日曜日, 4月 5, 2026

人口増加率全国1位に つくば市

総務省が26日公表した住民基本台帳に基づく人口動態及び世帯数調査によると、つくば市の2023年1月1日現在(2022年1月1日から12月31日まで1年間)の人口増加率は2.30%となり、市区部で全国1位となった。つくば市が1位になるのはデータが比較可能な1995年以降初めて。 2位は千葉県印西市の2.16%、3位は流山市の1.90%、4位は東京都豊島区の1.89%、5位は台東区の1.85%で、つくばエクスプレス(TX)沿線のつくば市、流山市、台東区の3市区が全国ベスト5のうちの3つを占めた。 つくば市統計・データ利活用推進室によると、同市の人口増加率は2016年以降、1.5%前後の増加と堅調に推移してきた。特に沿線の区画整理事業が完了し宅地分譲が本格化しているここ数年は増加率が全国トップ10に入っており、2020年(2019年1-12月)の人口増加率は1.64%で全国9位、21年(20年1-12月)は1.75%で4位、22年(21年1-12月)は1.96%で2位となり年々順位が上がっていた。 人口増の主な要因について同市は、子育て世帯がTX駅近辺に転入を続けていることのほか、特に新型コロナの影響で控えられていた国外からの外国人の転入が、2022年中に再び活性化したことによる一時的な影響も大きいと分析している。 五十嵐立青市長は「転入超過数が2年連続、一般市で全国最多となったことに加え、人口増加率も全国1位となったことは、つくば市が選ばれるまちとなっていることが数字で示されており意義がある」とし「ランキングに一喜一憂することなく、持続可能で包摂的な都市を市民と共につくる努力を続けていく」とのコメントを発表した。 同市の人口は、合併してつくば市が誕生した1987年は11万人だったが、TXが開通した2005年は19万人になり、08年には20万人を超過、22年6月に25万人を突破した。今年7月1日現在の人口は25万5152人となっている。

たくましい農家の女性《菜園の輪》13

【コラム・古家晴美】今回は、つくば市北部の農村に住む沢辺賢子(たかこ)さん(78)にお話をうかがった。50年前に玉里村(現小美玉市)の農家から嫁いで来た。当時、舅(しゅうと)と姑(しゅうとめ)は、主に稲作と養蚕を営む農家で、自分たち息子夫婦はその手伝いをしながら、養豚やシイタケ栽培に取り組んでいた。 そして、その後約30年間は、バラを中心に栽培してきた。しかし、温室の燃料費高騰などもあり、バラ園は今年2月に閉園し、後継者である息子さんはブドウを栽培している。 専業農家の現役主婦の活躍ぶりには、頭が下がる。賢子さんがバラ園で働いていた2月までの生活は多忙を極めた。バラの作業にいつも追われ、近所の人とも長話もできず、家事と仕事の合間の時間に自家用畑の面倒を見ていた。 出荷前日の月・水・土の1日のスケジュールを振り返ると、朝6時に起床し、夫婦の朝食の準備、8時から花切り開始。12時に昼食の準備、13時半くらいからずっと花を束ねている。週末以外の18時には、家族の夕食の準備を始めなければならない。 大人ばかり7人の大家族の食事では、1日8合の米を食べきる。それに伴う大量のおかず作りも一仕事だ。朝からずっと花の作業と家事に付きっ切りとなり、息つく暇もない。 そして、日・火・木の花の出荷が終わる午前10時からお昼頃を、賢子さんは自家用畑の作業時間に当てていた。この地域では、自家用野菜を作る畑を「〇〇の畑」と地名で呼ぶ以外に、「ソトヤラ」(外谷和原)とも言うとのこと。 賢子さんは、5畝(せ=500平方メートル)の畑を1人で面倒を見ている。舅の手伝いをしながら、畑仕事を覚えた。姑は養蚕にかかりきりになっていたので、舅が自家用野菜を栽培していたのだ。賢子さんが本格的に作り始めたのは、舅が他界してからのことだ。 干し柿、こんにゃく、たくあんも 今の季節は、ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、インゲン豆、ジャガイモ、白瓜、玉ねぎ、トウモロコシなどが食べ頃だ。また、仏壇に供えるための百日草、ダリア、グラジオラス、ホオズキも大輪を咲かせ、実をつけている。 畑の中央の小梅と南高梅、柿の木の根元には、こんにゃくが青々とした葉を茂らせている。去年は梅干を10キロ漬けた。今年は干し柿とこんにゃくを作る予定だ。冬になれば、大根35キロをたくあん漬けにする。大根の運搬を除けば、すべて1人でこなす作業だ。 賢子さんにしても、他界されたお姑さんにしても、農家の女性は、まさしく「縁の下の力持ち」だ。たくましい。(筑波学院大学教授)

