約200種類のハスが見頃に 霞ケ浦総合公園
霞ケ浦湖岸にある土浦市大岩田、霞ケ浦総合公園内の花蓮(はなはす)園で、ピンクや赤、淡い黄色のハスの花が見頃を迎えている。花は日の出と共に咲き始め、昼前には閉じてしまう。
約1000平方メートルの園に、コンクリートで仕切った80区画の池と、たる容器240個を設置し、約200種類のハスを栽培している。今年は6月13日に古代ハス「大賀蓮(おおがはす)」の開花を初めて確認した。例年より早い開花で、他の種類のハスも同様に開花が早まっている。
花蓮園は2001年に開園した。霞ケ浦の水をオランダ風車でろ過して花蓮を栽培している。12年からははす博士として知られる元日本花蓮協会学術研究主幹の香取正人さんの指導を受けて、本格的に整備し、土浦市内で育種された品種や霞ケ浦原産の品種など、よそでは見られない品種を栽培している。
阿見町在住の豊田修さんは、3、4年前からハスが咲く時期には毎日花蓮園で撮影をしている。最近は蓮池の水面の光を丸くぼやけさせる「バブルボケ」の表現を模索しているという。「撮った写真は自分で見て楽しんでいる。一つとして同じ花はなく、品種や天候、撮影時間、光の当たり方で違った表情を見せるのがいい」と話す。
花蓮園に隣接するネイチャーセンター職員の由波圭樹(よしばけいじ)さんは「カメラを片手に早朝から写真を撮る方も多く見受けられます。花は夜明けとともに咲き出し、昼前には閉じてしまうので、観賞は午前中がお薦めです。色とりどりの花蓮が咲く様子をご覧になりに、ぜひとも足をお運びください」と来園を呼び掛けている。
◆入場無料。問い合わせは電話029-826-1111(土浦市公園街路課)
参議院議員選挙 憲法改正どうなる? 《雑記録》37
【コラム・瀧田薫】参院選(7月10日投開票)の争点を一つだけ取り上げれば、まず「憲法改正」が焦点であろう。よく憲法改正に前向きな勢力(自民、公明、日本維新の会、国民民主)が議席数の3分の2に届くか否かが話題になるが、それがクリアされれば改正がすぐできるというものではない。4党の憲法改正に対する姿勢、特に憲法9条の扱いに主張のばらつきが大きく、改正の発議に向けて4党間の意見調整ができるかどうか、見通しは立っていない。
もっとも、与党が思惑どおりの安定多数を確保すれば、岸田首相が衆院を解散しない限り、衆参議員の任期満了を迎える2025年まで、国政選挙の予定がない「黄金の3年間」がやってくる。与党内には、国論を二分するような大きな政治課題に腰を据えて取り組めるとの期待があり、発議に至るまで熟議を尽くす時間的余裕に恵まれていることも確かだ。
ところで、現時点で、憲法9条の改正を掲げているのは、厳密に言えば、自民、維新の2党のみである。自民は憲法9条に自衛隊を明記する方針であり、維新は9条に明確に規定すると主張している。公明は9条の1項と2項を堅持する方針であり、別の条項での自衛隊明記についても引き続き検討するとし、党の公約に「自衛隊を憲法上明記すべしとの意見があるが、多くの国民は(自衛隊を)違憲とみていない」との説明をわざわざ付け加えている。
国民民主は、公約で「9条は自衛権の行使の範囲、自衛隊の保持・統制に関するルール、2項との関係の3つの論点から具体的な議論を進める」として含みを残している。他方、立憲民主党は自民党改憲案に反対し早期の憲法改正は不必要としつつ、「国民の権利の拡大についての議論」に限っては積極的な姿勢を見せている。
共産、社民両党はこれまでどおり護憲の立場を貫く。れいわ新選組は、現行憲法の実践のために必要な制度と法の整備を目指すとし、NHK党は改正に関する議論を積極的に促すとしている。
安全保障をめぐる議論が活発化
新聞各社その他の間では、今回の参院選で改憲勢力が3分の2の議席をギリギリ確保するとの見方が有力だが、そうなると、選挙後の参院は少数議席しか持たない政党でもキャスティングボートを握りやすい環境となる。すでに改憲勢力が4分の3を占めている衆院と比較して、参院における意見調整のハードルはそれなりに高くなるだろう。
ところで、選挙とウクライナ戦争が重なったこともあり、憲法改正と表裏の関係にある安全保障をめぐる議論が最近活発だ。ただし、防衛費の増額など数字だけが先行する前のめりの議論はいただけない。専門家の間では、いわゆるハイブリッド戦(情報戦、サイバーなど)への備えを想定し、日本の防衛政策を根本から考え直す時とする指摘がある。
各党とも結論ありきではなく、国家安全保障戦略など、いわゆる3文書の今後の改定にどう対応するか、党内外で調査・研究の機会をつくり、専門部会を立ち上げるなどすべきだろう。(茨城キリスト教大学名誉教授)
TX延伸論議に見る つくば市の狭い視野 《吾妻カガミ》136
【コラム・坂本栄】茨城県がTX県内延伸の4方向案(茨城空港、水戸市、土浦市、筑波山)を示したことで、その線上・目標に位置する自治体が自分たちの所へと誘致に乗り出し、地元の政治家も加わって騒々しくなっています。しかし筑波山を抱えるつくば市は、TXの終始点であることに満足しているのか、特に動いておりません。
ポイントはどこで常磐線にクロスさせるか
茨城空港、水戸、土浦の各方向誘致については、「TX石岡延伸推進協議会」、「TX水戸・茨城空港延伸促進協議会」、「TX土浦延伸を実現する会」が立ち上がりました。土浦の様子は記事「TX土浦延伸へ決起集会 市民参加で競合2団体に対抗」(6月12日掲載)をご覧ください。
