月曜日, 4月 6, 2026

これから大事な金融・投資教育 《地方創生を考える》25

【コラム・中尾隆友】近年、20~30代の若い世代を中心に、投資を学ぶ人々が増えている。その背景には、主に二つの経済情勢の変化がある。 一つは、いわゆる「老後資金2000万円問題」だ。金融庁が2019年に公表した報告書では、老後資金が年金だけでは2000万円足りないという内容がセンセーショナルに報道され、若い世代の危機意識が高まるきっかけとなった。 もう一つは、物価上昇だ。日本の物価上昇率は22年4月以降、2%を上回る状況が続いている。普通預金の金利がゼロに等しいことを考えると、預金の実質的な価値は物価上昇が進めば進むほど、目減りの度合いが大きくなっていく。 そういった情勢の変化があったせいか、20年3月の「コロナショック」と呼ばれる株価暴落時には、証券会社の新規口座開設者数が若い世代を中心に急激に増加し、その後も増加の一途をたどっている。 要するに、若い世代の多くは日本の脆弱(ぜいじゃく)な年金制度を信用していないため、個人個人が自己責任で資金を運用して、老後資金の不足分を補う必然性に迫られているのだ。 「資産所得倍増プラン」の問題点 その流れの中で、政府は『資産所得倍増プラン』を掲げた。金融庁はこの計画を実現させるために、少額投資非課税制度(NISA)の拡充を進めるとともに、国家戦略として金融教育の普及を目指すという。 しかし、このプランには最も大事な視点が欠けている。日本で圧倒的に足りないのは、ITやAI関連のスキルを持った人材だけではないからだ。本当の意味で、金融関連のスキルを持った人材(金融教育を担う人材)がはるかに足りていないのだ。 今年に入って、地方の金融機関で問題となっているのは「投資関連でプロと呼べる人材がいない」ということだ。外国債券の含み損に苦しむ金融機関が少なくなく、巨額の含み損から、公的資金注入の申請を検討するところも出てきているほどだ。 正直なところ、金融知識に関する資格を取るために学ぶ内容では、金融や投資の世界で通用しないことが多い。金融庁は金融教育の大部分を民間の金融機関に担わせようとしているが、それでよいのか、大いに疑問を感じる。 大学や高校に「金融学科」を 私は、大学はもちろんのこと、高校などでも金融学科があって然るべきだと考えている。 実は、金融や投資に関するスキルは、起業して成功するためにも、会社を経営するためにも、必要不可欠な要素だ。先見性を鍛えるトレーニングになるのに加えて、情勢に応じて柔軟に対応できる能力が磨かれるからだ。 そういった意味では、地方のリーダーを育てるためにも、茨城県の大学や高校でそういった取り組みが出てくることを期待したい。(経営アドバイザー)