障害者が遠隔操作するロボット接客 つくば市 就労可能性探る実証実験

つくば市で今月から、障害者が遠隔地で操作する分身ロボットによる接客などの実証実験が始まった。コーヒーファクトリー「スタートアップカフェ」(同市吾妻)では飲食物の配膳や来店者との会話を、市立中央図書館(同所)では絵本の読み聞かせを、全国各地の障害者や筑波大学に在籍する障害のある学生がロボットを通して行う。同市は昨年度、筑波大学の実証調査に協力する形で、同様の調査を約3週間実施したが、今回は5カ月間にわたり、障害のある市民などの就労可能性を検証する。 ロボットはオリィ研究所(東京・日本橋)の開発による「OriHime(オリヒメ)」。遠隔操作によって人の「分身」として働く。今回の実証実験では、体調などの面から週に数時間しか就労できない障害者数人が1台の分身ロボットを交代で操作する。 障害者雇用促進法は、事業主に障害者を一定数以上雇用する義務を課しているが、その対象は週20時間以上働ける障害者となっており、より短時間しか働けない重度障害者は雇用実績に換算されない。市科学技術戦略課の大垣博文課長補佐は、「ロボット1台の稼働時間を労働者1名の労働時間に読み替えることで、短時間労働の障害者も雇用率に算定できないか検証したい」と話す。 様々な人と会話しながら働く 20日から始まった実験で、筑波大学社会・国際学群1年のきなこさん(18)は24日、カフェで初めて働いた。 体長23センチほどの分身ロボットが乗るワゴンに、店員が「テーブル2番にレモンアイスコーヒーをお願いします」と商品を置くと、「わかりました」とロボットからきなこさんの声が聞こえてきた。自宅にいるきなこさんが遠隔操作でワゴンを動かし、テーブル席まで運んでいるのだ。 ワゴンが近づくと、客が商品と、必要に応じて紙ナプキンなどを受け取る。きなこさんが「シロップが下に溜まりやすいので、かき混ぜてお飲みください」と声をかけ、ロボットはカウンターに戻った。 普段、きなこさんは車椅子で生活する。以前から、様々な人と会話しながら働く接客業に興味があり、アルバイトを探していたが、車椅子での通勤や立ち仕事が不安で、実際に働いたことはないという。リモートでの接客なら、自分に合った働き方ができると思い、今回参加した。「将来は、いろんな人とお話しできる仕事に就きたい。今回の実証実験が、私自身の経験になると同時に、移動に困難があっても、このような形で働けることを多くの人に知ってもらうきっかけになるといい」 きなこさんからコーヒーを受け取った男性客は「最初は戸惑ったが、スムーズにコーヒーを受け取れた。障害のある人も働ける場がもっと広がればいい」と話した。 今回の実証実験に参加する筑波大生は、きなこさんのほか、運動障害や発達障害のある学生5人。 働く経験で高まる「自己効力感」 障害のある大学生が実証実験に参加する意義について、筑波大学人間系の大村美保助教は、「多くの大学生は飲食店などの接客業でアルバイトすることで、様々な年代や職種の人と関わり、社会を知る機会になる。しかし、運動障害のある学生が同様のアルバイトをするのは難しい。今回、このような形で働くことは、社会との接点になるだけでなく、他の大学生と同じ経験をすることで自信にもなるだろう」と話す。 昨年度の実証実験では、分身ロボットによる短時間アルバイトを通して、障害のある学生の「自己効力感」や職業に対する関心が高まったという。大村助教は「今回、より長い期間、働く経験をすることは、その後、学生たちがキャリア形成をしていく上で役立つだろう」と期待する。(川端舞) ●コーヒーファクトリーでは、11月24日(金)までの期間、11時30分から13時30分は全国各地の障害者が、15時30分から16時30分は筑波大の障害学生が接客等をする。11月27日(月)から12月20日(水)は、11時30分から13時30分で、全国各地の障害者のみが行う。いずれも土日祝日と、8月14日(月)から18日(金)は除く。 ●市中央図書館では、9月7日(木)まで毎週木曜日、10時30分から15分間、以前、保育士をしていたが障害のために働けなくなった人たちがOriHimeを通じ、絵本の読み聞かせをする。

