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2023
霞ケ浦で夏の訪れ 観光帆引き船が運航開始 土浦
2023年7月21日
霞ケ浦の夏の風物詩、観光帆引き船の運航が21日、土浦沖で始まった。土浦帆曳船保存会の操業により、七福神丸と水郷丸Ⅱが真っ白い帆を立て、霞ケ浦に浮かんだ。見学客は土浦港のラクスマリーナ(土浦市川口)から遊覧船ホワイトアイリス号に乗り、帆が上がる様子を間近で見学した。 帆引き船は1880年、霞ケ浦町(現かすみがうら市)の折本良平により考案され、当時はシラウオやワカサギ漁のために使用されていた。1960年代後半以降は、エンジンを積んだトロール船の普及により姿を消したが、71年に観光帆引き船として復活した。2018年3月には「霞ケ浦の帆引き網漁の技術」が国の無形民俗文化財に選定されている。 高さ9メートル、幅16メートルの帆は、風の強さに応じて進む仕組みだ。この日は若干の強風で、帆が広がるのに時間がかかった。見学客は「がんばれ」「諦めるな」と帆引き船にエールを送り、帆が上がる一部始終を見届けた。 昨年、ホワイトアイリス号は26回運航し、1200人近くが見学した。同市観光協会の爲我井(ためがい)智主任は「土浦市は時期的にも、いち早く観光帆引き船を楽しむことができる。夏の青空と、グリーンの霞ケ浦に浮かぶ真っ白い帆のコントラストに注目してほしい」と語る。 那珂市から来た女性は、昨年に引き続き見学船に乗船した。「人の力だけで帆を動かすのはとても大変そう」と話し「雄大な自然を楽しめるこの風景は地元では見られない。見に来たかいがあった」とした。(上田侑子) ◆土浦市の観光帆引き船は7月21日(金)〜10月15日(日)までの毎週土・日曜日、祝日に操業する。午後1時30分に土浦港から出航するホワイトアイリス号に乗って見学できる。10月1日(日)は、同市のほかに帆引き船を保有しているかすみがうら市、行方市による3市合同操業が開催される。かすみがうら市観光協会が主催し霞ケ浦帆引き船フォトコンテストも開催される予定。料金や見学方法などの問合せは土浦市観光協会(029-824-2810)へ。
「過去20、30年で最低」 霞ケ浦・北浦でワカサギ漁解禁
2023年7月21日
全国有数のワカサギ産地、霞ケ浦・北浦で21日、ワカサギ漁が解禁となった。解禁日の1隻あたりの平均漁獲量は、霞ケ浦が9.8キロと昨年の18.6キロから半減した。北浦は4.5キロと昨年の2.3キロのほぼ2倍となったが、全体として昨年の解禁日の半分の漁獲量にとどまった。 霞ケ浦・北浦のワカサギ漁獲量は低迷を続けており、昨年は年間17トンと過去20年間で最低だった。12月末まで行われる今年のワカサギ漁の見通しについて県霞ケ浦北浦水産事務所は「(現時点で)予測できない」としている。 解禁日当日の操業は、霞ケ浦が107隻(昨年は119隻)、北浦が16隻(同17隻)が出漁した。今年も各漁港を午前3時に出航し、朝5時頃まで、動力船の後方に網をいれて水中を引くトロール漁を行った。 毎年漁に出ている土浦市沖宿、常盤商店の常盤剛士さんは「過去20、30年で最低だった、3人で行って獲れたのは18キロ。こんなに少なかったことはない。大きさも3センチくらいと小さかった。原因は気候や人為的な問題を含め複合的なものではないか」と語る。 ワカサギは1995年に「茨城県の淡水魚」に選定された県を代表する魚。明治時代から、自然の風を推進力に使う帆引き船により漁獲されていたが、1960年後半頃からトロール漁に変わっていった。現在の帆引き船は全て観光用だ。 ワカサギが生息する全国の湖沼の中で、霞ケ浦・北浦は比較的温暖なことから成長が早い。特に夏にワカサギ漁ができる湖沼は全国でも珍しく、夏に獲れるワカサギは「ナツワカ」という愛称が付いている。