとつくっている。県には当然の責任として県立高校をつくってほしい」と強調した。 さらに「県立高校をつくるのは県の仕事。本来果たすべき責任を果たさないで何かを提案するのではなく、責任を果たしてから次のステップになる。それをしないで、つくらないから市で、という発想になって、しょうがないねという発想になっていたら、自治体間の関係や県としての使命はどこにいってしまうのだろうと考えている。市は市としての責任を果たす。県は県立高校をつくるという県の責任を果たしてほしい。県が県立高校をつくれば解決する、県にできない理由はまったくない。県としての優先順位を高めていただければ回避できる問題」だと繰り返した。 県方針は既存県立高の定員増 つくば市の県立高校問題をめぐっては、市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が、つくば市では2021年、中学3年生の6人に1人しか市内の県立高校に入学できなかったこと、つくばエリア(つくば、つくばみらい、守谷、常総市など)の中学卒業生が2030年には21年より1000人増えることなどから、県に対し、つくば市やつくばエクスプレス(TX)沿線に全日制県立高校の新設や既存校の定員増などを求めてきた。 これに対し県教育庁は、つくばエリアの中学卒業者は2030年までに約700人増加するが、周辺のエリアでは約1400人減少すること、つくば市の生徒が多く通学している土浦、牛久、下妻の3市に限れば、つくばエリアの中学卒業者数は2030年までに現在より約700人増加するのに対し、3市は約500人減少し、つくばエリアの増加が約200人上回る状況となるーなどとして、つくば市内の既存の県立高校の魅力を高め志願者を確保する、通学可能な範囲で進学先が確保できるよう適切な時期に既存の県立高校の定員を増やしていくなどとしている。(鈴木宏子) ➡つくば市の県立高校問題の過去記事はこちら
危険から遠ざかるという危険《続・気軽にSOS》124
2023年1月6日
【コラム・浅井和幸】新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 何かと物騒なこのご時世。外に出かけても、場合によっては家の中にいても、危険なことが目白押しです。転ばぬ先のつえなんて言葉もありまして、大けがしないように前もって準備することが大切だよなんて言いますよね。 かといって、何事も行き過ぎはよくありません。けがをした後に装着するコルセットやサポーターなんかも、下手に使いすぎると筋力が落ちてしまうらしいですね。ましてや、けがをする前から体を支えるつえを使いすぎてしまうと、体がゆがむかもしれないし、筋力は落ちるかもしれませんね。 危ないからと刃物を持たせない、危ないから川遊びをしない、殺菌や滅菌をする、怒鳴るような場面には会わせないなども、度を越せば危険なことにつながります。人を傷つけたくないとか、自分が傷つきたくないとかへの対処も行き過ぎると、部屋で一人過ごし続けるということになります。いわゆる、ひきこもりという状態も起こりうることなのです。 塩や油が体に悪いと全く摂取しなければ、健康を害するものです。それと同じように、心理的なストレスはいけないものだと、ストレスを減らしすぎると不調が起こります。光や音などの刺激のない、ストレス(ストレッサー)がない状況が危険であるという結論の心理実験もあるようです。 苦手なことに適切に挑戦する 成長段階では、様々なことを習得するために苦手なことに適切に挑戦するのが大切なのは分かりやすいと思います。大人になってからの苦手なもの、怖いものに対処するにはどうすればよいでしょうか。 例えば、嫌な上司や仕事、緊張する人前での発表など、出来れば逃げたいけれど完全に逃げられない事柄には、どうすればよいでしょう。手が震えて呼吸も早くなり、想像しただけでも抑うつな気分になってしまうことに。 出来るだけ考えないというのも一つの方法ですが、行動療法の一つに暴露療法という技法があります。人は嫌な事柄から遠ざかれば遠ざかるほど、想像により不安や恐怖心が大きくなることがあります。