66人に還付通知を誤発送 市県民税983万円分を二重計上 つくば市

スマートフォンやパソコンを使って納税できる「地方税共通収納システム」を利用して7月につくば市に納付があった66人分の市県民税について、同市は24日、納め過ぎた市県民税を返還するので請求してほしいという内容の過誤納金還付通知書を、66人に誤って発送してしまったと発表した。誤発送した還付金額は計983万800円になる。 市納税課によると、今月10日に市に納税情報の通知があった66人分について、市職員がシステム操作を誤り、二重に納付した状態となった。職員が作業の途中で別の電話対応や窓口対応を行い、ミスが発生したと見られるという。 還付通知書は14日と18日、66人に発送した。その後20日、課内でチェックをしたところミスが分かり、同課は66人に対し、経緯を記載したお詫びの文書を送付した。一方、24日までに7人から電話で「2回払った覚えはない」などの問い合わせがあり、7人に対し経緯を説明の上、謝罪した。実際に還付金の支払いはないという。 再発防止策として同課は、複数の職員で確認を行うなどチェック体制を強化するほか、納税情報の二重計上ができないよう、地方税共有納税システムに連動する市の収納システムの改修を実施するとしている。

軽自動車税7739件の納税情報送信ミス つくば市 車検で確認できず

軽自動車や原付バイクなどを所有する住民がつくば市に納付した軽自動車税のうち、5月下旬に納付があった7739件分について、同市は24日、軽自動車検査協会がオンラインで納付情報を確認できる「軽JNKS(軽ジェンクス)」というシステムに、市職員が納税情報を送信するのを怠るミスがあり、今月21日に実施された車検の際に同協会が納税情報をシステム上で確認することができなかったと発表した。同日、車検代行業者から指摘があり、ミスが判明した。 軽JNKSは、地方自治体などが共同運営する地方税共同機構が今年1月から運用を開始したシステムで、納付情報をシステムに送信し共有することで、車検の検査窓口で納税証明書の提示が不要になる。 市納税課によると7739件は、5月30日に金融機関などから市に納付通知があった軽自動車税で、納税の処理作業をした市職員が、軽JNKSに情報を送信するためのフォルダーに納税情報を入れ忘れたのが原因という。職員が作業の途中で別の電話対応や窓口対応を行い、ミスが発生したとみられるという。 7739件についてはミス判明後、軽JNKSに納税情報を送信した。一方、納税情報がシステムに反映されるまでに数日かかることから、同課は、25日までに車検を受ける車両について、納税確認が取れない場合、軽自動車検査協会から市に連絡を入れてもらい、市職員がその都度、車両の車検用納付証明書を同市島名の同協会に届けることで対応するとしている。 再発防止策として同課は、複数の職員で確認するなどチェック体制をより強化すると共に、軽JNKSに納付情報を送信したかどうかを確認できるようシステムを改修するとしている。