ナツワカは1年で最も脂がのり、必須脂肪酸のEPAやDHA、カルシウムなどの栄養が豊富だ。骨も柔らかいため、天ぷらや唐揚げにして丸ごと食べられるという。(榎田智司) ◆霞ケ浦・北浦の魚が購入できる土浦市内の店は▽タイヨー土浦店(東真鍋)▽田中屋川魚店(川口)▽JA農産物直売所サンフレッシュはすの里(木田余)▽出羽屋イオン土浦店(上高津)▽佃屋(生田町)▽小松屋食品(大和町)▽箕輪名産店(大和町)▽出羽屋ピアタウン店(真鍋新町)▽出羽屋土浦駅ビルペルチ店(有明)▽常磐商店(沖宿町)
被爆者と広島の高校生が共同制作 8月4日から土浦で「原爆と人間展」
2023年7月21日
広島市の高校生が描いた原爆の絵や写真パネルを展示し、戦争の悲惨さと核兵器根絶を訴える「原爆と人間展」が、8月4日から土浦駅前、ウララビル5階の県県南生涯学習センターで催される。 同展は市民団体「土浦平和の会」が主催する。展示する絵は、広島市の高校生が被爆体験者らの証言をもとに描きあげたもの。この取り組みは1997年から行われ、昨年までに182点の絵が完成し、広島平和記念資料館が保存している。同展ではそれらの中から広島市立基町高校美術部の生徒が制作した絵の複製画40点と写真パネル40点を展示する。 土浦での展示は2005年から始まった。2021年はコロナ禍の影響で中止し、今年で18回目の開催となる。 「土浦平和の会」事務局長の近藤輝男さん(82)は「描かれた絵は、いずれも写真にも増して原爆の非人道性をリアルに描写している。被爆体験者が高齢化する中、原爆の実相を後世にどう伝えていくかが課題となっているが、被爆体験者と高校生の共同制作は次世代と描く原爆の絵として高く評価されている」と話す。 広島に原爆が投下されて78年目となる会期中の6日には、県南生涯学習センター5階の講座室で、ドキュメンタリー映画「封印された原爆報告書」と「声をあげる高校生たち」を上映する。また、土浦市が毎年広島市に派遣している平和使節団の中学生が、体験を通じて感じたことを報告する。 「封印された原爆報告書」は米国立公文書館に所蔵されている原爆被害の実態を調べた報告書がどのようなものであったか、戦後日本が被爆にどう向き合って来たのかに迫った2010年制作の作品。「声を上げる高校生たち」は、核兵器禁止条約への参加を求めて核兵器廃絶の署名活動に取り組む高校生を記録した映画で、今年完成したばかり。 近藤さんは、5月に広島で開かれたG7サミットで出された「核軍縮に関するG7広島ビジョン」に触れ、「(同ビジョンは)ロシアの核威嚇や核使用は許されないとしているが、核兵器は防衛目的の役割を果たしているとして核抑止論を正当化している。日本は唯一の被爆国で、世界に向け核廃絶の先頭に立つべき立場にありながら『核の傘』に固執し核兵器禁止条約には背を向け批准も署名もしていない」と話す。 「展示をご覧になって、核兵器の非人道性や、人類の平和と安全のためには核廃絶こそ唯一の道であることを認識し、平和な世界への思いを共有していただければ幸いです」と呼び掛ける。(田中めぐみ) ◆「2023原爆と人間展」は8月4日(金)から8日(火)まで。7日(月)は休館日。開場は午前10時から午後5時まで。入場無料。
結婚式への参列に思うこと《電動車いすから見た景色》44
2023年7月21日