なので、危険がない状況下で、むしろ嫌な事柄に近づいて安全を確かめていく方法です。 例えば、犬にかまれたことが原因で、犬や犬のほえる声が怖いとします。夜も眠れないぐらいで、明日、犬がいる家に訪問しなければいけないことを考えると、夜も眠れないような犬嫌い。安心できる人に横にいてもらって、10メートルのところまで犬に近づくとか、まずはカウンセリングルームで落ち着いた状態で犬の写真や動画を見ることから始めるなど、思ったより怖がる必要がないことを確認して、徐々に刺激を強くしていくのです。 毎日の生活の中で、自分自身が感じているほど、その恐怖や不安の対象は深刻なものではないことがほとんどです。全てを抱え込まずに、周りの信頼できる人に手伝ってもらって、昨日よりも少しだけ怖いものに近づいて、危険でないことを確かめてみてください。世界が少しだけ明るく見えるはずです。(精神保健福祉士)
子供会と防災キャンプ企画 つくばの松崎貴志さん 台風19号の浸水経験生かし
2023年1月5日
つくば市北部の田中地区で2月12日、地区の子供会を中心に第1回防災キャンプが開かれる。同地区の会社員で、防災士の松崎貴志さん(42)が企画し主催する。 桜川に隣接する田中地区は2019年の台風19号の際、川の水が増水し堤防を越えて道路や水田が浸水、集落まで迫った。地域には防災無線があったが、十分な訓練をしていなかったため使い方が分からず、避難を呼び掛けることができなかった。台風19号をきっかけに松崎さんは、防災の大切さに目覚め、翌20年、防災士の民間資格を取得した。 防災士として松崎さんはまず、地域を調査し、ハザードマップを作成した。出来上がったハザードマップを有効に利用し、地域の防災意識を高めようと、今回子供たちを中心にした防災キャンプを企画した。 日帰りの防災キャンプで、当日は、田中地区にある2カ所の児童館に集合する。地区の子供たちは各児童館から約3キロ歩いて、市指定の避難所を目指す。避難所は角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校、S高等学校(同市作谷、旧筑波西中学校)だ。今回のイベントに地域を応援する趣旨からも賛同を得た。 避難所ではアルミ缶でご飯を炊いたり、簡単な調理をするなどサバイバル調理体験を行う。市販の食べられる食器なども用い、SDGs(持続可能な開発目標)にも沿った活動をしていきたいという。昼食後は、スタート地点とは別の児童館へ戻るコースをたどる。 松崎さんは同校はじめ、地域住民、消防団、行政、警察署などを一人で回り、開催にこぎつけた。 今後の展望として「2回目は地区長をいれた形で大人版のイベントを行っていきたい。地元に限らず、防災に対する啓蒙をしていきたい」と述べ、今回の事業が各地域のモデルになればと抱負を語る。(榎田智司)
新年の抱負の代わりに《ことばのおはなし》53
2023年1月5日
【コラム・山口絹記】新年あけましておめでとうございます。 ということで、この時期になりますと、“新年の抱負”なんてことばを見聞きしますね。三が日の最終日に、この記事を外出先であわてて書いているような、いわゆる計画性が根本的に欠如している私からしてみれば、年単位の計画など絵空事なわけです。 今回は計画性のない私が、新年の抱負を述べる代わりにやっていることをご紹介したいと思います。よく見聞きするライフハック(仕事術)に、“何事もリスト化する”というものがございますね。ですがこのリスト、実現する前にだいたいどこかにいってしまうんです。こういったハイエンド(高性能)かつ整然とした暮らしというのは、計画性のない人間にとっては無縁なのでしょう。 そこで、私が代わりに提唱したいのが、紙とペンを持って喫茶店に行くこと。コーヒーでもジュースでもなんでもよいのですが、注文して飲み終わる前にやってみたいことを書き出しましょう。そして、店を出る前にその中から何か一つ選んで、その足で必要なものを買いに行くわけです。英会話の参考書でもよいですし、フルサイズの電子ピアノでもよいでしょう。 生活が崩壊しない範囲で清水の舞台からダイブするわけです。短絡的ですが、何と言われようと何も始めずにまた1年を過ごすよりは幾分かマシだと思うんですね。