都市計画変更手続き始まる 旧総合運動公園用地と吾妻70街区 つくば市

つくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、45.8ヘクタール)と、つくば駅前、吾妻70(通称、ななまる)街区の国家公務員宿舎跡地(同市吾妻、6.4ヘクタール)について、いずれも11日から、都市計画変更に向けた縦覧手続きが始まった。2カ所とも来年4月中旬の都市計画変更を目指している。 旧総合運動公園用地は、つくば市土地開発公社が外資系物流不動産会社グッドマンジャパンつくば特定目的会社に一括売却し(8月30日付)、データセンターや物流拠点が建設される計画。吾妻70街区は土地所有者の財務省と市が、イノベーション拠点と中高層住宅などのスマート街区を誘導する計画だ。 変更案によると、旧総合運動公園用地は用途地域を現在の第2種住居地域から、倉庫などが建設できる準工業地域に変更する。さらに第2種文教地区の指定をはずし、新たに地区計画を策定する。地区計画に定める建物の壁面後退位置は、外周道路または敷地境界から20メートル後退させ、その他の道路または隣地から2メートル後退させる。緑化率は最低10%とし、街区外周に10メートルの緑地帯を設けるなど。 縦覧に先だって9月27日と10月2日に市役所で説明会が開かれ、参加者から「9割がデータセンターと物流拠点になる。市民からはもっと多様な意見があった。本当に地域振興や市民の利益になるのか疑問が残る」などの意見が出た。 予定地は長年手つかずのまま、現在樹木が生い茂る森林になっている。事業者による希少な動植物調査について市公有地利活用推進課は、プロポーザルの実施要領では、敷地内の野生動植物に配慮することとなっているとし、さらに契約書では、止むを得ない場合を除き、来年4月末までに都市計画変更が完了しないことが確実になった場合、事業者に契約解除権があると定められているとした。 イノベーション拠点とスマート街区を誘導 一方、吾妻70街区は、研究機関、スタートアップ企業、ベンチャー企業、その他の業務施設などを誘導するイノベーション拠点地区と、中高層住宅と生活利便性施設を整備し最先端技術を街区単位で実現するスマート街区の二つの街区を誘導する。 変更案の用途地域は、現在の第1種中高層住居専用地域から、事務所やホテル、病院、床面積50平方メートル以下の作業所などを建設できる第2種住居地域に変更する。さらに地区計画を策定して、スマート街区の中高層住宅は高さ制限を45メートル(15階建てマンション相当)とし、壁面後退位置は学園中央通りから5メートル後退、道路から2メートル、隣地から1.5メートル後退させる。緑化率は15%とし街区外周に緑地等を設置するーなど。 学園地区市街地振興課はイノベーション拠点地区について、大学や研究機関のサテライトオフィスや交流スペースなどを想定しているとした。敷地内には元保育所用地(現在は駐車場)や公園、遊歩道など市有地が0.99ヘクタールある。そのうち元保育所用地0.29ヘクタールは今後活用を検討し、公園と遊歩道は市有地のままとするとしている。 70街区について、財務省関東財務局と市は昨年、民間事業者の意向調査(サウンディング型市場調査)を実施し、今年3月、二段階一般競争入札で売却を行うと発表している(3月22日)。市は70街区をスーパーシティの拠点の一つにする計画を国に提案している(8月4日付)。一方、売却スケジュールは現時点で未定という。(鈴木宏子) ◆都市計画変更に向けたスケジュールは2カ所とも、用途地域の変更案などの縦覧は11日から11月11日まで閲覧することができ、変更案に対する意見を述べる公聴会の公述申し出を25日まで受け付ける。公聴会は11月11日に開催される。一方、地区計画については11日から10月25日まで縦覧できる。地区計画に対する意見書を出すことができるのは地権者などのみ。変更案はいずれも市ホームページと市役所3階の都市計画課で縦覧できる。

