月曜日, 4月 6, 2026

「エノコログサ」の名前の由来は? 《続・平熱日記》106

【コラム・斉藤裕之】アトリエには冬を越すために置いてある鉢が3つ。食べ終わった後の種から生えたアボカド。これは樹齢20年ぐらい。数年前に買ったレモン。それから一番古くからあるブーゲンビリア。どれも大ぶりの鉢で結構な重さがあって、背丈は40~50センチほど。 薪ストーブの近くに置いたせいか、レモンは小さな白い花をこの冬中絶え間なく咲かせていて、アボカドも大きな葉を茂らせている。ブーゲンビリアも若芽を出して元気そうだったのだが、だんだんと葉が少なくなってきた。落葉しているわけでもなく不思議に思っていたら、ある日、犬のハクが葉を食べているのを見つけた。 エノコログサという雑草がある。ネコジャラシとも呼ばれて馴染(なじ)みのある草だが、エノコロ、すなわち犬コロの尻尾に似ているところから名前が付いたといわれる。 しかし、犬は胃の中をきれいにするのにこの草を好んで食べて吐き出す。少なくとも我が家にいた犬はすべてそうだった。犬コロが好んで食べるから、エノコログサと名付けられたと私は勝手に考えている。しかし、ブーゲンビリアの葉を食べる犬は初めてだ。 まるで犬コロの常備薬 ところで、授業もそろそろ終わりに近づいてきて、毎年、最後の授業には何か気の利いた話でも一席ぶって…と思うのだが。「ありがとうございました。私のこと忘れないでね!」と言って、教室を後にする生徒たち。 多分忘れないけど、正直に言うとほとんど名前を憶えていない。ここ数年は悪気があるわけでもなく、本当に名前を覚えられないし、覚える間もなく1年が過ぎるのだ。それから、何人かは覚えているとか、逆に何人かは覚えていないというのはまずい。例えば廊下ですれ違いざまに、「私の名前覚えていますか?」と聞かれることがある。「〇村〇子!」と適当な名前を言う。 その名前があまりにも昭和過ぎて、相手も笑っている。もしもこの時2人連れだった場合、1人は覚えていて2人目目は覚えていないとなると、生徒は傷つく。教師たるもの常に公平でなくてはならない。だから誰の名前も覚えていないということにしたわけだ。 さてエノコログサは、まるで犬コロの常備薬のように、真冬でもほんの少しだけ律儀に緑の葉を残している。ハクもそれを食べてはオエオエやっている。よく見ると、昨年の穂がそのまま立ち枯れて、早春の風にそよいでいる。その形は麦に似ていて、実際に食用になると聞いたことがある。 ウクライナの小麦の穀倉地帯の地質を「黒土」と習ったことを思い出す。テストに「〇〇戦争はなぜ起こったか?」という質問があったら、「人間が愚かだから」と今なら書く。 結局、今年も最後の授業は特に何も言わずに終わってしまった。そろそろ3つの鉢も外に出そう。(画家)