茨城空港、水戸、土浦への延伸ラインはもちろん別々です。しかし、石岡、水戸、土浦の主張は「空港まで延ばせ」と言っている点では共通しています。水戸の場合、まず空港まで延ばし、さらに空港→水戸を要求していますが、石岡と土浦は「うちの市内で常磐線と交差させ、空港まで延ばせ」と言っているからです。
水戸が、空港→水戸は後回しにし、常磐線で交差する駅→水戸駅(TXの一部JR乗り入れ、残りは茨城空港直通)を受け入れれば、ポイントは「どこでJR常磐線にクロスさせるか(つくば駅と空港を直線で結ぶと高浜駅のちょっと北=石岡市内=で交差)」になります。
TX県内延伸=研究学園と茨城空港の連結
こういったことを考えると、メデイアでよく使われる「TX県内延伸」という言い方は「学園都市と茨城空港の連結」と言い換えるべきです。
10~20年先を展望すると、首都圏の2国際空港(羽田と成田)だけではビジネス・トラベル客をさばけなくなります。ロシアと中国の特異な行動によって、当分、国際ビジネス客の移動は抑制されるでしょうが、いずれ正常化します。訪日外国人旅行客は、コロナ前の何倍にもなるでしょう。そうなると、首都圏に国際空港がもう1つ必要になります。
第3空港として米軍横田基地の転用が検討されているものの、同基地は対中戦略の前線センターでもあり、民間空港化は難しいでしょう。そこで、①拡張が比較的容易な茨城空港の第3空港化、②空港へのアクセス鉄道としてTXの茨城空港延伸―をセットにして、国に実現を働きかけたらどうでしょうか。国家プロジェクトになれば、地元の負担は少なくて済みます。
TXが常磐線と交差して「茨城国際空港」につながると、つくば市は米国のボストン市に並ぶ学園都市になります。水戸、石岡、土浦の3市と組み、茨城空港延伸キャンペーンに参加すべきなのに、つくば市は「つくば止まり」で満足しているようです。TXを東京へのアクセス手段とだけ考えているようでは、視野が狭すぎます。(経済ジャーナリスト)
斎藤さだむさんのつくばセンタービル地肌空間など 3年ぶり「写真工房」写真展
つくば市を拠点に活動する写真サークル「写真工房」(太原雍彦会長)の「2022写真工房写真展vol.19+(プラス)」が、同市吾妻のつくば市民ギャラリーで開かれている。
顧問を務める同市在住の写真家、斎藤さだむさん(73)が、つくばセンタービル1階改修工事の過程で露わになった地肌空間を撮影した写真15点を展示するなど、会員ら11人が思い思いのテーマで撮影した写真計約110点が展示されている。新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった。
写真工房は、同市主催の写真講座に参加した有志が2002年に結成し、20年になる。会員は約15人で、毎月1回例会を開いているほか、年2回撮影会に出掛けるなどしている。
斎藤さんのつくばセンタービル地肌空間は「史(ふみ)のあかし」と題した作品だ。第3セクター「つくばまちなかデザイン」による改修過程で、骨組みの状態に戻ったつくばセンタービルの、曲線を描く天井のコンクリート地肌や、象形文字が記されているのかと見まごう太い円柱の柱の地肌などを撮影している。「地肌空間を行き来し、40年という時間に思いをはせながら撮影した」という。
会員の藤澤裕子さんは、自宅の庭に咲くヒルザキツキミソウの花や、セミの抜け殻、カブトムシの幼虫などを撮影し、写真を重ねたり、反転させたりした作品10点を展示している。「日常見る庭の植物や昆虫を、非日常的な植物や昆虫として作品化した」。
ほかに、2020年7月に亡くなった会員の佐藤乃理子さんをしのんで、佐藤さんが撮影した写真のほか、例会や撮影会の様子を撮った写真などを展示している。佐藤さんは、コンクリートの建物に止まるトンボなど、都市の昆虫を好んで撮影した。「最初は近代文明を批判した作品かと思ったが、どんな状況であっても、今生きているということを佐藤さんが優しく見ていたことが分かり、母性的なまなざしに驚いた」と斎藤さんは振り返る。
斎藤さんは「それぞれが自己を探求しながら表現方法を探った。それぞれの語り口の面白さをぜひご覧いただきたい」と話す。
◆会期は7月2日(土)~10日(日)。開館時間は午前10時から午後4時30分、最終日は午後4時まで。入場無料。
ウクライナのニュース 《くずかごの唄》111
【コラム・奥井登美子】
「毎日、ウクライナのニュースを見ていると、僕はどういうわけか、丸木さんがあのニュースを見て何を言われるか、知りたいと痛切に思うようになってしまった」
「ご夫婦で原発の絵を担いで、世界中を行脚して回っていらしたわね。ウクライナはいらしたのかしら?」
「さあわからない…。2人とも、人類の悲劇を実際に見て、絵にしたんだもの、すごい人だよ。昔、位里さんと俊さんが、2人でうちへ来てくれた日のことも、つい、昨日のように思い出してしまう」
土浦市の奥井薬局の2階で、「丸木位里(いり)・俊(とし)展」をやったことがあった。250人もの人が駆けつけてくれて、盛況だった。お2人は我が家に泊まって、おしゃべりして、家のふすまが白いのを見て、刷毛(はけ)と墨汁(ぼくじゅう)を使って、大きな絵を描いてくださった。
生前葬やったの、覚えている?