メモのなくなる暇を与えないというのがミソでございます。 大切なのは自分の直感を信じて速攻即決することと、へたにネット検索しないこと。まったく新しい物事に挑戦するにあたって、事前調査というものはほとんど役に立つことがありません。つまるところ、やってみなければ何もわかりません。 必要なのは、失敗する覚悟と勇気。そして転んでしまってもタダでは立ち上がらない気合です。精神論かよ、と言われてしまいそうなのですが、精神論なんですね。 セレンディピティ、プランド・ハプスタンス このままですと、新年早々なんとも無責任なことばかり言い放っているだけになってしまうので、二つ、面白いことばを紹介しましょう。 一つはセレンディピティということばです。ざっくり説明すると、「何かを探している過程において、別の何か面白いものを発見してしまうこと」です。本屋さんでお目当ての本を探す途中でとんでもなく面白い本を見つけてしまう、みたいなものですね。 もう一つは、プランド・ハプスタンス(計画された偶発性)というものです。こちらはキャリア形成の中で「とりあえずで行動し続けていくなかで、『これは』と思えるものが見つかること」の大切さに関する理論です。 ソレっぽく横文字を並べてみたのですが、ようは「やってみようぜ」というおはなしなんですね。 自分の代わりに誰かが挑戦して、成功したり失敗したりといった経験談をいくらでも見聞きできる便利な世の中になっているわけですが、そうしてわかったのは、結局自分でやらなければ何もわからない、という端的な事実だったりするわけです。今からでも遅くはないので、喫茶店に向かってみてはいかがでしょう。(言語研究者)
新日本フィルがつくばで新春コンサート 首席オーボエ奏者、岡北斗さんインタビュー
2023年1月4日
新日本フィルハーモニー交響楽団によるニューイヤーコンサートが6日、つくば市吾妻、ノバホールで開かれる。在京オーケストラがつくばに来るのは、2019年以来3年ぶりだ。楽団員で首席オーボエ奏者の岡北斗さん(45)に意気込みを聞いた。 今回のノバホールでのプログラムは「スターウォーズ」「ハリーポッター」「となりのトトロ」など映画音楽と、正月には欠かせない「美しく青きドナウ」など親しみやすい。 指揮者は、今注目されている若手の一人、角田鋼亮(こうすけ)さん(42)が務める。角田さんは、ドラマ・映画「のだめカンタービレ」で俳優に指揮を指導していた。角田さんと岡さんは共に東京芸術大学出身。大学時代からの友人で、留学先も一緒だった。岡さん自身も「のだめ」のアニメ・映画音楽の演奏に長く関わり、のだめオーケストラで演奏してきた。 岡さんは昨年2022年8月に入団したばかり。「今、自分がメンバーになれたことは、大きな喜び。歴史ある新日本フィルでの演奏はやりがいがある」と語る。愛知県立芸術大学と東京芸術大学大学院時代の恩師で、国内では最も多くオーボエを習った小畑善昭さん(70)をはじめ、数々の名奏者が名を刻んできたからだ。岡さんも長年の新日ファンだった。「演奏を通じて、つくばの皆さんと交流できるのは、とてもうれしい」と話す。 オーボエは、ギネスブックで最も難しい楽器に認定されている木管楽器だ。理由は、音色の決定打になるリードを奏者自身が作ることにあり、常に試行錯誤が必要となる。「オーケストラの中でこそ、オーボエはいきると思っている」と岡さんは語る。 福島市生まれ。「茨城県民の皆さんのことは身近に感じる」という。小学校の音楽の授業で、オーボエを初めて知り、その響きに魅了された。中学でテニス部から吹奏楽部に移り、迷わずオーボエを手にした。愛知県立芸術大学卒、東京芸術大学大学院を修了し、ドイツに留学。帰国後は芸大フィルハーモニア管弦楽団で演奏しながら、母校の愛知県立芸術大学でも学生を指導する。昨年、試用期間を経て、入団を迎えた。 ベートーベンやブラームスが好きだという。つくばでのコンサートにあたり、浮かんできた記憶がある。2001年、岡さんは大学4年生だったが、当時愛知県立芸術大学の専任講師だった和久井仁さん(53)に誘われて、東海村に出かけた。当時愛知県内で活動中だった岡さんにとって、関東での初の本格的な仕事だった。