公有地売却に見る「逃げ」のつくば市長《吾妻カガミ》129

【コラム・坂本栄】つくば市が総合運動公園用地跡の売却要項を発表しました。この土地をどうするかは五十嵐市長の政治案件ですが、売却の手順にはおかしな点がいくつかあります。売却に反対する市民団体は市の動きに怒り、市長解職(リコール)運動を開始しました。これから数カ月間、つくば市は騒々しくなりそうです。 事業提案(プロポーザル)方式で行われる売却の詳細やスケジュールについては、「一括売却へ10日公募開始 つくば市旧総合運動公園用地」(3月8日掲載)、「一括売却へつくば市公募開始 リコール運動へ市民団体は受任者集め…」(3月10日掲載)をご覧ください。 市民の声も議会の役割も無視 おかしな点その1は、売却が市民の支持を得ていない(市民の声から逃げている)ことです。コラム125「公有地売却に見る つくば市の牽強付会」(1月31日掲載)でも書いたように、市が行ったパブリックコメント(意見募集)では、77人のうち売却に賛成は2人、残りは反対か対案提示か分類不可でした。2択方式(賛成か非賛成)で分けると、賛成はたった3パーセントです。 パブコメではサンプルが少ないから、住民投票とか無作為アンケート調査で改めて市民の声を聴いてみよう―というのが五十嵐流だと思いますが、わずかな賛成にもかかわらず、市長は民間売却に打って出ました。きちんと調査するのが恐かったのでしょうか? おかしな点その2は、市が事実上保有する用地の売却を議会に諮らなかった(議会から逃げている)ことです。その理屈は、土地は都市開発公社(市の不動産部門)が所有し、市の帳簿に記載された財産ではないから、議会の同意はいらない―だったそうです。議会手続をきちんとするのが恐かったのでしょうか? 4年前、五十嵐市長は「大型事業の進め方に関する基本方針」をまとめ、ビックプロジェクトを進める際には「民意の適切な把握」「議会への適切な報告」をきちんとやると宣言しました。公有地処理は大型事業ではありませんが、民意把握と議会了解の大事さは同じはずです。民意と議会を無視した市長は、自分で定めた市政運営の基本を自ら捨てたようです。 市民団体が掲げる5つの罪状 五十嵐市長はどうして運動公園用地跡の売却にこだわるのでしょうか? 「五十嵐市長リコール住民投票の会」記者会見リリースに面白い数字が出ています(青字部をクリックすると出てきます)。 市長リコール団体が「罪状」として挙げているのは、①運動公園用地の民間一括売却、②センタービル改修事業の不手際、③市政を批判した元市議提訴、④市長が受領した多額の政治献金、⑤市長1期目の退職金辞退―の5点です。「エッ」と思ったのは④の金額の多さです。 茨城県選挙管理委員会に提出された政治資金収支報告書によると、2016年度(1回目の市長選挙の年)4397万円、2017年度1086万円、2018年1041万円、2019年度1440万円、2020年度(2回目の市長選の年)2651万円―だったそうです。政治資金と土地売却は何か関係があるのでしょうか?(経済ジャーナリスト)

手こぎボート、モーターボート、ヨットとの出会い 《夢実行人》6

【コラム・秋元昭臣】小学生のころの話。春になると、土浦市内を流れる桜川には色とりどりのボートが浮かび、土手には舞台もできました。花見は土手に敷物を広げて弁当。ボートをこげない母は、弟に「いつかボートに乗りたいね」と話していました。 中学生のころの話。父や友人たちが入る土浦中学(現土浦一高)ボート部が、桜川畔の貸しボート屋「鈴木ボート」で、ヨット「早風号」を打つ(作る)ことなりました。私はボート屋の兄さんと顔見知りになり、小遣いをためてボートを貸してもらいました。桜川を下り、常磐線の鉄橋をくぐりると霞ケ浦が見え、波も風も大海のようでした。 高校(土浦一高)時代の話。創立間もないヨット部に入部。当時、事業用以外の小型モーターボートは免許がなくても運転できました。弟の高校入学祝いのときに小型を借り、霞ケ浦に出たのがモーターボートの初体験でした。 大学時代の話。ボートを借り、コウモリ傘を帆代わりにして遊びました。東京からの友人が浮き輪を持って来て、「これで大丈夫かな~」には笑いました。当時、ライフジャケットは貴重品。一高ヨット部で使っていたのは、霞ケ浦海軍航空隊予科練生が着用していたお古でした。 「ま~、ボートは木製だから、転覆しても浮いている。でも、オールだけは流さないで!」。これがボート屋のアドバイスでした。そこには下駄箱があり、靴を預けて乗ったものです。乗り逃げされないためだった? 船に乗ること=家に上がること? それが作法だったのかもしれません。 家族5人でヨット「早風号」を操船 ヨット「早風号」が完成すると、鈴木ボートで父の帰りを待って、家族5人で乗りました。空冷式の小型船外機を掛けて出発。桜川から霞ケ浦に入るところで、マストを立てる作業は楽しいものでした。 コースは風により違いましたが、霞ケ浦の(土浦海軍)航空隊跡沖から引き返すのが一つのルートでした。帆は2枚あり、小さな前帆(ジブセール)は子供たちが担当。大きな帆(メンセール)は父が舵(かじ)を取りながら操っていました。今に比べたら「ヨットまがい」でしたが、当時は霞ケ浦唯一。帆は地元「香取テント」製でした。 鈴木ボートの話では、霞ケ浦で初めてヨットを走らせたのは、茨城大学農学部の先生だったそうです。「早風号」は何度も改造され、私の一高ヨット部時代も、帆走の姿を見ることができました。(元ラクスマリーナ専務)