「10年前、日仏薬学会の市川一郎さんが、東京・本郷の画廊を1週間だけ借りて、丸木夫妻の絵を持ち寄って丸木展をやったね」
「本郷でやったから、中外製薬、日仏薬学会、薬史学会の友達がたくさん来てくれて、展覧会の最後の日、あなたの生前葬儀もやったの、覚えている?」
皆、薬の専門家だから、大動脈解離という病気の恐ろしさをよく知っている。亭主が大動脈の中膜が37センチも乖離(かいり)して、意識不明になり、救急車でお茶の水の東京医科歯科大病院・救急病棟に運ばれて、運よく命を取り留めたといういきさつを知って、集まった人達が、皆、びっくりしていた。
そこで、またいつ死んでもいいようにと、いつのまにか、丸木展覧会の最後の日が生前葬別会になってしまったのだ。
人類の究極の悲劇を実際に見て、絵にした丸木夫妻の大きな深い優しさ。私たち2人とも、どれだけ助けられたのか測りしれない。(随筆家、薬剤師)
臭いやアルコール対策示すも反発の声相次ぐ つくば洞峰公園事業で県の説明会
つくば市二の宮にある茨城県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)で進められるリニューアル計画で、県は2日、同市竹園のつくば国際会議場で説明会を開いた。県と事業者による初の説明会。つくば市から懸念の声が出ていたグランピング施設とバーベキュー(BBQ)施設の臭いやアルコール対策について、県と事業者から対策が示されたが、参加した市民からは「洞峰公園を変える必要はない」など反発の声が相次いだ。つくば市民を中心に約150人が詰めかけ、県の説明に対し、会場からは厳しい反応が相次いだ。
臭いやアルコール対策について、パークPFI事業者「洞峰わくわく創造グループ」代表の長大が計画の一部見直し案を示した。①BBQ施設を当初計画していた冒険広場から、グランピング施設を整備する野球場中央に移す②炭焼きBBQは取り止め、煙が出ないガスグリルに変更する③深夜は管理人がおらず無人になる計画だったが、グランピングエリアの管理棟に24時間、管理人を常駐させる④夜9時以降はサイレントタイムとし騒いでいる人がいたら管理人が対応する⑤グランピング施設の周囲に目隠しとなる木製の柵を設け、景観に配慮する⑥南側駐車場の拡張(127台分)は、駐車台数を減らすことも含め、樹木をなるべく伐採しないよう計画を再検討するーなど。
一方、県は、公園全体が変わってしまうわけではないこと、パークPFI事業によって県が支出している指定管理料を年間6000万円削減でき、年平均8000万円かかる体育館やプールの大規模修繕を計画的に行える見通しが立ことなどを強調した。
収支計画の開示要求に答えず
これに対し参加した市民からは、グランピング施設を収益事業の柱と位置付ける計画について、収支計画の開示を要求する意見が複数出された。長大が「民間事業者として、ノウハウも含めて収支計画は出すことができない」と答えると、会場から「これでは市民は計画の妥当性を判断できないではないか」など非難の声が投げかけられた。今回の目的の一つである、老朽化する体育館やプールの改修計画についても、収支計画を公開するよう求める声が出た。これに対し、県が公開時期を明確にできなかったことから、怒声が飛び交った。
絶滅危惧種など希少動植物が生息していることが市民から指摘された問題について県は、市民の意見を踏まえつつ、今後の対応を検討したいと答えるにとどまった。
県は、これらの収益事業を実施できない場合、財政上の理由から、公園内のテニスコートや体育館など既存の施設利用料を6割程度値上げする必要があるという試算案を提示した。参加者からは、質問や意見が途切れず、予定時間を30分延長した。
■説明会の今後のスケジュールは以下の通り。(定員は各回100人=先着順)▽7月12日(火)午後7時~9時 谷田部総合体育館(つくば市谷田部4711)▽21日(木)午後7時~9時 同(同)▽31日(日)午後2時~4時 洞峰公園体育館(つくば市二の宮 2-20)
会場で記入可能なアンケートについては、県のウェブサイト(「洞峰公園パークPFI事業に関する説明会及びアンケート調査の実施について」)を通じて回答できる。
説明会参加者と、県・事業者との質疑の主なやりとりは以下(次ページ)の通り。
4000筆の署名の重み
参加者1 洞峰公園と赤塚公園、ペデストリアンデッキは一体として計画された。専門家からは、あと10年、20年すれば文化財としての指定が議論の遡上にのぼるという指摘が出ている。質問は3点ある。きょうの説明は、グランピングありきのPFI事業であると理解した。PFI事業の成立可能性について、責任をもっていただけるのか、経営計画がはっきり見えてない。グランピング施設は人気があるが、コロナ禍での一時的な流行なのか、判断するのは早計だ。この点は(県のパークPFI事業者)選定委員会でも指摘があり、事業者自身が「自分たちもチャレンジング、トライアンドエラーでチャレンジする」と回答している。(収支計画が)予定通りでなかった場合の対応はどうなるのか、事業者の撤退があった場合はどうなるのか、事業廃止に伴う費用はどうか。取り戻せない自然はどうなるのか。2つ目の質問は、景観の変化だ。グランピング施設により修景は変化し景観が悪くなる。南側駐車場の拡張予定地は内周路と外周路の両方の園路に接している。どちらからも建屋の裏を歩くような、路地裏を歩くような仕様になるのではないか。グランピング施設の騒音調査には空調の室外機が加味されてないのではないか。(野球場は)最も静寂なエリアなので洞峰沼にも影響を及ぼす。3つ目の質問は、グランピング施設を建築する際の用途制限についてだが、つくば市から(建築許可の)特例が出ることを前提にやられている。特例の要件は、良好な住環境を害する恐れがないこと、公共上やむを得ないことだ。環境の評価、周辺の経済的影響を計量的に示してほしい。公共上やむを得ないといえるほど(県の財政は)危機的な状況なのか。毎年1億5000万円の支出は許容できる範囲ではないか。