エマニュエル・シャメルトさん《続・平熱日記》138

【コラム・斉藤裕之】「パパ、前の家に飾ってあったカッパの絵、あれすごく好きだったんだけど、どこにある?」と次女に聞かれたのはそう前のことではない。そういえばどこに片付けたのだろう? それは何かのポスターの裏側に墨で描かれたカッパの絵。描いたのはエマニュエル・シャメルト。私が大学院にいるときに、彼は留学生として研究室にやって来た。当時、ヨーロッパからの留学生は珍しかった。ハンサム(本当にアランドロン系)でフレンドリーなフランス人。そして、私がフランスに行くきっかけを作ってくれた人。 エマニュエルとの思い出はたくさんある。チェスや将棋、大学の中庭でサッカーをしたり、お酒を飲んだり。トレビアンなポトフを作ってくれたことも。もちろん、彼の描く絵、作るオブジェ、そして好んで作っていたエッチングはとても記憶に残っている。彼の描く絵は一見すると子供が描いたもののように見える。 また、廃材や日用品を画面に張り付けていくアッサンブラージュ(掃除機が張り付けてあったときはさすがに驚いた)の作品。毎日、アトリエで増殖していく、例えば、木の端材を積み上げてペイントしていくようなオブジェなど、とにかくエネルギッシュで屈託がない作品の数々。しかし、そこには彼のエスプリが込められていて、何とも言えない魅力を感じる。 そんな彼と触れているうちに、何となくフランスという国に興味を持ち、やがて私は留学を決意する。エマニュエルには美人で聡明なリリアンさんという許嫁(いいなずけ)がいて、彼女もやがて東大に留学してくるのだが、博士課程まで在籍した彼は長く充実した日本での留学を終えて、私の帰国とほぼ入れ違うように彼女とフランスに帰って行った。 その後リリアンさんとの間に女の子が生まれ、「僕は子供のミルク代を稼ぎに行かなくてはならない…」というような漢字とジョークがたっぷり入った手紙を最後に、しばらく連絡を取ることもしなくなってしまった。 What a wonderful artist, … 先日、彼の訃報に触れた。彼は4年前に亡くなっていた。そしてこのたび、彼の個展を開いていた当時神宮前にあった兒嶋画廊さん(現在は国分寺市)で、8月6日まで「メモリアルエキシビション エマニュエル・シャメルト展」が開かれるとを知った。その副題は「What a wonderful artist, we’ll never forget」。(「なんて素晴らしいアーティストなんだろう、私たちは決して忘れない」※訳は編集者による) 彼の人柄と作品を好きだった多くの友人知人の協力によって開かれるという。生涯エマニュエルは絵を教えることを避け、長いものに巻かれることなく、ひとりのアーティストとして制作を続けたそうだ。 そう思って家の中を探してみた。そうだ、あのカッパは芥川龍之介のカッパだ…。でもやっぱり見つからない。とにかく、次女を誘って彼の作品に会いに行くとしよう。きっとエマニュエルはウィンクで出迎えてくれるだろうから。 追記。私はエマニュエルが好んで描いたモチーフのひとつ「電車」を描くことにした。彼はなぜか1両だけを描いた。それによく似た電車(正確にはディーゼル)を学校に行く途中で見かけることがあるのでそれを描いてみた。(画家)

土浦日大は2年連続決勝進出【高校野球茨城’23】

第105回全国高校野球選手権茨城大会は24日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝が行われ、第2試合では土浦日大が逆転で常磐大高を6ー2で下した。土浦日大が決勝に駒を進めるのは2年連続。26日の決勝で、霞ケ浦と対戦する。両校が決勝でぶつかるのは2017年以来6年ぶり。 土浦日大は初回、相手先頭打者のソロホームランで1点を失い、2回にも3安打で1点を追加されるという苦しい立ち上がり。だが3回、2死から鈴木大和、太刀川幸輝、後藤陽人、香取蒼太の4連打で2点を返し、同点とする。 4回には無死満塁の好機から、相手投手の暴投で1点を追加、藤本士生のスクイズと鈴木の内野ゴロで2点をもぎ取り、5-2とリードを伸ばした。9回には後藤が右翼席へ運びダメ押しの1点を追加している。「つなぐ気持ちで打席に入った結果がホームランになった。打ったのはまっすぐ。打った瞬間から入る確信はあった」と後藤。 「前半は苦しんだが打線がカバーしてくれた。先発の小森勇凛はゲームを作れず、藤本も立ち上がりは良くなかったが粘り強く投げてくれた。小森には決勝でまた頑張ってもらいたい」と小菅勲監督。 2回2死から登板した藤本は「思ったより早い出番だったが気持ちの準備はできていた。相手は小森のまっすぐをとらえる良い打線。1点が大きい場面なので冷静に行けと言われ、自分がやってきたことを信じて攻めた」と振り返る。 5回にはアクシデントもあった。主将の塚原歩生真が打席で側頭部へのデッドボールで救急車で搬出された。だが「塚原を何とかして次の試合に出させよう」とチームが一つになり、一球を大事にする自分たちのプレーを平常心で続けたという。 塚原の代わりに捕手を務めた飯田将生は「自分がリードするというより、藤本の良さを出せるようフォローする気持ちで臨んだ。練習してきた自分を信じ、仲間にも助けられた」と振り返る。相方の藤本は「飯田が本当に頑張ってくれた。練習やブルペンから信頼関係を築いていて、ずっと不安なく投げられた」との感想。 次は決勝の霞ケ浦戦。副主将の太刀川が「相手は勢いがあるしいい投手もいる。どう打ち崩すか、しっかり準備して臨みたい。苦しいときほどフォアザチームで、塁に出てチームに貢献したい」と言えば、藤本は「木村は対戦できるだけでうれしい相手。投手同士の投げ合いというより、チーム戦としてしっかり戦いたい」と発奮する。(池田充雄)