格上げし国際都市推進課を市長公室に つくば市人事異動’22

つくば市は18日、4月1日付け組織改編と人事異動を内示した。政策強化を図る組織改編として、国内の国際交流のみならず海外の諸都市との連携を図るため、市民部市民活動課の課内室だった「国際交流室」を「国際都市推進課」に格上げし、市長公室に移設する。 内閣府国家戦略特区諮問会議からスーパーシティ特区の指定を受けたことなど、スマートシティの実現に向けた取り組みを具体化するため、政策イノベーション部の「スマートシティ戦略室」を「スマートシティ戦略課」に格上げする。 複数の部署に分かれていた子供に対する支援を一体化するため「福祉部社会福祉課こども未来室」と「こども部こども政策課子育て相談室」を統合し、こども部に「こども未来課」を新設する。 地方公営企業の上下水道事業は、組織の合理化を図るため「上下水道局」を新設する。 異動の規模は20.4%の267人(消防本部等を除く)で、前年度同様、業務の継続性を重視し、専門性、効率性を高めるため必要最低限の異動とするとしている。 4月1日付の全職員数は前年度より35人増えて2004人になる。定年退職者は51人、普通退職者は37人、新規採用職員は76人、再任用職員は134人。 女性管理職の割合は、消防本部を除き、2021年度の25%から22年度は25.3%になる。 国や県との人事交流は、引き続き文科省出身職員を政策イノベーション部長に配置する。国、県などに実務研修生6人を配置する。 任期付き職員として、学校などの特別支援教育に豊富な知識と経験がある人材を特別支援教育推進室長に配置するほか、学校にICT(情報通信技術)指導員を3人配置する。幼稚園長に、幼稚園や小中学校の現場で管理職として働いた経験のある人材5人を配置する。 国際都市推進課長に岸田和克子市長公室統括政策監 4月1日付人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。 【部長級】▽政策イノベーション部長兼市長公室政策調整監(政策イノベーション部長)森祐介▽市民部長(市民部次長)大久保克己▽福祉部長(保健部次長)安曽貞夫▽こども部長(市長公室次長兼秘書課長兼広報監)塚本浩行▽都市計画部長(都市計画部次長兼都市計画課長)大里和也▽上下水道局長(生活環境部次長)坂入善晴▽消防長(消防本部消防次長)木村勝平 【次長級】▽総務部次長(政策イノベーション部次長)杉山晃▽政策イノベーション部次長(企画経営課長)大越勝之▽市民部次長(生活環境部環境政策課長)池畑浩▽市民部地区担当監兼地区相談課長(市民部市民活動課長)大木茂樹▽市民部地区担当監・大穂相談センター所長、再任用(消防長)植木利男▽市民部地区担当監・豊里相談センター所長(生活環境部次長)野原浩司▽市民部地区担当監・谷田部相談センター所長、再任用(総務部総務政策監、再任用)藤後誠▽市民部地区担当監・桜相談センター所長(生活環境部次長)嶋崎道徳▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長(福祉部次長)吉原衛▽市民部地区担当監・茎崎相談センター駐在、再任用(財務部財務政策監、再任用)髙野正美▽福祉部次長(障害福祉課長)根本祥代▽保健部次長(福祉部高齢福祉課長)中根英明▽こども部次長(幼児保育課長)吉沼浩美▽経済部次長(都市計画部次長)岡田克己▽都市計画部次長兼都市計画政策監、再任用(都市計画部長、再任用)中根祐一▽都市計画部市街地振興監(教育局次長)貝塚厚▽生活環境部次長(市民部スポーツ振興課長)伊藤智治▽上下水道局次長(総務部次長)中泉繁美▽会計管理者(財務部次長)飯島正志▽教育局次長(教育局次長兼教育施設課長)飯泉法男▽教育局次長(経済部産業振興課長)久保田靖彦▽消防本部消防次長・消防本部担当(同・消防署担当)五月女謙次▽消防本部消防次長(消防救助課長)青木孝徳▽消防本部主任参事兼中央消防署長(消防総務課長)小島幸司▽消防本部主任参事兼消防指令課長(消防指令課長)山田和美 