県都市整備課 グランピングありきのパークPFIという質問だが、県としては、パークPFI事業を公募し、事業者からグランピングを核とする提案があった。事業として成立するかについては、提案をいただいた際に、選定委員会に議論していただき、選定委員会の中で、収支計画だったり、事業者の財務状況を審査した。財務の専門家も選定委員に入っていただいた。事業の成立については特段問題はないと判断されたと思う。
長大 民間事業者として、事業が継続できないことはあってはならない。多額の資金を投入して事業を行うからには、必ず事業期間を全うして事業を継続していきたい。(選定委員会で発言した)トライアンドエラーとは、コロナ禍で、アウトドアブームが後押ししている、しかしずっと人気は続くのか、当初は人気でも、5年ぐらい経つと全国に(グランピング施設が)増えるので、差別化を図っていないところは人気が廃れる、新しい魅力づくりをすることで飽きのこない施設運営を考えていきたいということ。(土浦市の)東城寺に新しいグランピング施設を運営している会社と新しい運営をしていきたい。良かった事例、失敗した事例などさまざまな事例をもっているので、飽きのこない事業運営をしていきたい。
県 万が一、仮に破綻した場合は、事業者との協定の中で、事業者の責任において、別の事業者に継承することが可能か検討したり、施設をいったん撤去して芝生の状況に戻すことになる。県の税金を使うことはない。(南側駐車場の拡張で)伐採した木が戻らないのは言う通りだが、駐車場の拡張はできるだけ伐採本数を減らすことを検討している。2つ目の質問の景観の変化については、できる限り大きな変化がないよう配慮する。
長大 グランピング施設の室外機の音を加味しているのかとの質問だが、類似施設での調査は6月上旬だったので空調が使われていたのか定かでない。夏場のエアコンを使っている時期にモニタリング調査をして示すこともできる。
県 (グランピング施設の建設を許可するか否かの)建築基準法48条の特例だが、つくば市が特定行政庁の立場になる。事業提案があった際、事業者としても、県としても、つくば市と何回か協議し、48条の但し書きの適用許可のご指摘をいただいている。野球場エリアから住宅地の距離を考えると、住環境の影響は極めて少ないと考えている。それを判断するのはつくば市であり、つくば市の建築審査会である。特例許可が得られるような事業計画を立てている。
参加者2 私はテニスで洞峰公園を利用しているが、困っていることは希望の日時にBコート使えないことだけ。満足しており、テニスコートをもっと欲しいとは思わない。プールも年2、3回使わせてもらっている。県は1億5000万円が負担になって大変だからパークPFIを導入するというが、洞峰公園は市民公園だ。市民公園という位置づけを壊してまで(パークPFI事業を)やる価値があるか。今、使っている者としては今の在り方に満足している。土日の混雑は分かる。テントを利用される方がある。テントを貸し出すなど、そういう収益の確保の仕方もある。つくば市民として、歩いてペデを通って、洞峰公園があるということが自慢。今の公園で感謝している。それが続くことを願っている。負担が大変なら、(利用料金の値上げなど)利用者から(料金を)とっていただいて全然かまわないと思っている。
県 洞峰公園を変える必要はないという意見は、多くいただいている。体育館や洞峰沼周辺は基本的に改変しない。今回考えているのは、住宅地から一番離れた旧野球場。一番使われていない施設を、収益を上げるグランピング施設に変える。それによってプール、テニスコートの老朽化の修繕に充てる。できる限り、現状の良好な環境を変えないことを大前提に考えている。
参加者3 ここに至るまで、4000筆の署名をいただいて協議会設置を県に求めている。20年間、長大にお預けする計画だが、県は善処します、出来る限り調査します等、すべてがあいまい。グランピングブームが終わったら、あとで考えますなど、そういうことに不安を感じる。国家的プロジェクトで出来た公園を、今後20年、一緒に考えましょうという要望書を出させていただいたが、いまだに明確な答えをいただいていない。今日こそ、明確な回答をいただいて帰りたい。長大には、面談を申し込んでいるが、一切会ってくれることなく、今日に至っている。両者共に回答がない。4000筆の署名はそんなに軽いのか。希少動物については今回、回答しないとのことだが、前提が間違っている。希少動物を醸成する環境が大事。都市の公園に絶滅危惧種がまだいる環境に価値がある。保全、保護を前提とせずに、事業案についてアンケートをとることが理解できない。6月末までに回答をお願いしたが、まったく回答をいただいていない。
県 4000筆の署名の重みは認識している。今まで明確に回答できなかったが、今日までに整い、説明会を開いた。アンケート調査で広く意見を集めることを8月いっぱいまで時間をかけてやっていきたい。協議会を設置するかどうかは、まずは説明会を開催しつつ、意見をアンケートで集めたものを分析した上で、洞峰公園を運営するのに何が大切かを考えていきたい。協議会は、どういった方に入っていただくのが適切なのか、時間を掛けて、つくば市と調整しながら考えていく必要があると考えている。鳥類や植物などの希少動植物は認識している。専門家の意見を聞きながら、つくば市の意見を聞きながら、法令に基づいて適切にやっていきたい。