「消費生活アドバイザー」に慣れません 《ハチドリ暮らし》18

【コラム・山口京子】消費者の1人として、日々、何かを購入して生活をしているわけですが、消費者という言葉がストンと落ちないというか、違和感を覚えながら、消費者という言葉を使っています。消費生活アドバイザーの資格を取りましたが、なかなか資格名に慣れません。 この社会に生まれると、物心つかないうちから消費者として登場させられます。子どもの関心を引く商品やサービスの開発が止めどない光景を見ていると、正直、怖くなります。人はどこに向かうのかしらと。 自分は消費者の1人であるけれど、同時に働く人であり、働くことを通じてお金を得て、そのお金を使って消費活動をしている。でも、働く場を失ったら、お金の源泉を失ったら、人はどうやって生きていくのかしら…。60歳を過ぎたあたりから、そんなことを思うようになりました。 自分が子どものころ、農村に生まれたためか、畑と田んぼを耕して、家族の食べる分くらいはつくっていました。また市場(いちば)出しもしていた記憶があります。すでに現金がないと生活はできませんでしたが、今ほどに何でもお金で買う生活ではありませんでした。 1950年ごろ、第1次産業従事者は50%ぐらいはいたのではないでしょうか。わが家の祖父母は専業農家でした。父はトラック運転者になり、農業は三ちゃん農業(じいちゃん・ばあちゃん・かあちゃん)。祖父母が働けなくなると、田んぼは他人に頼むようになっていきました。 「相続土地国庫帰属法」という制度 高度経済成長期は、日本農業の衰退期と重なっているように思えます。経済成長と第1次産業の充実は両立できなかったのでしょうか。広がり続ける耕作放棄地は、他人事ではありません。頼んで耕作してもらっている田んぼを返されたら、私は途方に暮れるばかりです。 農村の閉鎖的で男尊女卑的な環境を嫌って、東京に出てきました。今は茨城に住んでいますが、実家をどうするのか頭が痛い問題です。来年4月、「相続土地国庫帰属法」が施行されます。相続人が相続により望まずに取得した土地を国が引き取る制度です。国にお金を払って引き取ってもらうもので、土地の条件などがこれからはっきりしていくのでしょう。 その制度を利用するか、だれかが有効活用してくれることを願って呼びかけてみるのか。本当なら、自分の食べる分くらいは作る生活が望ましいのだろうとは思うのですが…。庭の一角を耕して畑にしています。大根と白菜の苗を植え替えました。人参の苗も育っています。(消費生活アドバイザー)

みんなのわが家に つくばFCがサッカーグラウンドお披露目

サッカークラブ、つくばFC(石川慎之助理事長)のホームグラウンド、つくばFC万博グラウンド(つくば市水堀)が約4カ月の改修期間を終え、10日にお披露目された。 新しいグラウンドは、ひざや腰の負担が少ないロングパイル人工芝を敷設したフルサイズのサッカーグラウンド1面と、ウォーミングアップ用のサブグラウンド、クラブハウスから成る。メーングラウンドはLEDの夜間照明付き。クラブハウスには公式戦開催にも対応できる個室シャワーや、食堂、屋内でのスポーツプログラムもできる軽運動室なども併設されている。 保護者は、子どもたちの練習を見守りながら、食事を楽しんだり、ダンスやヨガで汗を流したりし、子どもは送迎を待ちながら宿題や勉強もできるという。 万博グラウンドはつくばFC最初のホームグラウンドで、2006年に完成した。水堀地区の人々の協力を得て、選手や子どもたち、保護者らも参加し、みんなの手で作り上げた。16年を経て、クラブはJリーガーを輩出するまでに成長したが、グラウンドは日々の練習で消耗し、改修が必要な状態にまで追い込まれていた。 改修プロジェクトは、「グラウンドのあるわが家を作ろう」を合言葉に、4月下旬からスタートした。工事と並行してクラウドファンディングも行われ、9月末のプロジェクト終了時には、1027万3884円の協賛金が集まった。スタッフや選手総出のつくば駅前でのチラシ配りなど、地道な活動が実りをもたらしたという。 クラブハウスの内壁や、防球ネットの支柱などは、選手やスクール生、アカデミー生らがみんなで塗装した。つくばFCのチームカラーである白・青・赤の塗料を使い、多少塗りむらはあっても、自分たちで作ったという愛着の持てる仕上がりとなっている。 つくばFCは1976年に筑波大学蹴球部OBが中心となって発足し、「全ての人が素晴らしい環境でスポーツを楽しめるようにすること」を理念に、幼稚園生から社会人まで、誰もがいつでも帰って来られるクラブの運営を実践してきた。 石川理事長は新しい万博グラウンドについて「サッカーを楽しんで、学んで、成長していく子どもたち、それを見守るお父さんやお母さん、夢と笑顔があふれ、みんなが集う、わが家のようなグラウンドをイメージしている」とし「わが家とは、いつでも帰れて落ち着ける場所であり、ときに叱られながら、立ち直り、また次に向かってチャレンジする場所。新しい万博グラウンドを皆さんにとってのわが家にしたい。気軽に足を運んでいただいて、一緒にクラブづくりをし、叱咤激励もしていただければ」と話す。(池田充雄)