【課長級】▽市長公室秘書課長(秘書課長補佐)伊藤尚美▽市長公室国際都市推進課長(統括政策監兼企画監)岸田和克子▽政策イノベーション部企画経営課長(生活環境部環境政策課長補佐)横田裕治▽政策イノベーション部科学技術振興課長(科学技術振興課スタートアップ推進室長兼産業振興センター所長)前島吉亮▽政策イノベーション部スマートシティ戦略課長(科学技術振興課スマートシティ戦略室長)中山秀之▽財務部管財課公共施設マネジメント推進室長(都市計画部建築指導課長)吉田和行▽財務部納税課長兼徴税管理監(納税課長補佐兼徴税監)柳田賢一▽市民部市民活動課長(地区相談課長)荒澤浩俊▽市民部市民活動センター所長、再任用(こども部長)中山由美▽市民部大穂窓口センター所長(文化芸術課長)日下由美子▽市民部豊里窓口センター所長(豊里窓口センター所長、課長補佐級)伊藤紀子▽市民部谷田部窓口センター所長(経済部農業政策課長)垣内伸之▽市民部桜窓口センター所長(大穂窓口センター所長)中川和子▽市民部筑波窓口センター所長(教育局生涯学習推進課長)大久保文子▽市民部茎崎窓口センター所長(谷田部窓口センター所長)宮本孝雄▽市民部副地区担当監、大穂相談センター駐在(オンブズマン事務局長)栗山正行▽市民部副地区担当監、大穂相談センター駐在(保健部国民健康保険課長)木澤伸治▽市民部副地区担当監、谷田部相談センター駐在(建設部道路管理課長)色川英雄▽市民部副地区担当監、桜相談センター駐在(大穂相談センター駐在)渡辺寛明▽市民部副地区担当監、筑波相談センター駐在(桜相談センター駐在)御田寺義郎▽市民部副地区担当監、筑波相談センター駐在(福祉部社会福祉課長)安田正幸▽市民部スポーツ振興課長(政策イノベーション部科学技術振興課長) 岡野渡▽市民部スポーツ振興課参事、つくば市スポーツ協会派遣、再任用(市民部長)横田修一▽市民部文化芸術課長(文化芸術課長補佐兼係長)矢口治重▽福祉部社会福祉課長兼非課税世帯等給付金室長(社会福祉課長補佐兼係長兼非課税世帯等給付金室長)相澤幸男▽福祉部障害福祉課長(障害福祉課長補佐)岡田治美▽福祉部高齢福祉課長(医療年金課長)日下永一▽保健部国民健康保険課長(社会福祉課長補佐兼企画監)飯村修▽保健部医療年金課長(医療年金課長補佐)城取美知枝▽保健部健康増進課感染症対策室長(こども部こども政策課長)美野本玲子▽保健部健康増進課新型コロナウイルスワクチン接種対策室長(中央図書館副館長兼視聴覚センター所長)松浦智恵子▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長、再任用(福祉部長)津野義章▽こども部こども政策課長(保健部健康増進課長補佐)鈴木加代子▽こども部こども未来課長(福祉部社会福祉課こども未来室長)中澤真寿美▽こども部幼児保育課長(幼児保育課長補佐)岩田光弘▽経済部産業振興課長(財務部管財課公共施設マネジメント推進室長)柳町哲雄▽経済部農業政策課長(農業政策課長補佐)根本隆▽経済部観光推進課長(観光推進課ジオパーク室長)伊藤祐二▽都市計画部都市計画課長(周辺市街地振興課長補佐)大久保正巳▽都市計画部周辺市街地振興課長(周辺市街地振興課長補佐)吉岡誠生▽都市計画部建築指導課長(建築指導課長補佐)中泉弘行▽建設部道路管理課長(建設部道路管理課長補佐)石塚一弘▽生活環境部環境政策課長(経済部産業振興課経済支援室長)渡邊俊吾▽上下水道局水道総務課長(生活環境部上下水道総務課長)小吹正通▽上下水道局下水道総務課長(財務部管財課長補佐)桜井克仁▽上下水道局上下水道業務課長(生活環境部水道業務課長)本山雅之▽上下水道局水道工務課長(生活環境部水道工務課長)植木亨▽上下水道局水道監視センター所長(経済部観光推進課長)兼平勝司▽上下水道局下水道工務課長(生活環境部下水道課長)渡辺高則▽教育局教育施設課長(建設部公共施設整備課長補佐兼係長)鈴木聡▽教育局生涯学習推進課長(教育総務課長補佐兼企画監)澤頭由紀子▽中央図書館副館長(政策イノベーション部企画経営課長補佐兼オリンピック・パラリンピック推進室長)沼尻祐一▽選挙管理委員会事務局副局長(政策イノベーション部企画経営課持続可能都市戦略室長)吉岡直人▽オンブズマン事務局長、再任用(市民部地区担当監、筑波相談センター所長)木村徳一▽消防本部消防救助課長(予防広報課長)鈴木浩▽消防本部消防総務課長(消防救助課長補佐)廣瀬好▽消防本部予防広報課長(予防広報課長補佐兼危険物係長)高野順一▽北消防署長(中央消防署並木分署長)太田義春▽中央消防署参事兼中央消防署副署長(中央消防署副署長)細田義美▽北消防署参事兼筑波分署長(中央消防署豊里分署長)青木節 【退職】3月31日付▽市民部長 横田修一▽市民部主幹、つくば市国際交流協会派遣 飯村通治▽福祉部長 津野義章▽こども部長 中山由美▽消防長 植木利男▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長 木村徳一▽経済部次長 中澤正登▽会計管理者 酒井作徳▽消防本部兼中央消防署消防監 東郷道明▽消防本部主任参事兼北消防署長 山田勝▽財務部納税課長兼徴税管理監 上方和男▽市民部副地区担当監・大穂相談センター所長 矢島正弘▽市民部副地区担当監・谷田部相談センター所長 秋葉芳行▽市民部副地区担当監・桜相談センター所長 関口正昭▽市民部副地区担当監・筑波相談センター駐在 星野和也