長大 (回答期限の)6月30日までに回答できておらず申し訳ありません。(長大の)会長、社長とも情報を共有している。事業者として、市民と会って、相対するのは止めなさい、県と足並みをそろえていかないといけないと指示されている。返事ができてないところは週明けに対応させていただきたい。自然環境を無視しグランピング事業をやろうとは考えてない。可能な限り影響が少ないやり方を考えている。どういうやり方がいいのか、頭を悩ませていきたい。
参加者4 都市公園法施行令に都市公園の中に宿泊施設をつくってはならないという規定がある。どのように考えたら都市公園内にグランピング施設がつくれるのか
県 都市公園法上、宿泊施設について規定はあるが、施設として認められると考えている。
参加者5 都市公園は住民のためにある。その人たちが嫌だと言っているのになぜグランピングをつくるのか。朝から夜まで、のんびりするために使っている、いい公園だ。グランピングみたいな施設は、自然景観を破壊し、風紀が乱れる。夜も安心してジョギングできない。
県 風紀は24時間スタッフを常駐させる等、十分配慮した計画であると思っている。
参加者6 まだまだ生煮えの感じがある。何のための事業か。目的は経費の削減なのか。管理運営費の削減ならば積算根拠を示していただきたい。プールや体育館等、どこが傷んでいるか説明していただきたい。(大規模修繕費年平均)8000万円の根拠は何かも示していただきたい。公園の質や魅力をどのように描いているのか。洞峰公園を観光地と勘違いされていないか。長大の行動憲章に、環境を最大の目標として行動します、と書いてある。静かな洞峰公園の環境を破壊して何が環境を大事にします、か。静かな環境を壊してほしくない、木を切ってほしくない、スポーツジムはなぜ24時間営業なのか、夜中にだれが利用するのか、グランピングの利用者はだれを想定しているのか。公園全体に影響しないというが、人は動く。喧噪があり、静かな環境が損なわれる。
県 事業目的は経費縮減、魅力向上、将来に備えること。グランピング施設やBBQガーデンは新たな魅力だ。課題になっている部分を改善し、新たなニーズに応えて魅力を向上する。修繕費等、その他いただいたご意見は、まとめてホームページ上で回答させていただく。
駐車場拡張の伐採計画に異論
参加者7 県に2つ質問がある。これまで事業者選定の前後で説明会が行われてなかったのはなぜか。(今年3月の)オープンハウスでは将来計画として大規模イベントの実施や避難所も説明に入っていた。今回、説明に入ってないのはなぜか、今後10年間の収支計画とビール工房の収支計画を示してほしい。
県 これまで説明会をなぜしてこなかったかだが、昨年公募を行い、つくば市の担当部局とは何回か打ち合わせをさせていただき、つくば市役所と情報を共有させていただいた。今年3月、オープンハウスで説明し、今日、詳細な説明をさせていただいた。年平均8000万円の修繕計画は、数年間の実績と今後の計画を踏まえている。積算根拠の資料はあるので、ウェブに掲載できるかも含めて検討させていただきたい。
長大 パークPFIの収支計画は、あくまで民間の事業者が投資して回していくことになるので、ノウハウも含めて公表は控えさせていただきたい。
参加者8 南側駐車場の拡張に反対の立場から発言させていただきたい。300本の樹木を切ってアスファルト舗装にするのは、ヒートアイランド緩和に向けて政府が求めていることの真逆の行為ではないか。127台も増やす必要はない。
県 駐車場拡張のため木を伐採することは事実だが、以前から公園の利便性向上のため、つくば市の方から駐車場の拡張を言われていた。拡張エリアから伐採本数を極力減らすことを考えている。自然環境への影響については専門家の意見を聞きながら丁寧に対応していきたい。台数についてもこれまでの混雑状況を勘案して計画の見直しをしている。台数は多少前後する。
参加者9 洞峰公園で朝6時半のラジオ体操を毎日やっている。今のままでお願いしたい。国交省の都市公園の定義の中で、洞峰公園は都市基幹公園の位置づけになるのではないか。その中で要求されているのは、良好な都市環境を提供すること、都市の安全性を向上させることなどだ。市民の活動の場、憩いの場、豊かな地域づくり、こういうことに対して、県は一つ一つ検証しているのか。県議会ではどういう議論がなされたか。
県 都市公園の中で、総合公園、都市基幹公園という位置付けだ。良好な、豊かな地域づくり、今回の計画はいずれもそれを満たしていると考えている。県として、貴重な豊かな環境、市民の憩いの場は維持されると考えている。県議会では、6月議会の予算特別委員会で、市民の意見を聞いてないんじゃないかという質問が出て、知事が広く意見を聞くと説明した。
参加者10 駐車場増設に反対だ。一部の曜日や時間が混雑するからと言って単純に増設するのは役所にありがちな単純な発想だ。今は一律の料金だが、料金を(曜日や時間によって)変動させるべき。それで混雑が抑制できないようだったら周辺の民間駐車場を活用するとか考えるべき。車が増えたから道を増やそうということなら際限なくやっていかなくてはならない。税金の無駄使いだ。工夫して、それでもだめなら駐車場を増やせばいい。
県 駐車場の拡張が必要と考えている。