甲子園へ、まず霞ケ浦が王手【高校野球茨城’23】

第105回全国高校野球選手権茨城大会は24日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われ、霞ケ浦と土浦日大がともに逆転勝ちで決勝へ進んだ。霞ケ浦は4年ぶり3度目、土浦日大は5年ぶり5度目の夏の甲子園出場をかけた戦いとなる。両チームが決勝でぶつかるのは2017年以来6年ぶり。決勝は26日に同球場で行われる。 第1試合はノーシードから連覇を目指し、勝ち上がってきた明秀日立と大黒柱木村優人を押し立てた霞ケ浦が激突。霞ケ浦は1回、2死から菅谷冴樹が四球で出塁、木村の左前打などで二・三塁とし、羽成朔太郎の中前打で1点を先制した。 4回と6回に1点ずつ奪われ逆転されるが、6回裏に再逆転を果たした。新保玖和の左前打と菅谷の四球、木村の申告敬遠で1死満塁とすると、羽成朔の内野ゴロで2-2。途中出場の四條好誠が左翼線への適時打を放ち、3-2とした。 四條は6回表に守備固めで入った。「悪い流れになっていたので、自分が入ったことで雰囲気を変えようと思った」。その裏の打席では「勝ち越し点が欲しい場面。チャンスなので楽しんでいこうと打席に入った」。追い込まれても簡単に三振しないという意識でファールで粘り、フルカウントからの7球目、真ん中インコース寄りのストレートを思いきり振っていった。 7回には1死二・三塁の好機、まずはスクイズで1点を狙うが外され、走者が三本間で憤死。だが次打者、途中出場の前田虎太郎の内野ゴロが相手のファンブルを誘い、その間に新保が生還、1点を追加した。 投手は木村が先発完投。139球を投げて被安打4、奪三振は10。「股関節の踏ん張りがきかず手投げになっていたが、力を入れると球が上ずってしまうところを、彼のセンスで抑えて投げてくれた」と高橋祐二監督の評。 8回には二塁打と四球で無死一・二塁とされ、次打者にはフルカウントからファウル7球で粘られるが、二ゴロのダブルプレーで打ち取った。「絶対に1点以内で抑えたいと思い、その気持ちが相手を上回り、野手も応えてくれた」と木村。 新保主将は「明秀に勝ててうれしい。試合の入りでは細かくしっかりつないでいく野球をして、しんどかったが相手のミスもあり、チームメイクがしっかりできた。決勝も勝って高橋監督を胴上げし、甲子園では校歌を歌いたい」と目標を掲げた。(池田充雄)

福島県小名浜で「汚染水を海へ流すな!」集会《邑から日本を見る》140

【コラム・先﨑千尋】17日に福島県いわき市の小名浜マリンパークで開かれた海の日アクション2023「汚染水を海へ流すな!」に参加した。この集会は「これ以上海を汚すな!市民会議」と「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」が主催して開かれた。集会には、福島第1原発事故による汚染水の海洋放出に反対する地元の漁業関係者や専門家など県内外から約300人が参加し、集会後に小名浜漁港周辺をパレードした。 最初に同市民会議共同代表の織田千代さんが「海は、数えきれない命のかたまり。なぜ政府は汚染水の海洋放出を急ぐのか。薄めないと流せないということは汚染されているということだ。汚染水が流されたら、次の世代、その先の人たちに汚染された海を手渡すことになる。豊かな海の恵みに包まれている私たちの暮らしを忘れず、影響を抑えようと努力してきたことを無駄にしないために、海洋放出をストップさせよう」と訴えた。 続いて、小名浜機船底曳網漁協の柳内孝之専務理事が「事故後、原発から汚染水が海に流出し、福島の漁業は操業を自粛せざるを得なかった。しかし、わずかでも流通させなければ福島の漁業は終わってしまうので、試験操業を始めた。沿岸漁業の水揚げ量は約5500トンと事故前の2割にとどまるが、着実に増加してきている。漁業者は復興の妨げになる海洋放出を止めてと願っているが、国と東電は『漁業者の理解なしには放出しない』という約束を破ろうとしている。そういう国と東電を私たちは信用していない。また、IAEAは我々の生活を保障してくれない。処分の仕方を再検討してほしい」と、力を込めて語った。 東京大名誉教授の鈴木譲さん(魚類免疫学・遺伝育種学)は「薄めたトリチウムでも、海に流し続けたら海洋生物にどのような影響が出るのかは誰にも分からない。海洋放出によって海の生物が真っ先に影響を受ける。とんでもないことが起こり得る。国と東電は犯罪行為を行おうとしている。海洋放出すると言っているのは犯行の予告だ」と国と東電を糾弾した。 中国中央電視台も取材 市民のリレートークでは、会津若松、郡山、いわき、福島など県内からの参加者と、東電柏崎刈羽原発のある新潟県刈羽村や中部電力浜岡原発のある静岡県御前崎市などから11人が発言。多くの人が制限時間を超えて反対の声をあげた。 大熊町から会津に避難している馬場由佳子さんは「子どものいる母親として海洋放出に反対する。国と東電は大熊町など地元の復興のために汚染水を流すと言っているが、大熊の復興って何だ。子どもを守ることが復興ではないのか。ふざけんな!」と声を詰まらせながら訴えていた。 この集会には海洋放出に反対している中国から、中国中央電視台(テレビ局)が取材に来ていた。集会後、参加者は小名浜魚市場やイオンモールの前をパレードし、買物客らに汚染水の海洋放出反対を訴えた。(元瓜連町長)