「自分にとって、茨城県は思い出の地。またこうして茨城の地で音楽を届けられることは幸せ」と岡さんは話す。 生活は多忙だ。日々の演奏の仕事や個人練習、リード制作、後進の指導と多岐にわたる中、家庭では保護して6年目になる2匹の猫たちの存在が心の支えになっている。話が猫のこととなると、とたんに岡さんの表情はやわらかくなる。(川澄萌野) ◆「新日本フィルハーモニー交響楽団ニューイヤーコンサート2023」は1月6日(金)午後6時30分から、ノバホール(同市吾妻)で開催。開場は午後5時45分。問い合わせは電話029-852-5881(ノバホール)。
ウクライナ出身社員通し保温下着を支援 仕事始めで関彰商事 つくば
2023年1月4日
関彰商事とセキショウグループ(本社筑西市・つくば市)の「仕事始めの会」が4日、つくば市内のホテルで開かれた。ウクライナへの支援物資として日本製の保温下着160着を送ることにし、同国出身の社員コルダエヴァ・アリョーナさん(28)に目録が手渡された。 ウクライナ支援は、アリョーナさんが大使館を通じ、現地の要望を聞くことで実現した。 ロシアによる電力インフラへの攻撃のため、ウクライナでは寒い冬が続いている。気温はマイナス15度にも達し、個別の暖房設備がある地方の住宅はともかく、都市部の集合住宅ではバッテリー式のセントラルヒーティングなので、電力の供給が止まることは死活問題となる。 「今は一人でも多く助けられることが大切。日本からもさまざまな支援が届くが、保温下着はなかなか手に入らない。会社の支援に心から感謝します」とアリョーナさん。 アリョーナさんはキーウ出身。2019年に来日し、昨年、筑波大学大学院人文社会科学研究科を修了、10月に関彰商事入社した。母と妹はイギリスに避難したが、父はキーウに留まっているという。 仕事始めの会は関正樹社長による年頭訓示や、関正夫会長によるだるまの目入れ、年男年女社員への記念品贈呈などが行われ、外国籍新入社員が新年の抱負を語った。 つくば市小野崎のホテルグランド東雲を主会場に、県内外の11拠点をオンラインで結んで開催された。年頭訓示で関正樹社長は、グループ全体の目標として「ウェルビーイングカンパニーづくり」を掲げ、「幸せとは同じ志を持った人同士が支え合って生きていくこと。一人一人が精神的、肉体的、社会的に充実し、どんな課題を抱えていても前へ進んでいけるという希望を持てることが何より尊い」と説いた。また今年の景気観として「コロナのストレスから解放され、景気は間違いなく上向く。私たちの商品をお客様へ気持ちよくお届けしたい」と話した。(池田充雄)
県と市町村の連携による動物愛護《 晴狗雨dog せいこううどく 》6
2023年1月4日
【コラム・鶴田真子美】迷子犬、徘徊(はいかい)犬、捨てられた子猫、野良犬が産んだ子犬たち。茨城県動物指導センター(笠間市)には多数の犬猫が、水戸市を除く全県から収容されてきます。市町村の窓口を経て回収されてくるもの、警察からの依頼によるもの、指導センターが依頼を受けて直接捕獲をした野犬など、様々です。 収容犬猫情報は、指導センターのホームページで毎日更新されています。収容のない日もありますが、1日の頭数が7頭になる日もあります。2022年3月の「飼い主死亡による犬18頭収容」や、7月の「飼い主逮捕勾留による犬42頭収容」など、多頭飼育崩壊が続けば、一気に頭数が増えます。12月には、犬だけで160頭を超えました。 指導センターでは、未去勢の犬たちが大部屋に詰め込まれ、小競り合い、餌の奪い合い、強い犬の弱い犬いじめなどが起こります。 2019年6月には、パルボウイルスによる伝染性疾患のまん延(21年5月24日付、25日付)を理由に、指導センターが閉鎖されても、周辺市町村から犬猫が運び込まれました。指導センターに運べば引き取ってもらえる、という認識なのでしょうか。 「今、センターに入れてはダメですよ」 2022年夏、子猫の授乳室にパルボが出て、ワクチン未接種の子猫が命を落としました。そのときも、市町村は指導センターに子猫を運び込みました。私は、小美玉市の公用車に子猫を乗せて来た公務員さんを呼び止め、こう言いました。 