参加者11 騒音、臭い、景観の問題で懸念が払しょくされていない。BBQ場、グランピング場で果たして収益を確保できるか疑問だ。周辺には手頃な価格で楽しめるBBQ場やグランピング場が少なくとも8カ所ある。秋冬はオフシーズンで利用者はほぼいない。管理費用は1年を通してかかる。1年の半分は収益がない。シーズン中も平日の収益は少ない。経営は決して楽ではないといわれている。近隣に競合する施設がある中で収益が上げられるのか。数年経ったら、税金を使って別の施設にリノベーションされることはないのか。施設利用料を上げたりした方が収益を上げられるのではないか
県 破綻して税金が使われることはない。
参加者12 グランピングが打ち出の小づちみたいに聞こえる。利用者はどこから来るのか、市民は使わない、東京から来る人を想定していると思う。東京から洞峰公園にくると思っているのか。グランピング施設は(一般的に)3万も、4万も、5万もとる。普段、自分たちが住んでない別世界につくるもの。市民ためのものではない。止めた方がいい。
参加者13 長大の事業コンセプトに、既存の利用者を意識した公園づくりとある。洞峰公園の利用者満足度アンケート調査の結果、利用のしやすさ、自然環境に大いに満足、満足を合わせると90%以上、不満は0.3%しかない。つくば市民は洞峰公園を誇りに思って大切にしている。洞峰公園の魅力は木であり、樹冠だ。南側駐車場の拡張予定地には、朝からランナーが走っている。小鳥が営巣し、シジュウカラが2回目の抱卵に入っている。あそこを切られると300メートルぐらい丸裸になる。ランナーがフライパンの上を走るようになる。木の伐採計画を見直すということだが、どのくらいの本数を切るかはいつごろ分かるのか。多目的広場のイベントの説明がなかった。イベントの騒音がすごく気になっている。
長大 南側駐車場拡張の伐採計画の見直しは、まずは皆さんの声を聞いて設計を検討し、樹木の配置、樹間の調査をストップしている。計画を進める段階になったら改めて調査することになっている。今の時点でお答えできないが、事前にお耳に入るようにしたい。あそこは元々すべて伐採しようと思っていたが、奥の(北側)、たい肥がこんもりしていて、木が少ないところを駐車場にする。すべて伐採してフライパンのようになることはない。
TSP太陽 (多目的広場で)イベントを開催する際は、音楽イベントのようなときはもちろん、マルシェ、フードイベントでBGM音楽を流すことも考えている。スピーカーの志向性を考慮して調整を行った上で、開催時間にも配慮してイベントの開催に努めたい。
挫折経験を強みに活躍するチームリーダー 土浦市 池田あゆみさん【ウーマン】3
土浦市田村町在住、池田あゆみさん(42)は、生命保険会社の土浦営業部に勤務して8年目の支部マネジャー。チームリーダーとしての仕事に「楽しくてやりがいがある」と笑顔で話す。余裕を感じさせる姿勢は、食いぶちを稼ぐための水商売を振り出しに、幾多の失敗や困難で得た経験によって培われた。
16歳で家出して水商売に
陸上自衛隊の自衛官だった父親の霞ケ浦駐屯地への異動で、小学6年のときに阿見町中央に引っ越してきた。4人きょうだいの末っ子。しつけが厳しく過干渉な母親から逃げたくて、中学3年になるとプチ家出を繰り返すようになった。
「夕方家に帰りたくなくて公園にいることが多かった。お腹が空いて、公園に隣接したコンビニが食べ残しの弁当を裏手の物置に入れるのを見ていたので、こっそり持ち出して食べました。(人の食べ残しに)抵抗はなかった。冬は学校のジャージだけで寒くて辛かった。行く当てはなくて翌朝には家に帰りました」
高校生になっても家は息が詰まり、週末は友だちと土浦の中心街に出かけるのが常だった。当時は駅前通りに大型店の小網屋や西友、丸井があって賑わい、路上でワゴン車に積んだ倒産品などを売る30代の男性、ノリさんと顔なじみになった。
何度もノリさんに「自分で稼いで食べていきたい」と訴え、夏休みが終わる頃、家出してノリさんの住む東京・小岩の高級クラブで働き始めた。クラブを経営していたママはノリさんの知人で、ママが衣装を貸してくれた。年齢は4歳サバを読んで20歳で通した。
水商売は高収入が得られると甘く考えていたが、クラブは「大人の社交場」。世間知らずで知識も乏しく、客と会話が続かず居場所がなくて傷ついた。退職を申し出て阿見町に戻ったのは高校1年の3学期だった。
夜職で稼ぎ高校、短期大学を卒業
挫折したがめげなかった。勉強に遅れをとったし戻りたくないが、ここで高校を諦めたら学歴は『中卒』になる。それは嫌だ。「働きながら一から出直して学歴を手に入れよう」と決めた。
在籍していた普通高校を自主退学して定時制高校昼間部に入学。その後、高卒認定(旧大検)に合格して大学受験の資格を取り、東京文京区にあった女子短大で英語を学んだ。
定時制高校と短大の学費や、土浦に住む友人の部屋に同居してからの食費と生活費は、土浦桜町のスナックで働いて捻出した。
「クラブの二の舞にならないよう、先輩の接客を見習って会話術を身につけました。スナックの閉店は深夜になるのは当たり前で、いつも睡眠不足でした。短大時代は土浦駅で常磐線に乗り込んで座ると同時に爆睡。通学時間が睡眠時間でした」と振り返る。
金銭感覚マヒ? 堅実な暮らしにかじを切る
短大卒業後は旅行会社の準社員として採用されたが、5年先輩の給与が新入社員の自分と変わらないことを知り、希望が見えずに2年で退職して水商売に戻った。
接客スキルが上がって収入は多い月で50万円、日払いなら1万円になった頃、金銭感覚がおかしくなっていることに気づいた。「高額な商品でも〇日働けば手に入ると迷わず買ってしまう。計画を立てるとか、やりくりという考えがなくなっていました」。