川を次世代に託す 児童らフナの放流体験【桜川と共に】8

つくば市栗原の桜川沿いの広場に10日、市立栗原小学校(同市栗原)4年生児童59人が集まり、フナの稚魚40キロを放流した。桜川漁協(鈴木清次組合長)が種苗放流事業の一環として毎年行っている放流体験学習で、今年は同市内の栗原、栄、大曽根の3小学校と秀峰筑波義務教育学校を対象に各校40キロ、計160キロのフナの稚魚を放流する。 児童らはそれぞれのバケツに稚魚を入れて桜川に入ると、「冷たい」「気持ちいい」などと言いながら並び、鈴木組合長のかけ声に合わせて一斉に放流した。稚魚は群れになって泳いでいき、「かわいい」「元気だな」と声を上げながら見送るとしばらくフナを観察していた。 鈴木組合長は「フナは1匹だと小さく見える。川に入るとカワウやアメリカナマズ、ブラックバスなどたくさんの天敵がいるので群れになって泳いで大きく見せる。上から見ると黒い保護色になっており、下から見るとおなかは白いので空の色と同じに見える」とフナの生態や特徴について説明した。 また、「昔は川がプール代わり。今はプールがあるから幸せだよね。川にも遊びに来てほしいが、危険もあるので必ず大人と一緒に来てください。桜川にはたくさんごみがある。ごみを掃除し、下水も処理して水をきれいにしたい。逆水門(常陸川水門)を作ってからシジミが全くいなくなった。昔の桜川に戻したい」などと話した。児童らは真剣に聞き入っていた。 投網の技に児童ら歓声 放流体験の後は魚の漢字クイズが行われ、「鮒」や「鮎」「鯰」などの漢字のパネルが出されると、児童らは手を挙げて楽しそうに答えていた。クイズが終わると、新潟県出身で投網歴50年以上の組合員、佐藤孝男さん(73)が広場でしゃがむ児童らの頭上に投網を打ち、投網の技を見せた。網に捕まえられた児童らは歓声を上げていた。 児童からは「フナは何を食べますか」「桜川にはフナのほかにどんな魚がいますか」などの質問が上がり、組合員らが一つひとつ丁寧に答えていた。 瀧原奏(かなで)さん(10)は「楽しかった。組合長さんのお話を聞いて川にゴミがたくさんあると知った。自分たちが桜川を守らなければと思う」と話した。近野碧音(あおと)さん(9)は「川や魚が好き。いろんな生き物を増やせるようこれから桜川をきれいにしたい」と語った。 アユとオイカワの姿も この日、稚魚を放流したのと同じ時間、同じ場所で投網を打つ組合員がおり、アユとオイカワがかかった。オイカワは天ぷらにするとよいという。かかったアユを見て、組合員らは「昔はもっとたくさんのアユやシジミが捕れた」と思い出を語った。漁協組合員らは放流学習を通じて未来を次世代に託し、かつての桜川を取り戻すことを願っている。(田中めぐみ) ■これまでの【桜川と共に】記事はこちら

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