【コラム・川端舞】今月末、親戚の結婚式に参列するため、故郷の群馬に帰省する。式に着ていく服を探すため、介助者と一緒にショッピングモールに行った。介助者に手伝ってもらい、いくつかドレスを試着し、気に入ったものをレンタルする。店員とのやりとりも、契約書類への記入も介助者に手伝ってもらった。 帰り道に駅に寄り、群馬までの新幹線の切符を購入。結婚式当日は、別の介助者と一緒に群馬に行き、一泊して帰ってくる予定だ。 帰省する準備をしながら、ふと考える。今の私が、自分らしい生活ができているのはなぜか。公的な介助制度も、バリアフリーな駅もほとんどなかった時代から、自分で介助者を集めて一人暮らしをし、体を張って、公共交通機関のバリアフリーを求めた障害者たちがいたからだ。 彼らが闘ってこなかったら、私は介助者と一緒に、ショッピングモールに行くことも、群馬に帰省することもできなかっただろう。それをありがたいと感じる一方、重度障害者が支援を受けながら、一人暮らしをしたり、外出することは、もっと当たり前のこととして認識される必要があるとも思う。 障害者たちが必死に闘って求めてきたものは、特別なものではなく、本来なら最初から持っているべき人間としての当たり前の権利なのだ。 心待ちにしているもう一つの結婚式 今の社会で、重度障害者が一人暮らしをすることが当たり前だとは見なされていないように、どんなに愛し合っても、家族になることを権利として認められていない人たちがいる。 友人とパートナーはもう何年も一緒に暮らし、本来ならいつ結婚してもおかしくない。しかし、2人は戸籍上の性別が同じであるため、今の法律では婚姻届を出せない。 法律が変わり、婚姻届を提出できたら、挙式するそうだ。式の招待状が来るのを、私は心待ちにしている。一方で、そもそも、戸籍上、異性同士の2人なら、互いの同意のもと婚姻届を提出すれば家族になれるのに、なぜ同性同士だと、その権利が認められないのか。 2人が無事に婚姻届を提出できた日、おそらく私は心の底から2人を祝福するだろう。ただ、それは決して特別なことではなく、人間として当たり前の権利が認められただけであることを覚えておかないとならない。 「他の人と同じ権利を行使するのが、なぜこんなにも大変なのだろうか」。そんなことを考えながら、群馬に帰省する。(障害当事者)
10代からの「スーパーサイエンスシティ」 つくば市、並木中等・茗渓学園と協定
2023年7月20日
10代から「スーパーサイエンスシティ」の担い手になってほしい―とつくば市の呼び掛けに、県立並木中等教育学校(同市並木、深澤美紀代校長)、私立茗渓学園中学校高等学校(同市稲荷前、宮﨑淳校長)が応じ、20日、3者間で協定が結ばれた。 協定締結式は、同市役所で行われ、五十嵐立青市長と両校長が協定書にサイン、森田充教育長、柳下英子市校長会会長が立ち会った。協定は「つくばスーパーサイエンスシティ」構想を推進する上で、若者の声を聴き、学生にも主体的に構想へ参画してもらうことを目的に、市が国際会議などあらゆる機会を通じ生徒たちに活動や発言の機会を提供する。スーパーサイエンスシティはAI(人工知能)やビッグデータ、モビリティーなどの未来技術を活用して地域の課題解決や活性化を目指す構想。協定締結式で五十嵐市長は「構想が想定する2030年には今の高校生は25歳になっている。少子化が進行する中で、次の世代というより、今から中心の世代として活躍してほしい」と意図を述べた。両校は今年度、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールに指定(2期目)され、これまでも市との連携・協働の取り組みを続けてきた。並木中等校では昨年7月、市の提案でインターネット投票による生徒会役員選挙が行われた。同市が実施を目指している公職選挙におけるインターネット投票の実証事業とされたが、学生の間でも「選挙への関心を深める貴重な経験になった」(西野遥香さん)という。茗渓学園はJRC(青少年赤十字)を中心にボランティア活動を展開しているが、その中でAED(自動体外式除細動器)に外国人が読み取れる操作マニュアルがないことを疑問に思った。高校3年の山本心愛さんによれば、現在翻訳中の英語版がほぼ完成しているといい、校内にとどまらず地域社会で使ってもらえるよう、市などと相談をしていきたいという。(相澤冬樹)