事実と推測は分けて考える 《続・気軽にSOS》105

【コラム・浅井和幸】事実と推測は分けて考えることが大切です。ですが、以外にこれは難しく、私たちは普段の生活で事実と推測をあいまいにしたまま生活しています。もちろん、事実と推測の間にきっちり線を引くことは難しいので、二つを分ける境界線の識別は難しいでしょう。ですが、事実とは明らかに隔たりのある推測を事実と思い込んで考えてしまうこと、感じてしまうこと―が多々あるものです。 自分から笑顔であいさつをしたのに、それに対して相手はそっけない素振りだった。だから相手は自分を嫌っている。「そっけない素振り」は事実ですが、「嫌っている」は推測ですね。そもそも、あいさつもあまりできないほどコミュニケーションが苦手なのかもしれません。いつもはもっと素っ気ない人なのに、いつもより笑顔を作ろうと努力した結果なのかもしれません。(以前、コミュニケーションが苦手な美人がお高くとまっていると思われるというコラムを書いたことがあります。) 人を見るとほえる犬、かむ犬がいます。威嚇をしてくるぐらいに、強気な犬であると考える。「ほえる」「かむ」は事実で、「強気」は推測あるいは評価ですね。強気どころか怖がりでビクビクしているから、ほえたりかんだりする犬はいます。 「自分が相手を嫌いだ」→「相手が自分を嫌っている」 学校に行けないのは不真面目だからでしょうか。もしかしたら、真面目過ぎて、全てを完璧にこなさなければいけないと、重く考えていて学校に行けなくなったのかもしれません。 認知のゆがみや物事への決めつけは、とても生きづらい悪循環を起こすことがあります。周りとうまくいかないことが多い場合は、事実と推測の区別がついているか、もう一度考え直す必要があるかもしれません。もしかしたら自分は、目が合ったらけんかを売ってきたと決めつける、不良少年のような感覚で生活しているかもしれないということを。 防衛機制という言葉を聞いたことがあるでしょうか。保健体育の授業で習ったかもしれませんが、人がストレス状態になるとき、自分を守るための心のメカニズムです。その防衛機制の一つに「投影」というものがあります。自分の中にあるものを認めたくないときに、それを相手のせいにする心の動きです。「自分が相手を嫌いだ」ということを認められず、「相手が自分を嫌っている」というようなものです。 世界は自分を嫌っている、社会はたいしたことができない、周りの人たちは無能だ、みんなが悪意を持って接してくる―などなど。実は、自分自身が受け止めきれないために認められない、自分自身への評価なのかもしれませんよ。(精神保健福祉士)