令和版「かがい」を演出 20日、筑波山神社で百人きもの

筑波山に着物で集うイベント「百人きもの」(筑波山華やぎプロジェクト実行委員会主催)が20日、筑波山神社をメーン会場に催される。4回目となる今年は「KAGAI(かがい)~雅」をテーマに、古代、求愛のため筑波山に男女が集まって歌の掛け合いをしたり踊ったとされる風習「嬥歌(かがい)」の令和版を演出する。13日まで参加申し込みを受け付けている。 オープニングでは、飛鳥時代の歌人、額田王(ぬかたのおおきみ)がよみがえると銘打ち、オリジナルの歌曲「万葉集」を筑波山神社本殿前で披露する。つくば市出身の若手作曲家、門田和峻さんが「万葉集」に曲をつけ、ソプラノ歌手の大森彩加さんが歌う。さらに同市在住の万葉集研究家、布浦万代(ふうら・まよ)さんの講演もある。 嬥歌は歌垣(うたがき)とも言われ、奈良時代に編さんされた常陸国風土記や万葉集に記されている。令和版として催される「かがい」は、男女間の出会いばかりでなく、多様な人間の出会いを演出する。万葉ラブレター、公開プロポーズなど、現代版の求婚イベントも行われる。筑波山神社での挙式料が1組にプレゼントされる公開プロポーズの出場者はWEBで募集中だ。着物のベストドレッサー表彰も行われる。 山麓の神郡(かんごおり)地区には養蚕をまつる蚕影山(こかげさん)神社があり、インドからやってきたお姫様が蚕(かいこ)になるという「金色姫(こんじきひめ)伝説」が伝わっている。今回のイベントではさらに、蚕影山神社宮司が伝説の秘話を語り、絵本作家小林由李さんが金色姫伝説を模したペイントの即興ライブを行う。これを受け「金色姫物語—ダンスによる再創造」と題し、筑波大学と同大学院生7人による創作ダンスが披露される。 同プロジェクトは、旅館、筑波山江戸屋女将の吉岡鞠子さんを代表に5人の女性で2018年にスタートした。今年までに若いメンバーが増え9人の実行委員体制になった。 今年のイベントは、ポストコロナにおける新たな観光スタイルを応援する、いばらき観光キャンペーン推進協議会の新観光プロジェクト応援事業に採択されている。 実行委員の浅野弘美さんは「いばらき観光キャンペーン推進協議会は茨城デスティネーションキャンペーン(茨城DC)に力を入れている。茨城DC事業は来年が本番。今年なんとか成功させて、来年につなぎたい。筑波山に観光客がたくさん戻り、宿泊者が増えることが成功だと思っている」と語っている。(榎田智司) ◆百人きもの KAGAI~雅~ in 2022 10月20日(木)正午~午後6時、メーン会場の筑波山神社とサテライト会場の筑波山江戸屋で開催。ドレスコートは着物。定員200人。参加費4000円(税込み、事前振込)。申し込みは13日まで同実行委員会ホームページへ。