土浦日大、境を8回コールド ベスト8決まる【高校野球茨城’23】
2023年7月20日
第105回全国高校野球選手権茨城大会は20日、4回戦が行われた。J:COMスタジアム土浦では土浦日大が境と対戦。土浦日大は小森勇凛と藤本士生の投手2人が無安打リレーで境打線を封じ、準々決勝進出を決めた。打撃では松田陽斗が3安打4打点、塚原歩生真が2安打3打点の活躍ぶりだった。 土浦日大は2回、鈴木大和の右越え三塁打と松田のショートゴロで1点を先制。4回には後藤陽人が敵失で出塁し、松田の左前打で1点を追加した。 土浦日大の先発小森は145キロの直球に加え、スライダーやチェンジアップなどの変化球もさえていた。「相手がまっすぐに張っていたので、変化球でうまくかわせた。変化球でカウントを整えてストレートで締めたり、追い込んでから変化球で三振を狙ったり。相手も粘り強く対応していたので、自分も相手の粘りに負けないよう心掛けた」。 小森は4回まで無安打投球、許した走者は四球による1人だけ。だが5回、先頭打者に一塁ゴロからの送球ミスで出塁され、次打者の三塁ゴロで1死二塁とされると、すかさず投手交代。藤本をマウンドへ送った。 「境打線は左打者が6人もいるので、まず左投手の小森に任せ、万全の形で藤本につなごうと考えていた。だが夏はゲームプランが変わることが多い。接戦のまま中盤の攻防を迎え、ここでの1点が試合を大きく動かすと思った。こういう場面を救うのもまたエースの役割」と小菅勲監督。 藤本は最初の打者を内野ゴロに打ち取り2死三塁、次打者はショートゴロでこの回を乗り切った。最終的に藤本は打者11人を相手に無安打無四球、3三振に抑えている。 土浦日大の追加点は6回。先頭の香取蒼太が三塁線を抜く二塁打を放つと、続く鈴木大和の送りバントは三塁手のエラーでセーフ。盗塁で無死二・三塁とし、またも打席には松田。「相手は球速もあり、まっすぐが手元で伸びてくるいい投手だと思ったが、自分は2打席とも打てていたし、ランナーもたまっていたのでなんとか返したかった」。ここは変化球が来ると予想し、2球目の低めのスライダーを強振。中越えの三塁打となり2点を奪った。 この回はさらに1死三塁から塚原歩生真の右翼への犠飛で1点を追加。8回にも塚原の左越え二塁打で走者2人が還り、8-0でコールドゲームが成立した。「うちは前試合の大量得点(対勝田、18-0)のせいか、打線から粘り強さが消えていたが、今日の接戦で途中から粘りを取り戻した」と小菅監督。 「チャンスでチームに貢献でき、心の面で自信になった」と殊勲の松田。春大会の決勝では打てずに悔しい思いをしたので、基本に立ち返り、素振りを続けることでバッティングの質を高めてきた。「トーナメントは負けたら終わりなので勝つことにこだわり、今後も目の前の試合を一つずつ、チームのために戦っていきたい」と話す。(池田充雄)
常総、つくば秀英敗れる【高校野球茨城’23】
2023年7月20日
第105回全国高校野球選手権茨城大会は大会10日目の20日、4回戦8試合が行われ、ベスト8が決まった。土浦・つくば勢は、春の県大会で優勝し関東大会で4強入りを果たした常総学院が3- 5で茨城に敗れた。つくば秀英は1-5で一昨年の覇者、鹿島学園に敗れ、準々決勝進出はならなかった。一方、霞ケ浦は8-1で水戸一にコールド勝ち、土浦湖北は5-3で藤代を破り、土浦日大は7-0で境にコールド勝ちし、ベスト8に進んだ。 つくば秀英は鹿島学園を上回る10安打を放つも、12残塁と、あと1本が出なかった。つくば秀英の先発、武蔵空良は立ち上がり、制球が定まらず、2死満塁から押し出し死球で先制点を許す。その裏つくば秀英は、今大会ここまで無失点の鹿島学園エース中根健太郎から、先頭の木村永遠が三塁打で出塁すると、2死後、松村敬太が左中間への二塁打で同点とする。 