大河ドラマに登場「八田知家と小田家」特別展 19日から土浦市立博物館

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場する「八田知家と名門常陸小田氏」の特別展が19日から、土浦市立博物館(同市中央)で開幕する。中世の大規模な平城として国の史跡指定を受けているつくば市の小田城を根拠とする小田氏は近年、15代氏治がクローズアップされるが、特別展はその始祖にさかのぼり、子孫が全国に散らばる現代までの系譜を追っている。5月8日まで。 同館で43回目となる企画展で、小田氏を取り上げるのは2回目。5月1日には「常陸小田氏の新視点」のテーマでシンポジウムが予定されている。 展示は5章で構成される。下野国の宇都宮氏の系譜をひく八田知家が常陸国の守護職となったのを機に小田に居城を構え、時の勢力に翻弄(ほんろう)されながらも、15代約300余年に及んで常陸国南部一帯を支配した栄枯盛衰を描写する。今回は特に、歴史の舞台から消えた氏治以降の家臣たちの末裔(まつえい)の足跡を追い求め、その後の活躍ぶりも紹介している。 展示資料は、甲斐の国(現在の山梨県)への通行許可証となる武田信玄朱印状や小田家と同盟を結ぶ地方有力者の所在録「小田みかたのちり」(国宝)などの古文書、小田家が使用したとされる軍配団扇(うちわ)、小田家家臣の末裔が所持していた江戸時代の陣羽織、小田氏治肖像画など計157点。 同館をはじめ、小田家や鎌倉幕府とゆかりある全国各地の博物館や個人から集めたもので、吾妻鏡(あずまかがみ)に登場する八田知家の記述と照らし合わせながら紹介している。中には主に将軍が用いていた、文頭に署名代わりの記号「花押(かおう)」を記した小田家の古文書なども紹介され、小田家と鎌倉との親密な関係もうかがい知ることができる。 企画展をとりまとめた同館の西口正隆学芸員は「八田知家は大河ドラマ鎌倉殿に登場する13人衆の1人。この13人は2代将軍源頼家が取り入れた合議体制にかかわり、天下国家に大きな影響を与えた。テレビドラマの放映を機に小田城との関わりや一族が長きにわたりこの地方を支配した史実に興味を持ってもらえれば」と話している。(大山茂) ◆第43回特別展「八田知家と名門常陸小田氏―鎌倉殿御家人に始まる武家の歴史」 3月19日(土)から5月8日(日)午前9時から午後4時30分まで。毎週月曜日(3月21日を除く)休館。入館料は一般105円、小中高生50円(税込み、毎週土曜日は小中高生の入館料無料)。電話029-824-2928(同博物館)。▽シンポジウム「常陸小田氏の新視点」は5月1日(日)午前10時30分~午後4時、クラフトシビックホール土浦大ホール(定員300人)で開催。 3館連携で小田氏推し 特別展に合わせる形で、19日から5月8日まで上高津貝塚ふるさと歴史の広場(考古資料館、同市上高津)でテーマ展「中世から近世へ―小田氏が活躍した時代の考古学」を開催。「土浦の遺跡27」として、中世の特徴ある遺物や発掘調査で発見される中世特有の遺構を紹介する。 さらに26日からは、土浦市民ギャラリー(同市大和町)で「サムライたちのデザイン-諏訪原寛幸イラスト展」を開催。戦国時代の人物で名高い諏訪原寛幸さんのイラストを、中世の武将が用いた家紋や花押とともに展示する。5月8日まで連携展開催記念のスタンプラリーも行われる。