なでしこ2部残留決定 つくばFCレディース

プレナスなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)2部のつくばFCレディースは9日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムでリーグ最終戦を行い、福岡J・アンクラスと0-0で引き分けた。今季の最終成績は2勝8分8敗、10チーム中8位でなでしこ2部残留が決まった。 プレナスなでしこリーグ2部・第18節(10月9日、セキショウチャレンジスタジアム)つくばFCレディース 0-0 福岡J・アンクラス前半 0-0後半 0-0 前節終了時点でつくばのリーグ順位は9位。10位の岡山湯郷ベルに勝ち点1差を付け、8位のヴィアティン三重レディースには得失点差で下回る。今節はこの3チームに最下位の可能性が残っていた。最下位になれば2部入れ替え戦に出場しなければならず、その結果によってはリーグ陥落もあり得る。 何としても勝って残留を決めたいつくばは今節、2トップに石田永愛と小西由利恵を置いた3-5-2のフォーメーションを選択、試合開始から積極的に攻めかかる。前半5分には石田がドリブルからのシュート、9分にはトップ下の小林和音が自ら持ち込んでのシュートを放つ。サイドでは右の岸川りな、左の藤井志保による突破も脅威となっていた。 だが前半20分ごろから相手DFの対応が進み、2トップへボールが入らなくなる。試合はだんだんと膠着(こうちゃく)状態に陥ってきた。相手の攻撃に対しては複数の選手が連動してよく守っていたが、そこから自らの攻撃へ転じたときに躍動感が生まれてこない。ロングボールやサイドチェンジもほとんどが相手に読まれた。 後半は両チームとも次の手を打ってきた。福岡はFWを2人とも入れ替え、つくばはアンカーの沖土井咲希をトップ下へ上げた。沖土井は「自分はもともと前線の人間で、ゴール前で良さが出せる。1.5列目で前を向いてスルーパスを出したり、自らフィニッシュするなど、得点の機会を増やすことが求められた」と狙いを話す。 相手の選手交代に対しては、守備陣の対応がうまくいった。「前半は足が速い選手だったので、相手との距離感を大事にし、後半は初めての相手だったので、どんな感じの選手か模索しながら守った。DF3人で声を掛け合い、久々にゼロで押さえきれたのがうれしい」と、センターバックの渋谷巴菜。 タイムアップが見えてくると、橋野威監督は他会場の試合経過も考慮し、現実的な方向へかじを切り始めた。交代は疲れの見えた選手を入れ替えるのみで、チームのバランスを崩したり、無理に攻めて相手に隙を見せたりはしないという選択だ。結果として順位を一つ上げることにも成功した。 積み残した課題は、来季改めて取り組むしかない。沖土井は「シーズンを通して、チーム全員が同じイメージを描いてプレーすることができなかった。技術の問題もあるし、シュートの質ももっと求めなくては。来季は昇格争いができるよう、攻守とも強度を高めていきたい」、渋谷は「残留でハラハラさせてファンの皆さんには申し訳ない。いらない失点はせず、勝てる試合はちゃんと勝ちきり、自分たちらしい攻撃的で見ていて面白いサッカーがしたい」と抱負を語った。