「その子を、今、センターに入れてはダメですよ。パルボが出ているから、センターに入れると死んでしまいます。自分たちの町の動物は自分たちで解決する時代です。頑張る自治体は里親会を開き、飼い主に返還する努力をしていますよ」 公務員さんは、パルボが出ているのも知らされていませんでした。施設内での感染症の有無は、犬猫の命と健康を守るために重要な情報であるのに、県と市町村で共有されていなかったのは残念です。 県の動物愛護管理推進計画は、県と市町村の連携をうたっています。2019年の法改正では、市町村に動物愛護管理担当職員を置くよう努めることを求め、市町村による協議会設置や条例制定の際には、県は技術的な協力をすることになりました。動物行政は県だけではなく、市町村の取り組みも期待されています。(犬猫保護活動家) ➡鶴田真子美さんの過去のコラムはこちら
安全保障戦略の転換と新年度予算案 《雑記録》43
2023年1月3日
【コラム・瀧田薫】昨年12月16日、政府は「国家安全保障戦略」を閣議決定し、同24日、防衛費の大幅増を含む来年度当初予算案を閣議決定した。これは戦後日本の安全保障政策の大転換であり、憲法9条に基づく「平和国家」と「専守防衛」の国是を揺るがすものだ。 記者会見で「唐突な決定ではないか」との質問に対して、岸田首相は「国家安全保障会議(NSC)や有識者会議で意見を聞いたし、与党のプロセスも経ているので、問題はない」と答えている。国民への説明は後回しということであろう。 さて、新聞各紙はどのように報じたろうか。社説を比較読みして、以下に見出しを列記してみた(「」内が見出し、・印が小見出し)。各紙の主張、その概略を把握できると思う。 ▽茨城「信問うべき平和国家の進路」 ▽毎日「国民的議論なき大転換」・揺らぐ専守防衛・緊張緩和する外交こそ ▽朝日「平和構築欠く力への傾斜」・反撃でも日米一体化・中国にどう向き合う・説明と同意なきまま ▽読売「国力を結集し防衛体制固めよ」・反撃能力で抑止効果を高めたい・硬直的な予算を改めた・サイバー対策が急務・将来の財源は決着せず ▽日経「防衛力強化の効率的実行と説明を」・戦後安保の歴史的転換・安定財源確保進めよ ▽産経「平和守る歴史的大転換・安定財源確保し抑止力高めよ」・行動した首相評価する・国民は改革の後押しを 国会熟議と国民説明が必要 茨城、毎日、朝日の3紙は批判的論調、読売、日経、産経の3紙は肯定的論調と、ほぼ予想通り。防衛予算についても同様の論調であった。意外だったのは、安保戦略の歴史的転換を扱っているにしては、各紙とも抑えた書き方をしている、そんな印象を受けたことだ。その分、今回は軍事や外交の専門家の発言が目立った。その中からいくつか拾い出してみよう。 香田洋二氏(元海上自衛隊自衛艦隊司令官)は、大幅増となった防衛予算について現場サイドによる検討がなされた形跡がないとし、予算の無駄は本当に必要な防衛力とトレードオフの関係にあるとして、予算の中身に深刻な懸念を表明している。(朝日、12月23日付) 田中均氏(元外務審議官)は、防衛予算の拡充も必要だが、それ以上に経済、技術、エネルギーなどの国力を強化すべきだといい、さらに外交とインテリジェンス(情報の収集と分析)の役割の大きさを強調した。 藤原帰一氏(東大名誉教授・国際政治論)は、新安保戦略の本質を「日米同盟のNATO化」であると喝破した。その上で、抑止力に頼るだけの対外政策は戦争のリスクを高めるとし、外交による緊張緩和の努力が欠かせないとした。岸田政権は抑止力強化には熱心だが、外交努力が足りず、そこが危ういと藤原氏はいう。 ともかく、安全保障について次の通常国会で熟議を重ね、国民に十分に説明しなければならない。国会議員自ら超党派で勉強会を開き、専門家の知恵を借りるなどすればと思うのだが、現状の国会では無理だろう。安全保障環境を整えるための最優先課題は、「この国の国会と国連それぞれの待ったなしの改革だ」と考える国民は少なくないはずである。(茨城キリスト教大学名誉教授)
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