「こんな生活を続けていたらサラ金に手を出すようになって自滅する」と実家に帰った。それまでの親不孝を言葉で詫びることはしなかったが、両親は黙って受け入れてくれた。家族で夕食を囲む幸せを実感したという。
堅実な暮らしをしようと派遣会社に登録し、稲敷市にある大手食品・飲料会社の工場に職を得た。工場は常時稼働し、社員は3交代制で操業を支える。
世間に縛られ1人育児で力尽きる
正社員に登用され、社内結婚して実家に近いアパートで暮らし始めた。27歳だった。2年後に長男、翌年次男が誕生。次男の産休を終えて復帰してから過酷なワンオペ育児が始まった。
早朝5時、眠っている2人を布団から車内に移して職場に向かい、工場内の保育所に預けて始業7時に滑り込みセーフ。帰宅後は夕食、風呂、寝かしつけ、翌日の保育園の準備と息つく暇もなかった。
3番目の長女が生まれると、育児疲れから誰とも話したくないなどの産後うつの状態になり、長女が2歳を迎えた頃に力尽きて退社した。
「育児に協力しない夫に不満を抱えながら、『男は仕事、女は家事』という性別役割分業に縛られ、夫は自由でいいなと思っていた」と話す池田さん。「世間の目も気になって良い妻を演じていた」とも。
後輩のキャリアアップと新人教育に尽力
専業主婦になり、中学の同窓会で「働いてみない?」と誘われたことをきっかけに生命保険会社に入社した。当初は「自分にできるか」と不安だったが、水商売で身につけた会話力が武器になった。加えて、お金の大切さを知り尽くした池田さんだからこその提案が顧客に信頼された。
気がつけば入社2年半で新人3人を採用し、着実に営業成績を伸ばしたことで支部マネージャー(チームリーダー)になった。現在、池田さんのチームはシングルマザーを含む6人。主力業務の採用活動をこなしながら、仲間のキャリアアップの支援と新人育成に取り組んでいる。
子育てなどで社会の一線から退いた主婦が、復職した時に立ちはだかるのが顧客とのコミュニケーションだという。池田さんが同行するなど会話力を養う一方で視野が広がり、やがて主婦のレッテルが取れていくという。
池田さんは「営業ウーマンの育成だけでなく、積極的に社会とつながり、女性の立場で堂々と発言できる人を育てていきたい。それが女性たちの生きやすさにつながると思うから」と語ってくれた。(橋立多美)
「キーパーソン」 《続・気軽にSOS》112
【コラム・浅井和幸】「キーパーソン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。病院への入院や介護施設に入所するときの手続きや連絡先などの協力をする人を指すことがあります。家族などが担うことが多いですが、身寄りがない方の場合は弁護士や施設の職員などが担うこともあるようです。
それ以外に、地域福祉でも支援時に課題解決のカギを握っている人という意味で使われることがあります。例えば、コミュニケーションの取れないひきこもりの方への支援としてのキーパーソンとして、接する機会が多い家族や友人、すでに支援をしているワーカーなどが挙げられるでしょう。
「悪いのは自分ではない、社会の方だ」という信念から、支援者とは会いたくない、何をされるのか分からずに怖いと感じている方は多いものです。支援を受けるなんて迷惑をおかけして申し訳ないと考えて、かたくなに支援を拒む方もいます。
良い悪いではなく人は支え合い、その多様性の中で生きていくものです。生活上で何か支障があれば、頼れるところを頼ることは大切なことです。
しかし、頼ることに慣れていない人が、そうそう簡単に支援者を利用することを選択できないことは当たり前のことです。心身にある程度の余裕がなければ、新しいことを始めることがさらなるストレスになり、避けたくなるのは不思議なことではありません。
そのようなときに、新しいことを取り入れることができる、周りの少しでも余裕のある方に関わってもらうことは、事態を変化させることにポジティブな影響を与えます。いろいろな関わり方のできる人が周りにいることは、複数の選択肢を得ることになります。
だれかの手を握りやすい状況になる
なので、支援者はキーパーソンを探すことが大切なことです。そうそう計画通りに進むことがない難しいケースであっても、たくさんの手が差し伸べられていたら、被支援者(利用者)が自分の意思で動こうとしたときに、だれかの手を握りやすい状況になるのですから。
被支援者の可能性を広げることが大切なことで、支援者が自分の信念でキーパーソンを決めつけて固定してしまうことはとても危険です。例えば、不登校は両親の仲が良ければ改善するという信念を持っている支援者は、「両親」をキーパーソンにして、さらに固定してしまいがちです。
実際にあったことですが、両親が仲良くなることが大切なので、不登校の子に直接会えるのに両親とばかり話しをして、いつまでたっても(といっても私からすれば短い期間でした)仲良くなるような兆候が見えないから、諦めてその家族との関わりを止めるという自称カウンセラーに接したことがあります。
課題の解決はいつも同じ道を同じようにたどるとは限りません。現状を変えたいと思い言動を変えていける些細(ささい)な積み重ねができる人が、できるところから変化させていくことが大切なのです。抱え込むことは避けなければいけませんが、大きな変化、安直なきっかけばかり追わずに、ほんの些細なかかわりの積み重ねを大切にしましょう。(精神保健福祉士)
あまり話さない息子と、あまり話さない私《ことばのおはなし》47
【コラム・山口絹記】あなたは、生まれてはじめて自分が発したことばを覚えているだろうか。