当たり前に介助を受けられる安心感 《電動車いすから見た景色》28

【コラム・川端舞】私は障害のため、口周りの筋肉をうまく使えず、食事を食べこぼしたり、よだれをたらしたりしてしまう。それが原因で、子どもの頃は周囲から怒られたり、からかわれたりしていた。きちんと唾液や食べ物を飲み込めるようにリハビリをし、親にも「毎回、意識して飲み込みなさい」と言われ続けた。 しかし、勉強や遊びに集中すると、いつの間にか、よだれで服を汚してしまう。親からは「よだれは努力次第で直せる」と言われたが、どんなに気を付けていても、少し気を抜くとよだれは出てしまい、再び親に注意されることの繰り返しだった。中学・高校時代は、よだれで制服を汚してしまったことを親に知られないように、毎日、親が仕事から帰ってくる前に、自分でハンカチを濡らし、制服の汚れを拭いていた。 大人になった今でも、食べこぼしたり、よだれをたらしたりしてしまったとき、どうすればいいのか分からなくなる。服を汚してしまったのを介助者に見られるのが恥ずかしい。 しかし、介助者は嫌な顔一つせず、当たり前のように、食べこぼしを拾ったり、ティッシュでよだれを拭いたりしてくれる。私が無意識に謝ると、「なぜ謝るの?」と逆に聞かれることもある。「介助者は舞さんの介助をするために、舞さんの家に来ているのだから」と。自分が悪いから出てしまうのだと思っていたよだれを、ただの生理現象と捉え、さりげなく片付けてくれる介助者を見ると、「今の自分のままでいい」と言われているようで安心する。 「当たり前」を絶やさないように 障害者に対し、「助けてもらって当たり前に思うな」と言われることがあるが、食事をする、服を着替える、買い物に行くなど、生活するために必要な介助を当たり前に受けられることが、「自分はここにいていいのだ」という安心感につながる。 でも、その「当たり前」は昔からあったわけではなく、今まで多くの障害者たちが社会と闘い、重度障害者が介助を受けて1人暮らしができる仕組みを作った上に、現在、私の気持ちを大切にしながら生活を支えてくれる介助者がいるからだ。その「当たり前」に感謝しながら、「当たり前」を絶やさないために、私のできることをしていきたい。 その1つが、自分のような障害者のありのままの暮らしを社会に発信することで、介助者のサポートがあれば、どんなに障害が重くても1人暮らしできることを多くの人に知ってもらうことだと私は思っている。(障害当事者)

「公平な利用基準を」「予算平等か」不登校支援めぐり議論 つくば市議会

つくば市議会予算決算委員会(山本美和委員長)が17日開かれ、市が4月から2カ所で委託事業を実施する不登校の学習支援事業をめぐって改めて議論が行われ、「利用希望者への公平な選定基準を設けてほしい」「不登校児童生徒にだけ予算を使うのは平等か」などの意見が出された。 つくば市がNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、本山裕子理事長)と協働で運営している不登校の学習支援拠点「むすびつくば」の契約が3月末で終わることから、市が新年度からの運営事業者を昨年11月に公募した結果、学習塾のトライが1位となり、リヴォルヴが2位となった。市は3月議会が開会した2月14日、トライへの委託事業費として約2100万円を当初予算として議会に提案した。 一方、公募結果を知ったむすびつくばの保護者会が、リヴォルヴによる事業継続を市長らに陳情し(1月20日付)、五十嵐立青市長は3月3日の本会議で、リヴォルヴによる事業を現在と同じ場所で新年度も継続するための事業費など約2300万円を追加提案した(3月3日付)。 紆余曲折する中、市議会文教福祉委員会(木村清隆委員長)の審議を経て(3月9日付)、17日、市議全員がメンバーの予算決算委員会で改めて不登校支援事業に対する審議が行われた。 川久保皆実市議(つくばチェンジチャレンジ)は、不登校児の保護者から出された「不登校児童生徒への公平な公的支援を求める」要望書を引き合いに、「リヴォルヴとトライが受け入れる人数は合計80人で、市全体の不登校小中学生400人の2割しか公的な支援を受けられない。また家庭状況をポイント化した点数で認可保育園の入所が決まるように、利用希望者への公平な選定基準を設けてほしい」とした。川村直子市議(つくば市民ネット)も「公的な不登校支援施設『つくしの広場』の20人を入れても足りない。多くの支援の場を広げてほしい」と発言した。 文教福祉委員会で審議を重ねてきた市議からは、支援を受けられない児童生徒への支援策の検討を求める声のほか、課題は多いが致し方ないという声も上がった。 五頭泰誠市議(つくば自民党・新しい風)は「不登校児童生徒にだけ予算を使っていいのか、通学している子どもと平等か」と発言し、「多様化が言われる今、不登校の子どもは弱者という捉え方はおかしい。学校へのサポートは万全とは言えず、公平に教育費の配分を考えていく必要がある」と述べた。 審議の末、4月から委託事業として2カ所で実施される不登校学習支援事業はいずれも賛成多数で可決された。3月議会最終日の23日も可決される見通し。 文教福祉委員会の委員でもある金子和雄市議(新社会党つくば)は閉会後、NEWSつくばの取材に対し「当初予算が出されていたのに間際になって補正予算を組んだのは例を見ない。しかし議会は子どもたちの立場に立って補正予算を受け入れた。さまざまな意見があるが支援の芽を育てていくことが大事だと思う」と話した。(橋立多美)

