プレナスなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)2部のつくばFCレディースは9日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムでリーグ最終戦を行い、福岡J・アンクラスと0-0で引き分けた。今季の最終成績は2勝8分8敗、10チーム中8位でなでしこ2部残留が決まった。
プレナスなでしこリーグ2部・第18節(10月9日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 0-0 福岡J・アンクラス
前半 0-0
後半 0-0
前節終了時点でつくばのリーグ順位は9位。10位の岡山湯郷ベルに勝ち点1差を付け、8位のヴィアティン三重レディースには得失点差で下回る。今節はこの3チームに最下位の可能性が残っていた。最下位になれば2部入れ替え戦に出場しなければならず、その結果によってはリーグ陥落もあり得る。
何としても勝って残留を決めたいつくばは今節、2トップに石田永愛と小西由利恵を置いた3-5-2のフォーメーションを選択、試合開始から積極的に攻めかかる。前半5分には石田がドリブルからのシュート、9分にはトップ下の小林和音が自ら持ち込んでのシュートを放つ。サイドでは右の岸川りな、左の藤井志保による突破も脅威となっていた。
だが前半20分ごろから相手DFの対応が進み、2トップへボールが入らなくなる。試合はだんだんと膠着(こうちゃく)状態に陥ってきた。相手の攻撃に対しては複数の選手が連動してよく守っていたが、そこから自らの攻撃へ転じたときに躍動感が生まれてこない。ロングボールやサイドチェンジもほとんどが相手に読まれた。

後半は両チームとも次の手を打ってきた。福岡はFWを2人とも入れ替え、つくばはアンカーの沖土井咲希をトップ下へ上げた。沖土井は「自分はもともと前線の人間で、ゴール前で良さが出せる。1.5列目で前を向いてスルーパスを出したり、自らフィニッシュするなど、得点の機会を増やすことが求められた」と狙いを話す。
相手の選手交代に対しては、守備陣の対応がうまくいった。「前半は足が速い選手だったので、相手との距離感を大事にし、後半は初めての相手だったので、どんな感じの選手か模索しながら守った。DF3人で声を掛け合い、久々にゼロで押さえきれたのがうれしい」と、センターバックの渋谷巴菜。

タイムアップが見えてくると、橋野威監督は他会場の試合経過も考慮し、現実的な方向へかじを切り始めた。交代は疲れの見えた選手を入れ替えるのみで、チームのバランスを崩したり、無理に攻めて相手に隙を見せたりはしないという選択だ。結果として順位を一つ上げることにも成功した。
積み残した課題は、来季改めて取り組むしかない。沖土井は「シーズンを通して、チーム全員が同じイメージを描いてプレーすることができなかった。技術の問題もあるし、シュートの質ももっと求めなくては。来季は昇格争いができるよう、攻守とも強度を高めていきたい」、渋谷は「残留でハラハラさせてファンの皆さんには申し訳ない。いらない失点はせず、勝てる試合はちゃんと勝ちきり、自分たちらしい攻撃的で見ていて面白いサッカーがしたい」と抱負を語った。