しかし2回、3回に1点づつ追加され、3−1とリードされる。つくば秀英は3回に先頭の木村永遠が左中間への本塁打を放ち1点差に迫るが、ホームベース踏み忘れによりアウトとなり、幻のホームランとなった。 4回からマウンドに上がった2番手、五十嵐大晟は、6回に2死後、死球と連打で2点を追加され、リードを4点に広げられる。打線は6回と7回に2死満塁の好機をつくり出すが、後続が凡退し無得点に終わると、9回は、8回から再びマウンドに上がった鹿島学園のエース中根に三者凡退に抑えられ、1-5で敗れた。 つくば秀英の桜井健監督は「前半ミスが出て、選手たちの準備も含めて焦らせてしまった。立ち上がりがうまくいかなかった時に立て直すことができなくて、うちがやりたい野球を相手にされてしまった。リズムに乗れず2アウトから点を取られたり、ミス絡みで点を取られたのが敗因。チャンスはつくれたがリードされていてのチャンスだったので、焦りや相手投手に上手く交わされてしまった。木村の幻のホームランは勢いや流れ以上に大きなダメージをくらった」と敗因を語った。 池内航主将は「自分たちの力不足。チャンスをつくった中、あと1本が出なかったのが悔しい」と話し「これまでいろんなことがあって、むちゃくちゃ苦しい思い、悔しい思いがあったが、学校の方々、監督、たくさん応援に来てくれた方々、どんなことがあっても支えてくれた両親に感謝している。このチームのキャプテンをすることが出来て本当に良かった」と涙しながら感謝の言葉を述べた。(高橋浩一) ◆20日の土浦・つくば勢の試合結果は以下の通り。 …………………………………………………………………… …………………………………………………………………… ……………………………………………………………………
アメリカナマズを四川料理に ガチ中華で食事会【桜川と共に】7
2023年7月20日
桜川漁業協同組合が主催し7月上旬につくば市や土浦市の桜川で開かれた「特定外来魚釣り大会」(7月16日付)。一般参加者が釣り上げたアメリカナマズ3匹をつくば市在住の医療通訳士、松永悠さんがもらい受け、市内の中華料理店に持ち込んだ。調理を頼んだのはつくば市天久保にある中華料理店「麻辣(マーラー)十食」。オープンして1年ばかり。つくばではまだ珍しい、日本人向けにアレンジしない、いわゆる「ガチ中華」の店だ。 四川料理が専門。筑波大学大学院出身の元留学生が経営する。当初都内での出店を考えていたが、コロナ禍だったこともあり、ゆかりのあるつくば市に店を構えた。メニューには霞ケ浦で捕れたコイを数十種類の香辛料で調理した料理もある。四川省は海に面していない内陸部であることから、主に川魚を食べる食文化を持ち、ナマズやハクレン、フナやコイなどを香辛料で調理する料理が数多くある。 桜川のアメリカナマズを料理 松永さんの呼び掛けで、ナマズ料理を含む本格四川のコースを楽しもうと東京や千葉から参加者10人が集まった。牛肉を使った前菜「夫婦肺片(フーチーフェイピェン)」や「麻婆豆腐」、「回鍋肉(ホイコーロー)」などの四川料理と共に、桜川のアメリカナマズを使った3品「辣子鯰魚(ラーズーニエンユー)」、「酸辣鯰魚(サンラーニエンユー)」、「豆鼓鯰魚(ドウグーニエンユー)」が並んだ。 「辣子鯰魚」はナマズをカリっと揚げて唐辛子と花椒(ホアジャオ)で作った麻辣で味付けした料理。見た目から辛そうだがそれほど辛くはなく、花椒のさわやかな香りとナッツの香ばしさがナマズのから揚げにマッチしている。「酸辣鯰魚」はナマズを蒸して酸味と甘みのあるソースをかけた料理。淡白なナマズの身がふっくらとしていて、ソースがナマズをひきたてる。「豆鼓鯰魚」は発酵した黒豆の調味料を使った蒸し料理で、酸辣とは違った深い旨味とコクがあるソース。これもナマズによく合っていた。 食事会に参加した都内在住の西岳晴さんは、仕事で広東省深圳(シンセン)市に4年間住んでいたことがある。