安倍さんの国葬、「感動」の弔辞だったのか《邑から日本を見る》121

【コラム・先﨑千尋】「賛否交錯の中 安倍氏国葬。分断の責任、岸田首相に」。これは、安倍さんの国葬儀の翌日の「東京新聞」1面の見出しだ。 同じ紙面に、豊田洋一・論説主幹が「国葬とは国家として故人を葬送する儀式である。国家とは、領土や居住する国民、政治権力で構成され、国家意思を決定するのは主権の存する国民だ。国民が同意しない国葬はありえない。(中略)報道各社の世論調査によると、この国葬には半数以上が反対する。故人を静かに悼むはずが、首相の浅慮により、国民を分断し、儀式から静謐(せいひつ)を奪った。その責任は首相にある」と、厳しく岸田首相を糾弾する。 自民党の二階俊博元幹事長は「黙って手を合わせて見送ってあげたらいい。議論があっても控えるべきだ」と語っていたが、その後もメディアは黙ることなく、国葬の是非について多くの識者の声を載せている。 その1人、評論家の佐高信さんは毎日新聞の記者と国葬当日に現場を歩き、ルポしている。「閣議決定だけで何でもやろうと思ったら、戦争だってできるんです。国葬、誰が喜んでいるか。いうまでもなくそれは統一教会です。「死」は私事の最たるものであり、その私事を『公』に利用するのが国家だ。『公』が『私』のもとに無制限に入り込み、公私の区別がつかなくなる。国は異論を封じる道具に使われる」(9月30日「毎日新聞」夕刊)。至極まともな考えだと思う。 G7首脳は誰一人来なかった 国葬で菅前首相が読んだ「絶賛弔辞」も話題を集めている。立場の違う会葬者の心をつかみ、静かな拍手が広がったという。しかし、この弔辞にはウラがある。ニュースサイト「リテラ」は「菅義偉が国葬弔辞で美談に仕立てた『山縣有朋の歌』は使いまわしだった。当の安倍晋三がJR東海葛西敬之会長の追悼で使ったネタを」(10月1日配信)と報じている。 それによると、菅さんは弔辞の最後に「かたりあひて 尽しし人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」という山縣有朋の歌を引用した。朝鮮の民族主義活動家・安重根に暗殺された伊藤博文をしのんで、山縣が詠んだ歌だ。伊藤と山縣の関係を、自分と安倍との関係になぞらえたのだろうが、この歌は、安倍さんが6月、盟友の葛西会長の葬儀の弔辞の最後に入れたものとネタバレしてしまった。 では、その山縣有朋とはどのような人だったのか。明治政府の軍事拡大路線を指揮した日本軍閥の祖。治安警察法などの国民弾圧体制を確立し、教育勅語を作らせた。安倍さんが最後に読んだという『山県有朋』(岩波新書)の著者岡義武氏は、山縣を「閥族・官僚の総本山、軍国主義の権化、侵略主義の張本人」と見ている。 戦前の軍国主義に引き戻そうとした安倍さん。抵抗する官僚を干し上げてきた菅さん。2人の体質は似ているようだが、税金を使った国葬の弔辞で、軍国主義の権化のような人間の歌を、美談仕立てに紹介するというのはいかがなものか。 そういえば、国葬の前後に弔問外交を、と岸田首相は言っていたが、G7の首脳は誰一人来なかった。挨拶程度の弔問外交で、どのような成果があったのかも伝えられていない。統一教会の問題はさらに広がりを見せ、岸田さんは「運の尽き」か?(元瓜連町長)

テーマは「肉とダンス」 22日に土浦・新治地区こまちまつり

3年ぶりとなる土浦市新治商工会(矢口清会長)地区の「こまちまつり」が22日、同市大畑の新治ショッピングセンター「さん・あぴお」の駐車場を会場に開かれる。主催はまつり実行委員会、運営企画は商工会青年部(小林哲也部長)。テーマは「肉とダンス」というユニークな取り合わせになった。 地域ブランドの飯村牛の地元であることから、「肉」に関する出店はにぎやか。テントに9店舗、キッチンカーに3店舗がそろう。串肉、ハンバーガー、ステーキ、カレー、肉巻きおにぎり、もつ煮、焼きそばなど、牛から豚、鶏と何種類ものお肉が様々な形態で堪能できるそう。 かたや「肉体派」のダンスフェスは初開催。土浦市のレンタルスタジオ「STUDIO LinK」、ダンススタジオ「BLAZE」、つくば市のフラダンス教室「Hula O Moana(フラオモア)」などで活動するグループが集結。ストリートダンスやヒップホップ、フラなど子供から大人まで、自慢のパフォーマンスを披露する。 「こまちまつり」は2006年、土浦市と合併した旧新治村に、地域の祭りがなくなってしまったことから、当時の青年部長、塚崎雅之さん(現在、雅電設社長)の提唱で始まった。地区の伝承である平安の歌人、小野小町をモチーフに、若い人のエネルギーを結集した。以来新しい伝統を積み重ねてきたが、コロナ禍で2年間中断を余儀なくされた。ようやくこの秋、15回目の開催、復活を宣言することになる。 今回は、地域のお囃子、シルバニアファミリーによるキャラクターショー、物まねタレントのショーなども予定されている。毎回人気イベントの「もちまき」も行われ、最後を締める。 青年部長の小林哲也さん(36)は「この3年間、お祭りのない時代が続いた。青年部としては地域をなんとか盛り上げたいと毎年アイデアを練っていたので、開催は大変うれしい」という。新型コロナの感染予防対策に協力しての参加を呼び掛けている。 ◆第15回こまちまつり 22日(土)午前10時から午後4時まで、土浦市大畑、新治ショッピングセンター「さん・あぴお」駐車場。雨天中止、少雨決行。連絡先:電話029-862-2325(土浦市新治商工会事務局)