土浦で震度5弱、つくば震度4 5人がけが 両市で8万6000世帯が停電

16日午後11時36分、福島県沖の深さ57キロでマグニチュード7.3の地震があり、土浦市で震度5弱、つくば市で震度4を観測した。 土浦市消防本部によると17日午前9時30分時点で地震による救急出動が計13件あった。16日午後11時50分、同市大和町の商業ビルでエレベーターが停止し2階に閉じ込められていると119番通報があり、救急隊員が出動して20代男性を救出した。転倒しけがをしたなどの通報が5件あり、4人を市内の病院に搬送した。ほかに自動火災報知機が鳴った、水が噴き出すなど消防設備が故障したなどの通報もあった。 つくば市消防本部によると、地震によるけがや事故などの出動は17日午前9時50分時点でないという。 東京電力パワーグリットの停電情報によると、地震により16日深夜から17日未明にかけて、土浦市内で最大4万9030世帯、つくば市内で3万7100世帯が停電した。 JR東日本の運行情報によると17日午前10時現在、常磐線は品川-いわき駅間の上下線の一部に送れと運休が出ている。首都圏新都市鉄道の運行情報によると、つくばエクスプレスは平常通り運行している。

小学6年生の東京大空襲 《くずかごの唄》104

【コラム・奥井登美子】半藤一利氏の著書に「15歳の東京大空襲」というすさまじい内容の体験本がある。私たちは、小学6年生の夏休み、空襲に備えて東京に子供がいてはいけないと、3~6年生が強制疎開させられた。 学校ぐるみで学童疎開した6年生は、疎開中は寮母さんが足りないので、下級生の面倒をみたり、お医者さんに薬を取りに行ったりと、班長さんと言われながら雑用をこなした。 1945(昭和20)年3月。中学の受験日に備えて、何日か前に一斉に帰京しなければならない。まさか3月10日に東京大空襲があるとは知らず、2~3日前に帰京した人が多い。東京大空襲では、墨田区、台東区、江東区などに、334機の爆撃機が爆弾を落として8万5000人が焼死している。 敗戦から3年経って、小松川高校に転校した私は、友達が空襲体験を語りたがらないのに驚いた。あまりに過酷な体験なので思い出したくないのだ。 やけど跡を懸命に隠す少女 家族が全員壕(ごう)の中で亡くなったのに、自分は生き残ったという人も何人かいた。防空壕という名の、手堀り壕の中は狭い。10人ぐらいでいっぱいになり、中から蓋を閉められてしまう。疎開していて防空壕の仕組みの分かっていない6年生は、火の迫ってくる中、どうしてよいかわからずに立っているうち、蓋が閉まって、中に入れなくなってしまった。家族は壕の中で蒸し焼きになったが、1人生き残ることができたという。 火をよけてガード下に逃げ、3歳の弟の手を握っていたら、手が冷たくなってくる。不安になってよく見たら、弟は死んでいたという友だちもいる。酸素の少ない空気が3歳の子供の背の高さに流れて、酸欠で亡くなってしまったのだろう。背の高さで生死が分かれてしまうこともありうるのだ。 やけどの傷跡を、懸命に隠している少女も何人かいた。みな残酷な体験を忘れようと、必死になって楽しいことだけを探し回っていた。はしゃぎ屋の敏ちゃんが、30年後に「ガラスのうさぎ」を書いて話題になった、高木敏子さんだ。彼女と同じような体験をした少女たちがたくさんいたことを忘れてはいけない。(随筆家、薬剤師)

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