まぁ、覚えていないだろう。でも、親であれば自分のこどもが初めて発した意味のある(と思われる)ことばは覚えているのではないだろうか。我が家の上の娘も、最初は「まんまんま」とか「わんわん」とか、おそらく統計的にもよくあることばから話し始めていた。
しかし、下の1歳になる息子があまり話さない。
今年から保育園に通い始めたのだが、ついに保育園の先生に「あまり話さない」ということで心配されてしまっていた。普通はそろそろ「ママ」とか「わんわん」とかいうんですけど、ということらしい。かわいそうに、2人目のこどもということで、だいぶ適当に育てられている彼。母子手帳に書かれているような発育具合のチェックも適当になっていて気が付かなかった。
とはいえ、特に心配していなかったのには一応理由があった。保育園の先生にはなんとなく言えなかったのだが、すでにいろいろボキャブラリーがあったのだ。
一つは「でてって?(出ていけの意)」。何か気に食わないことが起きたり、私の帰宅時に飛び出すひとこと。これは姉のマネである。
もう一つは「うんてぃ、でたぁ(実際は出てない)」。まさかの「ママ」「パパ」より先に飛び出した二語文である。初めて聞いたときはだいぶ驚いたが、何も出ていないのが紛らわしいことこの上ない。困ったことである。他にも、「べろべろばぁ」とか、「てぃんてぃん」なんてことも言う。我が子ながらずいぶんと陽気な1歳児だ。
でもここにはことばがある
そして、ここ数日、ついに「まんまんま…」と言い出した。きちんと母の方を向いているので、たぶん理解して発話しているような気がする。さらには昨夜、隣の部屋から「パパパパパパ…」という声も聞こえたのだが、のぞき込むとにこにこして黙る。その場を離れるとまた、背後から「パパパパパ…」と聞こえる。私を呼んでいるわけではないのかもしれないし、もしかすると、からかわれているのかもしれない。まぁ、彼の真意を知ることはないのだろう。
息子と2人で近所のスーパーに買い出しに出ているとき、ふと数年前、私も頭の中の血管が破裂してことばが話せなくなったことを思い出した。あの時の私は、今の息子よりもことばを話すことができなかった。ことばのない、とても静かな景色を見ていた。
何かを見つけて駆けていったと思ったら、ふと振り返った息子がクシャッと笑った。そして次の瞬間には地面を歩くアリを捕まえている。食べないでくれよ?
今となってはすっかり話せる私と、あまり話さない息子。2人の時間はとても静かである。どちらもあまり話さない。でもここにはことばがある。私には見えるのだ。(言語研究者)
日本はプーチンのロシアになるのか 《ひょうたんの眼》50
【コラム・高橋恵一】プーチンのロシアの理不尽なウクライナ侵攻を見て、日本の危機と防衛力の強化が叫ばれている。よくメディアに登場する「専門家」は、防衛省関係者・自衛隊幹部OB、あるいは旧大日本帝国の残影が残る関係者が大半だ。
「専門家」の解決策は、ロシアを押し返して、妥協できるところで停戦するシナリオだろうが、それまでにどれだけのウクライナ人が死ななければならないのだろう。ロシアの兵士は何万人死ぬのだろうか。世界の穀倉地帯の混乱で飢餓に陥る人々は16億人を超すとも予測されている。
プーチン大統領は、核兵器使用もいとわないという、無茶ぶりだ。NATO欧州加盟国は、防衛費をGDPの2%に増額するという。長期戦略として効果的かどうかも疑わしいが、少なくとも今のウクライナには間に合わない。
現在の日本の防衛予算は世界第8位。取りざたされているGDPの2%になれば、米国、中国に次いで、世界3番目の軍事費大国になる。
プーチンの侵略行為が、先の大戦のナチスドイツや大日本帝国軍の行動によく似ていることを考えれば、日本の防衛力強化は軍国日本の復活ともとられ、世界や日本国民が受け入れるとは思えない。世界は、そう見るのだ。
当然、中国もロシアも北朝鮮も、対抗して防衛力を強化する。それどころか、日本を警戒する意味で、韓国、台湾、フィリピンなどとの緊張も高めてしまうかもしれない。米国も、軍事産業部門以外からは、歓迎されないのではないか。
それにもかかわらず、憲法まで変え、日本の防衛力の抜本的強化を図る意味があるのだろうか。
不戦は日本の義務
ウクライナについては、「人命」と「人間の尊厳」保護を最優先して、現状で「停戦」するしかない。国連が、その役割を果たすしかない。
プーチンのロシアには、国際法も人道も通じない。先の大戦のナチドイツや大日本帝国の戦争と同じだ。だから、戦闘が予測される地域の外に市民を避難させ、現状で停戦する。どちらに不満があっても、これ以上の戦争継続は世界経済も地球環境も破滅するだけで、人類が滅びかねないからだ。
兵器は限りなく進化(?)高度化(?)するので、絶対的な攻撃力や絶対的な防衛などはありえない。中国で「矛盾」という言葉が生まれたのは何千年前なのだろう?
一方、大戦の反省から、日本人が苦難の末にやっと獲得した行動規範が、日本国憲法であり、その前文で「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、(その実現を果たすために)名誉ある地位を占めたい。全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免がれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と規定している。
不戦は日本の義務でもあるが、世界に履行を求める要求でもあるのだ。「核兵器禁止条約」はその第一歩であり、日本が締約国会議にオブザーバー参加もできなくて、どうするのだ。参院選で新しくなる国会議員は、どういう態度をとるのであろうか?(地図好きの土浦人)