土浦の花火から消える「風物詩」 《吾妻カガミ》143

【コラム・坂本栄】11月5日、桜川畔の「土浦の花火」大会が3年ぶりに開かれることになりました。コロナ禍がまだ残っていることもあり、実行委員長の安藤土浦市長はどうするか迷ったようですが、知恵を絞ったコロナ対策を立て、開催を決めました。そのメニューを聞くと、緊張感が伝わってきます。 河川敷の席取りがなくなる 人が密になるのを避けるため桟敷席の密度を減らすとか、観覧区画の入口で体温を計るとか、おしゃべりを減らすため飲酒はできるだけ控えてもらうとか、いろいろな手を組み合わせるそうです。具体的な対策は、記事「3年ぶり 11月5日開催決定 土浦全国花火競技大会」(9月5日掲載)をご覧ください。 記事には載っていませんが、花火の「風物詩」がいくつか消えるのは残念です。その一つは、有料桟敷席手前の河川敷に向かい、できるだけよい場所を押さえようと、陣取りに走る光景がなくなることです。これまで、パワフルな場所取りの話を聞くと、花火が近づいたことを感じたものですが…。 早い者勝ちだった河川敷の一画は、今年は有料の椅子席になります。密をつくらないようにする対策ですが、椅子席新設で収入を増やす狙いもあるようです。市も考えるものです。 市の大会補助は以前と同じ 土浦市花火対策室長の菊田雄彦さんによると、今年の大会予算は2億2000万円(収入は有料席販売が中心)。市財政からの補助は8500万円、警備要員(警察官と市職員は除く)は450人と、いずれも従来とほぼ同じということ。運営方法はいろいろ変えても、補助金と警備体制は維持されます。 無くなる「風物詩」のもう一つは、桟敷席券の販売風景が消えたことです。以前は、販売日の早朝、霞ケ浦総合公園内の体育館入口に設けられた販売所には、長蛇の列ができました。私は散歩を兼ねてその列を見に行き、桟敷席への思いを聞くのが楽しみでした。これも密を避けるという理由で、今はやりのネット販売に切り替わりました。 土手の露店は2割減の800? 無くなりはしないものの、抑えられる「風物詩」もあります。催事を盛り上げる露店です。花火の帰り、値引きされた焼きソバや焼き鳥を買うのは楽しいものですが、これも密を減らすために、従来の約1000店から約800店になる可能性もあります。 菊田室長によると、土浦橋から桟敷席に向かう土手は露店ゼロになるそうです。桜の古木が連なるアクセス路のお祭りムードは抑えられます。打上げ区画前の桟敷席に向かうとき、気分を高めてくれる露店チェックができなくなるのは残念です。 コロナ禍はいろいろなことを変えました。仕事もパソコンを使い遠隔でやるのが当たり前になりました。花火大会の運営も変わり、「風物詩」が無くなるのは仕方ありません。災い転じて福となす。コロナ禍によって花火大会も洗練された形になります。(経済ジャーナリスト) <参考>花火大会の安全対策については、コラム116「また中止された土浦の花火を考える」(2021年9月20日)で、打上げ場所の話などを取り上げました。