かつて食べていたような本格中華を求めて参加した。桜川のアメリカナマズ料理について「中国で食べた雷魚などの川魚よりこちらの方がおいしく感じる」と驚きを語る。 コースを食べ終わると総料理長の羅彬(ラヒン)さん(44)が姿を見せ、参加者から拍手を受けた。桜川のアメリカナマズは「使えます。おいしいです」と言う羅彬さん。メニュー制作の顧問をする孫麗(ソンレイ)さん(37)は「四川料理の香辛料と技法を使えば、ナマズもいろいろな美味しい料理に変身できる。ハクレンも適した調理法を使えば本当においしい魚。地元の野菜、魚、お肉を取り入れて、地産地消に尽力したい」と話す。 桜川漁協(つくば市松塚)の鈴木清次組合長は「野生のナマズなので、毎日何匹捕れると確約できるものではないが、1匹いくらでも売れるのであれば売りたい」と期待する。仕事の傍ら都内のガチ中華の店を食べ歩き、インターネットで紹介している松永さんは「麻辣十食は都内の店に全くひけを取らないと感じ、ナマズ料理をお願いした。地元のガチ中華店から地域課題の解決につながれば」と話す。アメリカナマズやハクレンの四川料理への活用に期待が膨らむ。(田中めぐみ) ➡連載企画【桜川と共に】の過去記事はこちら
筑波実験植物園 季節の花を楽しむ《ご近所スケッチ》5
2023年7月20日
【コラム・川浪せつ子】筑波実験植物園の正式名は国立科学博物館 筑波実験植物園です。上野にある国立科学博物館が本館で、つくば市にあるのは植物関連の分館。こんな素晴らしい施設が近くにあるのは驚きです。 四季折々お散歩してもいいし、お花の季節にはそれぞれの草花に会いに行きたくなります。私のお気に入りは上のイラストの水生植物園。それから温室です。行ったこともないサバンナや熱帯雨林。「どこでもドア」を開けて入り込んだ気分になります。 また色々なイベントがあるので、それに合わせて訪問します。NHKの朝ドラで、今、植物学者「牧野富太郎」博士の人生を元にしたドラマが放映されています。筑波実験植物園でも4月末から6月初めまでミニ企画展「牧野富太郎 植物を観る眼」が開催されていました。早々に見てきました。 牧野博士は今風のイケメン? ミニ企画ということでしたが、とても充実した展示でした。レプリカではありましたが、先生の線画のスケッチは素晴らしいものでした。色は付いていないのに、色を感じさせてしまう描写。つくづく「線に命が宿る」と。特別に植物学を専門学校で学んだわけでなく、絵も誰かに習ったわけでないのに、驚異的ですよね。 展示を見ていたとき、2人の女性の会話が聞こえてきました。「ね、ねぇ。こっち見て! 牧野先生の若いころの写真あるから」「あら~! 今でいうジャニーズ系のイケメンじゃない~」。まさしく! その後、知り合いの方々にこの話をしたら大うけでした。気になる方はネットで見てくださいね。(イラストレーター)
つくばから世界へ リコーダー奏者、辺保陽一さんリサイタル
2023年7月19日
8月4日、ノバホール 日本を代表するリコーダー奏者で、つくば市在住の辺保(へんぼ)陽一さん(44)が同市吾妻のノバホール・ホワイエで8月4日、リサイタルを開く。リコーダー曲を中心に17世紀イギリスの音楽を奏でる。 リコーダーはバロック中期までは花形の楽器だったが、楽器の持つ音量が他の楽器に比べて小さいなどの特徴から、次第にメーンから外れていった。それでも古楽を演奏するにはなくてはならない楽器だ。小中学生の頃、だれもが吹いた経験があることから、愛好家も多い。 辺保さんは筑波大出身。現在、演奏活動のほか、茗渓学園非常勤講師を務め、リコーダー教室を開いている。 「コロナ禍ではコンサートが出来なかったばかりか、人との交流ができずにつらかった。今回、自分の育ったつくばで音楽の交流が出来る機会ができ、大変うれしい」と話し、「ルネサンス期という時代は音楽的にはとても面白い時代で、日本ではあまり有名でない作曲家の名曲がたくさんある。それらの隠れた名曲をバロック以前の音楽を得意とするリコーダーで是非とも味わってほしい」と語る。 辺保さんは宮崎県日南市出身。9歳の時、父親の仕事で茨城県に移り住み、高校まで鹿嶋市で育った。中学、高校は清真学園管弦楽団に所属しトランペットを吹いた。祖父が物理学者だった影響で、筑波大学自然学類に入学。入学当時から吹奏楽団とリコーダー愛好者団体のブロックフレーテ同好会に所属し、物理学と音楽の二刀流生活が始まった。 筑波大吹奏楽団は団員が多く、人気のトランペットではなかなかレギュラーになれなかったこともあり、リコーダーの方が自分に向いているのではないかと、独学でリコーダーの猛練習を半年続けた。リコーダーは練習すればするほどうまくなれる楽器だった。大学2年からは月に2~3回、都内に通い、正式にレッスンを受けた。物理学の実験、音楽、アルバイトと、ハードな学生生活だったという。 大学卒業後は音楽の道を選択。プロの音楽家になるため、自分が演奏した曲を著名な演奏者の元に送るなどした。 その後、スペイン・バルセロナ市のカタルーニャ高等音楽院に留学し、尊敬する世界的リコーダー奏者ペドロ・メメルスドルフに師事した。しかし音楽大学の大学院を修了した人が学ぶレベルだったため、語学を含め大変な苦労をしたと振り返る。厳しい師の無理難題をこなし、3年目にようやく実力を認められた。 卒業後はさらに、スイス政府の奨学生としてチューリッヒ芸術大学大学院に入学、リコーダー奏者のケース・ブッケの指導を受け、最優秀の成績で卒業し、本格的な演奏活動を始めた。現在ソロ演奏のCDを2枚発売している。 辺保さんはリコーダーの魅力を「圧倒的に音色」だという。「透き通った芯のある暖かい音は命の音色」だと語る。 「私にとってリコーダーはあくまで媒体。リコーダーそのものというより、ヨーロッパの古い音楽や、深い文化の素晴らしさを伝えたい。私は他の人が演奏していないような、知られざる傑作と生涯どれだけ出合えて、聴衆の皆さんと共有できるかといつも考える。外国の人が日本の尺八を演奏するように私はヨーロッパの古い音楽を演奏するわけだが、私にとってヨーロッパの音楽はとても肌に合い、呼吸をするように自然にわかるものに感じている。音楽、広く芸術はその人の姿をありのままに映すものであり、人間の命の輝きをそのまま投影するものだと思っている。深く思考し、常に探求し、それを体現していく。『人生死ぬ以外はかすり傷』をモットーに常に走り続けていきたい」と話す。 8月4日のリサイタルは「17世紀イギリス音楽、ルネサンスリコーダーの復古と革新」をテーマに演奏する。9月15日には世界を代表するリコーダー四重奏団、オリーブコンソートと辺保さんが競演する「つくば国際リコーダー音楽祭2023・特別オープニングコンサート」を開催する。(榎田智司) ◆辺保陽一リコーダーリサイタルは、8月4日(金)午後6時30分開場、7時開演。会場はノバホール・ホワイエ。チケットは一般3000円、大学生以下2000円。チケット申し込みはhttps://tiget.net。 問い合わせはhttp//www.o-arches.comへ。 ◆つくば国際リコーダー音楽祭2023特別オープニングコンサートは、9月15日(金)午後6時30分開場、7時開演。会場はノバホール・ホワイエ。チケットは一般4000円(当日4500円)、大学生以下2500円(当日3000円)。チケット申し込みはhttps://tiget.net。問い合わせは電話029-859-5136(ナカルリコーダー教室)またはメールnakal@hotmail.co.jpへ。
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