つくばの公共空間の在り方を問う 芸術系学生ら企画のパフォーマンスアート展

筑波大学で芸術を学ぶ学生らが企画し主催するパフォーマンスアート展「わたしより大きなりんかくがみえる」が8日開幕した。公共空間と芸術の関係について考える-を目的にしている。大学の卒業生ら現代美術の若手アーティスト5人がセンター広場や駅周辺のペデストリアンデッキなどに、つくばをテーマにした作品を上演、展示している。会期は10日まで。 10日までセンター地区で 筑波大学の卒業生で都内在住のアーティスト、速水一樹さんは、チョークの粉でまっすぐなラインを引く工具画線器を用い、ノバホール前のつくばセンター広場に蛍光グリーンの直線を引くパフォーマンスを行った。速水さんによると、つくば市は厳格な都市計画のもとに作られ道路が升目状になっているが、景観を変えるためところどころ斜め45度に敷かれた道があり、そのために交通事故が多かったり、道に迷ったりすることがあるという。 パフォーマンスでは、ある意味つくばの「弊害」ともいえる部分に焦点を当て、ペデストリアンデッキの軸に対し、45度の線を引き続けるという計画を試みた。「設計者の意図と実際に人が住み、街が使われてきて出てきた状況にギャップがある。計画は100パーセントうまくいくものではないということ。生活の中で偶発的に起こる事象に興味がある」と話す。 都内在住のアーティスト加藤真史さんは、つくば市内周辺を歩いて見た自然や建物の様子を色鉛筆で描いた絵画と過去作品のコラージュをセンタービル1階co-en(コーエン)イベントスペースに展示した。加藤さんは「郊外」のモチーフを歩いて採取し、色鉛筆で描く手法で制作している。「一歩一歩歩くことと、鉛筆で描くことは痕跡を残す意味で共通する行為。つくばは60年代、70年代にあったそれまでの土地を都市開発で作り替えたいわゆる『古いニュータウン』。様々な建築様式を模したシミュラークル(模倣)な空間を自然が覆いつくし始めていて、自然が建築を食っているところがある」。加藤さんの作品は16日まで展示される。 行政の「待った」に切り返す 光岡幸一さんも同じく都内在住のアーティスト。スマートフォンアプリを使ったAR(拡張現実) 技術を用いて、つくばセンター広場のくぼ地に言葉を浮かべるアートを展示している。当初、高所作業車から手書きの言葉を書いた布を垂らして出現させるパフォーマンスの計画していた。しかし、垂れ幕と手書きの文字が政治的な活動を想起させるとして行政側からの許可が下りず断念。筑波大学の学生と協力し、AR技術を用いての新しい表現を模索し、今回の展示に至った。 公共の場でありながら自由に使うことができないということについて、「トップダウン型で都市開発されたつくば市で公共のもつれが起こっている。(センタービルは)磯崎新さんの建築で核となる場所。ここでの活動が行政にとっては政治的デモ活動に見えるということが、開発都市の緊張を可視化させているとも言える」と解釈する。今回の展示では制約がありながらも技術で切り抜け、新しい挑戦ができたという。 栃木県宇都宮市から訪れたという飯田公一さん(56)は「(参加アーティストの一人である)トモトシさんのファンでこのイベントを知り見にきた。普通は美術館などを借りて展示を行うが、このイベントは街全体が展示会場になっていておもしろい。地方と芸術のかかわりも最近注目されており、(このようなイベントは)県外の人の方が気になっているのでは」と話した。 パフォーマンスアート展は学生らの企画団体「HAM(平砂アートムーヴメント)」が主催。発足は2019年。現代美術を実践する場所としてのつくばを発見し、活用することを目的としているという。現在は卒業生2人を含む11人が活動している。 団体代表で筑波大学大学院の阿部七海さん(博士前期課程2年)は、「スケートボード禁止」という看板がペデストリアンデッキのいたるところにあることに着目し、禁止を作り出している構造について考えたいという思いから同展を企画したと話す。参加アーティストは阿部さんが依頼し集まった。「秋のつくばは天候もよいので、特徴的なペデストリアンデッキを歩いてアートを鑑賞し、自分の街について考える時間にしてほしい」と呼びかけた。(田中めぐみ) ◆「わたしより大きなりんかくがみえる」展 9日、10日は正午から午後5時まで。つくばセンター広場(つくば市吾妻)2階のインフォメーションセンターで会場マップを配布している。詳しくは「HAM(平砂アートムーヴメント)」ホームページ

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